環 境 方 針

1 基本理念
 20世紀の飛躍的な科学技術の進展と経済の拡大により、私たちは、便利で豊かな生活を当然のこととして享受しています。
 しかし、その一方で、大気汚染や廃棄物の大量産出をはじめ、温暖化や熱帯雨林の減少といった地球規模での環境問題まで、人類の存在をも脅かしかねない深刻な問題が顕在化しています。
 「環境の世紀」といわれる21世紀を迎えた今、私たちは、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システムから脱却し、自然と共生した持続可能な循環型社会の実現をめざし、経済システムやライフスタイルを変革していかなければなりません。
 こうした観点から、兵庫県では、廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化等の「5R」に配慮した生活の推進に取り組んでおり、また、環境と調和したまちづくりをめざす「ひょうごエコタウン構想」、森・川・海を一体とした環境保全や環境再生に取り組む「ひょうごの森・川・海再生プラン」やこれをフィールドとした環境教育などを推進するとともに、自動車NOx・PM法の排出基準を満たさないディーゼル車に対する運行規制を全国で初めて実施するなど、環境に関するさまざまな課題解決のための先進的、積極的な施策を展開しています。
 このような本県の現状を踏まえつつ、人と自然、人と社会、人と人との共生のきずなを強め、共生と循環の中で、地球的視野のもとに、人と環境が適正な調和を保つことにより、将来の世代や他の生物の生存を保障しつつ、持続的に発展することが可能な「共生と循環の環境適合型社会」を基本目標とし、その達成に向け、県民、事業者、NPO等と共に手を携え、参画と協働のもとで、持続可能な循環型社会の実現による美しい兵庫づくりを進めてまいります。

2 基本戦略
 県は、基本理念をもとに、次に掲げる4つの基本戦略により環境政策を推進します。
(1)  「ひょうごエコ・ライフスタイル」の創造
 県民、事業者、行政が一体となって、環境学習・教育を通して、環境に対する意識を高め、環境にやさしいライフスタイルを提案し、県民の共通認識として、新しい豊かさを持った、健康で文化的で環境に配慮した「ひょうごエコ・ライフスタイル」を創造していきます。
(2)  環境への取組が盛り込まれた社会経済システムの構築
 経済活動において、「環境の保全と創造」と「健全な経済活動」を併せて実現できる産業活動システムを構築するとともに、環境への負荷の低減や環境の保全と創造に貢献する産業を育成していきます。
(3)  担い手の育成とパートナーシップの形成
 環境問題の多くが、県民個々の生活や事業活動に直接起因し、影響を与えるものであることから、県民、事業者、行政が、環境問題について認識を深め、共有し、環境づくりの「担い手」として役割を果たすとともに、環境コミュニケーションを構築し、各主体間のパートナーシップを育成していきます。
(4)  地域間、世代間の公平性の確保
 県内はもとより国内外のどの地域に住む人々も、また将来に生きる人々も、等しく快適な環境のもとで暮らすことができるように、地域間、世代間において、優れた環境の恵みを公平に享受できるしくみをつくります。

3 行動指針
 県は、環境マネジメントシステムを構築し、以下の指針に基づき、実施、運用を行うことで、基本戦略に基づく環境政策を効果的に推進するとともに、自ら大規模な事業者かつ消費者として、温室効果ガス排出量削減に関する京都議定書の約束を履行するために果たすべき役割等を率先して担うべく、事業実施にあたっての環境負荷の低減、環境の保全等に積極的に取り組むこととします。
(1)  次に掲げる取組について、環境目的及び目標を定め、その達成に全力を挙げます。
 @「新兵庫県環境基本計画」に基づく施策の推進
 Aオフィス活動、公共事業等、県庁舎で行う事務・事業活動によって生じる
  環境負荷の低減
(2)  環境目的及び目標を定期的に見直し、継続的な改善を図ります。
(3)  環境に関する法令等の遵守にとどまらず、積極的に環境汚染の未然防止に努めます。    
(4)  この環境方針を、職員等に周知するとともに、教育、研修及び啓発を行い、職員等の環境保全に向けた意識の向上に努めます。
(5)  この環境方針を、広く一般に公表します。

   平成17年2月18日   兵庫県知事 井 戸 敏 三  




問い合わせ先
兵庫県健康生活部環境局環境政策課環境マネジメント係
 TEL078-362-9082  FAX078-362-4024
 e-mail kankyouseisakuka@pref.hyogo.lg.jp

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