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基本理念; |
学習によって出没が抑制される見込みのある個体は残していくが
学習しても人身事故の危険のある個体は排除していく |
ア 出没対策;ツキノワグマが出没した場合は、「出没対応基準」により対応する。
(出没対応基準)
第1段階;人間活動と直接影響がない場合、ツキノワグマの行動に執着が見られない場合
(山中での目撃、山中で痕跡を発見、道路を横切る等)
→情報収集に努めながら、誘引物がないかを確認し、住民に情報を提供する。
周辺の住民に対し、クマが執着しそうな物を置かないよう注意を呼びかける。
第2段階:ツキノワグマの行動に執着が見られる場合、同じ場所に何回も出没する場合
(果樹園等への出没、人家周辺の果樹・ゴミ・蜂の巣への出没等)
→農作物の場合は電気柵等による防護を行い、誘引物の除去を行う。
第3段階:人間活動に影響が大きい場合、繰り返し出没し執着が強く見られる場合
(誘因物を取り除いても繰り返し人家周辺に出没、防護しても繰り返し出没)
→出没するツキノワグマの性質を見極め、効果的と考えられる方法で追い払いを行う。
第4段階:追い払いによっても学習効果がなく、より強い学習が必要な場合
(追い払いによっても人家周辺に執着、周囲に逃げ道のない場所での出没)
→ドラム缶オリによる捕獲を行い、唐辛子スプレーによる学習を行い放獣する。
第5段階:以上によっても学習効果のない場合
(学習放獣、追い払いによっても学習効果が見られず人家周辺に執着する個体、
人に危害を加えた個体)
→オリにより捕獲し個体を特定したうえで、処分する。 |
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イ 不作為によるツキノワグマの誤捕獲の防止
ワナ等誤捕獲防止のための指導を徹底する。誤捕獲された個体は、原則として放獣する。 |
(2) 個体群管理
個体数動向及び適正な生息密度を把握するためのモニタリング調査手法を確立していく。
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(3) 生息環境管理 |
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ア 奥山林の保全 |
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ツキノワグマが越冬する巨樹の樹洞等の冬眠穴が確保されるよう奥山林の保全を図る。さらに近交弱勢を避け、遺伝的交流の図れる回廊の確保を視野に入れた保全を検討する。 |
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イ 里山林の整備 |
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集落に面した里山林は、下刈り等により見通しを良くすることで、ツキノワグマの出没を抑制する効果があると考えられ、また、森林の多様性を回復させる面からも整備を図る。 |
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ウ 人工林の整備 |
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間伐による健全な森林の状態を回復させるとともに、複層林化、針広混交林化、広葉樹林化などの積極的な普及に努め、森林の多様性と動物の多様性を図る。 |
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エ 生息地管理の研究 |
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ツキノワグマを含めた多様な生物の生息環境として望ましい森林の整備・保全に向けて、調査研究を進め、モデル的な森林の整備も試行する。
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(4) 被害防除
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ア 人身被害の防止 |
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・入山者への自己防衛意識の啓発を行う。
・市町間、府県間の情報提供による注意喚起を行う。 |
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イ 精神被害の低減 |
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・ツキノワグマの出没原因の究明と原因の除去を行う。
・人家周辺を整備する。(カキの木等の誘引物の除去) |
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ウ 農林業被害の防止 |
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・果樹等の防護については、幹にトタンを巻いたり電気柵を設置する。
・クマ剥ぎの防止対策を行う。 |