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兵庫県版レッドリスト2014(貝類・その他無脊椎動物)

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ougiurogai.jpg 兵庫県では、絶滅の危機にある貴重な野生生物、地形、地質、自然景観などを保全し、生物多様性を確保するため、平成7年に他県に先駆けて、「兵庫の貴重な自然-兵庫県版レッドデータブック-」を作成した。その後、貴重な生物のモニタリング結果等をもとに、平成10年度から改訂作業を進め、平成15年に「改訂・兵庫の貴重な自然-兵庫県版レッドデータブック2003-」(以下、2003年版)を作成した。

 

 

 

osagani.jpg 生物多様性の保全に対する関心が高まる中で、前回の改訂から相当期間が経過し、新たな生物情報の蓄積が進んできたことから、「生物多様性ひょうご戦略」(平成21年3月策定、平成26年3月改定)に基づく行動計画の重要な柱として、平成21年度からレッドデータブック改訂に着手しており、平成25年度は貝類及びその他無脊椎動物(昆虫類、クモ類を除く)について改訂作業を行った。

 

 

選定・評価の対象

選定・評価の体制

貴重性評価の区分

選定・評価結果の概要

選定・評価結果(リスト)

 

選定・評価の対象

選定・評価の対象は以下のとおりである。

平成25年度対象項目

・貝類

・その他無脊椎動物

 

 対象とした生物の範囲は、原則として陸産、淡水産及び陸域と密接な関係を持つ海岸域に生息するものとし、純海産の野生生物は対象外とした(海岸域は概ね大潮最低干潮線を下限とする範囲を対象とした)。なお、貝類については、対象となる種が陸生貝類155種、水生貝類220~230種であった。

 

選定・評価の体制

 改訂にあたっては、各分野の専門家で構成する「生物多様性ひょうご戦略推進委員会」を設置し、選定や貴重性評価の考え方などについて検討した。また、平成25年度は、「貴重な野生生物等(貝類・その他無脊椎動物)専門委員会」を設置し、貝類及びその他無脊椎動物についてレッドデータブックに掲載する種の評価・選定などについて検討した。

 


平成25年度開催の委員会

・生物多様性ひょうご戦略推進委員会
・貴重な野生生物等(貝類・その他無脊椎動物)専門委員会
・委員以外の協力者名簿

 

選定・評価結果の概要 

【貝類・その他無脊椎動物】

•2003年版の選定種に加え、検討を行う必要があるとしてリストアップした種を候補種とし、絶滅の危険性が高いと判断された種を選定した。
•県内で絶滅(2003年版では「今みられない」)と判定された種は、2003年版から3種減少して3種となった。減少した3種の内訳は次の通りである(2003年以降に新たな生息情報が得られたためにランク変更があった種が2種、兵庫県内の生息が疑問視される種が1種)。
•選定、評価結果の概要を、2003年版と比較して以下の表に示す。

 

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分類群 2014年度版 2003年度版



A B C











調






A B C









調

貝類 3 79 38 25 7 1 153 6 29 9 15 8 2 69 +84
その他
無脊椎動物
14 26 21 4 65 10 18 20 1 3 52 +13
3 93 64 46 7 1 4 218 6 39 27 35 8 3 3 121 +97

レッドリスト掲載種の選定にあたって

 

選定・評価結果(リスト)

