第2節 水・土壌環境の保全
第1 公共用水域及び地下水質の常時監視
河川、海域などの公共用水域の水質汚濁の現況は、人の健康の保護に関する項目(以下「健康項目」という)については、26項目のうち、砒素、ふっ素、ほう素を除く23項目について、すべての測定点において環境基準を達成している。
砒素については1地点、ふっ素については4地点で、環境基準を超過している。これらは、いずれも地質による自然的な要因によるものである。
また、ほう素については2地点で、環境基準を超過している。これらの地点は感潮域にあり、海水の影響を受けたものである。
なお、いずれの地点においても、利水状況からみて健康影響が生じる恐れはない。
生活環境の保全に関する項目(以下「生活環境項目」という)については、有機汚濁の代表的指標である生物化学的酸素要求量(BOD)(河川)及び化学的酸素要求量(COD)(海域)について、環境基準適合状況の経年的な推移を見ると、第3-1-23図のとおりである。
第3-1-23図 水質汚濁の推移(環境基準適合状況)
また、平成元年6月の「水質汚濁防止法」の一部改正に伴って、平成元年度から地下水の水質の測定に関する計画を定め地下水の常時監視を行っている。地下水質測定計画に基づく測定地点数は、第3-1-11表のとおりである。
概況調査では、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が1地点で環境基準を超過している。定点調査では、ふっ素が1地点で環境基準を超過している。
第3-1-11表 地下水水質測定地点数
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調 査 種 類 | 測定地点数 |
---|---|
概況調査 | 20 |
定点調査 | 194 |
定期モニタリング調査(汚染地区) | 277 |
合 計 | 491 |
1 河川
河川の水質汚濁状況を把握するため、国・政令市などと分担して水質調査を実施した。
健康項目については、河川204地点で調査を行ったが、全26項目のうち砒素(環境基準値0.01mg/l以下)が、最明寺川の最明寺橋で0.011mg/lと基準値を超過、ふっ素(環境基準値0.8mg/l以下)が有馬川の長尾佐橋(0.9mg/l)、船坂川の船坂橋(1.2mg/l)、仁川の鷲林寺橋(1.2mg/l)、甲山橋(0.9mg/l)の4地点で基準値を超過、ほう素(環境基準値1mg/l以下)が、武庫川の南武橋(1.1mg/l)、天川の日笠歩道橋(1.3mg/l)の2地点で基準値を超過した。その他の23項目については、すべての測定地点で環境基準を達成している。
生活環境頂目については、環境基準の類型指定が行われている39水域の44環境基準点を含め150水域247地点で調査を行った。
有機汚濁の代表的指標であるBODについて、河川での水域別環境基準達成状況は第3-1-13表のとおりである。39水域中全水域で環境基準を達成している。
第3-1-12表 河川、海域及び湖沼の環境基準適合等の状況
第3-1-13表 河川のBODの水域別環境基準達成状況
[備考] x:環境基準に適合しない日数
y:総測定日数
( ):県際水域を含む
(1)生活環境の保全に関する環境基準類型指定河川
ア 神崎川・猪名川水域
神崎川・猪名川は、兵庫県、大阪府境付近を南下し、大阪湾に注いでいる。かつて工場排水、生活排水などの流入により汚濁した河川であったが、兵庫地域公害防止計画に基づく下水道整備の推進などにより、近年その水質はかなり改善され、すべての水域で環境基準を達成している。
猪名川の総延長は約39㎞、流域面積は約380km2であり、上流域では上水、農業用水として利用されている。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-24図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-1表参照)。
第3-1-24図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
イ 庄下川・昆陽川水域
庄下川は、延長約7.8㎞、伊丹市域を流れる昆陽川、伊丹川、富松川などと合流し、尼崎市の中央部を南流し、大阪湾に注いでいる。
流域は、市街地であり、生活排水などの影響を受けるが、下水道整備の進展、河床の改善などにより、水質は改善され、環境基準を達成している。
昆陽川は、伊丹市昆陽付近に源を発し、伊丹市中南部、尼崎市北中部を貫流して、尼崎市小浜で庄下川と合流する延長約5.4㎞の河川である。
流域は、市街地であり、生活排水などの影響を受けるが、下水道整備の進展等により、水質は改善され、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-25図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-2表参照)。
第3-1-25図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
ウ 武庫川水域
武庫川は篠山市真南条に源を発し、三田市を貫流した後、神戸市北東部、宝塚市を経て尼崎市・西宮市の市境を南流し、大阪湾に注いでいる。延長は約65㎞、上水、農業用水などに利用されている。
上流では、良好な水質を保っており、中・下流域でも下水道整備の進展により、水質はかなり改善されてきている。
