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兵庫県環境審議会大気環境部会(第3回)会議録(平成15年1月28日(火))

開会の日時 平成15年1月28日(火)
午後1時30分開会
午後3時25分閉会
場     所 神戸市教育会館 501会議室
議     題 1「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」の推進に向けた新たな対策について
2 ディーゼル自動車の運行規則について
出  席  者 会   長  天野  明弘 大気環境部会長  山口  克人
委   員  掛水 すみえ 委   員  清水   晃
委   員  下房  道子 委   員  西村 多嘉子
委   員  橋本 章男 委   員  平松 幸三
委   員  森 康男 委   員  山村 充
委    員  陣山 繁紀 委   員  佐野 正道
委    員  松浦 壽彦  
欠  席  者 1名(幡井 政子)
欠      員 なし
説明のため出席した者 環境局長  野村  正路 参事(環境技術担当)      春風 敏之
大気課長  長谷川 明 大気課主幹(交通公害対策担当)  浦野  収
大気課長補佐兼管理係長 椚田  吉弘 大気課長補佐兼地球環境係長  間木  壽夫
大気課長補佐兼自動車公害係長  森川 格 その他関係職員
 

開会(午後1時30分)

○ 議事に先立ち、野村環境局長から挨拶がなされた。
○ 間木課長補佐兼地球環境係長から大気環境部会委員13名中12名の出席があり、環境審議会条例第6条第5項の会議成立要件を満たしているとの報告がなされた。
○ 兵庫県環境審議会傍聴要領の規定に基づき、傍聴(3人)を許可した。
○ 兵庫県環境審議会傍聴要領の規定に基づき、写真撮影を許可した。

 

 1.審議事項

(1)「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」の推進に向けた新たな対策について

 審議の参考とするため、事務局(課長補佐兼地球環境係長)の説明を聴取した。


                        ( 主な発言 )

 

