○但馬山岳県立自然公園の概要
この公園は、南北に連なる中国地方第2の高峯氷ノ山(須賀ノ山)と扇ノ山を主脈とする地帯、その支脈をなす瀞川山と鉢伏山・三川山・蘇武岳・妙見山の国定公園地域に接する中腹、または山麓部で村岡、美方、床瀬など多くの高原や渓谷を有する地域である。
三川山を源流とする稲葉川と蘇武、妙見山の東側より流れる阿瀬川、氷ノ山より発す る八木川や大屋川はいずれも東流して円山川に合流して日本海に入り、また、鉢伏山より北流する矢田川は妙見山西側を集水する湯舟川と合流、扇ノ山より発す る岸田川は春来川を合流して日本海に注いでいる。
この公園は、比較的開発がすすみ造林地も多く見られるが、なお自然林が随所にあり 特に日本海気候と瀬戸内海気候の接触地帯に当たるため、ブナ・ナラ・トチ・カエデ・アスナロ・スギ・ヒノキ・ヒメコマツなど針広混交林の群生が特色のある 景観となっている。これら植生の顕著な地区としては三川山西斜面、矢田川渓谷沿いのブナ林、鉢伏山西斜面のシャクナゲの群落などがあげられる。
また、香美町南部の兎塚地区は古代民族の住居跡と見られる古墳が多く、社寺・史跡・巨木などとともに県指定重要文化財として保存されているほか、郷土の文化遺産の収集、保存、展示を行っている民族資料館がある。
野生動物としてはサル・キジ・タヌキなどが主たるものであるが、天然記念物のオオサンショウウオが新温泉町、豊岡市の渓流に棲息するほか、ヤマメ(山女魚)とり、鱒の養殖が盛んである。