● 現況調査の結果 
(1) 調査の方法等

調査項目 調査期間
及び頻度
調査地域
(現況調査地点位置図はここをクリック!)
調査方法
気 象 風向、風速 1年間 淡路町岩屋  兵庫県環境局が実施している淡路町岩屋のモニタリングボックスによる風向・風速及び一般環境大気の既存調査資料の収集・整理により行った。
大気質 窒素酸化物
浮遊粒子状物質


(2) 調査結果
 @ 気 象 
     

 計画区域周辺の淡路町岩屋モニタリングボックスにおける風配図と計画区域に近い気象観測所である淡路町地域気象観測所における観測結果を以下に示す。
淡路町岩屋モニタリングボックスにおける風配図(平成10年度)
年月 淡路町地域気象観測所1) 淡路町岩屋モニタリングボックス2)
降水量(mm) 平均風速(m/s) 最多風向(16方向)
平成10 4 162 1 SSE
5 170 0.9 SSE
6 141 1.1 SSE
7 106 1.1 SSE
8 104 1.2 SSE
9 169 1 NNE
10 258 1 SSW
11 17 1.1 W
12 8 1 W
平成11 1 10 1.2 NW
2 45 1.1 NW
3 90 1.2 NW
年 間 1,280 1.1 NW
〔出典〕1)神戸海洋気象台資料より作成。
    2)兵庫県大気課資料より作成。


 A 大気質

 一般環境大気については、淡路町岩屋モニタリングボックス(平成10年度)で測定が行われている。
 浮遊粒子状物質と二酸化窒素の測定結果を以下に示す。


(二酸化窒素)

測定局等 測定期間 年平均値等
(ppm)
日平均値の
年間98%値
(ppm)
1時間値の
最高値
(ppm)
日平均値が0.06ppmを超えた日数及び達成率(98%値評価による) NO2
NO+NO2
淡路町岩屋モニタリングボックス

平成10年度
(1年間)

0.020 0.042 0.095 0 100 67.7
環境基準 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内
又はそれ以下であること。                  
〔出典〕「平成11年度版 環境白書」(兵庫県、平成11年)

 

(浮遊粒子状物質)

測定局等 測定期間 年平均値等
(mg/m3)
日平均値の2%除外値
(mg/m3)
1時間値の
最高値
(mg/m3)
1時間値が0.20mg/m3を超えた時間数 日平均値が0.10mg/m3を超えた日数
淡路町岩屋モニタリングボックス

平成10年度
(1年間)

0.018 0.062 0.163 0 0
環境基準 1時間値の1日平均値が0.10r/m3以下であり、
かつ、1時間値が 0.20r/m3以下であること。
〔出典〕「平成11年度版 環境白書」(兵庫県、平成11年)
〔備考〕日平均値の2%除外値は、年平均値の約3.4倍となっており、平成11年度の兵庫県内の他の一般環境大気測定局での値(平均値で約2.3倍)と比べて高くなっている。


● 環境保全目標

評価項目 環境保全目標
工事中の土地造成工事に伴う影響  大部分の地域住民が日常生活において支障がないこと。
 なお、以下の値をもって評価を行った。
 「面整備事業環境影響評価技術マニュアル」(建設省、平成11年11月)による生活環境を保全する上での工事による寄与の目安10t/q/月以下。
工事中の建設資材運搬車両等の走行に伴う影響  大部分の地域住民が日常生活において支障がないこと。
供用後の自動車の走行に伴う影響  環境基本法に定められた環境基準の達成と維持に支障がないこと。

 なお、以下の値をもって評価を行った。
 二酸化窒素(NO2
 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
 浮遊粒子状物質(SPM)
 1時間値の1日平均値が0.1mg/m3以下であること。


● 環境に及ぼす影響の予測及び評価

(1) 予測方法等

予測項目 予測の対象時期 予測地域 予測方法
工事中の土地造成工事に伴う影響 造成工事の最盛期 造成区域に最も近接する民家
(予測地点位置図はここをクリック!)
 主として造成工事に伴う降下ばいじん量を予測した。
工事中の建設資材運搬車両等の走行に伴う影響 資材搬入車両等の台数が最大となる時期 計画区域周辺  事業計画に基づき環境保全措置を検討し、沿道環境への影響を定性的に予測した。
供用後の自動車の走行に伴う影響 公園施設の供用開始後 主要地方道福良江井岩屋線の道路端及び近接する民家
(予測地点位置図はここをクリック!)
 来場者等の自動車の走行による沿道環境大気質について、道路端及び最近接民家に及ぼす影響をパフ式、プルーム式を基本とする大気拡散モデルで二酸化窒素及び浮遊粒子状物質を定量的に予測した。


(2) 予測結果

予測項目 予測結果
工事中の土地造成工事に伴う影響  土工機械の稼働等による降下ばいじん量を計画区域に近接する民家付近において予測した結果、工事による寄与は0.7〜6.8t/q2/月であり、生活環境を保全する上で工事による寄与の目安が10 t/q2/月を下回っている。
工事中の建設資材運搬車両等の走行に伴う影響  建設資材運搬車両等が利用する主要地方道福良江井岩屋線における建設資材運搬車両等の交通量は、最大で約60台/日程度と少なく、一般車両の交通量と比べて1.8%程度の小さい割合である。また、出入り口にはタイヤの洗浄場を設け、タイヤ洗浄の励行を監督するとともに、必要に応じて道路清掃を行うことから、影響は小さいものと考えられる。
供用後の自動車の走行に伴う影響

来場者等関連車両の主要なアクセス道路となる主要地方道福良江井岩屋線の道路端及び民家付近における二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の沿道環境濃度を予測した結果は、予測対象道路からの寄与濃度は小さく、将来濃度(日平均値の年間98%値等)は環境基準を下回っている。 

     供用後の沿道環境大気質予測結果(二酸化窒素)
                        単位:ppm
予測地点 日平均値の年間98%値 環境基準
道路端(地上1.5m) 0.047 1時間値の1日平均値が 0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
民家付近(地上4.5m) 0.046
    供用後の沿道環境大気質予測結果(浮遊粒子状物質)
                          単位:mg/m3  
予測地点 日平均値の2%除外値 環境基準
道路端(地上1.5m) 0.055 1時間値の1日平均値が0.1 mg/m3以下であること。
民家付近(地上4.5m) 0.053


(3) 評価結果

評価項目 評価結果
工事中の土地造成工事に伴う影響  土工機械の稼働等による降下ばいじん量の寄与は環境保全目標値を下回っていることから、環境保全目標を満足する。
工事中の建設資材運搬車両等の走行に伴う影響  予測結果から環境保全目標を満足するものと考えられる。
供用後の自動車の走行に伴う影響  将来濃度(日平均値の年間98%値等)は環境保全目標値を下回っていることから、環境保全目標を満足する。