第3部 第4章 第1節 大気環境の保全

 

第1節 大気環境の保全

 

第1 大気汚染の常時監視

 
1 大気汚染常時監視測定局の設置状況

 県下の大気汚染を常時監視し把握するため、県及び政令市(神戸市、姫路市、尼崎市、西宮市、明石市及び加古川市)では、それぞれ大気汚染常時監視測定局を設置し、大気汚染状況の常時測定を行っている。
 平成17年3月31日現在の測定局数は88局〔一般環境大気測定局57局(県設置16局、政令市設置40局、国設1局)、自動車排出ガス測定局31局(県設置8局、政令市設置22局<車道局含む>、国設1局)〕である。
 また、その他の市町でも、必要に応じて測定局を設置し、常時監視を行っている(一般環境大気測定局15局、自動車排出ガス測定局1局)。

 

 
2 測定局及び測定項目の整備

 県においては、県域の大気汚染状況の変化に対応した測定局及び測定項目の整備・再配置を行い、適切かつ効率的な常時監視を行っている(資料編第4-1表第4-17表参照)。

 

 
3 常時監視とデータの情報提供

 平成16年度において、大気汚染常時監視システムにより、毎時測定データを収集している県下の測定局は89局である。これらの測定データに基づき、大気汚染状況を常時監視するとともに、光化学スモッグ注意報等の発令を行った。
 また、光化学スモッグ注意報等の発令状況や毎時の測定データ(速報値)をインターネットや携帯電話のWebサイトを利用して、県民にリアルタイムに情報発信している。

 

 
4 モニタリングボックスと移動観測車

 測定局の谷間となる地域や開発整備事業等環境変化が予想される地域で、現況の把握が必要な地域について、モニタリングボックス及び移動観測車(一般環境大気用及び自動車排出ガス用各1台)計4台により、機動的な監視・測定を行っている。

 

第3-4-1表 一般環境大気用

 モニタリングボックス移動観測車(「大気くん」)
測定地点 三木市上ノ丸町 30地点
測定期間 平成16年4月~
平成17年3月
各地点ごとに9日
測定項目 二酸化硫黄、一酸化窒素、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、風向、風速 二酸化硫黄、一酸化窒素、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、メタン系炭化水素、非メタン炭化水素、風向、風速、日射量、紫外線量
測定結果 資料編第4-13表のとおり 資料編第4-14表のとおり

 

 

第3-4-2表 自動車排出ガス用

 モニタリングボックス移動観測車(「2号車」)
測定地点 芦屋市陽光町 25地点
測定期間 平成16年6月~
平成17年3月
各地点ごとに1週間程度
測定項目 一酸化窒素、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、一酸化炭素、風向、風速、騒音 二酸化硫黄、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、風向、風速、騒音、振動、交通量
測定結果 資料編第4-18表のとおり 資料編第4-19表のとおり

 

 

第2 一般環境大気

<コラム>騒音問題とは?

<コラム>かおり風景100選

1 二酸化硫黄

 

  二酸化硫黄などの硫黄酸化物は、主として石油・石炭などの化石燃料中の硫黄分がその燃焼過程で酸化されることにより生成される大気汚染物質であり、昭和40年代は、多量の硫黄酸化物が大気中に排出され、スモッグの原因となり、公害の主役であった。しかし、使用燃料の低硫黄化、排煙脱硫装置の設置等の対策により、汚染状況は大幅に改善されている。

 

(1)二酸化硫黄濃度の測定結果と推移資料編第4-5表第4-6表

 平成16年度は、全57測定局で環境基準を達成しており、年平均値の単純平均は0.003ppmである(平成15年度は全58局で達成)。
 また、昭和48年度以降継続して測定している局(33局)の年平均値の単純平均は0.003ppmであり、経年変化をみると、近年低濃度で推移している(第3-4-1図)。

 

(2)二酸化硫黄対策

 「大気汚染防止法」に基づく排出規制、阪神・播磨地域(l1市3町)の工場・事業場に対する総量規制、燃料使用基準の適用及び県下主要工場と締結している環境保全(公害防止)協定により、良質燃料の使用、排煙脱硫装置の設置などを指導し、硫黄酸化物の排出量削減に努めてきた。この結果、硫黄酸化物による大気汚染の顕著な改善効果が得られ、すべての一般環境大気測定局で環境基準をはるかに下回る濃度にまで改善された。
 しかしながら、最近では廃棄物の燃料化、未利用エネルギーの利用等、エネルギー源の多様化により、発生源の形態が変化しつつあり、今後ともきめ細かな工場・事業場指導等を行っていく。また、気象条件によっては、局地的短期的な高濃度汚染が生じることもあり、的確な監視を引き続き行っていく。

 

第3-4-1図 一般環境大気汚染の推移

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2 窒素酸化物(二酸化窒素)

 

 窒素酸化物とは、燃焼により燃料中の窒素分及び空気中の窒素が酸素と結合して発生する物質である一酸化窒素及び二酸化窒素の総称である。
 発生時には、一酸化窒素が大部分を占めているが、これが大気中で酸化されて二酸化窒素に変化する。
 窒素酸化物の主な発生源としては、工場・事業場、自動車、船舶、ビルや家庭の暖房機器があげられるが、近年、都市部においては、自動車からの排出が大きな割合を占めている。
 窒素酸化物のうち、環境基準が定められているのは二酸化窒素であり、人への健康影響のみでなく、光化学オキシダントや酸性雨の原因物質の一つとされている。

 

(1)二酸化窒素濃度の測定結果と推移(資料編第4-2表第4-3表

 平成16年度は、全57測定局で環境基準を達成しており、年平均値の単純平均は0.018ppmである(平成15年度は全58局で達成)。
 また、昭和53年度以降継続して測定している局(35局)の年平均値の単純平均は0.019ppmであり、経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの傾向にある(第3-4-1図)。

 

(2)窒素酸化物対策

 窒素酸化物の発生源は工場・事業場、自動車、船舶など多岐にわたっており、汚染メカニズムも複雑であるため、環境基準を維持達成するためには、発生源別、地域的に効果的な対策を講じることが必要である。

 

ア固定発生源対策

  窒素酸化物対策のうち、固定発生源対策としては、「大気汚染防止法」に基づく濃度規制(ばい煙発生施設の種類・規模別に定められた排出口における濃度規制)及び環境保全(公害防止)協定に基づく排出量抑制指導による低NOxバーナーの導入、燃焼管理方法の改善、燃料の良質化などを強力に推進している。

 

イ神戸・阪神地域における窒素酸化物対策

  神戸・阪神間において、二酸化窒素が高濃度で推移していたことから、平成5年11月30日に「兵庫県自動車排出窒素酸化物総量削減計画」を策定するとともに、自動車をはじめ工場・事業場、家庭等群小煙源等を含む総合対策指針である「阪神地域窒素酸化物総量削減基本方針」を定め、対策を行ってきた。

 

第3-4-2図 二酸化窒素の環境基準達成状況の推移

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3 浮遊粒子状物質

 

