〇ナガエツルノゲイトウにご注意ください!
水辺の湿った環境に生える多年草の水草ですが、陸域でも生えます。茎、根の切片・断片から再生可能で、2mmの根から再生した例もあるほど、繁殖力が強いです。また、茎はストローのような中空でポキポキ簡単に折れますが、拡散の原因になりますので折らないでください。
現在、兵庫県内では16市町※で確認されています(令和6年7月)。
※神戸市、尼崎市、西宮市、伊丹市、川西市、猪名川町、明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町、西脇市、多可町、姫路市、洲本市、南あわじ市
チラシ
ため池管理マニュアル(令和6年度)
https://www.hyogo-tameike.com/notice/9660/
〇ナガエツルノゲイトウについて
・原産地
南アメリカ原産、北アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカ
・特徴
水辺の湿った環境に生える多年草の水草であるが、陸域でも生える。
茎はストローのような中空でポキポキと簡単に折れる。
地上・水上で枝分かれしながら茎を伸ばし、茎は絡まりあって、水上ではマット状の群落を形成する。
4~10月に白い球状の花が咲く。茎、根の切片・断片から再生可能で2mmの根から再生した例がある。特に、日当たりの良い肥沃な条件下では、急激に増殖する。一度繁殖すると根絶は非常に困難。
・主な被害
【洪水被害】
繁殖したナガエツルノゲイトウが大雨で大量に流れると水流の阻害や、排水口を塞ぎ、洪水の発生が懸念されます。
【農業被害】
田んぼに入り爆発的に繁殖するとイネを覆い収穫できなくなります。畑も同様に繁殖します。特に農耕機に付いて広がるおそれがあります。
【生態系被害】
ため池等の水面を覆いつくすため、水質が悪化します。また在来生物の生育環境と競合する等、悪影響を及ぼします。
・法律
平成17年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」による特定外来生物に指定され、飼養、保管、運搬、輸入、野外への放出等が禁止されています。
〇ナガエツルノゲイトウを発見したら
引き抜いたりせず、速やかに兵庫県自然・鳥獣共生課またはお近くの市町環境担当課まで連絡してください。発見日時、発見場所、発見時の状況についてお知らせください(写真があれば良いです)。
また、ナガエツルノゲイトウが生育している地点で草刈りを絶対にしないでください。断片が飛び散り、生育地を拡げる原因になります。
発見後は駆除が必要です。駆除の際は必ず専門家の指導を受けてください。
市販の除草剤はほとんど効果ありません。丁寧な駆除が必要です。作業後も定期的に巡回・監視を行い、再生が認められたら直ちに取り除く地道な取組が重要です。
〇兵庫県内での取組例
世界的にも明確な駆除方法は確立していませんが、県内で実践されている方法を紹介します。
<遮光シート>
光を遮断し、光合成を止める。ナガエツルノゲイトウは非常に生命力が強いため簡単には枯れず、ピンクの芽を出す。(東播磨地域)
<拡散防止フェンス・ネット>
ため池に繁茂した場合、通常の排水や大雨による越水と共にナガエツルノゲイトウが下流域へ流出、拡散するおそれがある。実際、下流への流路及びため池に拡散した。上流からの侵入防止にオイルフェンス、既に侵入済みのナガエツルノゲイトウがため池内で拡散しないように防風ネットを設置。(淡路地域)
<水流ポンプ>
ナガエツルノゲイトウは根が深い。高圧水流ポンプで定着土壌を崩していくと根から引き抜きやすい。(東播磨地域)
<具体的な事例>
洲本市五色町都志米山では、令和2年10月に本田池で確認されて以降、地域での駆除対策を行っています。
詳しくは、淡路米山ため池保全ネットワークのホームページをご覧ください。
〇HPをご覧の皆様
ナガエツルノゲイトウ被害の普及啓発のため、ナガエツルノゲイトウの画像データを配布しています。出典を明記し自由に利用いただけます。普及啓発用パンフレットなどを作る際に、是非ご利用ください。
なお、本画像の著作権者は「兵庫県」です。「提供:兵庫県」などと表記してお使いください。
<ナガエツルノゲイトウ>
<花>
<夏と冬>