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音水ちくさ県立自然公園

○音水ちくさ県立自然公園の概要

 本公園の景観は、中国山地東端を占める1,000m級の山岳景観及び引原川や千種川を中心とする河川・渓谷景観が特長となっている。

 本公園を含む周辺一帯の山岳は、兵庫県下でも最も自然の豊かな地域の一つであり、野生動物にとって良好な河川環境や森林環境が残されている。哺乳類は、特別 天然記念物であるツキノワグマや天然記念物のヤマネが生息することから、当地域の自然環境は相当に良好であることがうかがえる。鳥類はイヌワシをはじめと する猛禽類の行動圏の一部として重要な地域であり、千種川流域ではハチクマやハイタカが確認された。両生・爬虫類は現地調査の結果10種確認されており、なかでもちくさ高原の千種川源流部においてヒダサンショウウオと思われる幼生が確認された。また、オオサンショウウオの生息も確認されており、河川環境も良好であると言える。

 本公園の植生は、スギ・ヒノキ植林が広範囲を占めている。自然度の高い地域として は、引原川流域の急斜地にはウラジロガシ群落、ケヤキ群落、アカマツ―ハコネシダ群落が小面積で分布している。千種川上流域では、谷沿いにクリ―サワシバ 群落・クマシデ群落・ミズキ群落といった渓谷性二次林が見られるほか、ちくさ高原にある湿地植物群落が草本植生として貴重な群落となっている。

 古くから砂鉄の産地として知られた当地では、砂鉄を採掘した跡地が残丘として残っている。なかでもちくさ高原にある鉄穴残丘は「日本の地形レッドデータブック(日本のレッドデータブック作成委員会1994)」に記載されている重要なものであるほか、天児屋には当地方でも最大級のたたら製鉄所跡が残っている。

○みどころ

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●揖保川源流域(引原川)

 引原川は、鳥取県境及び但馬地域に接して源流があり、国道29号からの眺望がよい。

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●千種川源流域

 県下随一の清流であり、主要県道若桜南光線からの眺望がよい。