 浮遊粒子状物質とは、物の燃焼などに伴って発生するばいじん、鉱石などの粉砕や自動車の走行に伴って飛散する粉じんなど、大気中に浮遊する粒径10μm(1μmは1000分の1mm)以下の粒子状物質をいう。これらの微粒子は、気道から肺に侵入・沈着し、呼吸器に影響を及ぼすことが知られている。
 浮遊粒子状物質は、その生成過程からみた場合、粒子として大気中に放出される一次粒子とガス状物質が大気中に化学的に変化して生成される二次生成粒子とに分類される。また、発生源としては、人為発生源(工場・事業場、自動車等)と自然発生源(土壌粒子、海塩粒子等)とに分類され、粒子の性状(粒径、成分等)が異なる。

 

(1)浮遊粒子状物質濃度の測定結果と推移(資料編第 4-7表、第4-8表)

 平成16年度は、長期的評価では、全57測定局で環境基準を達成しており、年平均値の単純平均は0.026mg/m3である(平成15年度は全58局で達成)。
一方、短期的評価では、大気の状態が安定で汚染物質が拡散しにくい日が多かったことなどの影響により11局で環境基準を超過している(平成15年度は2局で超過)。
なお、短期的評価で環境基準を超過した局は尼崎市北部、尼崎市南部、鳴尾支所、浜甲子園、葺合、須磨、垂水、志方公民館、東神吉、八代、太子町役場である。
また、昭和51年度以降継続して測定している局(32局)の年平均値の単純平均は0.026mg/m3であり、経年変化をみると、近年減少傾向にある(第3-4-1図)。

 

(2)浮遊粒子状物質対策

 ばいじんについては、「大気汚染防止法」に基づき、ばい煙発生施設の種類及び規模ごとに排出基準が定められている。県では、「大気汚染防止法」に基づく排出基準の順守を徹底するほか、環境保全(公害防止)協定による指導などにより、良質燃料の使用及び集じん機の設置など、ばいじん排出量の低減指導に努めている。
 粉じんのうち一般粉じんについては、「大気汚染防止法」に基づき、一般粉じん発生施設に係る構造、使用及び管理に関する基準を順守させるほか、「環境の保全と創造に関する条例」により、規制対象施設の拡大、許可制度の導入並びに敷地境界及び地上到達点における濃度規制を行っており、これらを的確に運用することにより、一般粉じんの発生の低減に努めている。

 

第3-4-3図 浮遊粒子状物質の環境基準達成状況(長期的評価)の推移

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4 光化学オキシダント

 

 光化学オキシダントとは、大気中の窒素酸化物、炭化水素等の物質が太陽光線中の紫外線により光化学反応を起こし二次的に生成される酸化性物質の総称であり、オゾン、PAN(パーオキシアセチルナイトレート)等の物質が含まれる。

 

(1)光化学オキシダント濃度の測定結果と推移(資料編第4-9表第4-10表)

 平成16年度は前年度と同様、全局で環境基準を達成していない。
 全測定局(53局)のうち昼間(6時~20時)の1時間値の年平均値が最も高いのは神戸市北の0.046ppmであり、全局平均は0.031ppmである。
 経年変化をみると、平成7年度以降の10年間では0.027ppmから0.031ppmの間で推移している。
 また、昼間の1時間値の最高値は神戸市押部谷の0.144ppmである。昼間の濃度が0.06ppmを超えた日数の平均(測定局ごとの超過日数の合計を測定局数で割ったもの)は75日であり、前年度と比較して4日増加した(第3-4-4図)。

 

(2)光化学スモッグ広報等の発令状況(資料編第4-12表)

 光化学オキシダントは、紫外線が強くなる夏期に高濃度となりやすいことから県では毎年4月から10月を特別監視期間とし、オキシダント濃度が上昇した場合には光化学スモッグ予報または注意報等を発令することにより、被害の未然防止に努めている。
 平成16年度の光化学スモッグ広報等の回数は、予報5回、注意報6回であり、その年の気象条件等により、予報は若干の変動があるものの、注意報はほぼ例年並みの発令回数である。
 なお、光化学スモッグによるものと思われる健康被害の発生はなかった。

 

(3)光化学スモッグ対策

 光化学スモッグによる大気汚染に対処するため、被害の発生防止と被害発生時における被害者の救済を目的として、次のとおり対策を実施している。

 

ア 光化学スモッグ常時監視体制の強化

 光化学スモッグ多発期間中(4月20日~10月19日)は、土曜、日曜、祝日を含めた特別監視体制により、光化学スモッグ(オキシダント)の監視を強化する。

 

イ 光化学スモッグ緊急時の広報等の発令及び通報(第3-4-6図)

 

ウ 光化学スモッグ広報等の発令時の対策

(ア)一般県民に対する周知について、報道機関へ協力依頼
(イ)関係機関(警察本部他関係部局)への通報及び事態の周知
(ウ)主要工場(県下約300工場)に対する窒素酸化物排出量の削減要請
  及び有機溶剤等炭化水素類の使用を可能な限り抑制することの要請
(エ)広報等発令地域への車両の乗り入れ自粛の呼びかけ

 

エ健康被害発生時の救急医療体制を県医師会へ協力要請

 

オ神戸海洋気象台との気象情報交換の緊密化

 

第3-4-4図 昼間の光化学オキシダント濃度が

0.06ppmを超えた日数の平均の推移

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第3-4-5図 光化学スモッグ広報等発令回数

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第3-4-6図 光化学スモッグ広報等連絡系統図

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5 有害大気汚染物質

 

  低濃度であっても長期的暴露によって健康影響が懸念される有害大気汚染物質について、健康影響の未然防止を図るため、大気汚染防止法が改正となり、平成9年4月から施行され、同法第18条の23及び第22条の規定に基づき、一般環境について5地点、固定発生源周辺について2地点、道路沿道1地点での測定を行った。

 

(1)測定物質

 優先取組物質として位置づけられた22物質のうち、既に測定方法の確立されている次の19物質について測定した。
①アクリロニトリル ②アセトアルデヒド ③塩化ビニルモノマー ④クロロホルム ⑤1,2-ジクロロエタン ⑥ジクロロメタン ⑦テトラクロロエチレン ⑧トリクロロエチレン ⑨ベンゼン ⑩ホルムアルデヒド ⑪1,3-ブタジエン ⑫酸化エチレン ⑬ニッケル化合物 ⑭ヒ素及びその化合物 ⑮マンガン及びその化合物 ⑯クロム及びその化合物 ⑰ベリリウム及びその化合物 ⑱ベンゾ[a]ピレン ⑲水銀及びその化合物
 なお、固定発生源周辺、道路沿道については、上記のうち排出が予想される物質とした。

 

(2)測定期間、頻度

 毎月1回測定を実施した。

 

(3)結果

 結果を資料編第4-15表に示す。
 このうち4種類の物質について環境基準が定められており、それらを年平均値で評価すると、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンのいずれもすべての地点で環境基準を達成している。
 平成15年7月31日に中央環境審議会より今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第7次答申)が示され、環境目標値の一つとして、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るため、優先取組物質のうちアクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀、ニッケル化合物の4物質についての指針となる数値が設定された。
 この指針値は、大気モニタリング調査結果の評価にあたっての指標や事業者による排出抑制努力の指標として定められたものである。

 

(指針値)

アクリロニトリル 年平均値 2μg/m3 以下
塩化ビニルモノマー 年平均値 10μg/m3 以下
水銀及びその化合物 年平均値 0.04μgHg/m3 以下
ニッケル化合物 年平均値 0.025μgNi/m3 以下

 

 

