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尼崎市立クリーンセンター知事意見

 

審査意見書

 

 

環境影響評価実施者
都市計画決定権者 尼崎市
代表者 尼崎市長 宮田 良雄

 

 

 阪神間都市計画ごみ焼却場尼崎市立クリーンセンター第2工場に係る環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)に関し、環境影響評価に関する条例(平成9年兵庫県条例第6号)第20条第1項の規定に基づく審査意見は、下記のとおりである。

平成12年7月12日

 

兵庫県知事  貝原 俊民

 

 

 現在、尼崎市では市内の家庭や事業場から排出される一般廃棄物の処理を行うために、2箇所5炉のごみ焼却場が稼働している。当事業は、このうち3炉が老朽化により更新時期を迎えているため、新たなごみ焼却場を建設し将来の一般廃棄物の安定かつ適正に処理を行うことを目的とし、市南部地域に建設するものである。
 準備書では、環境影響評価の対象としたすべての項目で、環境保全目標を満足しており、本事業の実施が地域の環境の保全に支障を及ぼすことはないとしている。
 以上を踏まえて審査した結果、計画地は尼崎市南部の工業専用地域に位置していること及びクリーンセンター全体の大気汚染物質排出量が現況より削減されることから、当事業の実施による環境への影響については大きな問題はないと考える。
 なお、事業の実施に当たっては、準備書記載の環境の保全と創造のための措置を着実に実施するほか、次の各環境要素ごとに述べる事項に留意する必要がある。

 

1 大気汚染

計画地である市南部では、現状では二酸化窒素の環境基準を超過していることからも、当施設の運転にあたっては、燃焼施設及び排ガス処理設備の維持・管理の徹底に努め、周囲に及ぼす影響を最小限に留めること。

 

2 水質汚濁

工事排水を敷地外周の排水路から沈砂池に集め沈殿処理した後、放流することから放流先の水質への影響はないとしているが、工事排水については、有害物質が含まれていないことを適宜確認し、沈砂池に堆積した土砂の除去等についても適正に行うこと。
また、計画地前面の海域は大阪湾最奥部で潮流等による水質拡散が小さいことから、施設稼働においては排水処理設備の維持・管理の徹底に努め、周辺海域に及ぼす影響を最小限に留めること。

 

3 土壌汚染

現況調査において事業予定地内で砒素による土壌汚染が認められている。その汚染土壌については除去すること、工事において土壌汚染の原因となる物質は使用しないこと等から影響は抑えられるとしているが、汚染土壌の処理については、適正に実施すること。

 

4 騒音

ごみ収集車の主要通行ルートである尼崎港線と大物線における騒音は、すでに環境基準を超過していることからも、ごみ収集車の適切な運行計画の策定に努め、沿道に及ぼす影響を最小限に留めること。

 

5 景観

当施設は大阪湾奥部ベイエリアから直接視認できる位置に立地することから、施設の設計に当たっては、景観に配慮した構造、デザインについて検討を行うこと。