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兵庫県版レッドリスト2025(鳥類)

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飛翔①.jpg 兵庫県では、貴重な野生生物や地形・地質、自然景観、生態系の保全を目的として、各分野のレッドデータブックを作成し、最新の情報に基づいて順次改訂を進めている。
 昆虫類に関しては、全国に先駆けて平成7年に「兵庫の貴重な自然-兵庫県版レッドデータブック-」(以下「初版」という。)を作成した。その後、平成15年に「改訂・兵庫の貴重な自然-兵庫県版レッドデータブック2003-」(以下「2003年版」という。)、平成25年に「兵庫の貴重な自然ー兵庫県版レッドデータブック2013ー(鳥類)」(以下「2013年版」という。)を発行してきた。
 本レッドデータブックは、前回の改訂から概ね10年が経過したため、令和5年度から専門家の協力を得ながら専門委員会を実施した上で作成したものである。

 

選定・評価の対象
選定・評価の体制
貴重性評価の区分
選定・評価結果の概要
選定・評価結果(リスト)

選定・評価の対象

選定・評価の対象は以下のとおりである。

令和6年度対象項目

・鳥類 

選定・評価の体制

 改訂にあたっては、各分野の専門家で構成する生物多様性ひょうご戦略推進委員会を設置し、選定や貴重性評価の考え方などについて検討した。また、「兵庫の貴重な自然 兵庫県版レッドデータブック(鳥類)改訂委員会」を設置し、鳥類についてレッドデータブックに掲載する種の 評価・選定などについて検討した。

 

委員会名簿(令和6年)

 

生物多様性ひょうご戦略推進委員会  

兵庫の貴重な自然 兵庫県版レッドデータブック(鳥類)改訂委員会

 

貴重性評価の区分(カテゴリー)

<選定基準>

○ 影響の人為性(人為により大きな影響を受けている)

・ 個体数激減…生息環境、繁殖環境の激変により、個体数が近年激減している
・ 分布域激減(消失または攪乱を含む)…生息環境、繁殖環境の激変により、その分布域が近年激減している

・ 餌の可用性の低下…近年、餌となる野生動植物の著しい減少や、有害物質の蓄積などにより、餌の可用性が低下している

・ 特殊競争圧…外来種等人為的導入によって増加している生物と生息環境が重複し、競争関係にあるため、個体数が近年激減している、または今後激減するおそれがある

・ 特殊捕獲圧…外来種等人為的導入によって増加している生物による捕食のため、個体数が近年激減している

 

○ 生態の脆弱性(特殊性)

・ 特殊繁殖環境…特殊な営巣場所、繁殖期間中の限定された採餌環境など、特殊な繁殖環境を必要とする

・ 特殊採餌環境…特定の動物など、餌の種類が限られている

・ 特殊休息・ねぐら環境…わずかな面積しかない環境又は開発による影響を受けやすい環境など、休息・ねぐら環境として特殊な環境を必要とする

 

○ 学術上の希少性

・ 局地的繁殖…繁殖地が極限している
・ 分布上の希少性…兵庫県の枠を越えた広域的な生息分布からみて希少である

 

<貴重性評価の区分>

 2013 年版レッドデータブックの貴重性の評価区分(カテゴリー)を踏襲した。

①絶滅   兵庫県内での確認記録、標本があるなど、かつては生息していたと考えられるが、現在は野生化では見られなくなり、生息の可能性がないと考えられる種  
②Aランク   環境省レッドデータブックの絶滅危惧Ⅰ類に相当。兵庫県内において絶滅の危機に瀕している種など、緊急の保全対策、厳重な保全対策の必要な種 
③Bランク   環境省レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類に相当。兵庫県内において絶滅の危機が増大している種など、極力生息環境などの保全が必要な種
④Cランク   環境省レッドデータブックの準絶滅危惧に相当。兵庫県内において存続基盤が脆弱な種 
⑤要注目種   最近減少の著しい種、優れた自然環境の指標となる種や分布や行動に変化があり動向が注目される種などの貴重種に準ずる種 
⑥要調査種  

環境省レッドデータブックの情報不足に相当。兵庫県内での生息の実態がほとんどわからないことなどにより、現在の知見では貴重性の評価ができないが、今後の調査によっては貴重種となる可能性のある種

 

選定・評価結果の概要

【鳥類】 

2013年版の選定種に加え、検討を行う必要があるとリストアップした種を候補種とし、定量評価により絶滅の危険性が高いと判断された種を選定した。
選定、評価結果の概要を、2013年版と比較して以下の表に示す。

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2025年版 2013年版  
絶滅


調

絶滅




調
24 59 28 29 17 158 21 64 25 17 25 153 +5

 

 

【目別】

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  2025年版 2012年版




調




調
 計
カモ目 16 13
キジ目
ヨタカ目
アマツバメ目
カッコウ目
ツル目
チドリ目 30 47 31 46
アビ目
コウノトリ目
カツオドリ目
ペリカン目 10 11
タカ目 13 13
フクロウ目
サイチョウ目
ブッポウソウ目
キツツキ目
ハヤブサ目
スズメ目 10 14 40 10 39
合 計 24 59 28 29 17 158 21 64 25 17 25 153

 

 

選定・評価結果(リスト)

【鳥類】

◇ランク別リスト(種の解説は下表の「種リスト」)

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 ランク 種類別 ランク別
絶   滅    1 種リスト
Aランク 24
Bランク 59
Cランク 28
要 注 目 29
要 調 査 17
合   計 158

 


50音順リスト一覧表


CSVデータ 一覧表のデータをCSVに変換する。
※CSVデータ…コンマ「,」で区切られたテキストデータ。
Microsoft Excel等の表計算ソフトで一覧表として開くことができます。


◇ランク変更等の一覧表
※2013年版と比較して、ランクの変更や追加、削除した種を一覧表にまとめています。
追加した種一覧表
削除した種一覧表
ランクを変更した種一覧表

 

 

リストにおける県内分布は、2025年3月現在のものを用いている。
環境省レッドリストのカテゴリーについて環境省レッドリストのカテゴリーについては下記のとおりである。

絶滅(EX)
  我が国ではすでに絶滅したと考えられる種

野生絶滅(EW)
  飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種

絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)※
  絶滅の危機に瀕している種

絶滅危惧ⅠA類(CR+EN)※
  ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

絶滅危惧ⅠB類(CR+EN)※
  ⅠB類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

絶滅危惧Ⅱ類(VU)※
  絶滅の危機が増大している種

準絶滅危惧(NT)
  現時点では絶滅危険度は小さいが、生育条件の変化によっては、「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

情報不足(DD)
  評価するだけの情報が不足している種

絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
  地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

 

※絶滅のおそれのある種(絶滅危惧種)