(4)有害大気汚染物質対策

 数多くの化学物質が開発され、いろいろな分野に利用されており、大気中からも低濃度ではあるが種々の物質が検出されている。
 それらの中には、長期間の暴露による健康への影響が懸念されるものもあるため、健康影響の未然防止の観点に立って着実に対策を実施していくことが必要となっている。
 こうした状況にかんがみ、有害大気汚染物質のうち、特に健康に影響を及ぼすおそれ(健康リスク)が高いと評価されたベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについては、「大気汚染防止法」に基づき、指定物質に指定され、指定物質排出施設及び指定物質抑制基準が設定されている。
 県では、これらの物質を使用する工場・事業場に対し、排出抑制指導を行っている。

 

6 金属物質等

 

 県下における金属物質の現況を把握するため、大気中金属物質を県下9地点で測定し、県南部地域における金属物質による大気汚染の状況を監視した(資料編第4-16表)。

 

(1)測定物質

 ①鉄 ②マンガン ③亜鉛 ④鉛 ⑤カドミウム ⑥ニッケル ⑦全浮遊粉じん

 

(2)測定地点

 伊丹市役所、加古川市役所、赤穂市役所、高砂市役所、宝塚市よりあいひろば、芦屋市朝日ケ丘小学校、相生市役所、龍野市役所、稲美町役場

 

(3)測定結果

 全浮遊粉じんに含まれる金属物質濃度の経年変化を阪神地域、播磨地域に分類して第3-4-7図に示す。
 全浮遊粉じんについては、長期的な濃度推移の傾向をみると、昭和58年度以降横ばいもしくは漸減傾向を示している。前年度と比較すると、伊丹市、宝塚市、芦屋市、加古川市、相生市及び高砂市では減少、その他3地点では横ばい状態である。
 各金属成分についての、長期的な濃度推移の傾向をみると、昭和58年度以降横ばいもしくは漸減傾向を示している。また、前年度と比較すると、マンガン及び鉄は全地点、亜鉛及びニッケルは3地点、カドミウムは2地点において前年度より濃度が増加したものの、その他は横ばいもしくは減少傾向を示した。
 こうしたことから、今後も地域的な大気汚染物質の負荷量及び景気変動に伴う経済活動の変化を注視し、継続的な監視が必要である。

 

(4)金属物質等有害物質対策

 有害物質については、「大気汚染防止法」に基づき、ばい煙発生施設の種類ごとにカドミウムなど4物質について規制基準が定められている。
 また、28物質の特定物質については、事故時の応急措置及び速やかな復旧義務が事業者に対し課せられている。
 県においては、これら「大気汚染防止法」に基づく規制基準の順守を徹底するとともに、「環境の保全と創造に関する条例」において、有害物質に係る特定施設として溶剤洗浄施設等に届け出義務を課し、クロム化合物、シアン化合物、トリクロロエチレンなど29項目の有害物質について、地上到達地点濃度、敷地境界線上濃度の規制を工場等に対して行い、排出抑制の指導を行っている。
 また、県下南部9地点における大気中金属物質(7項目)の監視を引き続き実施し、大気中の金属物質による大気汚染の実態把握に努めている。

 

第3-4-7図 各金属成分濃度の経年変化

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7 アスベスト

 

 過去、アスベスト問題は、主にアスベスト製品製造工場等での労働環境問題としてとらえられ、高濃度暴露による石綿肺、肺がん、悪性中皮腫などの健康被害を防止する目的で労働安全衛生の面から種々の対策が講じられてきた。
 しかし、一般環境中にもアスベストの存在が確認され、各種発生源に対する排出抑制対策が必要
であることから、一般環境及びアスベスト製品製造工場、吹付けアスベストが使用されている建築物の解体工事等の現場の監視調査を実施している。
 なお、本県では従前より「環境の保全と創造に関する条例」に基づき、アスベスト等含有建築物の解体・改修については、吹付けアスベストを含むものにあってはすべての、吹付けアスベストを含まない建設材料を使用した建築物(以下、「非飛散性アスベスト含有建築物」という。)にあっては床面積1,000㎡以上の建築物を規制の対象としていたが、スレートやビニール床タイルなど非飛散性アスベスト含有建築物であっても解体される際にはアスベストが飛散することが懸念されることから、平成17年11月1日より規制の対象となる非飛散性アスベスト含有建築物の面積要件を床面積80㎡以上とし、規制の強化を図っている。
 また、一般環境等のモニタリングをアスベスト製品製造工場散在地域、商業地域及び住宅地域において実施してきた結果は第3-4-3表のとおりである。
 平成16年度調査では、各地域ともほぼ同じような値を示し、特に高い値はみられなかった。また、経年的には低下傾向がみられ、近年は低濃度で推移している。

 

第3-4-3表 兵庫県のアスベスト一般環境等モニタリング結果

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8 騒音・振動

 

(1) 16年度の騒音苦情

 騒音は、住民にとって最も身近な公害である。
平成16年度の苦情件数は631件と多く、近年横ばいに推移しているものの、全公害苦情件数の約19%を占めている。
  発生源別苦情件数の経年変化は第3-4-8図のとおりである。主な発生源は、建築・土木工事、製造事業所、商店・飲食店であり、これらの業種で全体の約68%を占めている。
  苦情件数が最も多い建築・土木工事では、建設機械の構造や作業の性質上、防音対策が困難な場合が多く、また、工事現場に出入りする車両による迷惑感も苦情の原因となっている。

 

第3-4-8図 騒音苦情件数の推移

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(2) 工場・事業場及び建設作業の騒音規制

 「騒音規制法」及び「環境の保全と創造に関する条例」に基づき、工場・事業場及び建設作業から発生する騒音を規制している地域として、県下全市町のほぼ全域を指定している。
  工場・事業場から発生する騒音については、騒音発生源となる金属加工機械などの特定施設を届出の対象とし、届出工場・事業場に対し区域の区分及び時間帯の区分ごとに規制基準を設定し規制を行っている。
  建設作業騒音については、くい打ち機を使用する作業などの特定建設作業を届出の対象とし、騒音の大きさ、作業日、作業時間などの規制を行っている。
  商店・飲食店から発生する騒音については、「環境の保全と創造に関する条例」に基づき、地域を指定して、飲食店等の深夜における営業の制限を行うとともに、カラオケ騒音に対しては、県下26市15町において深夜における音響機器の使用の制限を行っている。
  なお、騒音規制法に基づく特定施設及び特定建設作業の届出件数は資料編第3-2表①及び③のとおりである。

 

コラム

▼騒音問題とは?
 私たちのまわりでは、いくつもの音が発生しています。多くの音の中で、どのような音が騒音とされるのでしょうか。
 1. 騒音は音である。(物理的に音が発生しなければ、騒音問題とならない。)
 2. 騒音は人が音を知覚する結果として起こる。(聞く人がいなければ、騒音問題とならない。)
 3. 騒音は人と人、人と社会にかかわる現象である。(物理的に同じ音であっても、受け取る側の
  心理状態、社会的立場などによっては、騒音問題となりうる。)
 上記の3つの条件に当てはまると、騒音問題が発生します。苦情件数は、工場・事業所や建設現場からのものが多いですが、近年では、家庭生活騒音に対しての苦情も多く寄せられています。
 家庭生活騒音とは、テレビ、ステレオなどの音響機器や、エアコン、洗濯機などの家庭用機器、その他、家庭生活に伴って発生する騒音です。したがって、誰もが加害者にも被害者にもなりうるのです。その半面、一人一人のちょっとした工夫や気配りによって、未然に問題をさけることもできるのです。

