● 環境影響要因(環境に影響を及ぼす行為)の抽出

区 分 環境影響要因
工 事 樹林の伐採
造成工事
工事関連車両の走行
存 在 公園施設の存在
供 用 公園施設の供用
公園管理作業
来場者等関連車両の走行


● 環境影響要因と環境要素との関連

工 事
樹林の伐採  樹林の伐採に伴う陸生植物、陸生動物、生態系及び景観への影響
造成工事  土地造成工事に伴う粉じん及び建設作業騒音・振動の発生
裸地等の出現に伴う流況の変化
造成時の降雨による濁水の発生に伴う水質(pH、濁水)及び水生生物への影響
土地改変に伴う地形、地質、陸生植物、陸生動物、生態系、文化財及び景観への影響
工事関連車両の走行 建設資材運搬車両等の走行に伴う自動車排出ガス及び道路交通騒音・振動の発生
存 在
公園施設の存在 公園施設の設置に伴う陸生植物、陸生動物、生態系及び景観への影響
供 用
公園施設の供用 公園施設の供用に伴う陸生植物、陸生動物及び生態系への影響
公園管理作業 農薬散布等に伴う水質(有機汚濁等、有害物質(農薬))、陸生植物、陸生動物、水生生物及び生態系への影響
来場者等関連車両の走行 来場者車両の走行及び公園管理等業務関連車両の走行に伴う自動車排出ガス及び道路交通騒音・振動の発生


