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第2部 第1章 第7節 化学物質対策の推進

 

第7節 化学物質対策の推進

 

 

第1 環境汚染物質排出・移動登録(PRTR)制度の推進

 

▼コラム PRTR

 

1 PRTR制度

 

 人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、事業所からの環境(大気、水、土壌)への排出量及び廃棄物に含まれての事業所外への移動量を、事業者が自ら把握し、国に届け出るとともに、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計し、公表するものとして、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)に基づいて、PRTRが制度化された。

 注:PollutantReleaseandTransferRegister(環境汚染物質の排出と移動の登録)

 このPRTR制度は、従来の化学物質管理と以下の点で大きく異なり、画期的なものとなっている。

 

ア 人の健康だけでなく、動植物の生息・ 生育についても配慮すること

イ 潜在的に有害な多数の化学物質を対象 とすること

ウ 大気、水域、土壌などの個別媒体だけ ではなく、全環境媒体を対象とすること

エ 濃度ではなく、排出量や移動量を把握 すること

オ 企業等が規制値を守るだけでなく自主 的に取扱化学物質の量の管理を行うこと

カ 登録された排出量や移動量を整理し、 誰でもが利用できる形で公表すること

キ 行政、企業、国民等の合意形成に努力 すること

ク 指定化学物質を一定量以上含む製品の 情報(MSDS)の提供を義務づけること

 

 すなわち、今後の化学物質管理は、特定の少数の物質を行政が規制・監視し、事業者は規制を守り、市民は行政に任せたり要求するだけではなく、「多数の有害化学物質を行政と事業者とNGO・市民が情報を共有し、リスクコミュニケーションを行いながら、協力して管理する」こととされている。

 本制度に基づいて一定量の化学物質を取り扱う全国の事業者が1年間にどのような物質をどれだけ環境中へ排出したか、あるいは廃棄物としてどれだけ移動したか毎年度の実績を翌年度の6月末までに届出が必要となった。

 

第2-1-62図 PRTRの基本構造

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2 対象事業者への説明会の開催

 

 対象事業者等は平成13年度の排出量を算出し、所定の様式で所管行政機関に平成14年7月1日までに届出を行なわなければならないこととなった。
そのため、県では対象事業者に対し、平成14年2月18日~平成14年3月27日にかけて届出に関する説明会を県下8箇所で開催し、約1400の事業者が参加した。

 

3 PRTR制度の本格施行に向けて

 PRTR制度の本格施行に向けて県では平成14年度、次の施策展開を図っていくこととしている。

 

1.対象事業者からの円滑な届出の受付

2.届けられたデ-タをもとに国が行う集計・公表結果を受け、県としての集計・公表を行っていく。

3.県民、事業者に対し、集計・公表されたPRTRデ-タの理解の促進と行政における今後活用方策の検討

4.化学物質管理指針の周知とリスク低減のための諸方策の検討

 

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コラム

(1) PRTR対象物質
人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する(暴露性がある)と認められる物質として選定されたもの(第1種指定化学物質:政令で354物質を指定している)。

・揮発性炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等

・有機塩素系化合物:ダイオキシン類、トリクロロエチレン等

・農薬:臭化メチル、フェニトロチオン、クロルピリホス等

・金属化合物:鉛及びその化合物、有機スズ化合物等

・オゾン層破壊物質:CFC、HCFC等

・その他:石綿等

 

(2) PRTR対象事業者
 PRTR対象事業者として、第一種指定化学物質を製造、使用その他業として取り扱う等により、事業活動に伴い当該物質を環境に排出すると見込まれる事業者であり、業種、常用雇用者数、年間取扱量(例外施設規定あり)の3要件が定められている。

 

図 届出対象事業者の範囲

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第2 ダイオキシン類削減対策

 

▼コラム ダイオキシン類とは

▼コラム ナノグラム(ng)、ピコグラム(pg)ってどれくらいの量?