 

家庭生活環境騒音の防止のために
○ 家庭用機器は低騒音型の機種を選びましょう。
○ 機器の取り付け位置や向きに気を付けましょう。
○ 夜遅く音を出すのはやめましょう 。
○ 大きな音を出したり、何度も音を出したりするときは隣近所に声をかけましょう 。
○ 日頃から、近所の人たちと気軽に話せたり、注意しあえたりするのが理想です。

 

 

(3) 16年度の振動苦情

 振動は、騒音同様身近な公害である。
  平成16年度の苦情件数は91件で全公害苦情件数の約3%である。発生源別苦情件数の経年変化は第3-4-9図のとおりである。建築・土木工事に関する苦情件数が多く、振動苦情の約65%を占めている。

 

第3-4-9図 振動苦情件数の推移

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(4) 振動対策

 「振動規制法」及び「環境の保全と創造に関する条例」に基づき、工場・事業場及び建設作業から発生する振動を規制している地域として、県下全市町のほぼ全域を指定している。
  工場・事業場から発生する振動については、振動発生源となる金属加工機械などの特定施設を届出の対象とし、地域の区分及び時間帯の区分ごとに規制基準を設定し規制を行っている。
  建設作業の振動については、くい打ち機を使用する作業などの特定の建設作業を届出の対象とし、振動の大きさ、作業日、作業時間などの規制を行っている。
  なお、振動規制法に基づく特定施設及び特定建設作業の届出件数は、資料編第3-2表②及び④のとおりである。

 

(5) 市町騒音・振動担当職員の研修及び技術支援

  工場・事業場及び建設作業から発生する騒音及び振動について、法律、条例に基づく、届出の審査及び立入検査などは、各市町の事務となっているので、県では法律、条例の円滑な施行を図るため、市町担当職員を対象に関係法令、測定及び防止技術の研修を行うとともに、騒音及び振動が問題となっている事業場等の防止対策について、市町への技術的な支援を行っている。

 

9 悪臭

 

(1) 16年度の悪臭苦情

 悪臭は、日常生活において感知され、主として不快感などの感覚的影響をもたらすにおいである。悪臭物質は、一般的に低い濃度でも不快感を与えることや、多種類の臭気物質の混合体として大気中に拡散することが多く、苦情の解決を一層困難にしている。
 平成16年度の苦情件数は431件で、全苦情件数の約13%を占めている。発生源別の苦情件数の経年変化は第3-4-10図のとおりである。
 製造事業所への苦情件数が最も多く、全体の約28%を占めている。また農林水産業、商店・飲食店、サービス業、さらには、建築・土木工事から発生する悪臭への苦情も多い。

 

第3-4-10図 悪臭苦情件数の推移

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(2) 悪臭対策

 工場・事業場から発生する悪臭については、「悪臭防止法」に基づき、県下市町のほぼ全域を規制地域として指定している。
 悪臭防止法に基づき、悪臭の原因となる物質について、敷地境界での濃度規制(22物質)、煙突その他の気体排出口での排出量規制(13物質)及び排出水中の濃度規制(4物質)を行っている。
 「環境の保全と創造に関する条例」では、周辺の多数住民に不快感を与えないことをめどとして規制を行っている。
 悪臭の防止にあたっては、騒音・振動と同様に市町が規制の権限を有しているので、県は市町担当職員を対象に法令・悪臭物質の測定及び防止技術の研修を行っている。

 

 

コラム

▼かおり風景100選

 身近にあるよいかおりを再発見して、その源となる自然や文化ーかおり環境ーを保全・創出しようとする地域のとり組みを支援することを目的に、環境省は平成13年度に「かおり風景100選」を認定しました。600を超える応募の中から特に優れたもの100地点が選ばれました。県内の「かおり風景100選」は次のとおりです。

所在地かおり風景100選かおりの源季節内 容
神戸市
西宮市
灘五郷の酒づくり灘の酒秋から冬阪神間約12㎞の範囲に酒造メーカーが集合しており、仕込み期には新種のかおりが漂っています。
寛永年間に西宮で醸造が始まり、酒文化の歴史を後世に伝えるための資料館・記念館等を開設しています。
宍粟郡
山崎町
山崎大歳神社の
千年藤
4月下旬 ~
5月上旬
西暦960年に植えられたとされる千年藤は境内をすっぽりと覆うほどです。
花期には周囲に甘い香りを漂わせ、5月上旬には藤まつりも開かれます。
津名郡
一宮町
一宮町の線香づくり線香一年中嘉永年間から続く線香づくりは、全国の約70%のシェァを占めています。
町内には線香事業者が16社、下請け業者が多数並び、お香のかおりが生活のかおりとして漂っています。

 

 このほかにも県内にはたくさんの素晴らしいかおり風景があります。皆さんもご自分のかおり風景を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 

10 工場・事業場対策

 

(1)ばい煙発生施設等の届出

 大気汚染防止法に基づき、硫黄酸化物等を排出するばい煙発生施設等の設置等の届出及び粉じん発生施設の届出審査を行うとともに、ばい煙及び粉じん発生の低減の指導を行っている。
 ばい煙発生施設の届出総数は、平成16年度末で8,948施設(第3-4-11図)、一般粉じん発生施設の届出総数は、4,764施設となっている(資料編第3-1表①、②、③参照)。

 

(2)工場・事業場の立入検査

 大気汚染防止法に基づき、工場等の立入検査を実施し、ばい煙濃度の測定、燃料の分析等を行い、規制基準の遵守状況等を監視し、規制基準に適合しない場合は改善を指示するなど必要な措置をとっている(第3-1-4表)。

 

第3-4-4表 工場・事業場への立入検査等(平成16年度)

 

区   分届出工場・事業場数立入
検査
件数
行 政 措 置
改善
命令
改善
勧告
改善
指示
ばい煙発生施 設 関 係 3,349 420 0 0 0
一般粉じん発生施設関係 377 100 0 0 0
特定粉じん発生施設関係 9 15 0 0 0

 

第3-4-11図 ばい煙発生施設数推移

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第3 自動車公害

 

1 大気汚染

 

(1)二酸化窒素濃度の測定結果と推移 「資料編第4-18表 経年変化(2)、年間測定値(1)」
 平成16年度は、全29測定局のうち26局で環境基準を達成しており、年平均値の単純平均は0.028ppmである(平成15年度は全28局中24局で達成)。
 なお、環境基準を超過した3局は、国道43号の武庫川及び打出、国道171号の緑ヶ丘である。
また、昭和53年以降継続して測定している局(20局)の年平均値の単純平均は0.029ppmであり、経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの状況にある (第3-4-12図)。

 

第3-4-12図 自動車排出ガスによる大気汚染の推移

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第3-4-13図 二酸化窒素の環境基準達成状況の推移

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(2)阪神臨海部における自動車排出ガス(二酸化窒素)の現況

 阪神臨海部の主要国道においては、県及び政令市により自動車排出ガス測定局が8局設置されている。
 これらの測定局の二酸化窒素濃度の測定結果及びその環境基準の達成状況は、第3-4-14図のとおりである。
 国道43号沿道においては、2局で環境基準が達成されていない。

 

第3-4-14図 自動車排出ガス(二酸化窒素)による大気汚染の現況(阪神臨海部)

