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兵庫県の一般廃棄物処理(平成11年度)(平成14年3月作成)

1.一般廃棄物処理の現況

概要

(1) ごみ処理の現況
 全体的なごみ処理の状況は下図のとおりである。

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①総排出量
 県下では約2,647千t排出されており、1人1日当たりの排出量は、約1,313g(うち計画収集ごみ約1,152g)となっており、前年度より約 23g減少している。前年度と比較すると、計画収集量は増加したものの直接搬入量が減少したため、排出量全体が減少し、1人当たりの排出量が減少してい る。(図-8)

 

②処理状況
ア 収集運搬

 総排出量の収集運搬等の内訳は、図-2のとおりである。

(ア) 計画収集

 市町直営、委託業者、許可業者により収集運搬するごみは、約2,322千tであり、その種別毎の内訳は、図-3のとおりである。

 

(イ) 直接搬入 排出者自らが処理施設に直接搬入するごみであり、地域により一様ではないが、引っ越しごみのように一時に大量に発生するごみや、スーパー等事業活動から生じたごみである。
また、処理施設に直接搬入されるものには、一般廃棄物以外に産業廃棄物があり、これが、約30千t(内約9千tは焼却処理)で、全直接搬入量の約8%を占めている。

イ 処分
 処分の基本フローは、図-3のとおりであり、総排出量の処分内訳は、図-5のとおりである。

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図-4  ごみ処理基本フロー 図-5  処分内訳

(ア) 焼却処理 焼却処理量は、可燃ごみが主であり、前年度より74千t増加し、約2,112千tで、その内訳は表-1のとおりである。
なお、この他に産業廃棄物を約9千t焼却しており、焼却灰は、全体で約301千t発生している。

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(イ) 資源化
 収集された廃棄物からの資源化は、最終処分場の延命化、資源の有効利用等の観点から全市町(22市66町)が何らかの形で実施しており、132,203tの資源化が行われている。
なお、ごみ全体では、約5.0%(前年度4.9%)しか資源化されていないが、可燃ごみを除けば、約25%(前年度15%)が資源化され、その内訳は、表-2のとおりである。

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表-2  資源化量の内訳  (単位:t/年)

 

(ウ) 最終処分 ごみの最終処分量は、約388千tで、これに焼却残灰等約301千t(内約0.4千tは産廃分)及び産業廃棄物約21千tを加え、残渣資源化量約21千t を減じると、市町が取扱った最終処分量は、約689千tとなり、その内訳は、図-6のとおりである。

 

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③その他の状況
  一般廃棄物の中には、事業場から排出される事業系一般廃棄物もあり県内では総排出量2,647千tの内推定で約986千t(約37.2%)を占めている。 また、排出量にはカウントされないが、自治会、婦人会、子供会等が実施している古紙、缶等の集団回収がある。平成11年度の集団回収量は約154千t(前 年度142千t)であった。
 (集団回収量+処理に伴う資源化量)/(集団回収量+排出量)で示されるリサイクル率は11年度11.0%と10年度(9.9%)より、かなり上昇しているが、全国平均(13.1%)を下回っている。
 こうした中でも、千種町(61.8%)、宍粟郡一宮町(61.5%)等では高い数値を示している。
 1人1日当り排出量は、県下平均で1,313gであるが、市島町(346g)、加美町(374g)では、低い値を示している。反面、神戸市、城崎町等では事業系一般物の影響や、観光地という特殊性から約2kgと高い数値となっている。

 

④参考
 ア ごみ処理状況の推移(図-7)
 イ 1人1日平均ごみ排出量の推移(図-8)

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図-7 ごみ処理状況の推移

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図-8 1人1日平均排出量の推移

(2) し尿処理の状況
 全体的なし尿処理の状況は下図のとおりである。

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①排出の状況 計画収集として、し尿の形態で排出されるものが約531千t、下水・浄化槽等での処理もし尿に換算すると、県下で年間約4,470千tの排出量となる。1人1日に換算すると約2.2lであり、毎年ほぼ同量である。 排出形態は、汲み取り便所と水洗便所に大別されるが、年々水洗化率は増加しており、平成11年度では87.9%となっている。また、生活排水対策の指標ともなる雑排水処理率も年々上昇しており、平成11年度では80.9%となっている。

 

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②処理の状況 市町等が計画的に収集するものは、汲み取り便所からのし尿と浄化槽から発生する汚泥である。

