(1) 第2次住民意見書の要旨及びそれに対する都市計画決定権者の見解

 「環境影響評価に関する条例」第17条第1項の規定に基づく第2次住民意見書の提出はなかった。


(2) 第2次審査意見書及びそれに対する都市計画決定権者の見解

 「環境影響評価に関する条例」第20条第1項の規定に基づく第2次審査意見書及び同条例第21条の規定に基づく当該意見書に対する都市計画決定権者の見解を以下に示す。
第2次審査意見書の内容 都市計画決定権者の見解
 標記の環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)について、環境の保全と創造の見地から審査を行った。
 計画地は、淡路島北端部の山林に位置し、眺望に優れるとともに、瀬戸内海国立公園に隣接し、今なお淡路島の緑豊かな自然景観を保ち続ける区域である。また、計画地周辺では「淡路公園島構想」に基づき公園整備が進められている。
 本事業は、この地域を都市緑地として位置づけることにより、乱開発を未然に防止し、里山を保全するという意義を有しており、かつ、できる限り改変面積を抑制する計画となっている。
 本準備書では、環境影響評価概要書から準備書へ至る環境影響評価手続きの過程で、第1次審査意見が土地利用計画の見直しに反映されており、その変更経緯がわかりやすく記載されている。
 予測・評価の結果、準備書では、環境影響評価の対象としたすべての項目で環境保全目標を満足しており、本事業の実施が地域の環境の保全に支障を及ぼすことはないとしているが、準備書記載の環境の保全と創造のための措置を着実に実施するため、必要に応じ専門家の意見を聴きながら、実施設計・施工計画・維持管理計画を策定することが望ましい。  なお、事業の実施に当たっては、次の各環境要素ごとに述べる事項に留意する必要がある。
















 本事業の実施及び供用に伴う周辺地域の環境保全について、準備書記載の環境の保全と創造のための措置を着実に実施するため、必要に応じ専門家の意見を聴きながら、実施設計・施工計画・維持管理計画を検討するものとする。また、事業実施に当たっては、次の各環境要素ごとに述べる措置を講ずるよう努めるものとする。   
1.大気汚染 1.大気汚染
 本地域の現況の降下ばいじん量が測定されていないため、工事着手前に1年間のバックグラウンド値調査を行い、本事業の寄与分を把握すること。  降下ばいじん量については、工事着手前の1年間のバックグラウンド値調査を行い、工事中の調査結果と併せて本事業の寄与分を把握するものとする。
2.水質汚濁 2.水質汚濁
 濁水処理については、管理目標値の設定や管理体制の整備など適切な管理を行うとともに、発生する汚泥については適切に処分すること。特に、長谷川流域では上水源として取水がなされていることから特段の配慮を行うこと。
 なお、工事着手後の適切な時期に1回以上河川の環境基準の達成状況を確認すること。
 濁水処理については、造成工事に先立ち設置する濁水処理施設において、改変区域外への濁水流出を防止するため、適切な管理を行うとともに、発生した汚泥を適切に処分するものとする。特に、長谷川流域では工事実施時に特段の配慮を行うものとする。
 また、工事着手後の適切な時期に河川の環境基準の達成状況を確認するものとする。
3.陸生植物・陸生動物・水生生物・生態系 3.陸生植物・陸生動物・水生生物・生態系
 都市緑地の保全という本事業の目的・意味を踏まえ、竹林の継続的な伐採管理、よりよい植生形成の基盤となる土づくり、農薬不使用を前提とした植栽計画など、環境影響評価から工事、供用に至るまで一貫した着実な実施計画を作成し施工すること。
 計画区域は渡り鳥の重要なルート上にあり、サシバの営巣も確認されていることから、営巣環境の保全はもとより餌場の保全・創出に努めること。なお、ビオトープにより餌場を創出する際には、人の立ち入りを制限する空間について配慮すること。
 また、他の貴重種の生息域についても、現況調査により生息が確認された場所に限らず、生物が移動することを前提に生息部の周辺環境も含めた保全について検討することが望ましい。
 計画地が存在する淡路島北部は水資源に乏しいことから、新たに創出する水辺空間においては当地の気候風土を踏まえた設計や継続的な管理を行うこと。
 なお、公園の運営・管理においては、「参画と協働」の理念に基づき地元住民やNPO等と連携をとることが望ましい。
 本事業の目的を踏まえ、竹林の継続的な伐採管理、よりよい植生形成の基盤となる土づくり、農薬不使用を前提とした植栽計画など環境影響評価から工事、供用に至るまで一貫した実施計画を作成し施工するものとする。
 計画区域は渡り鳥の重要なルート上にあり、サシバの営巣も確認されていることから、営巣環境を保全するとともに、餌場の保全・創出に努めるものとする。なお、ビオトープにより創出する餌場には、人の立ち入りが制限できるよう配慮するものとする。
 また、他の貴重種の生息域についても、生息部の周辺環境も含めて保全することを検討するものとする。
 計画地が存在する淡路島北部は水資源に乏しいことから、新たに創出する水辺空間においては、事業実施段階で当地の気候風土を踏まえて設計や管理を行うものとする。
 なお、公園の運営・管理においては、事業実施の際に、「参画と協働」の理念に基づき地元住民やNPO等と連携をとることを検討するものとする。
4.事後監視調査等 4.事後監視調査等
 事後監視調査の結果を適切に工事計画等に反映できる体制を整えるとともに、必要に応じ専門家の意見を聴取し指導を受けること。
 事業影響をより確実に把握するため、影響を受けない地点での調査の実施についても適宜検討することが望ましい。
 工事着手までに現地環境が遷移することが考えられるので、特に繁殖力が旺盛で他を駆逐する可能性のある竹林の伐採管理や、貴重動植物の存在の確認などについては工事着手までの期間においても適宜実施することが望ましい。
 事後監視調査の結果を適切に工事計画等に反映できる体制を整えるとともに、必要に応じ専門家の意見を聴取し指導を受けるものとする。
 事業影響をより確実に把握するため、影響を受けない地点での調査の実施について適宜検討するものとする。
 なお、工事着手までに、繁殖力が旺盛で他を駆逐する可能性のある竹林についてはその繁茂状況に応じ伐採を実施するものとするほか、貴重動植物の存在の確認調査についても適宜検討するものとする。