すべての水域で環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-26図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-3表参照)。
第3-1-26図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
エ 夙川水域
夙川は西宮市の甲陽園付近に源を発し、市域を南流し大阪湾に注いでいる。延長は約4.1㎞である。
生活排水の流入により、水質は汚濁していたが、下水道整備の進展により、水質は改善され、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-27図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-4表参照)。
第3-1-27図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
オ 福田川水域
福田川は神戸市垂水区名谷町に源を発し、神戸市西部の住宅地を経て垂水地先海域に注ぎ延長7.4㎞である。
その流域面積は約17km2と小さいが、流域人口は10万人を超えており、人口密集地を持つ都市河川である。
水質は良好であり、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-28図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-5表参照)。
第3-1-28図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
カ 明石川・伊川水域
明石川は、延長約21㎞、神戸市西部の木津川、木見川の合流後南下し、伊川などの主要支川と合流し、明石市内を流れ播磨灘に注いでいる。
伊川は、神戸市西区伊川谷町布施畑に源を発し、神戸市、明石市境付近で明石川に合流している。延長は約12㎞、流域面積は約31km2であるが、流域では、近年、西神ニュータウンを中心とした都市化が急速に進行している。
利水状況は、農業用水のほか、神戸市西区持子付近で明石市が上水源として取水している。
上流域では良好な水質を保っており、下流域では生活排水などの流入により汚濁していたが、下水道整備の進展により水質が改善されてきている。
明石川上流、明石川下流及び伊川のすべての水域で環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-29図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-6表参照)。
第3-1-29図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
キ 谷八木川水域
谷八木川は、明石市大久保町松陰に源を発し、明石市中央部を南流し、播磨灘に注いでいる。延長は約3.5㎞、流域面積は約9.2km2である。利水は、農業用水として利用されている。
生活排水により、水質が汚濁していたが、下水道の整備や高度処理が進んだ結果、水質が改善され環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-30図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-7表参照)。
第3-1-30図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
ク 喜瀬川水域
喜瀬川は加古郡稲美町南西部に源を発し、稲美町、加古川市東部、播磨町を南流し、播磨灘に注ぐ延長8.4㎞の河川である。上流域では農業が盛んであり、中下流域では市街地であり、工場が点在している。
生活排水の流入により、水質は汚濁していたが、下水道整備の進展により、水質は改善され、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-31図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-8表参照)。
第3-1-31図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
ケ 加古川・志染川・別府川水域
加古川は氷上郡青垣町に源を発し、播磨平野の東部を貫流し、播磨灘に注いでいる。延長は約87㎞、流域は9市13町を包含し、流域面積は約1,700km2であり、全県の面積の約21%を占めている。支川を含めた総延長は約765㎞に及ぶ。
中流域には染色工場が立地し、農業用水、工業用水及び上水として利用されている。
志染川は、延長約23㎞、神戸市灘区六甲山町に源を発し、三木市で加古川支流の美嚢川に合流している。
別府川は、延長約9㎞、加古川の支流曇川から分派し、加古川市の中央部を縦断して播磨灘に注いでいる
上流域から下流域まで、おおむね良好な水質を保っており、すべての水域で環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-32図のとおりである(生活環境項目の損境基準適合状況は、資料第5-9表参照)。
第3-1-32図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
コ 市川・船場川・夢前川水域
