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出石糸井県立自然公園

○出石糸井県立自然公園の概要

 本公園は、但馬地域の東部に位置し、豊岡市・朝来市の2市にまたがる。標高1,000mに及ぶような山は存在せず、兵庫県内の主要な分水嶺も含んでいない。本公園は、出石川により山塊が南北に分割されており、北部の出石東方山地と南部の床尾山地とに区分でき、両者には自然特性や社会特性において相違が存在する。

 本公園の自然景観は、権現山や西床尾山等の山地景観、その山塊から多方面にのびる流域沿いの渓谷景観、また東床尾山を代表とする雄大な眺望が得られる山頂からの景観等に分類できる。これらの優れた景観は、主に床尾山地で見受けられる。

 植生は、出石東方山地では白糸の滝周辺に存在する自然植生のアラカシ群落を除き、 植生自然度の高い地域は見られず、主にアカマツ―チマキザサ群落によって占められている。アラカシ群落の分布する袴狭川流域の一部には、トキワカイリソウ やタジマタムラソウ等、貴重な植物種が数多く見られる豊かな植物相を示す地域が存在している。床尾山地では南側斜面を中心にスギ・ヒノキ植林地が大面積を 占め、標高600m以上の地域にはブナ―ミズナラ群落及びミズナラ群落が広く分布している。貴重な 植物種に関しては、糸井川流域、床尾三滝周辺を中心に帯状の分布域が認められ、オシャグジデンダ・イワタバコ・イワギボウシ等の着生植物が多数確認されて いる。国指定の天然記念物である大カツラは糸井川流域に位置し、当流域一帯は本公園内において最も植生自然度の高い地域である。

 本公園は、天日槍伝説により但馬発祥の地とされ、また中世から近世にかけては数々 の城が建築されるなど歴史的資源が豊富である。それら歴史的資源の多くは、明瞭な山並みを示す有子山等の自然資源と一体的に捉えられ、一方で公園区域に出 石城下町としての市街地が隣接することなど、他の自然公園には見られない事象が存在している。これら多くの人文景観は、個々に存在するのではなく、有子 山、入佐山等の自然景観と適切に調和した一つの特殊景観を形成している。

○みどころ

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●糸井渓谷

 糸井川の上流にあり、不動滝、床尾の三滝などの滝が見られる。渓谷の最奥部にある大カツラは、国の天然記念物に指定されている。

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●白糸の滝

 出石の町から北、袴狭川上流にある高さ15mの滝。水が幾筋もの糸をたらしたように流れている。