▼コラム ダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)

 

1 発生源対策

 

 ダイオキシン類は、非意図的に生成する化学物質であり、その発生源は有機塩素系化合物の生産過程や廃棄物の焼却過程など多岐にわたっている。また、毒性が強く、その環境汚染が大きな社会問題となっている。

 このため、県では、平成9年5月30日に設置した「ダイオキシン類対策検討委員会」の指導・助言のもと、平成9年12月に「兵庫県ダイオキシン類削減プログラム」を策定し、総合的、計画的なダイオキシン類対策を講じている。

 また、平成11年7月に「ダイオキシン類対策特別措置法」が制定され、平成12年1月に施行された。この中でダイオキシン類に係る大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・廃棄物処理に関わる基準、規制及び措置等が定められた。

 これに基づき、特定施設に係る届出の受理、立入検査により排出基準適合状況等の審査及び指導を行うとともに、工場の調査やダイオキシン類による環境の汚染状況の常時監視を行っている。

 

(1)ダイオキシン類対策特別措置法に基づく対策

 

 ダイオキシン類対策特別措置法の適用を受けている工場等について、特定施設に関する届出の審査及び燃え殻・ばいじんの処理方法の確認を行っている。

 平成13年度は延べ359事業所に対して立入検査を行っている(第2-1-38表)。

 

第2-1-38表 立入検査の状況

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 また、ダイオキシン類に関する最新情報の提供等の普及啓発を図っている。

 なお、平成14年3月31日現在、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく特定施設を設置する事業所数は、大気基準適用施設を設置するものが493(そのうち、同法で権限が委任されている神戸市、姫路市内のものは105)、水質基準対象施設を設置するものが134(そのうち、神戸市、姫路市内のものは30)である。

 また、同法に基づき排出ガス、排出水、燃え殻・ばいじんの自主測定及び報告義務が事業者に課せられている。

 最近の自主測定状況は、第2-1-39表のとおりである。


第2-1-39表 自主測定結果報告状況及び排出基準の適合状況

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(2)ごみ焼却施設における発生源対策

 

 市町等の設置するごみ焼却施設については、平成10年4月に「兵庫県ごみ処理施設整備基本方針」を策定し、ごみの減量・リサイクルの推進及びごみ焼却施設から発生するダイオキシン類の削減等を図るための基本的な考え方を示した。

 同基本方針の中て示されている主な内容は次のとおりである。

・新設されるごみ焼却施設については、原則としてl00t/日以上の規模を持つ全連続炉とし、ダイオキシン対策等の環境保全に係る最良技術を導入した施設とすること。

・発電等エネルギーの有効利用の観点から、可能な限り300t/日以上の規模が確保されるよう、施設整備を進めること。

・離島、過疎地等にあっては、100t/日未満の施設整備も行えるものとするが、施設は連続運転を原則とすること。

 この方針に基づき、単独での施設整備が困難な市町等にあっては、複数市町の連携によりごみ処理の広域化を図り、同方針に合致した施設整備を行なうこととなっている。

 ダイオキシン類による環境汚染が社会問題化していることから、本県では、「ダイオキシン類対策検討委員会」の指導・助言のもと、平成9年12月に「兵庫県ダイオキシン類削減プログラム」を策定し、これに基づき、全国に先駆けて総合的、計画的にダイオキシン類発生源対策を推進している。

 

ア 排ガス中のダイオキシン類測定結果

 平成8年度から平成13年度までに市町等が実施した測定結果は、第2-1-40表のとおりであり、平成13年度までに恒久対策基準を超えた施設は51施設となっている。

 

第2-1-40表 ごみ焼却施設のダイオキシン類測定結果

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イ 施設の改修状況

 県では、国のガイドラインに基づき、法令の規制値より厳しい恒久対策基準(新設基準並)の遵守を指導しており、市町等では、基準を超えた51施設について、法令の適用期限である平成14年12月1日までに恒久対策基準に適合させるよう、施設の改修・更新等の対策を実施している。(第2-1-41表

 

第2-1-41表 恒久対策基準を超えた施設の対策

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ウ ダイオキシン類の総排出量

 平成13年度のダイオキシン類の総排出量は、年間4.0g-TEQで、測定開始の平成8年度と比べて96%削減されており、恒久対策基準をもとに推計した目標値(平成14年度:年間7.6g-TEQ)を前倒しで達成した。(第2-1-42表

 

第2-1-42表 ダイオキシン類の年間総排出量

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(3)ばく露防止対策(ダイオキシン類による 労働者への健康影響等の防止)

 

 廃棄物焼却施設からのダイオキシン類による労働者への健康影響等を防止するため厚生労働省から「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」(平成13年4月)が示されたところであり、県では、市町及び関係事業者等への周知・徹底を行っている。

 また、解体時のばく露防止対策により、解体撤去費が高額となっていることから、国に対し補助制度の拡充について要望している。

 

(4)産業廃棄物焼却施設対策

 

 現在、県下で稼働中の産業廃棄物焼却施設からの排ガスに係るダイオキシン類濃度の測定結果は第2-1-43表のとおりである。

 既設については、平成9年12月1日から適用されている排出基準(緊急対策基準)80ng-TEQ/Nm3を超える施設はなかった。一方、測定義務に違反している施設が5施設、平成14年12月1日以降、遵守すべき排出基準(恒久対策基準)を超えている施設が4施設あり、これらについては、測定結果報告書の提出もしくは期限までに基準に適合するよう強力に指導している。