【貝類の分類群別、ランク別掲載種数】

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分類群

2014年版

2003年版

A

B

C

調

A

B

C

調

笠型腹足目

-

-

-

1

-

-

-

1

-

-

-

-

-

-

-

-

古腹足目

-

1

-

1

-

-

-

2

1

-

-

1

-

-

-

2

アマオブネ型目

-

6

3

-

1

-

-

10

-

3

1

-

-

-

-

4

新生腹足目

-

22

10

10

1

1

-

44

1

9

-

9

3

-

-

22

異鰓目

-

3

2

1

-

-

-

6

-

-

1

-

-

-

-

1

足襞目

-

1

-

-

-

-

-

1

-

-

-

-

-

-

-

-

基眼目

1

5

3

-

-

-

-

9

1

3

-

-

-

-

-

4

柄眼目

1

11

10

6

2

-

-

30

2

2

4

1

3

1

-

13

キヌタレガイ目

-

1

-

-

-

-

-

1

-

-

-

-

-

-

-

-

カキ目

-

1

-

1

1

-

-

3

-

-

-

-

-

-

-

-

イシガイ目

1

5

1

1

-

-

-

8

1

3

-

1

-

-

-

5

マルスダレガイ目

-

23

4

3

1

-

-

31

-

7

2

1

2

1

-

13

ニオガイ目

-

-

4

1

-

-

-

5

-

1

1

-

-

-

-

2

ネリガイ目

-

-

1

-

-

-

-

1

-

1

-

1

-

-

-

2

マテガイ目

-

-

-

-

1

-

-

1

-

-

-

1

-

-

-

1

3

79

38

25

7

1

-

153

6

29

9

15

8

2

-

69

【その他無脊椎動物の分類群、ランク別掲載種数】

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分類群

2014年版

2003年版

絶滅

A

B

C

調

A

B

C

調

刺胞動物

-

1

-

-

-

-

-

1

-

-

-

-

-

-

1

1

扁形動物

-

-

-

-

-

-

1

1

-

-

1

-

-

-

-

1

環形動物

-

1

1

7

-

-

1

10

-

1

1

7

-

-

-

9

ゆむし動物

-

-

1

-

-

-

-

1

-

-

1

-

-

-

-

1

星口動物

-

-

1

-

-

-

1

2

-

1

-

-

-

-

-

1

節足動物

-

11

19

14

-

-

1

45

-

8

12

13

-

1

-

34

腕足動物

-

1

-

-

-

-

-

1

-

-

-

-

-

-

-

-

苔虫動物

-

-

1

-

-

-

-

1

-

-

1

-

-

-

-

1

棘皮動物

-

-

2

-

-

-

-

2

-

-

1

-

-

-

2

3

脊索動物

-

-

1

-

-

-

-

1

-

-

1

-

-

-

-

1

-

14

26

21

-

-

4

65

-

10

18

20

-

1

3

52

 

liat_gaiyou1.png

 

liat_gaiyou2.png

【貝類・その他無脊椎動物】

選定リストの見方


◇ランク別リスト(種の解説は下表の「種リスト」からご覧ください)

 

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ランク  種類別 ランク別   
貝類 その他 無脊椎動物
絶滅 3 種リスト(貝類)


種リスト(その他無脊椎動物)
Aランク 79 14
Bランク 38 26
Cランク 25 21
要注目種 7
地域限定貴重種 1 - 
要調査種 4
合計 153 65

 


◇50音順リスト一覧表

貝類
その他無脊椎動物

◇CSVデータ

貝類
その他無脊椎動物

※CSVデータ…コンマ「,」で区切られたテキストデータ。
Microsoft Excel等の表計算ソフトで一覧表として開くことができます。

 

 


◇ランク変更等の一覧表
※2003年度版と比較して、ランクの変更や追加、削除した種を一覧表にまとめています。
・追加した種一覧表      

貝類

その他無脊椎動物

・削除した種一覧表      

貝類

その他無脊椎動物

・ランクを変更した種一覧表  

貝類

その他無脊椎動物

 

引用文献

 

■追加した種(貝類)

