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兵庫県栄養塩類管理計画~豊かで美しい里海を目指して~

 

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2021年6月に、瀬戸内海環境保全特別措置法が改正され、特定の海域への栄養塩類供給が可能となりました。

兵庫県は、2022年10月21日に、瀬戸内海の関係府県に先駆けて同法に基づく「栄養塩類管理計画」を策定し、栄養塩類の供給量増を目指します。

 

瀬戸内海は、日本最大の内海で、多数の海に彩られ、古くから比類のない美しさを誇る景勝地として、また豊かな漁場として私たちの暮らしに豊かさをもたらしてきました。

 

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しかし、高度経済成長期に入り、都市化、工業化が進み、工場や家庭からの排水等により海域の水質汚濁(富栄養化)が急速に進行しました。 

その結果、プランクトンが大量に発生し、赤潮などにより、漁業・養殖業が大きな被害を受け、瀬戸内海は「瀕死の海」といわれました。 

 

 

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兵庫県をはじめとした沿岸自治体は、法整備を国に働きかけ、瀬戸内海環境保全特別措置法の制定が実現し、化学的酸素要求量(COD)の流入負荷削減などの環境保全対策を進めました。また、工場等には排水処理施設が導入され、下水道も普及しました。この結果、1980年代以降、兵庫県沿岸の瀬戸内海の水質は大きく改善し、赤潮発生件数も減少しました。

 

 

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環境保全対策等により、水質が大きく改善された一方で、1990年代後半から兵庫県沿岸の瀬戸内海の漁獲量が減少しています。また、以前より痩せた魚が多くなり、養殖ノリの色落ちが頻発するなど、瀬戸内海の「豊かさ」が失われてきました。

この要因の一つとして、食物連鎖の底辺を支える植物プランクトンの栄養となる栄養塩類(特に窒素)の不足が指摘されています。

 

 

2021年6月には、瀬戸内海環境保全特別措置法が改正され、特定の海域への栄養塩類供給が可能となりました。兵庫県は、2022年10月21日に瀬戸内海の関係府県に先駆けて同法に基づく「栄養塩類管理計画」を策定し、栄養塩類、特に全窒素の供給量増を目指しています。

 

<栄養塩類管理計画の概要>

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<栄養塩類供給等の様々な取組み>

現在、漁業者や環境保全団体が、豊かで美しい里海の再生を目的として、海底耕うんやかいぼり、漁場での局所的な施肥など、様々な栄養塩類供給の取組が行われています。

これらの取組は、今後、調査研究により、定量的な効果等が把握できた時点で、栄養塩類増加措置への位置づけを検討します。

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兵庫県栄養塩類管理計画

計画概要

計画本文