 新設では、排出基準を超えている施設が1施設あり、これに対し、改善計画書の提出を求めたうえ、廃棄物分別、温度管理、運転管理の徹底等改善を指導している。

 

第2-1-43表 ダイオキシン類濃度測定結果

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2 環境調査

 

 全県的にダイオキシン類の環境濃度を継続して監視するため、平成13年度においては、大気、水質、底質、地下水、土壌で調査を行った。

 

(1)大気(資料編第8-1表

 

 20地点で年4回調査した結果、地点別年平均値で見ると、その濃度範囲は0.039~0.39(全平均値0.11pg-TEQ/m3)で、ダイオキシン類に係る大気環境基準(年平均0.6pg-TEQ/3)をすべての地点で満たしている。

 

(2)水質(資料編第8-2表

 

 河川では26地点で調査した結果、濃度範囲は0.066~0.87pg-TEQ/l、湖沼では3地点で調査した結果、濃度範囲は0.067~0.082pg-TEQ/、及び海域では13地点で調査した結果、濃度範囲は0.065~0.11pg-TEQ/lであり、すべての地点で、ダイオキシン類に係る水質環境基準(年平均1pg-TEQ/lを満たしている。

 

(3)底質

 

 河川では26地点で調査した結果、濃度範囲は0.066~130pg-TEQ/g、湖沼では3地点で調査した結果、濃度範囲は3.4~16pg-TEQ/g、及び海域では13地点で調査した結果、濃度範囲は0.19~29pg-TEQ/gであり、すべての地点で、ダイオキシン類に係る底質環境基準(ただし、平成14年9月1日から適用:150pg-TEQ/g)を満たしている。

 

(4)地下水

 

 10地点で調査した結果、濃度範囲は0.039~0.050pg-TEQ/l、すべての地点で、ダイオキシン類に係る水質環境基準(年平均1pg-TEQ/lを満たしている。 

 

(5)土壌

 

 24地点で調査した結果、濃度範囲は0.0030~1.7pg-TEQ/gで、すべての地点で、ダイオキシン類に係る土壌環境基準(1,000pg-TEQ/g)を満たしている。

 

第2-1-44表 調査地点(大気)

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第2-1-45表 調査地点(水質・底質)

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第2-1-46表 調査地点(地下水、土壌)

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第2-1-63図 ダイオキシン類調査地点図(大気)

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第2-1-64図 ダイオキシン類調査地点図(水質・底質)

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第2-1-65図 ダイオキシン類調査地点図(地下水・土壌)

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コラム

▼ダイオキシン類とは
 ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化-ジベンゾ-フラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニール(コプラナーPCB)の総称で、主に炭素と塩素を含んだものを燃やすことにより発生します。
 その毒性は、モルモットによる急性毒性試験によると、人工化学物質の中では極めて高い急性毒性がみられますが、通常そのような濃度のダイオキシン類にさらされることはありません。むしろ、日常生活において食物等にごく微量存在するダイオキシン類を一生涯にわたってとり続けた場合、健康にどのような影響があるのかが問題で、その指標として耐容一日摂取量(Tolerable Daily Intake:TDI)4pg-TEQ/kg/dayが定められています。
 ※TDI:一生涯摂取しても、何ら健康に影響を及ぼさない安全な摂取量(単位:TEQ/kg/day)

 

 

▼ナノグラム(ng)、ピコグラム(pg)ってどれくらいの量?
重さを測る単位
 kg(キログラム)
 g(グラム)
 mg(ミリグラム)=10-3g(千分の1グラム)
 μg(マイクログラム)=10-6g(100万分の1グラム)
 ng(ナノグラム)=10-9g(10億分の1グラム)
 pg(ピコグラム)=10-12g(1兆分の1グラム)

[東京ドームに相当する体積の入れ物を水でいっぱいにした場合の重さが約1012gです。このため、東京ドームに相当する入れ物に水を満たして角砂糖1個(1g)を溶かし、その水1ccに含まれている砂糖が1pg(ピコグラム)になります。]

 

 

▼ダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)
 中央環境審議会並びに生活環境審議会及び食品衛生調査会において、合同で科学的見地からの検討が行われ、平成11年6月21日にその報告書がとりまとめられ、同25日のダイオキシン対策関係閣僚会議で了承されました。
その結論の要点は