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2014年版番号

種和名

2014年版ランク

ランク変更の理由

1

ツボミガイ

Cランク

主にウミニナ類の殻上で生活する本種の生息は、ウミニナ類が健全な播磨東部、播磨西部と淡路島中部、南部に限られている。

2

セムシマドアキガイ

Aランク

洲本市で2箇所確認されているに過ぎず、生息数も極めて少ない。

4

アマガイ

Bランク

1990年以前は播磨灘でも比較的確認できたが、現在は播磨西部や淡路島中部で若干の生息が確認されている。ただ、産地での個体数は増加傾向にある。

6

カノコガイ

要注目種

洲本市の1箇所で確認されていたが、現在は埋め立てられ絶滅。浮遊幼生期を有し、四国や和歌山にも分布するので、今後淡路島での生息が期待できる。

7

キンランカノコ

Aランク

洲本市にあるアマモ場の一部の狭い場所でのみ生息。

8

ウミヒメカノコ

Aランク

淡路島のみで確認されている。

9

ヒメカノコ

Aランク

洲本市の1箇所で確認されていたが、現在は埋め立てられ絶滅。浮遊幼生期を有し、四国や和歌山にも分布するので、今後淡路島での生息が期待できる。

10

ツバサコハクカノコ

Aランク

洲本市の極小河川でのみ確認されている。生息環境が特殊であり、本種の産出可能な場所がほとんど見出せない。

14

サドヤマトガイ

要注目種

既知産地は広く、県内に散見されるが、生息密度は極めて低い。

15

ヤマクルマ

地域限定
貴重種

淡路島には多産するが、本州側においては播磨南西部の狭いエリアでのみ確認されている。県内における本州側の東限とみなされる。

16

ミヤコムシオイ

Cランク

氷ノ山や扇の山の鳥取県側では広く分布しているが、兵庫県側では未確認である。既知産地は淡路島の数箇所のみである。

18

ミヤマムシオイ(多田,仮称)

Aランク

播磨西部に分布しているが、既知産地での再発見ができない、あるいは、生息環境が著しく悪化している。

19

シコクゴマガイ

Bランク

紀伊半島及び四国との地理的考察を考える上で地理分布上重要。

20

ヒメゴマガイ(矢野,仮称)

Cランク

中国山地の南面に分布し、県内では播磨北西部でわずかに記録されているにすぎない。

21

マルタニシ

Cランク

田んぼ環境の標徴種であるが、乾田化や畑地化の影響で県南部を中心に著しく生息地が消失し、北部でも減少傾向にある。

23

コゲツノブエ

Aランク

淡路島と姫路市のみで生貝が確認されているが、各生息地は弱小である。

26

クロダカワニナ

Cランク

県内に広く分布するが、散見的。泥底の小川的な昔ながらの流れに生息するが、このような環境が著しく減少してきている。丹篠山が模式産地である。

27

タケノコカワニナ

Aランク

加古川のみに生息しており、域内での生息範囲は広くない上に、河川改修などの影響が深刻である。

28

モロハタマキビ

Cランク

淡路島中部と播磨西部のアマモ帯のみに生息するが、播磨では極めて希産。

29

サガノミジンツボ属の一種

Aランク

県内で1箇所、しかも3個体のみしか確認されていない。また、生息環境が地下水脈にあるなど、特殊環境下に生息する上でも貴重な種類である。

30

オオウスイロヘソカドガイ

Bランク

但馬沿岸の岩礁域に広く分布すると考えられるが生息地は局所的である。多産する生息地もあるが、生息に適した環境要因が限定的で、周辺環境の変化によっては既知の生息地が消滅する可能性がある。

31

ツブカワザンショウ

Bランク

生息環境の減少。

36

サツマクリイロカワザンショウ

Cランク

河口のヨシ帯を含む干潟環境の標徴種である。生息地では個体数は多いが、県内での干潟の環境悪化を察し、Bランクとした。

37

クリイロカワザンショウ属の一種

Bランク

但馬沿岸から数箇所の生息地が確認されているが、そのいずれにおいても生息範囲が非常に狭く局所的で、かつ個体数も少ない。

39

カハタレカワザンショウ

Aランク

淡路島中部のみで確認されており、生息数は極端に少ない。

40

イナバマメタニシ

Bランク

県内に広く分布するが、マルタニシと同様に乾田化の煽りを受け、既知産地の消失が目立つ。

42

マメタニシ

Aランク

既知産地は3箇所程度であり、1箇所においては絶滅している。播磨南西部には岡山県にも分布するホンマメタニシに類似するものが分布する。

46

ゴマツボ

Aランク

既知産地では比較的多く確認されるが、確認地点や生息エリアが極めて狭い。

47

ナギツボ

Aランク

洲本市の内湾奥部でのみ確認されている。

48

ジーコンボツボ

Aランク

淡路島中部のみで確認されている。

49

ミズゴマツボ

Aランク

播磨南西部の1河川からのみ知られる。河口に水門ができるなど、今後、環境がどのように影響するか楽観視できない。

50

エドガワミズゴマツボ

Cランク

播磨や淡路島中部、南部の河口に生息するが、消長が激しく、生息地としての持続性が乏しい面もある。

52

シラギク

Aランク

河口や内湾干潟の還元的な環境下に生息する。生息環境が特殊であり、既知産地は3箇所しかない。

53

ウミコハクガイ(オトギノキサゴ)

