第2節 自然とふれあいの場の整備
第1 自然豊かな親しみやすい水辺空間の創造
水がわれわれに与えてきた風土と文化を子孫に継承するため、水質浄化はもちろんのこと、うるおいと親しみのある水辺空間の保全と創出を行うことにより、水とのふれあいを促進している。
1 流域水環境保全創造指針
河川流域の水質、水量、水生生物、水辺地等の水に係る環境の保全と創造のための総合的な流域水環境保全創造指針を定め、流域の特性に応じ良好な水環境の保全と水辺空閤の創造をめざした取り組みを推進している。
2 水辺空間の整備
河川、海岸、ダム、砂防、港湾なとの水辺空間について、県民が水と緑に親しみ、ふれあえる場を創出するため、千種川等で、ふるさとの川整備事業を実施するとともに、武庫川では水辺区間とまちづくりを一体的整備するマイタウン・マイリバー整備事業を実施している。さらに、青野ダムでダム湖利用適正化の推進に引き続き取り組んでいる。
加えて、岩戸川(市川町)ほかで渓流の環境に配慮した砂防事業を実施するとともに、尼崎西宮芦屋港ほかにおいて、親水機能を高める港湾環境整備事業を実施する。
第2 良好な景観の形成
長い歴史の中で積み重ねられ構築されてきた風景と伝統的なまちなみは、地域の文化を代表するものであることから、美しい景観の形成を促進するための施策を展開している。
1 景観の形成等に関する条例の施行
さわやかな県土づくりの一環として、優れた景観の形成等を図ることを目的に制定した。条例の柱である「景観形成地区の指定」「風景形成地域の指定」「大規模建築物等の届け出」等の円滑かつ積極的な運用により、現存している優れた景観の保全と魅カある新たな景観の創造を推進している。
2 緑豊かな地域環境の形成に関する条例の施行
地域の独自性と主体性を生かしつつ、適正な土地利用の推進、森林の保全、緑化の推進並びに擾れた景観の形成により、緑豊かな地域環境を形成し、自然的環境と調和した潤いのある地域社会の実現を図っている。
3 屋外広告物条例の施行
屋外広告物の持つ機能や役割に配慮しつつ、
美観風致を維持し快適な生活空間を創造するため、広告景観対策を実施している。
4 廃自動車問題対策
地域の美観を損なう廃自動車等の屋外保管に対して、保管方法について協議・協定等を行うことにより、環境の美化の促進を図っている。
第3 自然とのふれあいの推進
▼コラム 氷ノ山後山那岐山国定公園 -氷ノ山-
▼コラム 近畿自然歩道とは
豊かな自然とその生態系を県民共有の財産として次の世代に引き継ぐため、地球環境保全の視点から生態系の破壊を未然に防止し、エコロジカルな地域づくりを進めるための施策を展開している。
1 自然公園の利用と施設の整備等
(1)自然公園の利用
国立公園、国定公園及び県立自然公園の利用者数は、平成13年は約3,085万人であった。(第2-3-2表)。
第2-3-2表 自然公園利用者数

(2)自然公園施設の整備等
自然とのふれあいの場である自然公園において、利用者が安全で快適に自然とふれあえる場づくりを進めるため、公園計画の利用計画に基づき、施設を計画的に整備し、更新、維持管理を行っている。
ア 笠形山千ヶ峰県立自然公園利用拠点の整備
公園利用の拠点として、ビジターセンター及び自然学習のためのフィールドを整備している。
場 所
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整備年度
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施 設 名
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八千代町 大屋
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平成 12年度
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コテージ棟の建築及び センター棟の用地造成 |
平成 13年度
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センター棟の建築、 小川の再整備、植裁 |
平成 14年度
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トイレ及び炊事棟、体験施設 及びフィールドの整備 |
イ 県立六甲山自然保護センターの管理・運営
六甲山の自然を写真パネル・標本などにより紹介する展示、研修及び休憩の場として管理運営している。
場 所
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内 容
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利用者数
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神戸市灘区六甲山町 (記念碑台)
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展示室・レクチャールーム・ 事務室
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31,603人 (14年度)
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ウ ハチ高原野営場における公衆トイレの再整備
氷ノ山後山那岐山国定公園を代表する野
営場の老朽化したトイレ(昭和46年築)を再整備する。
路線延長等
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約590km(1日コースの計) 4ルート(65コース)
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整備年度
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平成9年度~14年度
