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兵庫県版レッドリスト2011(地形・地質・自然景観・生態系)

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tk2.jpg兵庫県では、絶滅の危機にある貴重な野生生物、地形、地質、自然景観などを保全し、生物多様性を確保するため、平成7年に他県に先駆けて、「兵庫の貴重な自然-兵庫県版レッドデータブック-」を作成した。
その後、貴重な生物のモニタリング結果等をもとに、平成10年から改訂作業を進め、平成15年には「改訂・兵庫の貴重な自然-兵庫県版レッドデータブック2003-」(以下、2003年版)を作成した。

 

sk1.jpg 生物多様性の保全に対する関心が高まる中、前回の改訂から相当期間が経過し、新たな生物情報の蓄積が進んできたことから、平成21年3月に策定した「生物多様性ひょうご戦略」に基づく行動計画の重要な柱として、平成21年度からレッドデータブック改訂作業に着手することとした。平成21年度の植物、植物群落の改訂に引き続き、平成22年度は地形・地質・自然景観について改訂作業を行うとともに、新たに生態系という分野を設けてレッドリストの選定作業を行った。

 

 

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兵庫県版レッドデータブック2011(地形・地質・自然環境・生態系)の入手方法 
財団法人ひょうご環境創造協会で販売中
1部2,000円(協会会員:1,000円)消費税込み、送料別340円

 HPからの申込:http://www.eco-hyogo.jp/books/
 〒654-0037  神戸市須磨区行平町3-1-31  TEL(078)735-2737、FAX(078)735-2292

 

選定・評価の対象

選定・評価の体制

改定の概要等

選定・評価の考え方

貴重性評価の区分

選定・評価結果の概要

選定・評価結果(リスト)

平成23年以降のリストヘの追加等

 

選定・評価の対象

選定・評価の対象は以下のとおりであり、今回新たに生態系を追加した。

平成22年度対象項目

・地形
・地質
・自然景観
・生態系

※下線部が追加された項目

 

選定・評価の体制

 改訂にあたっては、各分野の専門家で構成する「兵庫の貴重な自然」改訂委員会を設置し、選定や貴重性評価の考え方などについて検討した。また、平成22年度は、「貴重な野生生物等分野別専門委員会」を設置し、生態系と地形・地質・自然景観についてレッドデータブックに掲載する種の評価・選定などについて検討した。

 

平成22年度開催の委員会

「兵庫の貴重な自然」改訂委員会
貴重な野生生物等(地形・地質・自然景観)専門委員会
貴重な野生生物等(生態系)専門委員会

 

 

選定・評価の考え方

 選定・評価の考え方は、地形、地質、自然景観、生態系について以下に示す。なお、地形、地質、自然景観の選定・評価の考え方は、2003年版のものを踏襲した。

 

■地形・地質

地形・地質は、次の基準に該当するものを貴重なものとした。

(1)学術的に貴重なもの(希少なもの、分布が限定されているものなど)

(2)形状、分布がユニークなもの
(3)自然や土地の成り立ちを示す典型的なもの
(4)自然環境と人間生活との関わりを密接に示すもの
(5)わが国で初めて記載、説明されたもの

 

■自然景観

自然景観は、次の基準に該当するものを貴重なものとした。

(1)「貴重な自然景観」
視覚的な美しさと緑や自然の質(生態系)との包含概念としてとらえて、景観資源的価値と自然的価値の両面から評価されるもの
(2)「人の暮らしに密接に関わる自然景観」※過去から現在に至る人の営みと自然環境が密接に関係することで形成された景観、歴史的建造物と自然環境が調和している景観など

※今回の改訂に際して新たな基準として追加した。

 

■生態系

生態系は、次の基準に該当するものを貴重なものとした。

(1)希少な動植物がまとまって生育・生息する場
(2)希少な種に限らず多様な生物群集が成立する場貴重性のランクについては、下記の7つの項目を判断基準として総合的に評価した。

ア.希少種が生育・生息する生態系であるか
イ.多様な生物が生育・生息する生態系であるか
ウ.特殊な立地環境に生育・生息する種の生態系であるか
エ.改変の危険性が高い脆弱な生態系であるか
オ.県域において地域的に限られた種がまとまって生育・生息する生態系であるか
カ.人との関わりが深く、人と生物との相互関係の上で保全が望まれる生態系であるか
キ.上記の生息環境が複合的に存在している生態系であるか

 

貴重性評価の区分(カテゴリー)

 貴重性の評価区分は、2003年版のカテゴリーを踏襲した。
 兵庫県において貴重として選定されたものについて、その貴重性の程度を3段階にランクづけした。
 また、貴重とまではいえないが、これに準ずるものとして「要注目」というランクを置いた。

 

地形、地質、自然景観、生態系

①Aランク・・・規模的、質的にすぐれており貴重性の程度が最も高く、全国的価値に相当するもの
②Bランク・・・Aランクに準ずるもので、地方的価値、都道府県的価値に相当するもの
③Cランク・・・Bランクに準ずるもので、市町村的価値に相当するもの
④要注目・・・・(地質)
温泉・湧水などのように地質以外の分野の自然現象のうち、地質との関連性があり重要とみなされるもの
(自然景観)
その場所の貴重性だけでなく、今後の人の暮らしと自然環境の関係を考える上で重要とみなされるもの

 

選定・評価結果の概要 

【地形、地質、自然景観】

地形、地質、自然景観の選定、評価結果の概要を、2003年版と比較して以下の表に示す。

 

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区分 2003年版 2011年版     増減
地形
17 33 39 89 19 38 43 100 +11

 

 

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区分 2003年版 2011年版     増減
地質 要注目 要注目
25 64 59 15 163 30 74 57 14 175 +12

 

 

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区分 2003年版 2011年版     増減
自然景観 要注目 要注目
9 76 122 0 163 10 75 124 19 228 +21

 

 【生態系】
 生態系のランク別の箇所数は、以下の表のとおりである。

 

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生態系 22 22 25 69

※ 生態系の選定について