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(3)浮遊粒子状物質濃度の測定結果と推移(資料編第4-18表 経年変化(4))

 平成16年度は、環境基準の長期的評価では、全24測定局中23局で環境基準を達成しており、年平均値の単純平均は0.032mg/m3である。なお、長期的評価で環境基準を超過したのは国道43号の甲子園である(平成15年度は全20局で達成)。
 一方、短期的評価では、8局で環境基準を超過している(平成15年度は9局で超過)。なお、短期的評価で環境基準を超過した局は、国道2号の六湛寺、国道43号の甲子園、国道176号の栄町、阪神高速道路の神戸市西部、国道2号の垂水、県道明石高砂線の林崎、国道2号の小久保及び池之内である。
 また、平成元年度以降、継続して測定している局( 7局)の年平均値の単純平均は0.035mg/m3であり、経年変化をみると、近年減少傾向にある。

 

第3-4-15図 浮遊粒子状物質の環境基準達成状況(長期的評価)の推移

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(4)一酸化炭素濃度の測定結果と推移(資料編第4-18表 年間測定値(2))

 平成16年度は、全26測定局で環境基準を達成しており、年平均値の単純平均は0.6ppmである(平成15年度は全25局で達成)。
 また、昭和53年度以降継続して測定している局(18局)の年平均値の単純平均は0.6ppmであり、経年変化をみると、減少傾向にある。

 

(5)自動車排出ガス対策

 平成5年11月に、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に基づき策定した「兵庫県自動車排出窒素酸化物総量削減計画」により、各種施策を行ってきた。
 しかしながら依然として、二酸化窒素に係る環境基準が達成されていない測定局が存在すること及び近年ディーゼル車から排出される粒子状物質による人の健康に対する影響が懸念されていることから、平成13年6月に自動車NOx法が「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(以下「自動車NOx・PM法」という。)に改正された。この自動車NOx・PM法に基づき新たに平成15年8月に策定した「自動車NOx・PM総量削減計画」により一層の自動車排出ガス対策を推進することとしている。
 また、「環境の保全と創造に関する条例」に基づき、自動車停止時の原動機の停止や、事業者による自主的な自動車排出窒素酸化物の排出抑制等の自動車排出ガス対策を推進しており、さらに、平成15年10月には同条例を改正し、ディーゼル自動車等の運行規制を、平成16年10月から開始している。

 

ア 自動車単体対策の推進

 大気汚染防止法の規定に基づき、自動車排出ガスによる大気汚染を防止するため、自動車から排出される一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物及び粒子状物質等についての規制が行われている。
 規制の経緯は以下のとおりである。
 中央環境審議会により「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」の答申が、平成元年12月(1次答申)、平成8年10月(中間答申)、平成9年11月(2次答申)、平成10年12月(3次答申)、平成12年12月(4次答申)、平成14年4月(5次答申)、平成15年6月(6次答申)及び平成15年7月(7次答申)になされた。これらの答申に基づき、大気汚染防止法に基づく許容限度が定められ順次規制が実施されている。
 県では、最新規制適合車への転換を促進するため平成元年度から、中小企業者が、現に使用しているディーゼル車を窒素酸化物等排出量の少ない最新規制適合車に買い換える場合等に、購入資金を低利に融資する制度を設けている。
 平成16年度には、最新規制適合車 114台に対して、1,225,291干円の融資あっせんを行った。
 また、資金融資利用者に対する利子補給制度も設けている。

 

(ア)1次答申

(短期目標)

・ガソリン・LPG重量車の平成4年規制

・ディーゼル中・重量車の平成5~6年規制

(長期規制)

・ガソリン・LPG中・重量車の平成6~7年規制

・ディーゼル車の平成9~11年規制

(イ)中間答申

・二輪車に対する平成10~11年規制

・ガソリン・LPG軽貨物・中・重量車の平成10年規制

(ウ)2次答申

(新短期目標)

・ガソリン・LPG車の平成12~14年規制

(新長期規制)

・ガソリン・LPG車の平成17年規制(詳細は別途答申)

(エ)3次答申

(新短期目標)

・ディーゼル車の平成14~16年規制

(新長期規制)
・ディーゼル車の平成19年規制

(オ)4次答申

・ディーゼル車の新長期目標を2年前倒し

(平成17年規制)

(カ)5次答申

・新長期目標の数値を設定

(キ)6次答申

・二輪車及び特殊自動車の目標を設定

(ク)7次答申

・燃料品質対策等 

 

第3-4-16図 自動車公害対策の体系

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イ 車種規制の実施等

  国は、自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の排出量の少ない車種への早期転換を促進するため、自動車NOx・PM法に基づき、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域(神戸市等11市2町)において、窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準を満たさない自動車は登録できなくなるという車種規制を行っている(第3-4-5表)。この規制は、新車については平成14年10月1日から、使用過程車については平成15年10月1日から順次適用されている。
 また、車種規制は、法対策地域内の登録車を対象としており、対策地域外からの流入車対策とならないことから、県では環境基準の達成をより確実なものとするため、「環境の保全と創造に関する条例」を改正し、運行規制を実施することとした。運行規制は、自動車NOx・PM法の排出基準に適合しない車両総重量8トン以上の自動車(バスは定員30人以上)を対象車両とし、阪神東南部地域(神戸市灘区、東灘区、尼崎市、西宮市(北部を除く)、芦屋市、伊丹市)を対象地域として、平成16年10月から順次適用されている。

 

第3-4-5表 自動車NOx・PM法車種規制の窒素酸化物

排出基準及び粒子状物質排出基準

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注) 中央環境審議会第4次答申(平成12年)において、新長期規制(平成17年から実施予定)については、新短期規制の2分の1程度より更に低減した規制値とすることが適当であるとされていることを踏まえ、新短期規制(平成14年から実施)の2分の1の値としている。

 

ウ 低公害車の普及促進

 平成17年3月末現在の県下における低公害車の普及状況は、第3-4-6表のとおりである。

(ア)公用車への低公害車の率先導入

 兵庫県では、平成元年度にメタノール自動車を1台導入して以後、公用車の低公害車への代替を進め、平成16年度末には、天然ガス車49台及びハイブリッド自動車54台の計103台を使用している。

 

(イ)民間への普及促進

 低公害車の民間への普及促進を図るため、国及び市と協調し、導入事業者に対する助成を行っている。
 また、県、市、国の関係機関及び事業者等からなる「兵庫県低公害車普及促進協議会」を設置し、低公害車の普及方策の検討などを行っている。

 

(ウ)京阪神6府県市指定低排出ガス車(「LEV-6」)の普及促進

 一般に市販されているガソリン車、ディーゼル車及びLPG車のなかにも窒素酸化物等の排出量が少ない型式の自動車が存在することから、平成12年8月に京都府・大阪府・兵庫県・京都市・大阪市・神戸市からなる「京阪神六府県市自動車排出ガス対策協議会」を設置し、窒素酸化物等の排出量が少ない車を「低排出ガス車」として指定し、低公害車と併せて普及を促進している。

 

第3-4-6表 低公害車の普及状況(平成16年度末)

車 区 分公共団体民間
電気自動車 9 86 95
天然ガス自動車 180 877 1,057
ハイブリッド自動車 135 7,762 7,897
低燃費かつ低排出ガス車 724 380,274 380,998
1,048 388,999 390,047

 

