事業者に対する温室効果ガス排出抑制案策定の背景及び目的

1 策定の背景
 地球温暖化防止は人類共通の課題であるとの認識のもと、平成9年12月に京都で開催された
気候変動に関する国際連合枠組条約第3回締約国会議(COP3)」において、法的拘束力を持
つ「京都議定書」が採択された。わが国は、平成14年6月にこれを受諾し、2008年から2012
年(第1約束期間)の間に1990年に比べ温室効果ガスを6%削減することとなった。
 本県では、地域からの地球温暖化対策を進めるため、平成12年7月に「新兵庫県地球温暖化
防止推進計画
」を策定し、温室効果ガス排出量を2010年度に1990年度レベルから6%削減す
るため、県民・事業者・行政の参画と協働のもと、自主的な取組が進むよう、主として普及啓発を
行ってきたところである。
 しかし、本県における温室効果ガス排出量は、発電所などのエネルギー転換の効率化やリサイ
クルによるプラスチック系ゴミの減少により、かなりの削減効果がみられるものの、産業部門6%、
民生(家庭・業務)部門8%、運輸部門8%と伸びが大きいことから、現時点では、1999年度で
7,580トンと1990年度から約4%増えており、計画の削減目標を達成するためには、10%以
上の削減を図ることが必要となっている。(3 参考資料(1)兵庫県における温室効果ガスの排出
量(1999年度)参照

 特に、産業部門と民生業務部門から排出される温室効果ガスは、1999年度の排出量の74%
を占めており、その比率が大きいことから、これらの事業部門における削減対策の推進は不可欠
となっている。
 事業者に対する温室効果ガス対策については、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に温
室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画を作成し、公表する努力規定がある。ま
た、現行の「環境の保全と創造に関する条例」では、一定規模以上の新増設の際の温室効果ガ
スの排出抑制措置を実施させる規定(温暖化アセス制度)があるものの、既存の事業者について
は、排出量抑制規制の規定はない。
    
2 目的
「環境の保全と創造に関する条例」の一部を改正し、一定規模以上の事業者に、知事の定める指
針に基づき、自主的に温室効果ガス排出抑制計画を作成し、公表する義務を課す等により、「新
兵庫県地球温暖化防止推進計画」の削減目標の達成を図ろうとするものである。
3 事業者に対する温室効果ガス排出抑制案の今後のスケジュール
 今回の事業者に対する温室効果ガス排出抑制案については、環境審議会に諮問し、大気環境部
会で審議を行っているところであり、その骨子については、適当であるとの意見が示されたところか
ら、12月27日から1ヶ月の間、パブリック・コメント手続きを行うものである。
 今後、いただいたご意見及び環境審議会の審議結果を参考に条例案を作成し、平成15年2月の
定例県議会に条例案を上程し、議決を経たのち、猶予期間を置き施行する予定である。

ページの先頭に戻る