Aランク

洲本市で1箇所のみ確認されているが、その後未確認であり、産地や生息の継続性に乏しい。

54

イナザワハベガイ

Bランク

播磨や阪神地域でも宿種のタテジマシソギンチャクが生息するが、本種は淡路島でのみ確認されているにすぎない。

55

ヒモイカリナマコツマミガイ

Aランク

既知産地は播磨西部の2箇所及び淡路島の3箇所のみで、ホストの生息状況が限られていることから見ても希少である。

56

キスイケシカニモリ

Aランク

淡路島南部でのみ確認される。

58

カクメイ属の一種

Aランク

淡路島中部の狭いエリアの還元環境下でのみ生息地が知られている。

59

ガラスシタダミ科の一種

Aランク

淡路島中部の狭いエリアの還元環境下でのみ生息地が知られている。

60

コヤスツララガイ

Bランク

干潟などの潮間帯範囲においての既知産地は加古川と千種川のみ。

61

マツシマコメツブガイ

Bランク

干潟などの潮間帯範囲においての既知産地は加古川と千種川、淡路島のみ。

62

ヌカルミクチキレ

Aランク

淡路島中部の狭いエリアの還元環境下でのみ生息地が知られている。

63

カキウラクチキレガイモドキ

Cランク

マガキ礁は但馬沿岸以外各所に見られるが、本種の生息地として河口や内湾奥部のマガキ礁に限定されている。

64

イボイボナメクジ

Aランク

県内で散見されるが、1箇所で複数確認されることはまれで、もともとの個体密度や生息地が極めて少なく、持続性がない。

65

オカミミガイ

Aランク

2012年に1数個体の老成個体が見つかり、うち2個体を標本として保管。残る個体は同年の秋の台風で流出し、再確認できない。

66

ハマシイノミ

Bランク

広く分布し、他の地域では多産する産地もみられるが、兵庫県、特に日本海側の但馬沿岸では非常にまれであり、生息環境も限定的である。

69

マキスジコミミ

Aランク

淡路島中部で1個体が記録されたのみだが、浮遊幼生による分散で今後も記録できる可能性はある。

71

ミズコハクガイ

Aランク

全国的にも産出例が少なく、県内でも2例のみで生息地に持続性がない。

72

クルマヒラマキ

Bランク

県内では4例ほど確認例があるが、生息地の持続性が乏しい。

74

ヒラドマルナタネ

Bランク

既知産地が少ない。

75

マルナタネ

Bランク

既知産地が少ない。

76

ナニワクチミゾガイ

Aランク

極めて希産。

77

ナガナタネ

Bランク

既知産地が少ない。

78

チョウセンスナガイ

Aランク

淡路島中部に既知産地があるのみ。

79

キバサナギ

Aランク

比較的乾燥した落葉下に生息している。海岸近くでも生息しているが、県内の生息地は数箇所しかない。

80

キセルガイモドキ

Cランク

干潟での既知産地が少ない。

81

フトキセルガイモドキ

Cランク

淡路島、加古川で記録があるが、死貝がほとんどである。

85

コンボウギセル

Aランク

播磨西部で確認されており、既知地産地、生息数ともに少ない。

87

スジキビ

Bランク

県内では4例のみ。既知産地での生息数は極めて少ない。

88

カサネシタラ

Bランク

県内では4例のみ。既知産地での生息数は極めて少ない。

90

ヤマコウラナメクジ

Aランク

篠山市が模式産地。記載以来、但馬で1記録しかない。

91

スハダナメクジ(仮称)