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施 設
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標識類、休憩所、トイレ等
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平成9~13年度
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山陽路ルート、淡路島ルート、日本海沿岸ルート、子午線円山川ルート 整備延長約500km
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平成14年度
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子午線円山川ルート等 整備延長約90km
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(3)近畿自然歩道の整備
全国をネットワークする長距離自然歩道の一環として、近畿自然歩道の県内ルートを、既存の道路等を活用して整備している。
路線延長等
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約590km(1日コースの計) 4ルート(65コース)
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整備年度
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平成9年度~14年度
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施 設
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標識類、休憩所、トイレ等
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平成9~13年度
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山陽路ルート、淡路島ルート、日本海沿岸ルート、子午線円山川ルート 整備延長約500km
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平成14年度
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子午線円山川ルート等 整備延長約90km
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2 県立南但馬自然学校の運営
県立南但馬自然学校は、朝来群山県立自然公園の一画にあり、広大な自然環境を活用して、野生味あふれる「ふれあい体験」ができる自然学校受入施設である。
分散型の生活棟が6棟、雨の中でもファイアーができる大屋根広場、そのほか、食堂棟、浴室棟、自然観察館、但馬ふるさと館、フレッシュエアーテント、屋外キッチン、自然観察路などの施設が整備されている。
平成13年度は、自然学校利用約3万1千人、自然学校以外の利用約1万2千人が、自然とのふれあい、人とのふれあい、地域とのふれあい活動を展開した。
また、自然学校の児童の受け入れだけでなく、教員を対象とした自然学校指導者講座、一般・大学生、施設職員を対象とした自然学校指導者養成研修を実施するとともに、自然学校の先導的プログラム開発や自然学校に関する調査研究、さらには、自然学校の情報提供を行っている。
3 三木山森林公園の運営
三木山森林公園は、多様な森林を育成し、豊かな緑の中で勤労者をはじめ広く県民の文化活動及びレクリエーション活動の促進を図ることによって、森林とのふれあいを深めることができる公園である。
公園区域は約81haの広がりがあって、森林はコナラ等の落葉広葉樹が多く、新緑・緑陰・紅葉・冬枯れといった四季折々の雑木林の美しい姿を提供しており、来園者は平成10年度約40万人同11年度約46万人、同12年度約47万人、そして同13年度約54万人と増加しており、多くの県民に利用されている。
この森林内に、大芝生広場・イベント広場をはじめ、森の文化館(音楽ホール・展示ホール等)・森のクラフト館・茶室・森のバーべキュー広場等の利用施設を点在的に配置しており、森のコンサート・親子木工教室・野烏観察会等の森を媒介とした各種イベントの開催により、これらの施設の利用促進を図るとともに、人と森林とのふれあいを深めている。
第2-3-1図 自然公園配置及び自然歩道図(平成14年3月31日現在)

4 丹波の森公苑の運営
生活創造センターの第1号施設である丹波森公苑は緑豊かな森とのふれあいや創作活動への主体的な取り組み、地域や世代を超えた交流などが展開される丹波の森構想の推進拠点であり、また、新しいライフスタイルづくりやこころ豊かな丹波づくりの活動・交流拠点の場となる施設である。
・設置場所
氷上郡柏原町柏原5600
・主要施設
生活創造センター(会議・セミナー室、多目的室、創作工房等)ホール(プロセニアム形式の舞台(800人収容)、練習室・楽屋、アトリエ(絵画棟、彫刻棟)
スポーツ施設(多目的グラウンド、テニスコ一ト8面)親水河川、芝生広場、イベント広場、主幹園路等(注釈プロセニアム形式:)
・主要事業
丹波の森づくり(森づくりポランティア養成等)、生活創造センターの運営(研究会議の設置等)、生達学習社会への支援(生活創造大学の開催等)、芸術文化活動への支援(国際音楽祭等)、青少年活動への支援、県民ネットワークの形成、自立する消費者活動への支援の各事業
5 森とのふれあいの促進
森林地域等の自然環境の保全・創出等について県民の自主的な参加のもとに実践活動を行うことにより、森とのふれあいを促進している。
・「ひょうご森の倶楽部」への支援
森とのふれあいを通じ、森と親しみ、森に対する理解を深めることを目的として"森林ボランティア親林隊"が中心となって設立された「ひょうご森の倶楽部」に支援を行っている。