市川は朝来郡生野町に源を発し、神崎郡を経て姫路市の東部を南流し、播磨灘に注いでおり、その延長は約78㎞である。
上流部は農村地帯、下流部には皮革工場が立地しており、農業・工業用を中心として利水が行われている。
上流、下流とも環境基準を達成している。
船場川は姫路市保城で市川から分流し、姫路市域を南流し、播磨灘に注ぐ延長約11.6㎞の河川である。
上流域、下流域とも環境基準を達成している。
夢前川は飾磨郡夢前町に源を発し、姫路市西部を南流し播磨灘に注ぐ延長40㎞の河川である。
上流、下流とも良好な水質を保っており、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-33図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-10表参照)。
第3-1-33図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
サ 揖保川水域
揖保川は宍粟郡一宮町に源を発し、揖保郡、龍野市を経て播磨灘に注いでいる。延長約70㎞、流域は2市8町を包含し、流域面積は約810k㎡である。
上流域は山村、農地が主であるが、中下流域では古くから龍野市のしょうゆ醸造、支川の林田川流域では皮革などの工場が立地している。利水は農業用、工業用が主である。
上流、下流とも良好な水質を保っており、環境基準を逢成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-34図のとおりである(生活環境項目の環境墓準適合状況は、資料編第5-11表参照)。
第3-1-34図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
シ 千種川水域
千種川は延長68㎞、宍粟郡千種町に源を発し、佐用郡、赤穂郡及び赤穂市を経て播磨灘に注いでいる。
上流域は農村・山林であり、農業用水としての利水が主である。
上流、下流とも良好な水質を保っており、環境基準を達成している。
昭和59年度には、干種川全域が、環境庁の「名水百選」に選定された。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-35図のとおりである(生活環境項目の環境墓準適合状況は、資料編第5-12表参照)。
第3-1-35図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
ス 円山川水域
円山川は朝来郡生野町に源を発し、但馬の中央部を北流し、目本海に注いでいる。延長約67㎞、流域面積は約1,300km2であり、県の約15%の面積を占めている。
流域には、豊岡市を中心としたかばん産業、城崎町を中心とした観光産業などがあるが、その他の地域では農業が主となっている。
水質は上流、下流とも良好であり、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-36図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-13表参照)。
第3-1-36図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
セ 目本海流入河川
但馬地域には円山川のほか、竹野川(延長約21㎞)、佐津川(延長約14㎞)、矢田川(延長約35㎞)、岸田川(延長約24㎞)などの諸河川があり、いずれも目本海に注いでいる。
また、丹波地域には京都府を経て目本海に注ぐ由良川の支流である竹田川がある。
いずれの流域も水質は良好であり、環境基準を達成している。
環境基準点におけるBOD75%値の経年変化は第3-1-37図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-14表参照)。
第3-1-37図 環境基準点におけるBOD75%値の経年変化
(2)生活環境の保全に関する環境基準類型未設定河川
ア 阪神地区都市河川
阪神間を流下し大阪湾に注ぐ河川は、いずれも流路延長が短く、流量も少ない。
水質は、良好であり、芦屋川の上流では上水源として取水が行われている。
主要測定点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-38図のとおりである(生活環境項目の測定結果は資料編第5-15表参照)。
第3-1-38図 主要測定点におけるBOD75%値の経年変化
イ 神戸市内都市河川
神戸市内の都市河川は主として六甲山系に源を発し、市街地を南下して、大阪湾に注いでいる。各河川とも流路延長が短く河川勾配が急で、河床は人工的に改変されている割合が高い。
水質は、下水道整備の進展等により、おおむね良好である。
主要測定点におけるBOD75%値の経年変化は、第3-1-39図のとおりである(生活環境項目の調査結果は資料編第5-16表参照)。
第3-1-39図 主要測定点におけるBOD75%値の経年変化
ウ 東・西播磨地区都市河川
明石市から赤穂市に至る間の都市河川は、いずれも流路延長が短く、臨海部の市街地を経て播磨灘に注いでいる。
主要測定点におけるBOD75%値の経年変化は第3-1-40図のとおりである(生活環境項目の調査結果は資料編第5-17表参照)。
第3-1-40図 主要測定点におけるBOD75%値の経年変化
エ 淡路島諸河川
淡路島内では、洲本川、志筑川が大阪湾に注いでおり、三原川、郡家川が播磨灘に注いでいる。いずれの河川も流路延長が短く、流域面積も小さい。
