「生物多様性ひょうご戦略」改定(平成31年2月)から5年が経過する中、国内外の社会情勢の変化や新たな環境課題に的確に対応し、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けて計画的かつ重点的に取組むべき施策を明らかにするため、令和7年3月に以下のとおり改定しました。
【生物多様性ひょうご戦略 概要と本文】
【戦略の内容について】
※画像をクリックいただくと、戦略の各章のPDFが表示されます。
1 位置づけ
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◆ 生物多様性基本法第13条の規定に基づく、兵庫県内における生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する地域戦略
◆ 兵庫県環境基本計画における自然共生分野の具体化を図る行動指針
◆ ひょうごビジョン2050におけるめざす姿「生命の持続を先導する社会」の実現に向けた個別計画
2 戦略の趣旨
近年、侵略的外来種の侵入や気候変動など、様々な顕在化する環境課題に適切に対応とともに、生物多様性を守り、その持続可能な利用に向けて取り組むべき行動指針として「生物多様性ひょうご戦略」をとりまとめました。
兵庫の豊かな生態系を未来に引き継ぐため、私たち一人ひとりが生物多様性について正しく理解して主体的に行動していけるよう、本県では、当戦略に基づき、県民の皆さんや市町、地域団体、企業、教育・研究機関など多様な主体と緊密に連携して取組を進めます。
1 兵庫の豊かな自然環境
兵庫県は、日本海側や瀬戸内海沿岸、淡路島で地形や気候も大きくことなるほか、ため池数は、約2万2千箇所で全国1位となっています。また、「氷上回廊」と呼ばれる生物の南北の移動経路となる中央分水界があります。
2 生物多様性と生物多様性がもたらす恵み
兵庫の豊かな自然環境の中で、それぞれの生き物が他の生き物との間に関わりを持っている状態を「生物多様性」といいます。また、私たちの生活は、生物多様性から数えきれないほどの多くの恵みを受けています。生物多様性の恵みのおかげで、「ひょうご五国」の豊かな農林水産物の生産などに繋がっています。
1 顕在化している主な環境課題
近年、様々な顕在化する環境課題として、以下の4つの危機が挙げられています。
◆ 第1の危機「開発など人間の活動による危機」
◆ 第2の危機「自然に対する働きかけの縮小による危機」
◆ 第3の危機「人間の活動によって持ち込まれたものによる危機」
◆ 第4の危機「気候変動など地球環境の変化による危機」
1 基本戦略と構成
生物多様性を取り巻く4つの危機に対応するため、3つの基本戦略を立てて取り組んでいきます。
また、3つの基本戦略のもとに、9つの行動目標を設定し、各種施策を進めます。
◆ 基本戦略Ⅰ 豊かな自然環境の適切な保全
<行動目標> ①30by30の推進
②侵略的外来種の防除
③野生鳥獣の適正な保護管理
◆ 基本戦略Ⅱ 自然の恵みを活かした地域づくり
<行動目標> ①里山・里海の再生
②生態系を活かした防災・減災
③生物多様性に配慮した農林水産業の推進
◆ 基本戦略Ⅲ 豊かな自然を未来へつなぐ仕組みづくり
<行動目標> ①生物多様性の理解促進
②生物多様性を支える人材育成の推進
③多様な主体が支える基盤の充実
1 各主体に期待される役割と連携
生物多様性の保全及び持続可能な利用を進めるには、県、市町、県民、事業者、地域団体、教育・研究機関など、多様な主体がそれぞれの役割を果たしながら、相互に緊密に連携・協働して取り組むことが必要です。
2 指標
行動目標に対する進捗状況を評価するため、23の指標を設定します。設定した指標は、毎年度実績値を把握して、進捗状況を総合的に評価するとともに、必要に応じて、指標の追加・見直しなどを行います。
「生物多様性ひょうご戦略」の中で紹介している県内での取組事例(コラム記事)
「生物多様性ひょうご戦略」では、県内で取り組まれている様々な活動事例をコラムとして掲載しています。
戦略からコラムを抜粋して紹介していますので、生物多様性への理解を深めていただく一助となれば幸いです。
【紹介】各市町の生物多様性地域戦略(R7.3現在13市)
・生物多様性神戸プラン(神戸市)
・つなごう生きもののネットワーク 生物多様性あかし戦略(明石市)
・未来につなぐ生物多様性にしのみや戦略2019-2028(西宮市)
・生物多様性たからづか戦略(宝塚市)
・生物多様性ささやま戦略(丹波篠山市)
・豊岡市生物多様性地域戦略(豊岡市)
・伊丹市生物多様性みどりの基本計画2021(伊丹市)
・生物多様性ふるさと川西戦略(川西市)
・生物多様性ひめじ戦略(姫路市)
・生物多様性かこがわ戦略(加古川市)※第5章第4節に記載
・生物多様性かさい戦略(加西市)
・さんだ生物多様性保全計画(三田市)
・尼崎市生物多様性地域戦略(尼崎市)