Cランク

西日本に広く分布し、県内でも但馬の山中で確認されているが、生息密度は低い。

92

オオコウラナメクジ

Bランク

県内で散見されるが、1箇所で複数確認されることはまれで、もともとの個体密度や生息地が極めて少ない。

93

ナメクジ属の一種

Cランク

淡路島の中部の山中を中心に生息する。

95

ケハダビロウドマイマイ

Bランク

既知産地は多いが、各産地での生息密度・継続性は極めて低い。

96

ビロウドマイマイ

Bランク

既知産地は多いが、各産地での生息密度・継続性は極めて低い。

99

クチマガリマイマイ

Bランク

神戸市と洲本市でのみ確認されている。神戸市では宅地開発による絶滅の危険性が高い。

101

ギュウリキマイマイ

要注目種

既知産地、特に有馬温泉周辺など有名産地ではマニアの採集圧による減少が著しい。

102

イセノナミマイマイ

要注目種

既知産地では宅地開発などでの減少が著しい。

104

キヌタレガイ

Aランク

洲本市のアマモ場においては健全な個体群が存在するが、他産地では死貝が打ち上げられる程度である。

105

コケゴロモ

要注目種

洲本市のみで確認されている。

106

ハボウキガイ

Aランク

深場では他の地域でも産するが干潟で見られるのは淡路島中部のみである。

107

タイラギ(リシケタイラギ)

Cランク

干潟では希産。

110

マツカサガイ

Bランク

日本海流入河川では1箇所のみ。瀬戸内海流入河川では、水路やため池で散見されるものの、改修や埋め立てなど既知産地の悪化が進んでいる。

112

イシガイ

Cランク

生息地においては豊産箇所もあるが、他のイシガイ科二枚貝と同様に減少傾向にある。生息地の改修工事やため池ではオオクチバスなどによるホスト魚の絶滅などで、繁殖が滞っている事例もあるので、楽観視できない。

114

フネドブガイ

Aランク

近年、揖保川と加古川水系で数個体の生息が確認された。

117

ムラサキガイ

Aランク

但馬を含め、死貝の打ち上げは見られるが、生貝の記録は少ない。西播磨の数箇所の内湾干潟にまとまった個体群があるが、このような場所は全国的にも数える程度でしかない。

118

アシガイ

Aランク

淡路島中部のみに既知産地があるのみ。

119

アシベマスオ

Aランク

淡路島中部のみに既知産地があるのみ。

120

ハザクラ

Aランク

淡路島北部東岸と中部に既知産地があるのみ。

124

ウズザクラ

Bランク

干潟での既知産地が少ない。

126

マシジミ

要注目種

県内のほぼ全域に分布していたが、近年はタイワンシジミ種群の拡散で、ため池や山間部以外では、ほぼ姿を消している。

128

シオフキ

Aランク

既知産地数が2箇所であり、生貝の確認が困難。

129

ミルクイ

Aランク

淡路島北部、中部の干潟のみで確認されている。

131

シオヤガイ

Aランク

淡路中部に既知産地があるのみ。

132

ケマンガイ

Bランク

淡路中部に既知産地があるのみ。

133

ウエジマメシジミ

Cランク

県内では複数の産地が確認されており、今後の調査によって増える可能性があるが、生息地が閉鎖的な環境であることが多く、その変化によっては既知の生息地でも消滅する可能性がある。ちなみに温泉町にあった模式産地(但馬大清水と記録されている)は、農道の整備事業などによって池そのものが消滅した。

134

タカヤママメシジミ(仮称)

Bランク

比較的標高のある泥場の湧水地で確認されているが、2箇所のみで、人為的影響が加わりにくい場所である。

135

ドブシジミ

Cランク

生息環境は県内に広くあり、今後の確認例は増えると考えられるが、ため池や水路の環境が著しく悪化傾向にある。

137

イナズママメアゲマキガイ

Aランク

淡路島中部の干潟のみで確認されている。

138

ツヤマメアゲマキガイ

Aランク

淡路島北部、中部の干潟のみで確認されている。

139

ウロコガイ

Aランク

淡路島中部の干潟のみで確認されている。

140

オウギウロコガイ

Aランク

淡路島中部の干潟のみで確認されている。

141

コハクノツユガイ

Aランク

淡路島北部、中部の干潟のみで確認されている。

142

マツモトウロコガイ

Aランク

淡路島中部の干潟のみで確認されている。

143

スジホシムシモドキヤドリガイ

Aランク

ホストの生息環境が粒子の揃った細砂干潟であり、この存在自体多くない。また、必ずしもホストが生息する場所では本種が寄生しているとは限らない。

144

マルヤドリガイ

Aランク

淡路島の干潟のみで確認されている。

145

ガタヅキ

Aランク

淡路島南部の汽水域のみで確認されている。

146

キヌタアゲマキ

Bランク

淡路島中部の汽水域のみで確認されている。

149

ヒメマスオガイ

Bランク

芦屋浜で1個体のみが確認され、前浜干潟や河口干潟の標徴種として重要。

150

ナミガイ

Cランク

既知産地が少ない。

151

ネムグリガイ

Bランク

近年、その生息状況が判明し、洲本市由良のアマモには比較的多く生息する。播磨西部にもアマモは多産するが現在のところ発見に至ってない。

 

