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平成12年度県下のゴミ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果について(記者発表資料)

項  目  名    平成12年度県下のごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果について

発表(配布)日    平成13年8月10日(金)  10時

内     容

 

1 測定結果の概要

市町等が平成12年度中に実施した県下のごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果等をとりまとめた。

(1) 報告のあった49施設(102炉)のうち、平成9年1月に国のダイオキシン類発生防止ガイドラインで示された緊急対策基準(現行の法令基準)である80ng-TEQ/N‰を超えた施設は無かった。

(2) ガイドラインで示された恒久対策基準を超えた施設については、平成11年度には17施設(25炉)あったが、平成12年度は、8施設(13炉)に減少している。

(3) 平成8年度から平成12年度までに恒久対策基準を超えた50施設については、法令基準の適用期限である平成14年11月末までに施設の改修等を順次実施している。

(4) 平成12年度のダイオキシン類の総排出量は、年間9.9g-TEQで、前年度に比べ28%削減され、また測定開始の平成8年度と比べ91%削減されている。

注) 廃棄物焼却炉については、廃棄物処理法の政省令改正により、排ガス中のダイオキシン類濃度の排出基準(炉ごとの1時間当たりの処理能力に基づく)及び維持管理基準等が設けられ、新設炉には平成9年12月1日から0.1~5ng、既設炉には平成10年12月1日から80ng、平成14年12月1日から1~10ngが適用される。

しかし、既設炉には、法令の規制値より厳しい数値が国のガイドラインとして恒久対策基準 (新設基準値並み) が示されており、県においては、この恒久対策基準を基に既設炉の改善対策等を指導している。

 

2 排ガス中のダイオキシン類濃度測定結果

(1) 平成12年度の測定結果               (単位:ng-TEQ/Nm3)

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施設分類施設数炉数平均値中央値範囲
①新設炉(全連) 1 3 0.0021 0.0027 0.00039~0.0032
②既設炉(旧ガイドライン適用炉) 4 10 0.017 0.016 0.00087~0.055
③既設炉(連続運転) 17 37 1.76 0.325 0.0000039~9.8
④既設炉(間欠運転) 27 52 1.03 0.35 0.000021 ~7.3
合 計 49 102 - - -

県下稼動施設51施設のうち、報告のあった49施設

 

(2) 平成8~12年度の測定結果と基準超過状況

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年度平成8年度平成9年度平成10年度平成11年度平成12年度
調査施設数 59 55 52 52 49

緊急対策基準

(80ng)を超えたもの

2
(宍粟環境美化センター、高砂市美化センター)
0 0 0 0
恒久対策基準(0.1~5ng)を超えたもの 41 34 21 17 8

内  訳

H8~12年度の間に5回超えた施設   5  (5)
    〃      4回超えた施設   9  (1)
    〃     3回超えた施設   6  (1)
    〃     2回超えた施設  12
    〃     1回超えた施設  18
     (H8年度のみ超えた施設  14)
     (H9年度のみ超えた施設   3)
     (H10年度のみ超えた施設  0)
     (H11年度のみ超えた施設  0)
     (H12年度のみ超えた施設  1) (1)
         合    計    50  (8)

 

注1)ダイオキシン類濃度のガイドライン基準

恒久対策基準・緊急対策基準は、厚生省が平成9年1月に示した「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」の中で、焼却施設の能力等に応じて設定されている。基準ごとの県下施設の状況は下表のとおり。

 

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 恒久対策基準
ng-TEQ/Nm3
県下調査施設数H12年度に基準を超えた施設
新設炉(全連)
既設炉(旧ガイドライン適用炉)
既設炉(連続運転)
既設炉(間欠運転)
0.1
0.5
1.0
5.0
1
4
17
27
0
0
7
1
    49

8

 

注2) ダイオキシン類濃度の法令基準

排ガス中のダイオキシン類濃度については、平成9年8月の廃棄物処理法政省令の改正により、燃焼室能力毎の基準が下表のとおり設定され、平成9年12月1日から適用されている。