● 影響が考えられる環境要素で、「影響がないと考えられる」とした理由

工 事
樹林の伐採   樹林の伐採については、「廃棄物」への影響が考えられる。
 廃棄物については、伐採樹木等は建設資材やチップ化等の再資源化を行い場外に排出しない予定であることから、影響はないものと考えられる。
造成工事   造成工事については、「地下水」、「底質」、「廃棄物」及び「レクリエーション」への影響が考えられる。
 地下水については、本事業は大規模な地形改変を行わない計画であるとともに、防災工事を先行すること、有害物質を使用しないこと、また周辺民家までの距離が離れていること、計画区域内にある茂谷池付近の上水取水地点(深井戸)は造成工事の開始までに廃止する予定であること等から、地下水に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 底質については、造成工事において有害物質は使用しない。また、適切な濁水流出防止対策を講じる計画であるとともに、段階的な施工管理において作業工程を熟慮して樹林の伐採を行い、速やかに緑化を図ることにより裸地の出現期間の短縮に努める計画であることから、流亡する土砂量は少ないと考えられる。したがって、工事中に有害物質や土砂が河川やため池の水底に蓄積することによる底質に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 アスファルト廃材等の産業廃棄物については、排出量が少ないこと、指定業者に委託し適正に処分する予定であることから、廃棄物処理体系に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 計画区域内には既存のレクリエーション地として、石の寝屋遺跡やハイキングコースがあるが、利用に際して影響を及ぼすような大規模な地形改変を行わないことから、造成工事によるレクリエーションへの影響はほとんどないものと考えられる。
工事関連車両の走行  工事関連車両の走行については、「陸生動物」及び「生態系」への影響が考えられる。
 工事中の建設資材運搬車両等の走行台数は最大で約50台/日程度と少ないことから、自動車排出ガスや道路交通騒音・振動による陸生動物及び生態系への影響はほとんどないものと考えられる。
存 在
公園施設の存在  公園施設の存在により「水象(流況)」、「地形」、「地質」及び「レクリエーション」への影響が考えられる。
 水象(流況)については、本事業は、大部分の緑地を保全する計画であり、改変面積が計画区域の約13%程度で、そのうち約半分は修景緑地として整備を図る。また、一部で流域変更を行う可能性があるが、その面積は小さい。これらのことから、影響はほとんどないものと考えられる。
 地形と地質については、計画区域内の地質は花崗岩類に区分され軟弱地盤ではないこと、園路等の整備における十分な法面勾配の確保、土石流危険渓流である片谷川及び藤八川沿いで防災工事等、防災面への配慮を最大限に行う計画であることから、土地の安定性に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 レクリエーションについては、本事業では石の寝屋遺跡を活用した整備を行うとともに、既存のハイキングコースを、園路を介して連結することにより、既存のレクリエーション地に対する利便性の向上が図られることから、レクリエーションに及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
供 用
公園施設の供用  公園施設の供用により「廃棄物」及び「レクリエーション」への影響が考えられる。
 来場者からのごみ等の一般廃棄物については、園内にごみ箱を設置しないことにより、基本的には持ち帰ってもらう計画であるとともに、展望カフェテリアからの厨房ごみ等については、発生見込み量が約6トン/年程度と少なく、そのうち生ごみは積極的にコンポスト化する予定であることから、廃棄物処理体系に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 レクリエーションについては、本事業では石の寝屋遺跡を活用した整備を行うとともに、既存のハイキングコースを、園路を介して連結し、整備する公園施設と併せて、レクリエーション地としての利便性や快適性の向上が図られることからレクリエーションに及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
公園管理作業  公園管理作業により「地下水」、「底質」、「土壌汚染」及び「廃棄物」への影響が考えられる。
 地下水については、公園管理作業における農薬の散布を病害虫の発生時に必要個所のみ最小限行い、散布量が少なく分解し易い農薬を選定する計画であるほか、周辺民家までの距離が離れていること、計画区域内にある茂谷池付近の上水取水地点(深井戸)は造成工事の開始までに廃止する予定であること等から、地下水に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 底質及び土壌汚染については、公園管理作業における農薬の散布を病害虫の発生時に必要個所のみ最小限行い、散布量が少なく分解し易い農薬を選定する計画であることから、農薬成分が土壌や河川、ため池の水底に蓄積することによる土壌汚染及び底質に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
 公園管理作業に伴う刈り芝や樹木の刈り枝等は、チップ化や堆肥化等を行い、園内のマルチング材として有効活用し、場外に排出しないことから、廃棄物処理体系に及ぼす影響はないものと考えられる。
来場者等関連車両の走行  来場者車両の走行及び公園管理等業務関連車両の走行については、「陸生動物」及び「生態系」への影響が考えられる。
 来場者車両の進入は山麓の駐車場までとし、山頂付近への乗り入れは行わない計画であること、展望カフェテラス等に乗り入れる公園管理等業務関連車両は約10台/日程度と少ないことから、自動車排出ガスや道路交通騒音・振動による陸生動物及び生態系への影響はほとんどないものと考えられる。
その他の環境要素
 その他の「大気汚染(気象)」、「地盤沈下」、「悪臭」、「地球温暖化」及び「オゾン層破壊」等については、本事業の事業特性及び事業概要等から「影響がないと考えられる」とした。


● 環境影響要因と環境要素の分析結果

       環境要素





環境影響要因
大気汚染 水質汚濁











大気質 水象 水質












pH












工事 樹林の伐採                            
造成工事                
工事関連車両の走行                      
存在 公園施設の存在                            
供用 公園施設の供用                            
公園管理作業                        
来場者等関連車両の
走行
                     
       環境要素





環境影響要因


廃棄物 地形・
地質
生物










































工事 樹林の伐採                    
造成工事            
工事関連車両の走行                            
存在 公園施設の存在                    
供用 公園施設の供用                      
公園管理作業                    
来場者等関連車両の
走行
                           

〔備考〕○:影響が考えられる環境要素
   無印:影響がないと考えられる環境要素

● 現況調査・予測・評価を行う項目

  環境
  要素




環境
影響
要因 
大気汚染 水質汚濁



地形・
地質
生物


 








大気質 水象 水質
























pH












現況調査    
予測

評価
工事      
存在                            
供用                  

〔備考〕1.現況調査について、 ○ :現地調査により現況調査を行う項目
               △ :既存資料の収集・整理により現況調査を行う項目
               無印:現況調査を行わない項目
    2.予測・評価について、○ :予測・評価を行う項目
               無印:予測・評価を行わない項目