平成14年7月16日 |
兵庫県知事 井 戸 敏 三 様 |
環境影響評価審査会 |
淡路・東浦都市計画緑地1号あわじ石の寝屋緑地に係る |
平成14年3月8日付け諮問第142号で諮問のあった標記のことについて、下記のとおり答申します。 |
記 |
標記の環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)について、環境の保全と創造の見地から審査を行った。 |
1.大気汚染 | |
本地域の現況の降下ばいじん量が測定されていないため、工事着手前に1年間のバックグラウンド値調査を行い、本事業の寄与分を把握すること。 | |
2.水質汚濁 | |
濁水処理については、管理目標値の設定や管理体制の整備など適切な管理を行うとともに、発生する汚泥については適切に処分すること。特に、長谷川流域では上水源として取水がなされていることから特段の配慮を行うこと。 なお、工事着手後の適切な時期に1回以上河川の環境基準の達成状況を確認すること。 |
|
3.陸生植物・陸生動物・水生生物・生態系 | |
都市緑地の保全という本事業の目的・意味を踏まえ、竹林の継続的な伐採管理、よりよい植生形成の基盤となる土づくり、農薬不使用を前提とした植栽計画など、環境影響評価から工事、供用に至るまで一貫した着実な実施計画を作成し施工すること。 計画区域は渡り鳥の重要なルート上にあり、サシバの営巣も確認されていることから、営巣環境の保全はもとより餌場の保全・創出に努めること。なお、ビオトープにより餌場を創出する際には、人の立ち入りを制限する空間について配慮すること。 また、他の貴重種の生息域についても、現況調査により生息が確認された場所に限らず、生物が移動することを前提に生息部の周辺環境も含めた保全について検討することが望ましい。 計画地が存在する淡路島北部は水資源に乏しいことから、新たに創出する水辺空間においては当地の気候風土を踏まえた設計や継続的な管理を行うこと。 なお、公園の運営・管理においては、「参画と協働」の理念に基づき地元住民やNPO等とも連携をとることが望ましい。 |
|
4.事後監視調査等 | |
事後監視調査の結果を適切に工事計画等に反映できる体制を整えるとともに、必要に応じ専門家の意見を聴取し指導を受けること。 事業影響をより確実に把握するため、影響を受けない地点での調査の実施についても適宜検討することが望ましい。 工事着手までに現地環境が遷移することが考えられるので、特に繁殖力が旺盛で他を駆逐する可能性のある竹林の伐採管理や、貴重動植物の存在の確認などについては工事着手までの期間においても適宜実施することが望ましい。 |
|