(注)低燃費かつ低排出ガス車については軽自動車を除く。

 

エ 交通需要の調整・低減

 兵庫県下の自動車保有台数は、近年減少傾向を示しているものの増加しており(第3-4-17図)、沿道環境の改善に向けた公共交通機関の利便性の向上等、自動車走行量抑制のための対策を総合的に進めている。
 また、物資輸送の効率を高めることによって貨物自動車の走行量抑制を図る物流対策も重要な対策であり、共同輸配送等による配送効率の改善、物流施設の整備等による輸送ルートの適正化、協同一貫輸送等の輸送手段の転換など物資輸送の合理化対策を促進している。

 

第3-4-17図 自動車保有台数

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オ 交通流対策の推進

 自動車交通に起因する大気汚染、騒音、振動の低減を図るためには、道路機能や地域の特性に応じた安全で円滑な交通流を形成することが重要である。
 このため、公安委員会では、最高速度、駐(停)車禁止、バス専用・優先レーン等の都市総合交通規制を推進するとともに、都市部を中心とした交通管制システムの整備、主要幹線道路を重点とした信号機の系統化等を推進し、交通流の円滑化を図っている。
 さらに、交通流の分散を図るため、バイパス道路の建設を進めるとともに、交通流の円滑化が窒素酸化物排出量の減少に寄与することから、右折レーンの設置、立体交差化等を推進している。

 

カ ディーゼル自動車等運行規制の実施状況

(ア) カメラ検査

a 実施状況

 平成16年度(平成16年10月から平成17年3月)の検査の実施状況は、第3-4-7表のとおり、運行規制対象車両は33,645台で、カメラで確認した全車両数210,627台に占める割合は16.0%であった。

 

第3-4-7表 規制対象車両の運行状況

撮影全車両運行規制対象車両数規制対象車両割合(%)
210,627 33,645 16.0

 

 

b 県内外の車両割合

 第3-4-8表のとおり、カメラ検査では、県内と県外の車両割合はおおよそ30%と70%となっており、県外車両が多くなっている。

 

c 違反車両

 22台の運行規制違反車両を確認した。これら、違反車両の使用者等に対しては、文書で違反事実を通知するともに、今後の条例遵守の方策について報告を求めた。

 

第3-4-8表 カメラ検査結果

県内車両県外車両
運行規制
対象車両
うち違反
車両
運行規制
対象車両
うち違反
車両
9,040
(27%)
4
(0.01%)
24,605
(73%)
18
(0.05%)
33,645
(100%)

 

(イ) 街頭検査

 国道43号等で道路管理者の協力のもと、阪神南県民局とともに15回実施、211台の車検証を確認したが、違反車両は確認されなかった。

 

第3-4-9表 街頭検査結果

検査
回数
検査
車両数
県内車両県外車両
運行規制
対象車両
うち違反
車両
運行規制
対象車両
うち違反
車両
15 211
(100%)
66
(31%)
0
(-)
145
(69%)
0
(-)

 

(ウ) 立入検査

 環境の保全と創造に関する条例第152条第1項に基づき、運送事業者への立入検査は県大気課で、荷主等については各県民局環境課でそれぞれ実施した。

a 運送事業者

 第3-4-10表のとおり222事業所、1,333車両の車検証を確認した。その結果、猶予期間切れ車両(阪神東南部地域を走行した場合条例違反となる車両)10台(0.8%)を確認したものの、違反車両は確認されなかった。

 

第3-4-10表 運送事業者への立入検査結果

事業所数検査車両数
適合車両うち猶予期間
切れ車両
222 1,333 10(0.8%)

 

※阪神東南部地域を走行した場合、条例違反となる車両

 

b 荷主等

 第3-4-11のとおり、212事業所の検査を行い45台の所有車両を確認した。その結果、猶予期間切れ車両及び違反車両は確認されなかった。

 

第3-4-11表 荷主等への立入検査結果

荷主等
事業所数
検査車両数
適合車両うち猶予期間
切れ車両
212 45 0

 

※阪神東南部地域を走行した場合、条例違反となる車両

 

(エ) 大気環境濃度の状況

 規制対象地域内の自動車排出ガス測定局における測定結果の平成16年10月から翌年3月までの6カ月平均値は、二酸化窒素が0.032ppm(平成15年度は0.034ppm)、浮游粒子状物質が0.026mg/m3(平成15年度は0.028 mg/m3)であり、平成15年度と比べて改善されているが、現段階では、環境濃度に対する影響の程度を明言できるには至っておらず、今後の長期的な評価が必要である。

 

第3-4-18図 二酸化窒素6カ月(10~3月)平均値の推移

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第3-4-19図 浮游粒子状物質6カ月(10~3月)平均値の推移

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2 騒音・振動

 

(1)騒音の環境基準の達成状況(資料編第4-20表

 平成16年度における主要な道路沿道の騒音測定の結果は、269測定地点のうち、約51%の測定地点で、全時間帯(昼、夜)で環境基準を達成している。
 しかし、約33%の地点では、全時間帯(昼、夜)で環境基準を超過し、約16%の地点では一部の時間帯で環境基準を超過している。
 なお、環境基準の達成状況は近年横ばいで推移している。

 

(2)阪神臨海部における騒音の現況況

 県及び市による測定結果は、第3-4-20図のとおりである。
 阪神臨海部の主要幹線道路沿道の約42%の地点で環境基準未達成である。

 

(3)振動の状況

 平成16年度における主要な道路沿道の振動測定の結果、25測定地点すべてにおいて、全時間帯(昼・夜)で要請限度を下回っている。

 

(4)道路交通騒音対策

 道路交通騒音対策には、主に以下のような対策がある。

ア 発生源対策

  自動車構造の改善により自動車単体から発生する騒音を減らす対策である。「騒音規制法」に基づく許容限度の設定及び「道路運送車両法」に基づく保安基準の設定により定常走行騒音、加速走行騒音、近隣排気騒音の規制が行われている。

イ 交通流対策

  道路交通の円滑化を行い、騒音を低減させる対策であり、バイパス道路の整備等による交通流の分散、立体交差化等による渋滞の解消、交通情報の提供システム、信号制御等を進めている。

ウ 道路構造対策

 低騒音舗装や遮音壁の設置など道路構造の改変により騒音を減らす対策である。
 低騒音舗装は、元々は空隙(くうげき)の多い素材を表層に舗装し、雨天時の排水性を高める目的で導入された。しかし、空隙(くうげき)に音が吸収されることから、騒音対策としても有効である。
 遮音壁設置は、沿道から乗り入れのない高速道路等において特に有効な対策である。
 環境施設帯の設置とは、車道と沿道の間に数mの緩衝空間を確保し、騒音の低減を図る対策である。

エ 沿道対策

 沿道対策とは、沿道の土地利用を適正化し、騒音対策を行うことである。
 沿道土地に住宅以外の建物の誘致、既存住宅の防音工事等を行い、生活環境への影響を最小限に抑える対策である。

 

 環境基準達成になお長期間を要する区間については、21世紀初頭までに道路に面して立地する住宅地等における騒音を夜間におおむね要請限度以下に抑えることなどを当面の目標に掲げ、今後、自動車騒音の低減のための施策展開を図ることが中央環境審議会より示された。
 さらに、平成7年12月1目には当時の警察庁、環境庁、通産省、運輸省、建設省5省庁の連名により、「道路交通騒音の深刻な地域における対策の実施方針について」が各都道府県知事、政令市長あて通知された。
最高裁判決で司法判断が下された国道43号以外にも、各地に道路交通騒音の深刻な地域が存在することから、この通知に基づき、国及び自治体等が一致協力して地域に応じた取組を進めていくこととしている。

