上山高原は、かつては、春の火入れ、但馬牛の放牧、採草(牛の餌や茅利用)など、周辺地域の人々に利用され、ススキ草原が維持されてきました。このため、草原生のチョウ類やノウサギが生息し、そのノウサギを食べるイヌワシが生息するなど、豊かな生態系が維持されていました。しかし、昭和40年頃から人々の利用がなくなると、ススキ草原は徐々にササ原や灌木に変わり、草原に生息するチョウであるウスイロヒョウモンモドキは絶滅し、イヌワシの数が減るなど、草原ならではの生態系が失われていきました。
また、周辺のブナやミズナラの原生林は伐採され、スギ人工林へと変化し、生物多様性の低下した森林になりました。