貴重性評価の区分
2003年版レッドデータブックの貴重性の評価区分(カテゴリー)を踏襲しつつ、一部変更を加えた。
1.維管束植物については、基本的には2003年版と同じとするが、「今みられない」というカテゴリーは、環境省のレッドデータブックに合わせて「絶滅」とした。
また、2003年版で用いていた「要注目種(最近減少の著しい種、優れた自然環境の指標となる種などの貴重種に準ずる種)」「地域限定貴重種(兵庫県全域で見ると貴重とはいえないが、兵庫県内の特定の地域においてはA,B,C、要注目のいずれかのランクに該当する程度の貴重性を有する種)」のカテゴリーは2010年版では使用していない。
2.藻類については、正確な分布状況の把握が難しいこと、「絶滅しやすさ」を判定することが難しいことから、「保全すべき場所を特徴付ける種」を貴重種として選定した。
3.蘚苔類、菌類については、現地調査によっても詳細に生育量を把握することが困難であることから、「絶滅」と判定することが難しいため、これまでの県内での確認箇所数をもとに、「稀少な種」という観点でカテゴリー区分を行った。
4.植物群落については、2003年版と同じカテゴリーとした。
○維管束植物
①絶滅・・・兵庫県内での確認記録、標本があるなど、かつては生育していたと考えられるが、 兵庫県では近年、現存が確認できなかったもの。
※ 飼育・栽培下では存続している、いわゆる野生絶滅種を含む
②Aランク・・・環境省レッドデータブックの絶滅危惧Ⅰ類に相当。兵庫県内において絶滅の危機に瀕している種など、緊急の保全対策、厳重な保全対策の必要な種。
③Bランク・・・環境省レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類に相当。兵庫県内において絶滅の危険が増大している種など、極力生息環境、自生地などの保全が必要な種。
④Cランク・・・環境省レッドデータブックの準絶滅危惧に相当。兵庫県内において存続基盤が脆弱な種。
⑤要調査種・・・環境省レッドデータブックの情報不足に相当。本県での生息・生育の実態がほとんどわからないことなどにより、現在の知見では貴重性の評価ができないが、今後の調査によっては貴重種となる可能性のある種
○蘚苔類
①Aランク・・・発生確認箇所数が非常に少なく、貴重性が極めて高いと考えられる種
②Bランク・・・発生確認箇所数が少なく、貴重性が高いと考えられる種
③Cランク・・・優れた自然環境の指標となる種などの、貴重種に準ずる種
④要調査種・・・現在の知見では貴重性の判断ができないが、今後の調査によっては貴重種となる可能性のある種。
○菌類
①Aランク・・・発生確認箇所数が非常に少なく、貴重性が極めて高いと考えられる種。
②Bランク・・・発生確認箇所数が少なく、貴重性が高いと考えられる種。
③要注目種・・・優れた自然環境の指標となる種などの、貴重種に準ずる種。
④要調査種・・・本県での生育の実態がほとんどわからないことにより、現在の知見では貴重性の判断ができないが、今後の調査によっては貴重種となる可能性のある種。
○植物群落
①Aランク・・・規模的、質的にすぐれており貴重性の程度が最も高く、全国的価値に相当するもの。
②Bランク・・・Aランクに準ずるもので、地方的価値、都道府県的価値に相当するもの。
③Cランク・・・Bランクに準ずるもので、市町村的価値に相当するもの。
④要注目・・・人間生活との関わりを密接に示すもの、地元の人に愛されているものなど、貴重なものに準ずるものとして保全に配慮すべきもの。