主要測定点におけるBOD75%値の経年変化は第3-1-41図のとおりである(生活環境項目の調査結果は資料編第5-18表参照)
第3-1-41図 主要測定点におけるBOD75%値の経年変化
2 海域
海域の水質汚濁状況把握のため、水質測定計画に基づき環境基準の類型あてはめが行われている26水域の46環境基準点を含め91地点で水質調査を行った(調査地点は資料編第5-1図、第5-2図参照)。
健康項目については、瀬戸内海、日本海ともすべての地点で環境基準を達成している。
生活環境項目について、環境基準項目のうち、有機汚濁の代表的指標であるCODについて水域別に環境基準の達成状況をみると、第3-1-14表のとおりである。
第3-1-14表 海域のCODの水域別環境基準達成状況
[備考] x:環境基準に適合しない日数
y:総測定日数
イ:直ちに達成
ロ:5年以内で可及的すみやかに達成
ハ:5年を超える期間で可及的すみやかに達成
環境基準達成水域数は19水域である。未達成の7水域は大阪湾4水域、播磨灘及び播磨灘北西部2水域、淡路島西部・南部1水域である。
類型別の達成状況は、C類型14水域はすべて達成している。B類型5水域のうち1水域、A類型7水域のうち6水域が達成していない。
また、全窒素・全燐に係る環境基準は、大阪湾については、平成7年2月に環境庁が、指定権限が委任されている播磨及び淡路島西部・南部については、平成8年6月に兵庫県が、播磨灘北西部については、平成9年4月に環境庁が類型指定を行った(全窒素・全燐の環境基準等は、資料編生活環境の保全に関する環境基準、イ海域、栄養塩類参照)。
(1)大阪湾海域
大阪湾は、臨海部には工業地帯があり、後背地には人口集中地帯を抱えているため、流入する河川の汚濁負荷が大きい。また、外洋水との交換が悪い閉鎖性の水域であることから、富栄養化状態となっている。
CODについての環境基準達成状況をみると、C類型の大阪湾(1)では環境基準を達成しているが、A類型の大阪湾(3)、(4)、(5)、及びB類型の大阪湾(2)の4水域で環境基準を達成していない。
類型ごとの環境基準点でのCOD75%値の平均濃度の経年変化は第3-1-42図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-20表参照)。
全窒素、全燐については、それぞれ全水域で環境基準を達成している。
第3-1-42図 類型ごとの環境基準点COD75%値経年変化
(2)播磨灘及び播磨灘北西部海域
播磨地域は温暖な気候や広い沖積平野のため、古くから農業を中心として栄えてきたが、現在では臨海部に重化学工業主体の工業地帯が形成されている。
東部の沿岸は埋立てなどにより海岸線の人工的改変が進んでいるが、西部には地形の入りくんだ自然のままの海岸線が残っており、海水浴や潮干狩りなとレクリエーションにも利用されている。
CODについて環境基準達成状況を見ると、A類型の播磨海域(13)及び播磨灘北西部の2水域で環境基準を違成していないが、それ以外の12水域で環境基準を達成している。
類型ごとの、環境基準点でのCOD75%値の平均濃度の経年変化は、第3-1-43図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-21表参照)。
全窒素、全燐については、5水域すべての水域で環境基準を達成している。
第3-1-43図 類型ごとの環境基準点COD75%値経年変化
(3)淡路島西部・南部海域
淡路島は周囲を海に囲まれているが、明石海峡大橋によって本州と、大鳴門橋で四国とつながっており、温暖な気候に恵まれ古くから農・漁業が盛んである。
また、海岸部では、海水浴、魚釣り等のレクリエーションにも利用されている。
CODについては、環境基準を達成していない。全窒素及び全燐については環境基準を達成している(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-22表参照)。
(4)山陰海岸東部・西部海域
山陰海域はリアス式海岸を形成しており、国立公園にも指定されている。古くから漁業が盛んであり、沿岸部には水産加工業などが立地している。また、海岸部では、海水浴などレクリエーションにも利用されている。
CODについては、2水域とも環境基準を達成している(生活環境項目の環境基準適合状況は資料編第5-23表参照)。
3 湖沼
千苅水源池は武庫川支川の羽束川を神戸市北区道場町で重力式コンクリートダムによってせき止めた人工貯水池である。
ダムは、大正8年に完工し、有効水深27.4m、有効貯水量1,160万、たん水面積1.12km2であり、神戸市の上水道水源として利用されている。
湖沼では、上層と下層で水質が異なることから、環境基準点で表層(水面下0.5m)及び下層(水面下10m)の2層で調査を行っている。
CODについては、環境基準を達成している。
COD75%値の経年変化は、第3-1-44図、全窒素、全燐の経年変化は、第3-1-45図のとおりである(生活環境項目の環境基準適合状況は、資料編第5-19表参照)。
また、平成14年4月に全燐に係る環境基準の類型指定を行った。
全燐については、プランクトンの影響もあり環境基準未達成に転じている(全燐の環境基準等は、資料編生活環境の保全に関する環境基準、ア河川、b湖沼、(b栄養塩類参照)。
第3-1-44図 環境基準点におけるCOD75%値の経年変化
第3-1-45図 全窒素・全燐(全層平均値)の経年変化