■追加した種(その他無脊椎動物)

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2014年版番号

種和名

2014年版
ランク

ランク変更の理由

11

スナタバムシ

Bランク

県内では播磨西部にのみ産する。

14

スジホシムシモドキ

Bランク

砂粒の揃った内湾の細砂浜に生息するが、生息地は限られている。

16

ヒトハリザトウムシ

Aランク

生息環境が激減している。

17

イソカニムシ

要調査種

生息環境が激減している。

18

クルマエビ

Cランク

放流が毎年行われている。砂粒の細かい河口や内湾干潟に小型個体が生息するが多くない。

19

ヤマトヌマエビ

Bランク

播磨東部、淡路島南部の河川のみに分布。

21

ヒメヌマエビ

Aランク

但馬及び淡路島の河川のみに分布。

23

ミナミテナガエビ

Cランク

県下で広く確認されているが、絶対数が少なく、一部を除いては希産である。

26

クボミテッポウエビ

Bランク

アナジャコ類の巣穴に共生することが知られており、宿主の個体群変動の影響を受けやすい。

33

ヤドリカニダマシ

Aランク

ムギワラムシの棲管に共生するため、宿主の個体群変動の影響を受けやすい。

45

ミナミアシハラガニ

Aランク

近年、洲本市で初めて記録された。

47

スネナガイソガニ

Cランク

潮間帯下部のアマモ場に生息する。潮下帯では少なくないとの意見があるが、「干潟の絶滅危惧動物図鑑」において、準絶滅危惧種に指定されている。

50

タイワンヒライソモドキ

Bランク

数箇所で確認されているのみで、個体群サイズも小さい。

52

ムツハアリアケガニ

Aランク

砂、泥、礫の混ざる河口や内湾干潟に生息する。播磨地方では多産箇所もあるが、全国的に減少傾向にある。

57

ヒメヤマトオサガニ

Bランク

生息地での個体群は決して小さくないが、生息場所が限られている。

59

スナガニ

Bランク

日本海側では多産箇所も多いが、いずれの場所でも海浜の整備などが強度に行われている。また、瀬戸内海側では砂浜の少なさが本種の少なさとなっている。近年、南方系のツノメガニとの競争が激しく、ツノメガニが定着した砂浜では著しく個体数が減少している。

61

シャミセンガイ属の一種

Aランク

淡路島の洲本市では比較的まとまった個体群があるが、播磨西部では数個体が確認されているのみ。

 

■削除した種(貝類)