(西村委員)
 全体として、パブリックコメントの効果が、大変大きかったという点で良かったと思う。その内容というのはこれからの問題となるが、一点目として、賛成であろうと反対であろうと非常にたくさんの反響があった。これは大事なことだと思う。一つの地域で何かを進めて行こうというときに、何の反応もなかったのでは、何のためにしているのかということになる。二点目として、せっかくパブリックコメントを実施したのだから、その反応をどう受けとめるか考え、反応された方々に対して、誠実に答えていかなければいけない。したがって、いくつかのくくりにはなるかもしれないが、それは丁寧にきちんと捕まえていかなければならないということを一層強く思った。
(山口部会長)
 条例全般の中で「その他28」とあるが、その他にしては数が多い。この内容は何か。
(課長補佐兼地球環境係長)
 例えば、省エネ法そのものについての関連の意見などである。なるべく、一つにできるものはまとめたが、意見の内容が、少しずつ違っており、その他28件となった。例示すると、「会社員も社会の一員であり、啓蒙・啓発活動が大切であり、県民へのアピールを徹底することが本筋だ。」、「条例化をするならば、現状CO2の削減目標達成が非常に厳しいことから、今回の措置には賛成であるが、融資制度とか補助、制度などの支援体制も必要」などである。
(山口部会長)
 各意見に対して、一つずつ県から回答を出すのか。
(大気課長)
 最終的には、パブリックコメントを取りまとめ、それに対して回答することになる。したがって、数が多いものはまとめて回答してよいが、数が少ないものに対しても答えるというのは、最終段階では行う。
(山口部会長)
 パブリックコメントをまとめたものは、この審議会に示されるのか。
(大気課長)
 改めてまとめたものを示す予定はない。
(山口部会長)
 今日の資料を基に考えるということか。
(大気課長)
 はい。
(掛水委員)
 条例において、県がデータを入手し、計画を立てるという形で捉えていくわけだが、パブリックコメントを見ても、「なぜ県がするんだ」という意見が多い。何の意味があるのかということがまだ県民に伝わってないという感じがする。経団連の自主行動計画を尊重する上で、県としてはデータを入手して抑制計画を進めていくと、それから策定指針を作り上げるときに配慮を要する内容がだいぶ入っているわけだが、提出されたパブリックコメントだけで、判断するのではなくて、前段で、県が何を目指していくのかわかっていただいたほうが、よかったのではないか。この問題は、約500社にある程度限定されているものの、一般の人たちがご意見を寄せられることもあるかと思うが、非常に専門的な部分もたくさんあるので、企業関係、産業関係等からのご指摘が多かったと思う。中身としては運用ということを、これから見届けていかなければならない。どのような配慮をされていくのか、策定に関わって、これからご理解いただくために、また、これから協議をしていかないといけないと思うが、その最大の目的は何でしょう、何と考えるか。
(大気課長)
 パブリックコメントにおいて、なぜ県がこういうことするのかということが、十分わかってもらえなかったという点は、確かに残念である。基本的には県として、この環境審議会大気環境部会の場でそのような点をご説明させていただいて、ご意見をいただき、その意見とパブリックコメントの意見を基にして、こういう施策を進めていきたいと考えている。条例の必要性は、県としての地域の温暖化推進計画を実施しているわけで、排出量の大きな割合を占めている産業界から、現在どの程度の量が排出されており、今後はどう計画的に推移していくのか、それらを把握することは基本的に重要なことであるので、このような方策をとろうとしている。この条例の対象としているのは約500社であるが、その方々にはパブリックコメントの資料を全部、県から各社宛に送っている。その資料を見ていただき、ご意見をいただくという方法もとっている。兵庫県環境保全管理者協会からの意見書が出されているが、その会員の方からもいくつか意見をいただいており、それをパブリックコメントの中にも集約している。意見書は総数113件のうち、事業者からは60件となっている。もちろん、見方によれば、このパブリックコメントの材料に、県が言いたいことすべてが出ていないのではないかというご意見もあるかと思うが、すべて載せるよう努力はしたつもりである。今後の話であるが、計画を作るに当たっての手法、ここでは計画策定のガイドライン(指針)については、経団連の自主行動計画の中で取り組まれているところもあれば、それとは別個な計画を作っているところもある。また、そのようなもの全くを取り組んでいないところもおそらくあるので、そういうところに対し、それぞれ個別に、どういうエネルギーの使い方をし、将来のCO2排出量を把握するにはどうしたらいいか、より減らすためにはどういう配慮事項をとればよいかなどについて、できるだけ個別、あるいは業界ごとに協議して、指針を作っていきたいと考えている。したがって、基本的にはこういう仕組み作りということについてはご理解いただいていると思うが、指針作りにより有効な機能が果たすようなものを作っていきたいと考えている。
(山口部会長)
 パブリックコメントの意見に対して、県の考え方をまとめると、一つ目は、条例全般及び排出抑制計画については、自主的な取り組みを尊重し、指針作成の段階で事業者等と討議をするということ。二つ目は、公表については努力義務にとどめるということ。三つ目は、指導助言も規制の意味ではなく、報告も大きな負担を伴うものではないということである。以上、三点が骨子である。これでよろしいですか。

                        (異議なし)


