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記者発表(資料配布) 平成25年7月4日

三菱高砂製作所実証設備複合サイクル発電所更新計画に係る
環境影響評価方法書に対する知事意見について

 

 標記事業の環境影響評価方法書(※)(以下「方法書」という。)について、環境影響評価法及び電気事業法に基づき下記のとおり知事意見を作成し、本日、経済産業大臣に送付しましたので、お知らせします。

 この知事意見は、環境影響評価審査会(会長:服部 保 兵庫県立大学名誉教授)答申(平成25年7月3日)に沿って作成したものです。

 

(※) 環境影響評価方法書: 予測評価の項目や方法についての計画書

 

 1 事業の概要

事 業 者   三菱重工株式会社
        代表取締役社長 大宮 英明
事業の種類   火力発電所の更新工事
事業の場所   高砂市荒井町新浜2丁目1番1号
事業の規模   出力約51万kW(現行38.9万kW)

 

2 知事意見
(1)全体的事項

方法書に記載の内容については、概ね適切であるが、大気質を始めとする環境保全措置については、実行可能な範囲において複数案の比較検討や、より良い技術の導入の検討を行うこと。

対象事業実施周辺への配慮として、工事用資材等の搬出入車両の効率的な運行による台数の抑制や平準化、低公害型車両の積極的な使用などにより、最大限影響を低減するよう検討し、予測及び評価を行うこと。

なお、当該事業完了後の既存設備の撤去は、廃棄物が発生する大規模な工事となると想定されることから、撤去工事による環境影響が懸念される。このため、廃棄物の適正処理を始め十分な環境配慮を行うことが必要である。

 

(2)個別的事項

ア 大気質

発電出力の増加に伴い、窒素酸化物等の環境負荷が増加することから、窒素酸化物等について、適切な予測及び評価を行うこと。

また、微小粒子状物質については、大気常時監視測定局の測定結果などにより現状を把握するとともに、環境影響評価準備書作成までに予測手法等が確立された場合には、調査等の項目を追加して予測及び評価を行うこと。

 

イ 水質

造成等の施工における雨水や掘削による湧水等の濁水について、具体的な影響低減策を検討するとともに、その効果を考慮し、予測及び評価を行うこと。

 

ウ 騒音

空冷復水器の稼働に伴う低周波音の状況について検討し、必要に応じて予測及び評価を行うこと。

 

エ 動物、植物

工場敷地内の立地条件に適応して生息・生育する動植物もいるため、必要に応じて専門家の指導・助言を得ながら、工事状況に合わせた調査を適切に行うこと。

植物の調査にあたっては、兵庫県の生物多様性に悪影響を及ぼす外来生物リスト(以下、ブラックリストという。)に掲載されている種について調査を行い、緑地の整備にあたっては、地域の生態系に配慮した上で、長期的な視点から計画を策定すること。また、ブラックリストの種を植栽せず、地域産種子による苗木を可能な限り利用するなど、専門家の指導・助言を得ながら、生物多様性に配慮した計画となるよう努めること。

 

オ 景観

陸上だけではなく、定期船などからの景観も考慮し、必要に応じて調査地点を追加するなど、適切な範囲での調査、予測及び評価を行うこと。

 

カ 廃棄物等

施設の稼働に伴い発生する廃棄物量の適切な予測及び評価を実施すること。また、工事に伴う廃棄物についても、保管方法やリサイクル方法など具体的な配慮内容について明確にすること。

 

キ 温室効果ガス

出力1kWあたりの二酸化炭素排出量を約10%低減する計画であるが、出力が38.9万kWから約51万kWへ増加するため、二酸化炭素の総排出量の予測及び評価について適切に行うこと。

 

3 今後の予定

知事意見を受け、経済産業大臣が事業者に対し必要な勧告を行った後、事業者が、調査、予測及び評価を実施し、環境影響評価準備書作成や説明会開催等の手続きを行う。

 



審査会の答申文は → ここをクリック(PDFファイル:127KB)

 

知事意見の本文は → ここをクリック(PDFファイル:116KB)