 

(単位:ng-TEQ/Nm3)

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燃焼室の処理能力施設の規模でなく1時間あたりの炉ごとの能力新設炉
H9.12.1 ~
既  設  炉
H9.12.1 ~
H10.11.30
H10.12.1~
H14.11.30
H14.12.1~
4t以上
2t以上4t未満
2t未満
0.1
1
5
基準の適用を猶予 80 1
5
10

 

3.ダイオキシン類の総排出量

平成12年1月15日より、ダイオキシン類の定義が見直され、コプラナーPCBが 追加されるとともに、TEF(毒性換算係数)がWHO-TEF(1998)に基づく ことになったが、これらの見直しを踏まえダイオキシン類(PCDD+PCDF+co-PCB)の排出 量を補正すると従来平成14年の年間排出量を、6.7g-TEQ/年としていたが、補正後 は、7.6g-TEQ/年となった。 

なお、平成12年度の排出量は、9.9g-TEQ/年で、前年度に比べ、28%削減され、また、測定開始の平成8年に比べ91%削減されている。

 

ダイオキシン類の年間総排出量              (g-TEQ/年)

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  年次H8年度H9年度H10年度H11年度H12年度H14年
(恒久対策実施後)
 

従来法
(比率%)
100.7
(100)
30.0
(29.8)
14.9
(14.8)
12.2
(12.1)
8.8
(8.7)
6.7
(6.7)
補正後
(比率%)
113.6
(100)
33.8
(29.8)
16.8
(14.8)
13.8
(12.1)
9.9
(8.7)
7.6
(6.7)

 
従来法
(比率%)
4,300
H9.1月現在
(100) 
 - 1,320
H10.11末現在
(30.7)
1,170
H11.11末現在
(27.2) 
878
H12.11末現在
(20.4)
350

(8.1)
補正後
(比率%)
4,962
H9.1月現在
(100)
 - 1,523
H10.11末現在
(30.7)
1,350
H11.11末現在
(27.2)
1,013
H12.11末現在
(20.4)
404

(8.0)

注1)平成14年の総排出量については、県ごみ広域化計画に基づく推計値である。
 2)( )内の数値は、平成8年度の総排出量を100としたときの比率を示す。
 3)全国の補正後の数値等については、平成11年度の結果を基に県で推計したものである。

4.恒久対策基準等を超えた施設の対策

 県では、国のガイドラインに基づき、法令の規制値より厳しい恒久対策基準(新設基準並)の遵守を指導しており、市町等に対して、法令基準の適用期限である平成14年 11月30日までに同基準に適合させるよう、施設の改修・更新等の対策を指導している。
 恒久対策基準を超えた50施設の対策別の内訳は、次表のとおりである。

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年次別対策 H9 10 11 12 13 14
施設の改修 1 2 4 6 9 1 23
施設の更新 2 3   1   2  
維持管理の適正化 2 3 2       7
廃止 1 7 1   1 2 12
6 15 7 7 10 5 50

 

 

5.その他の対策
 ダイオキシン類対策特別措置法の施行(平成12年1月15日)に伴い、廃棄物処理法政省令等も改正され、ごみ焼却施設から排出されるばいじん、焼却灰や最終処分場からの排出水に対しても規制が強化されることになった。
 ばいじん、焼却灰については、溶融処理を行うよう市町に施設整備等を求めており、最終処分場についても、しゃ水工の強化、浸出液処理施設の改善等に向け、市町指導を行っている。
 また、平成9年度から市町の廃棄物担当職員等を対象にダイオキシン類削減対策技術講習会を開催している。
 さらに、廃棄物焼却施設からのダイオキシン類による労働者への健康影響等を防止するため、平成13年4月、厚生労働省から「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」が示されたところであり、市町及び関係事業者等への周知・徹底を図っている。