平成15年度の光化学スモッグについて

1 平成15年度光化学スモッグ広報等の発令状況と推移(表1、図1)
  平成15年度の光化学スモッグ広報等の発令回数は予報3回、注意報7回となっており、
 昨年度(予報14回、注意報8回)と比較して、予報は大幅に減り、注意報はほぼ同日数
 であった。
  また、今年度の最初の発令は、6月5日となっており、昨年度の5月14日より20日余り
 遅い発令だった。
  なお、昨年度は、平成11年以来3年ぶりに光化学スモッグによるものと思われる被害の
 発生があったが、今年度は被害発生の報告は無かった。
  今年度の光化学スモッグの特徴は、光化学スモッグ広報発令日数が7日で、最近5年間
 では、平成12年の18日が多く、昨年度の14日、今年度は平成11年度の7日と同日数で
 あった。
  オキシダント濃度0.12ppm以上の延べ発現回数は昨年に比べて大差無かったが、
 0.10ppm以上の延べ発現回数をみると、猛暑といわれた平成12年は395回で今年度は
 189回で半分以下であった。

   表1 光化学スモッグ広報発令回数の推移

      区分

年度

予 報

注意報

発 令

日 数

被害の届者数

(人)

回 数

地域数

回 数

地域数

平成11年度

  5

 14

  7

 13

  7

  209

平成12年度

  8

 15

 17

 61

 18

    0

平成13年度

  0

  0

  5

 19

  5

    0

平成14年度

 14

 44

  8

 23

 14

   38

平成15年度

  3

  9

  7

 17

  7

    0



 図1 光化学スモッグ広報等の発令回数の推移



2 光化学スモッグ特別監視期間中(4〜10月)の気象状況
 @ 気温は高低の差が激しく、特に4、5月と9月にその傾向がみられた。6月10日に梅入り
   した後は8月下旬までは低めで推移し、9月上、中旬は日最高気温の旬平均値では平年を
  上回ったが、下旬には中旬よりも5.0℃以上も低くなり、期間を通じて、月平均値では平年を
  上回ったのは4、5、6月で7、8、9月は平年を下回った。
 A 日照時間は気温と同じで多い少ないの差が激しく、特に4、5、6月にその傾向が見られた。
  また梅雨入りの6月中旬から7月下旬までは少ない日が続き、8月の下旬から10月中旬まで
  は多くなり、特に9月上旬から中旬にかけては偏差で20時間前後多くなった。
 B 降水量は5月と9月は平年を下回り、4月と6、7、8月は平年を上回った。特に8月は台風
  第10号や前線が停滞した影響で、平年を大幅に上回る多雨となった。
 C 今年度は台風が18個発生(10月23日現在)し、日本付近に接近もしくは上陸したのは
  8個だった。
   太平洋高気圧の勢力が弱かったため、台風はその殆どが太平洋高気圧の縁辺に沿って
  進むことが多く、西日本や近畿地方に接近もしくは上陸した。兵庫県南部には南よりの暖かい
  湿った空気が流れ込み、前線が活発になり所々で雨が降った。特に台風第10号が8月
  8〜9日に兵庫県を通過し淡路島を中心に大雨となった。
   ただ、台風が東シナ海から朝鮮半島を通って日本海に抜けるコ−スと四国の南海上を
  北東に進むコースが多かったため、近畿地方には南より、および北よりの風が吹き続け、
  大気汚染物質の拡散もなされ、オキシダント濃度の低い日もあって、日最高濃度が0.04ppm
  にも達しない日もあった。

 図2 光化学スモッグ特別監視期間中の日最高気温と日照時間の平年偏差


参考 光化学スモッグ広報等発令基準及び措置の内容

広報発令の基準

発 令 基 準

措 置 の 内 容

光化学スモッグ

   予 報

オキシダント濃度が、気象条件等から注意報の基準に達するおそれがあると判断したとき。

・窒素酸化物排出量の20%削減要請
・有機溶剤等炭化水素の使用抑制の要請
・不用不急の自動車運転の自粛要請

光化学スモッグ

注意報

オキシダント濃度の1時間値が、
012ppm以上になり、気象条件等からみて、その濃度が継続すると認められたとき。


 上記措置の徹底及び確認

光化学スモッグ

警 報

オキシダント濃度の1時間値が、
024ppm以上になり、気象条件等からみて、その濃度が継続すると認められたとき。

 上記措置の徹底及び確認

光化学スモッグ

重大警報

オキシダント濃度の1時間値が、
040ppm以上になり、気象条件等からみて、その濃度が継続すると認められたとき。

・窒素酸化物排出量の40%削減要請
・有機溶剤等炭化水素の使用抑制の要請
・自動車運転者は公安委員会の指示に従うこと


                    

 
3.
参考
 平成15年度光化学スモッグ広報等発令状況
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