 ダイオキシン類の当面の耐容一日摂取量(TDI)を、これまでのダイオキシン類(PCDD及びPCDF)のほかにコプラナーPCBを含め、4pgTEQ/kg体重/日とする(1日体重1kg当たり4ピコグラム)。
 なお、動物試験ではTDIの算定根拠とした試験結果の水準以下でも微細な影響が認められていることから、今後とも調査研究を推進していくことが重要である。


というものです。
 なお、この耐容一日摂取量(TDI)は、生涯にわたって摂取し続けた場合の健康影響を指標とした値であり、一時的にこの値を多少超過しても健康を損なうものではありません。
 また、ダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)は、最も感受性の高いと考えられる胎児期における暴露による影響を踏まえて設定されています。発がんなどの影響についてはより高い暴露でないと観察されません。
 4ピコグラムのTDIは、動物実験で得られた結果を人に当てはめた上で、さらに、安全を見込んで10分の1の数値に設置したものです。

 

第3 外因性内分泌攪乱化学物質対策

 

▼コラム 環境ホルモンってなに?

 

 外因性内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)は、人や野生生物の内分泌作用を撹乱し、生物機能阻害、悪性腫瘍等を引き起こす可能性があると指摘されているが、その内分泌攪乱化学作用は、科学的に未解明な点が多く、このため国は平成10年度から全国一斉調査を実施し内分泌攪乱化学作用を有すると疑われる化学物質の存在状況を把握するとともに、これらの物質について有害性評価を行い、我々のおかれている環境がもたらすさまざまな経路を通じたリスクを総合的に評価し、それに基づいて有効な対策を策定しようとしている。

 県では、平成10年度から全庁的な協議・調整の機関として「外因性内分泌攪乱化学物質対策連絡調整会議」及び技術的、専門的な助言・解析を得・今後の環境ホルモンに係る環境保全対策に関する検討を行う機関として、「外因性内分泌攪乱化学物質対策検討委員会」を発足させるとともに、県下全域にわたって詳細な環境調査を実施し、実態把握に努めるとともに、今後の対策を検討している。

 

1 大気(資料編第9-1表

 

 平成13年度は、26地点において、PCB、ヘキサクロロベンゼン、クロルデンの3物質について調査を実施し、全地点において3物質が検出された。環境省調査結果と比べると、PCBについてはやや高い地点も見られたが、他の物質については全て範囲内である。

 

2 水質及び底質(資料編第9-2表

 13河川の19地点で水質・底質調査を行った。調査対象物質は、PCB、トリブチルスズ、トリフェニルスズ、4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシルの10物質。

 

(1)水質

 トリブチルスズ等7物質については、全地点において定量限界未満(ND)であり、PCBは0.00013~0.034μg/l、ビスフェノールAは<0.01~0.01μg/l、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルは<0.5~0.9μg/lの濃度範囲であり、いずれも環境省調査結果の範囲内である。

 

(2)底質

 トリフェニルスズについては、全地点において定量限界未満(ND)であり、4-t-オクチルフェノール、ビスフェノールAについては、環境省調査結果と比べるとやや高い地点も見られたがPCB等7物質については環境省調査結果の範囲内である。

 

第2-1-47表 環境ホルモン調査結果(大気)

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第2-1-48表 環境ホルモン調査結果(水質・底質)

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コラム

▼環境ホルモンってなに?
◆ 定義「環境ホルモン」の正式名称は『外因性内分泌かく攪乱化学物質』といいます。国では、"動物の生体内に取り込まれた場合に、本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質"と定義しています。
◆ ホルモンの役割
 私たちの体内では微量のホルモンが必要に応じて分泌され、成長や生殖機能の発達を促したり、外部環境が変化しても身体の機能を一定に保つ恒常性(ホメオスタシス)を調節する役割を果たしています。
◆ 環境ホルモンはなぜ悪い
本来、ホルモンは細胞中のレセプター(受容体)と呼ばれるカギ穴のようなものに結合することで作用します。普通はホルモン以外の化学物質はレセプターと結合しません。
ところが、「環境ホルモン」は本物のホルモンの代わりにレセプターと結合してしまい、その結果、本物もホルモンと類似の作用をする場合や、逆に作用を阻害する場合があるといわれます。
◆ どんな物質があるの?
 国では、内分泌かく攪乱作用をもつと疑われている物質が約70あるとしています。内容としては、ダイオキシン類などの非意図的生成物、殺菌剤、除草剤、殺虫剤等の農薬、フタル酸等の工業薬品、カドミウム等の重金属となっています。

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出典:環境シンポジウムin北九州106頁