 

第3-4-12表 自動車騒音規制の推移

(単位:db)       

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3 国道43号等幹線道路対策

 

(1)国道43号対策

ア環境の現況

(ア)大気汚染物質

 国道43号沿道の大気汚染の状況は、平成16年度において、5局中2局で二酸化窒素(NO2)の環境基準を達成しておらず、依然として厳しい状況にある。

(イ)騒音

 国道43号沿道の夜間の騒音は、道路構造対策、交通流対策等により低減され、一部の地点では環境基準を達成している(第3-4-13表)。

 

イ国道43号・阪神高速神戸線環境対策連絡会議での取組

 平成7年7月、国道43号・阪神高速道路訴訟において、国等に対する損害賠償請求の一部を認容する最高裁判決が下された。このため、国の地方機関、県、県警本部、関係市及び阪神高速道路公団で構成する「国道43号・阪神高速神戸線環境対策連絡会議」が、平成7年8月に設置され、道路構造対策をはじめ、交通流対策や沿道対策の総合的な環境対策について検討が行われ、各種対策が講じられている。

 

○ 道路構造対策(平成10年4月概成)

・阪神高速道路 低騒音舗装の敷設、高遮音壁・高架裏面吸音板の設置等

 

・国道43号  直進片側3車線化、低騒音舗装の敷設、遮音壁の設置等

 

○ 交通流対策(平成10年4月から実施)

・夜間の大型車等の車両通行帯規制等

 

○ 沿道対策(現在実施中)

・広域防災帯の整備、沿道住民によるまちづくりへの支援等

 

第3-4-20図 阪神臨海部における自動車騒音の現況

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db(デシベル)

 

第3-4-13表 国道43号の騒音レベルの推移(夜間)

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ウ 関係5省庁による「当面の取組」等

 平成12年1月には尼崎公害訴訟の一審判決で沿道住民の浮遊粒子状物質による健康被害が認められ、大気環境改善のための新たな取組が必要となったことから、同年6月、関係5省庁において、「当面の取組」(阪神高速湾岸線へ交通を転換するための道路整備、環境ロードプライシング検討、事業者への協力要請等)が取りまとめられ、同年12月に和解が成立した。
 なお、平成14年10月には、同和解内容の履行をめぐり、同訴訟の原告団から、公害等調整委員会に対するあっせん申請が行われ、平成15年6月にあっせんが成立した。

 

(2)その他の幹線道路の環境対策

 主要な道路における騒音の環境基準達成状況については第3-4-14表のとおりである。
 国道43号以外の地域においても、地域に応じた取組を行う必要があることから、国・市町・関係機関と連携しながら、低騒音舗装等の道路構造対策、バイパス整備による交通流の分散化、緩衝緑地確保等の沿道対策や交通取締りの強化等を順次進めている。

 

第3-4-14表 県下の主要な道路の騒音の環境基準達成状況(平成16年度)

 時 間 別 達 成 状 況
昼間のみ達成夜間のみ達成昼夜間ともに達成昼夜間ともに未達成
地点数
(%)
29
(11)
11
(4)
140
(52)

89
(33)

注)県及び市町が測定した主要な道路の269点の騒音測定結果による。

 

第4 航空機公害

 

<コラム>航空機からの騒音対策

1 大阪国際空港

 

(1)概要

 大阪国際空港は、国が設置し管理する第1種空港で、兵庫県と大阪府の境に位置し、面積は317ha(うち兵庫県側205ha)、滑走路は1,828mと3,000mの2本を有している。
 平成16年における航空機の発着回数は、127,409回(1日平均349回)である。

 

(2)航空機騒音の状況

 大阪国際空港周辺では、国、県、市が固定測定局12局で航空機騒音の測定を行っている(第3-4-21図)。
平成16年度は、前年度と同様に、固定測定局12局中8局で環境基準を達成している。(未達成測定地点は川西市久代小学校など4地点)(資料編第4-22表)。
 関西国際空港の開港に伴う国際線の移転及び飛行機便数の減少等で大きく改善されたことから、国は「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」に基づく騒音指定区域を改定し、平成12年4月から施行した。
現在、第1種区域(75WECPNL以上の区域)は、兵庫県側で約60%縮小され、約840haとなっている。
 また、国は、平成15年の騒音測定調査で原因のほとんどがジェット機によるものとされる騒音値の増加がみられ、具体的には、平均騒音値の増加と発着回数の増加によるものであるとして、平成17年4月から高騒音機材の就航禁止、ジェット枠の見直し等を実施している。

 

第3-4-21図 航空機騒音常時測定地点と飛行経路

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第3-4-22図 大阪国際空港周辺経年変化グラフ

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2 関西国際空港

 

(1)概要

 平成6年9月に開港した関西国際空港は、大阪湾南東部の泉州沖にある。平成16年の発着回数は、102,862回(1日平均282回)である。
 関西国際空港に発着する航空機の航路の一部は、淡路島の上空を通過している (第3-4-23図) 。

 

第3-4-23図 航空機騒音測定地点と飛行経路

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(2)航空機騒音の状況

 県が淡路島で行った航空機騒昔調査結果は資料編第4-23表のとおりである。航空機騒音の環境基準の70WECPNL(地域類型Ⅰ)と比較して15WECPNL以上低くなっている。

 

3 航空機公害対策

 航空機の騒音対策は、第3-4-24図のとおり、発生源対策、空港構造の改良及び空港周辺対策に大別される。

 

第3-4-24図 航空機騒音対策の体系

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ディレイドフラップ

 

 

 

コラム

▼航空機からの騒音対策
  航空機騒音対策には様々な方法がありますが、その内の一つとして、発生源対策があり、航空機材改良、発着規制、運航方法の改善等の方法があります。
 特に、航空機については、航空法に基づく「耐空証明」を有しない航空機は、航空の用に供することができないとされています。
「耐空証明」とは、安全性・騒音及び発動機排出物に関する基準に適合することを国土交通大臣が証明するもので、設計・製造過程・現状の3つについて検査が行われています。

 

 

4 発生源対策

 

(1)低騒音機材の導入

 昭和52年より航空機の騒音基準に適合した低騒音大型機が順次導入され、現在では、B-727型機及びDC-8型の高騒音機は定期路線から退役し、すべてが騒音基準の強化された新基準に適合した低騒音機材の運航となっている。
 また、国の「大阪国際空港の今後の運用について」(H16.9.29)に基づき、航空機騒音の低減を図るためにエンジンが3基以上の大型ジェット機の就航を順次禁止することとなり、平成17年4月1日からB747-400を除くエンジン3基以上の大型ジェット機の就航が禁止された。
更に、平成18年4月1日からはすべてのエンジン3基以上の大型ジェット機の就航が禁止されることとなっている。

 