横スクロール

2003
年版番号

種和名

2003年版ランク

ランク変更の理由

1

キサゴ

Cランク

日本海と淡路島沿岸の潮下帯では記録あるが、潮間帯で確認できていないことから、対象生息範囲外の種とした。

10

ウミニナ

Aランク

近年、播磨西部や淡路南部を中心とした河口干潟に多産するようになった。

11

ホソウミニナ

Cランク

瀬戸内海と淡路島に広く分布する普通種であることから対象外とした。

13

フトヘナタリ

Cランク

周辺府県においては希少な種とされているが、播磨地方を中心に多産することでランク外とした。

16

マルウズラタマキビ

要注目種

河口や内湾奥部の干潟では、普通に見られ、多産することでランク外とした。

22

カワザンショウガイ

Cランク

河口においては普通に産し、多産することでランク外とした。

26

サキグロタマツメタ

Aランク

過去の記録を含めすべて外来である。

28

アラムシロ

Cランク

河口や内湾の潮間帯下部や潮下帯の浅海においては普通種であることでランク外とした。

29

キセワタガイ

Bランク

潮間帯では希産であるが浅海には比較的多産し、主な生息域もここにある。

34

ジタロウマイマイ

要注目種

2003年以降の調査により新しい生息地が確認され、生息数も安定している。

41

サナギガイ

今見ら
れない

約90年前の報告に基づいているが、標本が存在しないことで削除。

44

コシボソギセル

Bランク

調査の進行により、生息地の確認数が増えたが、生息地域は限られている。

53

クチバガイ

Bランク

干潟の存在量は決して多くないが、近年、河口や内湾干潟に普通に産することでランク外とした。

58

イソシジミ

地域限定
貴重種

本来は在来種であったと考えられるが、現在西播磨では大陸産が潮干狩り場に撒かれているなど、在来種の可能性が低い。

60

ウネナシトマヤガイ

Cランク

近年、生息地やかなりの個体数の増加がみられる。大陸産が帰化している可能性が高い。

63

カガミガイ

要注目種

細砂や砂泥底の潮間帯下部から浅海に普通に産することでランク外とした。

64

オキシジミ

要注目種

河口や内湾奥部の干潟では、普通に見られることでランク外とした。

69

ソトオリガイ

Cランク

近年の調査で多くの場所で確認。個体数も多い。

 

■削除した種(その他無脊椎動物)

横スクロール

2003
年版番号

種和名

2003年版
ランク

ランク変更の理由

3

ヒラタブンブク

要調査種

主に潮下帯に生息する種である。

6

サラサフジツボ

Bランク

これまでに得られた県内の確認記録は本種ではない可能性が高く、本種の県内からの生息記録が見出せない。

8

ミナミヌマエビ

地域限定
貴重種

円山川は瀬戸内海流入河川と同様に多産するが、他の但馬地方の河川では多くない。ただ、分布が離れているわけでもないのでランク外とする。

9

ユビナガスジエビ

Cランク

分布域は広く、個体数も多い。

 

■ランクを変更した種(貝類)

横スクロール

2003
年版番号

2014
年版
番号

種和名

2003年版ランク

2014年版ランク

ランク変更の理由

2

3

イボキサゴ

今見ら
れない

Cランク

1990年ころより県内で多数観察されようになり、粒子のそろった細砂浜に多い。このような海岸の減少を考え、C評価とした。

4

11

フネアマガイ

Aランク

Bランク

近年の調査により、淡路島で数箇所確認され、若齢個体は比較的多く見られる。海流分散で産地増加の可能性がある。

7

17

ハリマムシオイ

Cランク

Aランク

既知産地は模式産地のほか、神戸・阪神で2箇所の既知産地が知られているにすぎない。

12

22

イボウミニナ

今見ら
れない

Aランク

新鮮な貝殻は播磨西部の干潟で確認できるが、生貝の既知産地は淡路島中部のみ。

23

32

ダテ(ヒラド)

カワザンショウ

Cランク

(ヒラドカワザンショウ)

Bランク

河口のヨシ帯を含む干潟環境の標徴種である。既知産地が播磨地域に限られている。生息数は多いが、干潟の環境悪化を察し、ランクを上げた。

24

要注目種

(ダテカワザンショウ)

21

33

ムシヤドリ

カワザンショウ

Cランク

Aランク

県内では円山川でのみ知られ、模式産地でもある。国交省の治水対策により、生息地が大改修され、その後、今回改修エリア以外の生息可能と思われる場所でも確認できない。

21

34

ヒナタムシヤドリ

カワザンショウ

Cランク

Bランク

河口のヨシ帯を含む干潟環境の標徴種であり、既知産地が播磨地域に限られている。播磨西部には多産地があるものの、環境の消失などで楽観視できない。

20

38

ヨシダカワザンショウ

Aランク

Bランク

河口のヨシ帯を含む干潟環境の標徴種であり、既知産地が播磨西部地域に限られているが、生息密度は高い。加古川が模式産地である。

18

43

カワグチツボ

Aランク

Cランク

播磨地域の河口に生息し、多産することも少なくないが、消長が激しく、生息地としての持続性が乏しい面もある。

8

45

ニクイロシブキツボ

要注目種

Aランク

生息に適した条件を満たす環境が限定的で、全国的にも生息地は限られている。県内の既知の生息地も局所的で個体数も少なく、希少種である。本県生息地は分布の西限にあたる。

