○播磨中部丘陵県立自然公園の概要
この公園は、兵庫県南部播磨平野の中央部にあたり、200~300m の山々とこれに連なる丘陵で構成され、西から姫路東丘陵地域、及び法華山中道子山丘陵地域の2地域からなる丘陵景観を有する地域である。姫路東丘陵地域 は、自然歩道に沿ってなだらかな丘陵を形成している。法華山中道子山丘陵地域は、この公園の中核をなすもので、県道北条高砂線及び泉高砂線によって西部・ 中央部・東部にほぼ三分されている。西部地区が笠松山(244m)、善防山(251m)、及び法華山(243m)の山岳景観からなり、中央部及び東部は中道子山(272m)から温容な緩傾斜の丘陵が東西に拓け、この間に多くの溜池が散在して、権現川・前谷川・西川・小川等によって加古川に集められている。
この公園は都市に近く、その植生の大部分がネザサなどのササ類を下生に持つアカマツ、クロマツ等の天然の疎林及び二次林でしめられている。そのほか法華山一乗寺境内及びその周辺には、スギ・ヒノキ・マツ・シイ等の社叢林が静寂な境地を形成している。
人文景観としては、法華山一乗寺、古法華及び周辺の古墳群とともに往時の面影を持 つ周遍寺などが歴史的景観を呈し、特に一乗寺は自然林に包まれた静寂な境地を形成している。中道子山は通称「城山」と云い、中道子山城跡があり周囲の展望 が良く山麓の七ツ池とともに野外レクリエーションの場として利用されている。また、来住の男池は「鴨池」として知られ、冬期には数千羽の鴨が集まり、その 生態が観察できる。