 審議の参考とするため、答申案について、課長補佐兼地球環境係長の説明を聴取した。

                        (主な発言)
(清水委員)
 別紙の一番最初の頭書きのところで、文言のことであるが、例えば、3行目の中で「排出削減」、「抑制」という言葉は使い分けられているのか。頭書きのところは「削減」と、かなり書かれており、それ以降は「抑制」という言葉になっている。今まで、削減して規制していくという概念は、県は持っていないということで一貫してきたわけだが、前半で削減と書かれているのは、今までの議論の中の内容から考えると、どう読んだらよいのか、戸惑いがある。
(大気課長)
 特に意を持って使い分けているということではない。全体の流れでは排出抑制のための計画ということである。
(清水委員)
 「抑制」という言葉に変えてはどうか。
(大気課長)
 「抑制」と直す。
(山口部会長)
 1の(1)であるが、「温暖化対策推進大綱」で「第1ステップ終了2004年」という表現では業界用語的な印象を受け、わかりにくいと思う。「第1ステップ」だけでわかるのか。
(大気課長)
 注釈などを付けるようにする。
(山口部会長)
 資料4のようなものを付けたら、もう少し詳しくなるのではないか。
(掛水委員)
 1の(2)の「一定規模以上の温室効果ガスを排出する工場の規模について」であるが、同じ言葉が何回か繰り返されているようで、もう少し整理したほうがよいのではないか。前段がその法律に基づいてエネルギー管理指定工場を指定し、定期的に報告させて、その蓄積が確認できるということか。
(大気課長)
 そうである。
(掛水委員)
 また、「当エネルギー管理指定工場」ということを繰り返しを言っているが、言うと余計にわかりにくい感じがする。要はそれを同法に基づくエネルギー管理指定工場とするのが妥当であるというのが結論か。
(大気課長)
 そうである。
(山口部会長)
前段は国のところで規定されているとおりで、蓄積されている内容を確認できるいい方法を持っているから、県もその方法をするということであろうが、少しわかりにくい文章だと感じる。もう少し整理していただきたい。
(大気課長)
 最初のパラグラフの定期的に報告されており、そのデータが確認、蓄積されているということで、次に、県としてはというぐらいに、検討したい。
(西村委員)
 1の(1)についてであるが、センテンス一つ一つが長い。特に、二つ目のパラグラフの3行目は、「県に求められていることから県として」とあり、どこへつないだらいいのか。   もう少しわかりやすくしてほしいと思う。
(大気課長)
 もう少し整理する。
(山口部会長)
 この部会の終わりの方で、この案が出せるように検討していただけないか。部会長に一任というのは、難しい。
(清水委員)
 特に最後のパラグラフの指導・助言のところまでくっつけてものを言ってしまっている。だから、この項立てが、抑制計画の作成が何のために必要かと考える部分でスキッとこうやれて、資料どめのところも何か書かれるのだとすれば、それは普通の話としてか。それとあとは国がどうとか云々というのは補足的なことでしょうから、ホップの中に一緒に組み込んでわけがわからなくなったというそんな感じがしますが。
(平松委員)
 温室効果ガスというのは京都議定書で対象となった物質ということか。
(大気課長)
 その6ガスである。
(平松委員)
 以前、配布された資料で、兵庫県内では94.7%が二酸化炭素であるということが出ていたが、これは重量比で94.7%ということか。
(大気課長)
 CO2t換算で載せている。
(平松委員)
 他の6種類の中で、約95%は二酸化炭素というのは重量比か。
(大気課長)
 そうである。あとの5ガスもCO2tで換算している。
(平松委員)
 効果が二酸化炭素に換算して、効果としての95%ということか。
(大気課長)
 そうである。
(山口部会長)
 2番であるが、実施に当たっての配慮事項というところで、その指針を作成するときに、十分、事業者と協議を行う必要があるということが規定されているが、指針は指針としてその後、実際的な計画を立てるときにもやはり、協議する必要があるのかないのか、指針策定だけでいいのかとは、思うがどうか。県の考え方はどうなのか。指針作成のときだけに協議して数字に則ってやるということか。
(大気課長)
 指針作成のときに、協議し、共同理解の上での指針ができるわけだが、その指針に基づいて計画を出していただく。出していただいた計画は、その指針どおり、すべて指針どおりいく部分、いかない部分もあると思うが、指針に配慮されているかどうかということは、計画を出していただくときには、それは協議させていただいて指導させていただく。(山口部会長)
 この指針を策定するとき以外には、指導・助言のところでいろいろ協議するというようなイメージを持っていたが、それが文面に出てないのではないか。
(大気課長)