これらは、下水投入、し尿処理施設、海洋投入、農村還元により処分されている。

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2.処理施設の整備状況

(1) ごみ処理施設(表-3ごみ処理施設は、着工ベースで57施設、全体処理能力は、1日当たり10,816tであるが、稼働中の施設が52施設あり処理能は1日当たり9,630tである。(豊中市、伊丹市クリーンランド分870t含む。)処理施設の実処理能力は、11年度の処理実績6,177t/日に比べ、約1.6倍となっているが、これは、老朽化による能力低下、ごみの季節変動、オーバーホール等への対応、将来のごみ量の増加を考慮に入れていることによる。

 

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(2) 粗大ごみ処理施設、不燃ごみ処理施設(表-4)
    ごみ粗大ごみ処理施設等は、休止中、建設中の施設がなく、26施設が稼働しており、全体処理能力は

   1日当たり1,575tである。

 

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(3) 廃棄物再生利用施設、廃棄物資源化施設(表-5)
     廃棄物再生利用施設等は、着工ベースで36施設、全体処理能力は1日当たり336.22tであるが

    このうち、建設中が2施設あるため稼働中の34施設の   処理能力は、1日当たり132.61tである。

 

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(4) 最終処分場

① 市町村設置の最終処分場(表-6-1)
 市町村設置の最終処分場は、52施設あり、11年度末の残余容量は、13,852千m3となっている。残余量を11年度の埋立実績757千m3で予測すれば今後18年間ほどの容量となる。
 しかしながら、市町間には大きなばらつきがあり、中には、既に処分場が満杯となり、新たな処分場の確保が急がれるところもある。
② 大阪湾フェニックス事業(表-6-2)
 大阪湾広域臨海環境整備センターのフェニックス事業では、これまで稼働していた尼崎沖処分場が終了し、平成13年12月から新たに神戸沖処分場が受入を開始する。

 

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図-10  県下の一般廃棄物最終処分場

(5) し尿処理施設(表-7)
     し尿処理施設は38施設で、全体処理能力は1日当たり3,696klであるが、このうち休止が1施設あるため

    稼働中の37施設   の処理能力は1日当たり3,621klである。
     これは、処理実績2,366kl/日と比べ約1.5倍となっている。

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    (6) コミュニティ・プラント
    集落型の生活排水処理施設であるコミュニティ・プラントは、平成13年度末現在では、94施設、計画処理人口106,211人であるが、建設中を含めると107施設、計画処理人口145,514人であり、2004年生活排水処理率99%を目指し、県下各地で計画的に整備が推進されている。
    
    (7) 浄化槽
    トイレの水洗化に対する住民の要請は大きなものがあり、生活水準の高くなったことに伴い浄化槽も急速に普及したが、最近は下水道等の集合処理施設の建設により、浄化槽総数はおよそ減少の傾向にある。(図-11)

 

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① 利用人口
 浄化槽利用人口は、約684千人であり、全体の12.4%を占めている。このうち、し尿だけを処理する単独処理浄化槽の利用人口は約385千人(56%)、し尿と生活雑排水をともに処理する合併処理浄化槽の利用人口は約299千人(44%)と推定される。しかし、今後、生活排水処理率99%を目指し、小型合併処理浄化槽が普及するが、公共下水道等の集合処理への接続も進むため、浄化槽利用人口は減少するものと推定される。
    
② 設置基数
 平成12年3月末の設置基数約183千基のうち73%が単独処理浄化槽である。
また、昭和56年6月から新しい構造基準が適用されており、このうち旧構造基準のものが約53千基(29%)で、新構造基準のものは約129千基(71%)となっている。

3.廃棄物処理事業経費

(1)     ごみ処理
 ごみ処理事業経費の支出額は1,159億円となっており、建設改良費を除くと約807億円となっている。
建設改良費を除く内訳は、人件費47%、処理費21%、委託費等42%となっている。
 この、ごみ処理経費を市町処理量に係る経費として推定すると、1t当たり約30,531円、県民1人当たり約14,617円/年となっている。
(2)     し尿処理
 し尿処理事業経費の支出額は、約182億円となっており、建設改良費を除くと約140億円となっている。
建設改良費を除く内訳は、人件費34%、処理費24%、委託費等42%となっている。
 この、し尿処理経費を計画収集し尿量及び浄化槽汚泥量の合計に係る費用として推定すると、1kl当たり約15,776円、県民1人当たり約10,108円/年となっている。
ごみ及びし尿処理に係る県民1人当たり経費の推移は、図-12のとおりである。

 

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