27

57

ムシロガイ

Aランク

Bランク

淡路島の内湾の潮間帯に生息。生息数や産地は増加傾向にある。

31

70

ナギサノシタタリ

Aランク

Bランク

微小種であり、場所的に採集されにくいということが大きな要因である。生息環境は各地にあることから、今後確認例は増えると考えられる。

43

83

クロチビギセル

Bランク

Cランク

調査の進行により、生息地の確認数が増えたが、生息地域は限られている。

45

84

モリヤギセル

Bランク

Aランク

県内では氷ノ山山系に生息するが、希産である。

37

86

パツラマイマイ

Cランク

Aランク

県内では氷ノ山周辺でのみ生息が確認されている。朽木などの生息基盤そのものが脆弱で、環境変化の影響を受けやすいと考えられる。

35

97

マヤサンマイマイ

要注目種

Aランク

生息地が1箇所のみ。

33

98

ヌノビキケマイマイ

要注目種

Aランク

生息地が1箇所のみ。

46

100

ヒメコウロ

マイマイ(仮称)

地域限定
貴重種

Cランク

生息地の悪化が目立つ。また、陸貝収集家による採集圧が最大の減少要因と考えられる。

49

108

ニセマツカサガイ

Cランク

Aランク

県内主要河川で生息が確認されているが、小川環境や本川と連絡する水路の著しい取水方法の改変により、既知産地での消失が目立つ。日本海側では岸田川以外は危機的であり、瀬戸内海側では武庫川での減少が著しい。

62

125

ヤマトシジミ

Bランク

Cランク

主要河川のはほとんどに生息していることで、Cランクとした。

66

147

オオノガイ

Aランク

Bランク

成貝は水深のある場所あるいは砂泥中に深くもぐりこみ採集が困難であるが、若齢個体や新鮮な死貝は各地で確認できるようになった。

68

152

オキナガイ

Aランク

Bランク

潮下帯では多産箇所もあるが、潮間帯においては極めて少ない。

59

153

マテガイ

Cランク

要注目種

特に播磨西部には数箇所の大きな個体群が存在する細砂干潟があるが、盛んに潮干狩りのターゲットとして捕獲されている。採集の影響ではないと考えられるが、一部の既知産地では砂中が還元化し激減している。生息環境が細砂干潟であり、その存在の少なさと、マテガイの生息地では同様な環境に依存する希少種も多く、特異な環境の指標として要注目種へ変更した。

 

■ランクを変更した種(その他無脊椎動物)

横スクロール

2003
年版番号

2014
年版番号

種和名

2003年版ランク

2014年版ランク

ランク変更の理由

52

1

ニンジン

イソギンチャク

要調査種

Aランク

前回の改定以降、県内潮間帯では赤穂市以外で確認できていないことから、生息数も多くなく、分布も限定的と判断し、今回Aランクに変更した。

51

2

ミヤマウズムシ

Bランク

要調査種

生息記録が少ない。

43

7

スナイソゴカイ

Cランク

要調査種

比較的開発の進んだ場所でも確認されており、現状では保護の必要性はないが、調査不十分のため、今回の改訂では要調査種とした。

50

12

タマシキゴカイ

Bランク

Cランク

卵塊など、痕跡は比較的眼にする。

40

15

スジホシムシ

Aランク

要調査種

10年以上にわたり、記録が途切れている。

13

27

エビジャコ属の一種

Cランク

Bランク

既知産地は極めて少なく、新たな産地の追加が乏しく、既知産地でも再確認できないことがある。

14

28

ハサミシャコエビ

Bランク

Cランク

個体群が散在することから、Cが妥当。

17

31

アナジャコ

Cランク

Bランク

淡路島東岸では、近年個体数が減少している。

20

35

マキトラノオガニ

Aランク

Bランク

今後新たな生息場所が見つかる可能性がある。

27

37

アカテガニ

Cランク

Bランク

海から山へとつながるような環境に依存することが多く、ベンケイガニと同等のランクが妥当。

32

41

フタハカクガニ

Cランク

Bランク

アシハラガニ等に比較すると県下での生息数は少ない。

23

58

ヤマトオサガニ

Bランク

Cランク

比較的確認地点が多い。

21

60

ハクセンシオマネキ

Aランク

Cランク

1990年代半ばまでは希少であったが、現在では瀬戸内海側、淡路中・南部の河口や内湾干潟に普通に産する。

4

64

ヒモイカリナマコ

要調査種

Bランク

砂、泥、礫の混ざる河口や内湾干潟に生息する。播磨地方では多産箇所もあるが、全国的に減少傾向にある。