 それは1ページの1の(1)の最後のところであるが、事業者への排出抑制計画の作成の義務づけ並びにその計画作成に当たってということであるので、特に明記する必要がないということである。
(山村委員)
 (2)の書き方で、温暖化アセス協議の中では、確かエネルギー管理指定工場の規模のものを新規・増設のものに関しては、出してもらうということであった。それを既存のものに広げるということであるので、書き方としては、旧温暖化アセス制度で対象としていた規模のものを既存の施設にも広げるという趣旨ではないのか。これは新たに規模を変えるということか。
(課長補佐兼地球環境係長)
 今の条例とは規模が違う、エネルギー使用管理工場では、一種であれば、年間3000kl以上。電気では1200kW以上ですが、条例では、個別住宅とか住宅団地などがあり、まったく一緒ではない。したがって、一緒の部分もあるが、温暖化アセスとは対象の規模が違うと考えていただいたほうがよい。
(大気課長)
 県の温暖化アセス制度は、前回改訂をしたときに、その燃料使用量だけではなく、一定の面的開発もこの温暖化アセスの対象事業所等に加えている。したがって、必ずしも、温暖化アセス制度のものとまったく一緒のものではない。よって、温暖化アセス制度というのは、そのまま置いておき、従来から活動している事業所に対してはこういう指針を出していただくという二種類の取り組みになる。
(山口部会長)
 例えば、アセスをしたあと、条件が合えば、今回の条例による計画を出すという可能性があるということか。
(大気課長)
 個別の単体の施設を作る場合にはアセスであり、その後、今回の条例により計画を出していただくようになることもある。
(清水委員)
 先程、委員長がまとめて言っていただいた4点は、自主的取り組みを尊重する、基準作成に当たっては今後事業者と十分に協議する、公表は努力規定、指導・助言については過度な負担とならないようにというものであった。これらは非常に大切なキーワードだ思う。今まで審議をしてきた我々には大体この書き方で入っている感じがするが、このキーワードを他の人にもわかるようにこの中に散りばめていただきたい。
(大気課長)
 大体は入っていると思う。ただ、経団連の自主行動計画を尊重とういうキーワードをこの中に入れるのは難しい。自主的な取り組みという言葉については、入れることにする。
(清水委員)
 ぜひ、ご検討いただきたいということを再度要望する。
(大気課長)
 1の(1)の一番最初のところからだが、「自主的な温室効果ガス排出抑制計画の作成」と、あくまで自主的ということが書いてあるので、こんな計画を作りなさいなどと規制するという意味ではないとはご理解いただけると思う。
(課長補佐兼地球環境係長)
 先程、山村先生が言われた規模についてですが、既存のアセス条例で火力発電所の場合が出力1000kW以上、廃棄物焼却炉は、一日当たり20t、市街地開発事業で1ha以上、工業団地事業で1ha以上などが盛り込まれている。しかし、一部の工場については、燃料使用量が1500klと一緒のものがある。
(環境局長)
 ご指摘の点で、パブリックコメントで、毎年の報告が厳しいのではないかという意見があったが、それほど過重ではないという部分がぬけているので、どこかに報告については事業実施の形で求めることとしているが、それは大きな負担をかけるものではないという内容を入れる必要があるかと思う。今のキーワードで言うと、計画書に基づき講じられた措置の結果、報告内容についてはというように、知事が取りまとめ、公表することが妥当であるということで、一文でくくっているが、審議でおっしゃられた分でキーワードをきっちり入れてということになると、一覧すると今の報告について、毎年求めるようなのは過重ではないかというような話があって、それは今まであまり論議に挙がらなかったところだが、パブリックコメントでそれが出てきており、山口部会長にまとめていただいたように、それについても県としては過重ではなく、適切な範囲で求めていくという対応するのであれば、それをこの中にも反映して、書いておきなさいということは当然意味があると、そのためにパブリックコメントを見ていただき、大気環境部会の先生方にご意見いただいてるところであるので、何とかそれは入れるように修文したいと考えている。
(山口部会長)
 4に少し、付け加えるということでしょうか。
(環境局長)
 そうだ。
(山口部会長)
 いくつか修正、修文があるようだが、確認させていただくと、「排出削減」というのは「抑制」に統一する、規模要件という表現が少しわかりにくいので整理をしたほうがいいのではないか、それから、報告が過重でないということ、第1ステップ終了というのは少し言葉、説明がほしい、あと県として云々のところも少し文章が長すぎるので、きっちりとわかりやすい説明にしてもらう、そのあたりを含め、修文をした上で、会長ともご相談して答申案とさせていただくようにするが、それでよいか。

