○多紀連山県立自然公園の概要
多紀連山県立自然公園は、兵庫県丹波地域の東部に位置し、多紀連山を中心とする多紀連山地区と、その北側の妙高山地区、及び南側の弥十郎ヶ嶽地区の3つの地区からなる。
本公園の中核となる多紀連山地区は、標高600~800mの山々が、東西約18kmにわたり連なる帯状の低山地帯でありながら、山稜、山腹が非常に急峻なことから、多紀アルプスと形容される。篠山盆地から一望できるこれらの山岳景観は、丹波地域のシンボル的存在となっている。
その北側の妙高山は、丹波比叡とも称される古くからの修験道の霊地で、山頂部の神池寺と妙高山の自然とが渾然一体となった美しい風景は、丹波屈指の名刹としても知られている。
南側の弥十郎ヶ嶽地区は、猪名川渓谷県立自然公園と接しており、弥十郎ヶ嶽の尾根からは、篠山盆地とその背景となる多紀連山を一望することができる。
本公園の植生は、大部分がアカマツ-モチツツジ群落及び谷筋を中心にスギ-ヒノキ植林によって占められているが、日ヶ奥渓谷や神池寺周辺、多紀連山の山頂部などには、比較的自然性の高い植生が見られる。
また、多紀連山の主要尾根や妙高山は、浸食に強い珪岩(チャート)で構成されているため、急崖や絶壁、奇岩が多く、その特異な自然環境から、かつては修験道の霊地として栄えた場所であり、山頂部への登山路には行場跡等が多く、このような歴史的、文化的雰囲気も本公園の特色である。