1 計画策定の背景と目的

1 自動車NOx・PM総量削減計画とは
(1)  自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)に基づき策定する計画です。自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の総量削減に係る施策を県民、事業者、行政等の参画と協働のもとに推進するため、本計画を策定します。
 自動車NOx・PM法は、大都市地域における二酸化窒素や浮遊粒子状物質による
大気汚染が厳しい状況にあること、ディーゼル車から排出される粒子状物質が発がん
性のおそれを含む健康への悪影響が懸念されていることを踏まえ、旧自動車NOx法
を改正し、平成13年6月に公布されたものです。この改正により、従来の窒素酸化物
(NOx)に加え、粒子状物質(PM)が対象物質に追加されるとともに、対策地域の拡大
車種規制の強化などが行われました。
(2)  計画の対象となる地域(対策地域)は、自動車NOx・PM法に基づき指定された阪神・播磨南部地域の11市2町です。
神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、伊丹市、加古川市、宝塚市、
高砂市、川西市、播磨町、太子町
 兵庫県の他に、自動車NOx・PM法に基づく対策地域があり自動車NOx・PM総量削
減計画を策定することとなっているのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、
三重県、大阪府です。
(3)  計画は、自動車NOx・PM法に基づいて国が定めた「自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針」に基づき策定することとなっています。
 
 
2 計画案のポイント
(1) 対策地域の現況
 本県の大気環境については、改善の傾向にあるものの、国道43号訴訟や尼崎公害訴訟の対象となった国道43号等、幹線道路の周辺において、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る大気環境基準が達成されていない状況が続いています。
(ア) 二酸化窒素
 平成13年度において、自動車排出ガス測定局25局中、国道43号(阪神高速3号神戸線)3局、国道171号1局の計4局で環境基準が達成されていません。
(イ) 浮遊粒子状物質
 平成13年度において、自動車排出ガス測定局17局中10局で環境基準が達成されていません。
 この内、日平均値の年間2%除外値が0.10mg/m3を超過することにより環境基準を達成しなかった局は、国道2号1局、国道250号1局の計2局、2日連続で日平均値が0.10mg/m3を超過することにより環境基準を達成しなかった局は、国道43号(阪神高速3号神戸線)3局、阪神高速3号神戸線1局、国道171号1局、国道176号1局、県道米谷昆陽尼崎線1局、県道明石高砂線1局の計8局です。

備考 ●:二酸化窒素に係る環境基準未達成局
■:浮遊粒子状物質に係る環境基準未達成局(2%除外値による評価)
▲:浮遊粒子状物質に係る環境基準未達成局(2日連続超過による評価)
△:その他の自動車排ガス測定局
図1 自動車排ガス測定局の位置及び環境基準未達成局(平成13年度)
(2) 計画の目標及び達成期間
(ア) 計画の目標
 平成22年度までに、二酸化窒素に係る大気環境基準を達成するとともに、自動車排出粒子状物質の総量が相当程度削減されることにより浮遊粒子状物質に係る大気環境基準を達成することを目標としています。
(イ) 目標達成に必要な削減目標量
@ 窒素酸化物
 目標達成のために必要な対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量は、下表のとおりです。(また、着実な目標の達成に向けた施策の進行管理を行うために、平成17年度を中間目標年度とします。)

自動車排出窒素酸化物の総量(t/年)
平成9年度
(現況)
平成17年度
(中間目標)
平成22年度
(目標)
19,760 17,200 12,000
A 粒子状物質
 目標達成のために必要な対策地域における自動車排出粒子状物質の総量は、下表のとおりです。(また、着実な目標の達成に向けた施策の進行管理を行うために、平成17年度を中間目標年度とします。)

自動車排出粒子状物質の総量(t/年)
平成9年度
(現況)
平成17年度
(中間目標)
平成22年度
(目標)
2,531 1,352 431
(3) 自動車排出ガス対策の主な項目
@ 自動車単体対策
 大気汚染防止法に基づく自動車単体規制(新車に適用される排出ガス規制)の強化等を推進します。
A 車種規制の推進
 自動車NOx・PM法に基づく車種規制を徹底等を図ります。
 さらに、自動車NOx・PM法対策地域内への流入車に対する規制を検討し、その推進を図ります。
B 低公害車等の普及促進
 排出ガスのきれいな低公害車等の普及目標を定め、公用車への率先導入、事業者への支援等により、その普及を図ります。
C 交通需要の調整・低減
 自動車の効率的運行や公共交通機関の利便性の向上等により交通需要の調整・低減を図ります。
D 交通流対策の推進
 バイパス道路の整備や立体交差化、環境ロードプライシング等により交通流の分散化等を図ります。
E その他の対策
 局地汚染対策、アイドリング・ストップを始めとするエコドライビング運動等を推進します。
 
 
  
3 計画策定の諸手続
(1) 兵庫県自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画策定協議会
 自動車NOx・PM法に基づき、計画に定められるべき事項について調査審議するため、知事、県公安委員長、関係市町の長、国の関係地方行政機関の長及び関係道路管理者を含む者で組織される協議会を置くこととされています。
 これまでに、この協議会(幹事会)を3回開催し、調査審議しており、今回の県民意見提出手続きにより提出していただいたご意見については、今後の協議会開催時に提示し、調査審議していくことにしています。
(2) 環境大臣の同意
 自動車NOx・PM法に基づき、県がこの計画を策定するにあたっては、環境大臣の同意を得なければならないこととされています。
 なお、この同意により最終決定した計画を公表する際に、今回提出いただいた意見等の概要とこれに対する県の考え方を公表します。
 
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