                        ( 異議なし )
                        ( 修文の説明 )

 

2 ディーゼル自動車の運行規則について

審議の参考とするため、事務局(大気課主幹(交通公害対策担当))の説明を聴取した。

                        ( 主な発言 )

(掛水委員)
 年末年始の忙しい時期に、これほどたくさんの数のパブリックコメントが出されたということは、県民の方が切羽詰まっておられるということである。環境審議会での審議という意味では、ある程度、内容が詰められているものと考えていた。しかし、パブリックコメントの意見を見せていただくと、相当現実と乖離した状態がある。特に対象地域内と対象地域外の公平な競争が実施されなければ、企業が倒産してしまうということで、その公平さの確保を事務局は相当強く打ち出されていたが、実際は、新たな規制は対象地域外の路線バス会社や物流会社を倒産に追い込むという状況に導いているのではないか。現実の問題として、NOx・PM法を何とか進めていかなければならないということがあるが、事業者を死に絶えさせてしまうのでは本末転倒である。多くの方々とお話をさせていただくが、パブリックコメントの反対意見の中にあったように、取り締まりの実効性の問題、効果的な後付除去装置の開発の問題等様々あるが、すべてそれがお金にまつわってくるわけである。規制ということになれば、余分なお金を使わなければならない。最初の審議会では、2月議会に上程するということであったが、性急な部分があり、今は慎むべきではないか、やはりもう少し検討した中で動くべきではないかと思う。対象地域の問題、除外道路の問題、運行経路の問題など様々な問題があり、もう少し時間をかけて論議をしたほうがいいのではないかと思う。
(清水委員)
 これだけ多くの意見、それも非常に切実な意見が挙がっているが、このような意見に対し、私のような素人が、それを今ここでどうするのかと言われてもわからないわけだが、これだけの意見が出てくるということは、この条例の影響を受けるであろう事業者とのコミュニケーションや情報のやりとりが、少なかったのではないか。まず、コミュニケーションを十分に取った上で、全体として、コンセンサスがきっちりと生まれる状態にすべきである。そこまでの議論を詰めずに条例化してしまうと、当初の目的を、到底果たすことができなくなると思う。したがって、現段階で答申をするよう言われても、委員としては少し困ると言わざるを得ない。個々にいろいろ問題が挙げられているが、できれば、物流、経済、法律、環境の問題の専門家、行政、事業者等を交え、現実的で専門的な意見交換をできる場を作ってほしい。コミュニケーションをとり、議論をした上で、条例化しないと、問題だらけの条例になってしまう気がするので、ぜひ、県としてご検討いただきたい。
(西村委員)
 今、掛水委員、清水委員が言われた結論とは非常に似通っているが、視点を少し変えて述べたい。というのは、経済活動の中の企業活動としての物流というのが、一つの大きな論点になっているが、それと環境問題とは、元々対立概念であると思う。初めからそういう問題である。このような事態になるのは、どの立場の方も想定されていたと思う。私は、犯人探しではないが、「汚染者負担」という考え方が非常に重要なものだと思っている。ただ、汚染者は誰なのかといったときに、単純に走っている車だとは、決して思っていない。県の主張されている内容と、業界との論点が、具体的に明確になっているので、ここで妥協でも何でもない第3の道を探る時間が必要だ。この点では、お二人の意見と同じである。ただその場合でも、それぞれの専門の立場からの意見、さらに、業界の意見も踏まえたうえで、県はイニシアティブをきっちり取ってほしい。県民に対してその責任があると思う。また、経済活動に一定の制限を加える意味でインセンティブを必ず考えていかなければならない。具体的にどういう形で削減していくか、具体的に段階的に提案できるところまで、時間をとっていただきたい。