(2)発着規制

 大阪国際空港の総発着枠370発着/日のうち、定期便ジェット機の就航については、200発着/日を限度としていたが、平成10年からその枠外で低騒音ジェットの使用を前提に、YS-11型機の代替枠として50発着/日が追加された。
しかしながら、航空機騒音が漸増傾向にあることから、国の「大阪国際空港の今後の運用について」(H16.9.29)に基づき、YS-11型機代替ジェット枠の見直しが行われることになり、平成17年4月1日に20発着/日がプロペラ枠に戻された。
 更に、平成18年4月1日に16発着/日、平成19年4月1日に14発着/日がプロペラ枠に戻される予定であり、この結果、平成19年4月1日からは、ジェット枠200発着/日、プロペラ枠170発着/日となり、YS-11型機代替ジェット枠は廃止されることとなっている。
 なお、平成14年4月から総発着枠(370発着/日)内でリージョナルジェット(小型ジェット機)の発着が可能となっている。
 また、発着時間規制を行っており、発着は緊急時などを除き午前7時から午後10時までに限られており、さらに、午後9時以降は定期便の設定は行わないこととしている。

 

(3)運航方法の改善

 騒音軽減運航方法として、離陸時の急上昇方式、着陸時のディレイドフラップ進入方式、優先飛行経路の指定などが採用され、空港周辺への騒音低減が図られている。
 風向きなどにより通常(大阪市から川西市方向への発着)と逆方向の発着(いわゆる「逆発着」という。平成15年全発着回数の3.85%)を行うことがある。その場合、視認進入を行うことから、民家防音工事等の対策を実施している区域外に騒音の高い地域が生じている。このため、運輸省(現国土交通省)は、新AGL(進入路指示灯)を平成11年2月から暫定運用し、飛行コースの改善に努め、このような区域外への騒音影響の低減を進めている。

 

5 空港周辺対策

 

 ジェット機の就航に伴う航空機騒音問題の発生に対処するため、昭和42年に「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」(以下「航空機騒音防止法」という)が制定されたが、航空輸送需要の急激な増大を背景に騒音問題が深刻化したため、昭和49年に「航空機騒音防止法」の改正が行われた。
 空港周辺地域におけるこれまでの学校、病院などの公共施設に対する防音工事の補助、移転補償などの対策に加え、個人の住宅に対する防音工事の助成、緩衝緑地の造成、空港周辺整備計画の策定とこれを実現するための空港周辺整備機構の設立などの制度が導入され、対策は大幅に拡充されることとなった。

 

(1)大阪国際空港周辺整備計画

 「大阪国際空港周辺整備計画」は、昭和49年に兵庫県知事及び大阪府知事により策定されており、この計画を基礎としつつ、国、地元地方公共団体などは、昭和52年以来周辺地域における望ましい土地利用の方向付け及び特に緊急に整備を要する騒音等激甚地区の地区整備計画の検討を進めてきた。
 また、同地域においては、移転補償の進ちょくに伴い、移転跡地が市街地に散在することとなる一方で新たな建物が同地域に立地するなど周辺整備を進めるうえで深刻な問題が生じてきたことから、騒音対策事業のみならず多くの都市整備事業の要請が生じてきた。昭和56年には、このような認識に基づいて、「大阪国際空港周辺の騒音等激甚地区における地区整備の基本的な方向(大綱)」が示された。
 一方、低騒音の航空機材の導入などによる発生源対策の進展から、昭和62年1月5日に騒音指定区域(第2種及び第3種区域)の改定が告示され(平成元年3月31目施行)、これにより、第2種区域外に存することとなった移転跡地の有効活用が可能となった。
 これらの新たな状況のもと、昭和63年度に伊丹市域及び川西市域地区整備計画案を国、市などと共同でとりまとめ、地元意向を聴きながら、個別事業の実施を進めている。
 さらに、平成4年度から、川西市内の小規模な移転跡地が蚕食状に在する地区について、生活環境の改善や地域の活性化を図る地区整備の検討を国、市等とともに行っている。

 

(2)空港周辺整備機構の設置

 空港周辺地域における航空機の騒音による障害の防止及び軽減を図り、生活環境の改善に資するため、国、兵庫県及び大阪府の共同出資により、昭和49年4月に大阪国際空港周辺整備機構が設立された。
 その後、昭和60年9月に福岡空港周辺整備機構と統合して、空港周辺整備機構が設立され、さらに、平成15年10月に独立行政法人へと移行した。
 空港周辺整備機構では、再開発整備事業、代替地造成事業、共同住宅の維持・管理をはじめ、移転補償、緑地造成事業並びに民家防音事業を行っている。

 

(3)住居等移転対策および営業者対策

 騒音指定区域の第2種区域内における国の移転補償事業を促進するため、住居等を移転する者が移転資金を金融機関から借り入れた場合に県が移転者に対して利子補給を行っている。
 また、移転補償事業の進ちょくにより、顧客の減少など営業環境が変化し、経営に支障が生じている小売業またはサービス業を営む小規模企業者に対し、県が経営の安定に必要な資金のあっせん融資、融資に伴う信用保証料の助成及び利子補給を行っている。

 

(4)周辺環境基盤施設整備事業

 騒音指定区域の第2種区域内において、住環境の改善などを目的とし、地方公共団体が国土交通省の補助を受け、移転跡地の利用などにより、公園、緑道、細街路及び防火水槽などの整備を周辺環境基盤施設整備事業として行っている。

 

(5)県立西猪名公園の設置

 空港周辺における環境整備の一環として、緑地の確保と当該地域の生活環境を向上させるため、移転跡地を活用して県立西猪名公園を設置した。

所 在 地:伊丹市北伊丹8丁目及び川西市久代6丁目

面   積:6.0ha

開園年月目:昭和57年4月8日

施設:テニスコート、球技場、ウォーターランド等

 

(6)大阪国際空港周辺緑地

 空港と周辺地域との間に緩衝緑地を確保し、空港と周辺地域との調和を図り生活環境を改善するとともに、地域の憩いの場として積極的な利用を図るために大阪国際空港周辺緑地整備事業を実施している。

所  在  地:伊丹市森本及び岩屋地区における空港に隣接するおおむね第3種区域

面     積:約8.6ha

都市計画緑地:平成5年9月6日

事業承認・認可(建設省告示第1801号)

施  行  者:国土交通大臣、兵庫県及び伊丹市

 

第5 新幹線公害

 

1 騒音等の現況(資料編第4-24表

 

 平成16年度に県が実施した新幹線鉄道沿線14地点の騒音測定結果では、近接軌道中心から25mの地点において、Ⅰ類型地域での環境基準達成地点が昨年度より5地点減少し、Ⅰ類型の地域では12地点中4地点、Ⅱ類型地域では、2地点すべてで環境基準を達成していた。
 住宅地域に対する当面の目標値である暫定目標(75dB)は、14地点すべて達成している。
 騒音測定と同時に行った振動調査では、近接軌道中心から12.5mの地点において指針値(70dB)を超えた地点はなかった。
 なお、新幹線鉄道沿線市町においても、県と同様に、新幹線騒音・振動測定を実施している。

 

第3-4-15表 新幹線鉄道騒音調査結果(平成16年度)

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2 防音対策等

 

 JR西日本により、新幹線車両の低騒音化対策、バラストマットの敷設等の軌道対策及び防音壁の設置が行われている。

 新幹線鉄道沿線の公害対策を今後とも円滑に進めるため、平成8年9月に県と関係13市町で「新幹線鉄道公害対策連絡会」を組織しており、今後ともこの連絡会において県と市町との連携を図りつつ、JR西日本や国に対して要請するなど、騒音・振動対策を推進する。

 

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