三宅島の火山ガスによる二酸化硫黄の濃度上昇による
健康影響について(環境省通知文より)
1 環境基準は人の健康への影響を防止する上で、十分に安全を見込んだ極めて厳しい濃度条件
に設定されているため、本環境基準を若干超える測定値が得られた場合においても、直ちにそれ
が人の健康被害をもたらすものではない。
2 今回の三宅島の火山ガスによる二酸化硫黄の濃度上昇については、現時点では、急性の健康
影響が問題になるレベルではないと考えられる。
3 しかしながら、同一地点において、環境基準を超える二酸化硫黄の濃度上昇が、数時間以上ま
たは、連日観測されるような場合は、健康影響が懸念されるため、以下のような事項に注意する必
要がある。
(1)外出はなるべく控えること
(2)外から戻ったときには、目を洗ったり、うがいをすること
(3)目に刺激を感じたり咳が出たりした場合は、医療機関に相談すること
4 また、喘息や慢性気管支炎等の呼吸器系疾患を持つ方々については、0.2ppm以上になると、
喘息発作の誘発や咳、痰が増えるなどの症状がでるおそれがあるため、上記の事項には特に注
意をするとともに、外出中に硫黄臭(硫黄温泉の臭いまたは卵の腐ったような臭い)などを感じたと
きは、以下の事項を緊急避難的に行うことも有効である。
(1)激しい運動は控え、近くの建物などに入ること
(2)近くに建物などがないときは、ウェットティッシュやぬれタオル等で口や鼻を覆うこと
(3)体調に異常を感じたときは、早めに医療機関を受診すること
5 なお、三宅島の火山噴火による二酸化硫黄の濃度上昇時には、硫化水素等の濃度上昇の可能
性もあるが注意事項としては同様である。
二酸化硫黄の人体への影響
0.1〜1ppm 臭気を感じる
2〜3 刺激臭となり不快感を覚える
5〜10 鼻やのどに刺激があり、せきが出る
20 目に刺激を感じ、せきがひどくなる
硫化水素の人体への影響
0.03 臭いの感知の下限界
5 不快臭となる
50〜100 気道刺激、結膜炎
(いずれも「化学物質の危険・有害性便覧」中央労働災害防止協会編)