(山口部会長)
  条例化したあとの時間、それとも、条例化するまでの時間か。
(西村委員)
 条例化するまでの時間である。
(下房委員)
 パブリックコメントの中でいろいろ問題が挙がっている。深刻な地球温暖化の問題など、環境保全を全うするためには、規制だけではなく、環境教育も重要である。私は環境委員としても各学校に出かけて環境教育をしているが。その中でも、弱者である高齢者、子供たちは汚染ということを本当に身近に感じているようである。またパブリックコメントでは、車両の資金負担が大きく、これ以上の負担を強いられるのは無理、死ねというのも同じだとか、いろいろ困った問題が出ている。本当にその人たちに取っては大きな問題であり深刻な問題だと思う。しかし、地球的な規模で考えて、足下から行動を起こさなくてはならないという今、やはり、この条例の制定を考えていかなければいけないと、私自身は思っている。県のほうから、こういう点では延長、こういう点では検討事項にしたいという、それぞれ説明があった。多くの問題の中で、ある部分は緩和なり、延長なりを検討していかなければならないと考える。
(平松委員)
 二点ある。取り締まりに関しては、県警と連携していくというご説明だったが、県警や内部の法制関係の協議はどうなっているのか。前回は激論をしているという局長の話だったが、その後、どうなったかということを教えていただきたい。もう一点は、先程学識経験者のご意見にあったことだが、仮にこの条例が設けられ、100%実行されたとした場合に、通行車両の何%ぐらいが対象になり、NOx・PMの濃度がどのぐらい落ちると予想されるのか。
(大気課主幹(交通公害対策担当))
  警察、検察との協議の結果であるが、その後話し合いを進めたが、今のところ正式な結論までは至っていない。まだ、議論中ではあるが、罰則を適用するには、明確な罪の意識が行為者には必要であるとのことから、一度、運行禁止違反行為があって、その行為が禁止義務に違反することを十分行為者に意識させた上で、さらに同じ違反をした場合に初めて義務違反、運行禁止義務違反に問えるのではないかというご意見もいただいている。すなわち、一回目で罰則適用は難しいという意味である。具体的に警察とどのような取り締まりを行っていくかは今後の議論を待つところであるが、今のところ警察の協力を得て車を止めて路上検査をする、行政職員が車検証等による事実確認を行って、一定の行政指導、それから繰り返される場合には行政命令、それから罰則適用という段階を踏む必要があろうと考えており、それが実際的な運用になろうかと考えている。
  二点目については、地域内に入ってくる規制対象の車両がどのように代替していけば、何t減っていくかという話になるわけだが、我々の今の推定では、11年度の交通センサスを基にして、走行量ベースで、流入車の7.7%が規制対象の自動車であろうと考えている。この中でNOxだけの試算であるが、100~200tぐらいの削減になろうかと予測している。
(平松委員)
 全体は何tですか。
(大気課主幹(交通公害対策担当))
 平成12年度の対策地域のNOx排出量は、約17,000tである。100~200tの削減は、つまり約1%の削減効果となるが、これは前倒しの効果であり、いずれは削減されるものということである。
(橋本委員)
 パブリックコメントへの対応としては、もう少し前もっての準備や対策そのものを別の道で考えるようなことも必要で、私としてはこれを答申する前に、ある程度検討のための余裕が必要であろうと思う。
(山口部会長)
 この件については、パブリックコメントに意見が非常にたくさん提出された。また、多くの委員の方々からは時間をかけて、もう少し議論をすべきだという意見が多いと受け止めている。時間が迫ってきたが、まだまだご意見あるかと思うので、もう一度この部会を答申の前に設定したらどうかと思うがいかがか。必要であれば、時間設定を事務局にお願いのだが。
(森委員)
 確かに、今のようなご意見を聞いたり、パブリックコメントの意見を見たりすると、今のところ二月の議会に上程するという話にはならないと思うが、ただ、もう一度開くとしても、どの辺に焦点を絞って議論するのか、見えてこない。どのようなことを議論するべきなのか。
(環境局長)
 二月議会に上程したいということで、進めてきたが、もう少し時間がほしいとの議論もあった。一つめは、パブリックコメントについて、部分分けをして、どの部分にもう少し時間をかけなければならないか、どの部分を答えていけばいいのかという整理をさせていただきたい。例えば、条例化はするが、財政措置をきっちりとることによって、カバーできることはないか、条例をアピールすることにより対応できることはないかということもあろうし、あるいは、さらに時間をかけて検討するという方法もある。県としては部会長と相談しながら、この部会を何回も開くのか、あるいはNOx・PMの排出量の数量的なシミュレーションを出すために特別の委員会を作るのか、特に経済的な影響を調べるための委員会を作るのか等を検討したい。我々は環境が専門であるので、調べることができない部分もあり、すべてに対応できるわけではない。委員会方式でするのか、どのような専門の方に入っていただくのか、あるいは、事業者の方にも入っていただいて、議論するのかということについても、部会長ともご相談しながら、至急に事務局としての案を作りたい。次回はその案に基づき、様々な意見をいただき、二月議会には上程できないのか、あるいは、何らかの別の方法があるのではないかというような方向づけを行う、そういう部会を開催していただきたい。
(掛水委員)
 いろいろ各事業者の意見書も出ており、県としてもその方々に協力していただかないといけないと思う。そのことも踏まえ事業者等と協議をしていただきたい。また、環境問題についてどう取り組んでいくのかという視点で事業者とも話をしていただきたい。その期間として、今少し時間が必要ではないかと思う。ここは環境審議会であるので、経済的な部分だけではなく、環境を守る観点からも検討していかなければならないが、やはりできる部分とできない部分があるので、事業者等との協議は続けていただきたい。
(山口部会長)
 協議というのは、どの場の協議か。この審議会とは別にということか。
(掛水委員)
 はい。
 (山口部会長)
 局長の意見では、もう一度部会を開き、どのような役割を持ち、どのようなメンバーで構成される委員会を作るか決めてほしいとのことである。検討すべきことの一つ目は、NOx・PM法の削減計画と今回の条例は、どこかで連動していることから、全然別のものとして考えるのではなく、しっかりとしたシミュレーションでどれだけ効果があるのかはっきりさせることである。二つ目は、経済評価、影響などがわかる専門家に入っていただいて、議論していただくということである。それから、三つ目は除外路線の話である。四つ目は様々な助成策、優遇措置などをどう検討するのかということ。五つ目は、先日のNOx委員会でも取り上げられた話題であるが、本当に実効性をどこまで担保できるのかということ。それらの点は、ここでは議論できないが、委員会を作ってしていただくのがよいのではないか。このことに関して異議はないか。

                        (異議なし)

(大気課長)
 次回の大気環境部会を2月3日の午後1時半から神戸市教育会館501会議室でお願いしたい。その中で、県としての対応策はどこまで出せるかなど、ご検討していただいて、ご判断いただきたい。その上で、時間をかけるべき問題については、どういう場でいつ頃までにどういう方法でできるのかというのを、ご検討いただきたい。
(山口部会長)
 次回は2月3日午後1時半から神戸市教育会館501会議室で行います。

次回開催日時 平成15年2月3日(月)午後1時半~
次回開催場所 神戸市教育会館 501会議室
閉会(午後3時35分)