兵庫県環境審議会大気環境部会(第1回)会議録

 

開会の日時

平成141219()

午後31分開会

午後443分閉会

場   所

県民会館7階「鶴の間

議   題

1 諮問

2 審議事項

(1)「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」の推進に向けた新たな対策について

(2)ディーゼル自動車の運行規制について

出 席 者

会   長  天野  明弘

大気環境部会長  山口  克人 

 

委   員  掛水 すみえ

委   員  清水   晃

 

委   員  下房  道子

委   員  幡井  政子

 

委   員  山村   充

委   員  松浦  壽彦

 

委   員  佐野  正道

 

欠 席 者

4名(西村 多嘉子、橋本 章男、

平松 幸三、森 康男、陣山 繁紀)

欠   員

なし

説明のため出席した者の職氏名

 

環境局長  野村  正路

大気課長  長谷川  明

大気課主幹兼保全計画係長 大西  隆政

大気課主幹(交通公害対策担当)  浦野   収

大気課長補佐兼管理係長 椚田  吉弘 

大気課長補佐兼地球環境係長  間木  壽夫

大気課長補佐兼自動車公害係長 森川   格

その他関係職員

 

会議の概要

 

開会(午後31分)

 議事に先立ち、野村環境局長から挨拶がなされた。

 事務局から大気環境部会委員13名のうち8名の出席があり、環境審議会条例第6条第5項の会議成立要件を満たしているとの報告がなされた。

1 諮問

 (1)「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」の推進に向けた新たな対策について

 (2)ディーゼル自動車の運行規制について

2 審議事項

  (1)「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」の推進に向けた新たな対策について

     審議の参考とするため、事務局(大気課長)の説明を聴取した。

 

 

 

( 主な発言 )

 

(山口部会長)

ただ今事務局から説明がありましたが、これについて何かご意見ご質問等ありませんか。ご質問がありましたらどうぞ。

自主的に行動されていることについて、計画を作ってそれを知事が公表するのか、各事業所がやるのかは議論があるところですが、公表するということを新たに付け加えようという内容です。

(清水委員)

いくつかお聞きしたい点があります。まず急にこの話が湧いて出たような感じがあり、それとすぐに決めなければならないということのようですが、地球温暖化の問題については、今まで日本の国全体の問題として産業界、運輸、民生含めてどうしていくのかということを非常に時間をかけながら今の形が出てきているのではないかと思う。特に、私ども産業界については、自主行動計画を基本に据えて、第一ステップ、第二ステップ、第三ステップという形で当面2004年度までは自主行動計画の行方を見守るということで日本全国レベルではなっていると思いますが、そういう国の動きと今回の県の動きというのは、我々産業界にとって見れば戸惑いがある。我々産業界は今までで一番困るのは、国の指導があり、また県の指導があり、場合によってはそれに市の指導が加わるような場合もある。それが一連して関連性があればいいが、全然違う指導の仕方というのが今までもあって、非常に戸惑うことがある。我々が戸惑うくらいであるから、一般の方はもっと戸惑うのではないかなという気がする。言いたいのは、国の大きな流れが今ある中で、やはりこの条例というのは、今、本当に必要なのかというのがまずお聞きしたい。

(環境局長)

前提としてご理解いただきたいのは、今は経団連の自主行動計画等自主的に取り組みをいただいているということについて、それに対して県がだめだと言っているわけではない。自主的に取り組みをいただくことの路線に乗ったがために、逆に東京とか埼玉は議論して、その状況を把握しようということの規定を決めたわけですが、兵庫県では平成12年の地球温暖化防止計画を策定して二年が経過しましたが、その自主的な取り組みを早く把握しようと思っても把握の方法がないということが分かった。当初は国のエネルギー関係の諸統計データを活用して推計をすればわかるということを考えていたのだが、それをするとデータが2年遅れになる。平成13年でつかめるエネルギー使用の実態は平成11年度の実態であるため、相当遅れたことになる。このまま遅れた対応ということになると、自主的に取り組みをいただいた産業界の温室効果ガスの削減努力を踏まえながら県が新しい施策を行っていくには、どうしても後手後手となってしまう。そこで改めて見てみると2004年までの自主的取り組みを踏まえた2004年から2008年の4年間の新しい施策や、あるいは2008年から2012年の新しい施策というものについては、今、議論をしてどういう見通しになるかということを考えていかなければならないが、それに対する対応が2年遅れでは後手になってしまうということがあり、私どもとしては早急に、現在、自主的な取り組みをいただいていることについての情報がほしいということを、条例で担保しながら、提出をしていただくことを求めていきたいというのが一番大きな趣旨である。

(清水委員)

今回の条例の中では産業界ということに限って実態を把握したいということが趣旨だということになるが、県がこれからの施策として計画でつくった6%をどうしていくのかと考えたときに、産業界は70数%と非常に多いという特徴があるが、残りの20数%についてはやはり運輸、民生部分があるわけであり、これについては今回の条例の中に含まれていない。県全体の施策を考えるとこれらの実態把握も行ったうえで、施策としてどうしていくのかということを考えるべきなのではと思うがいかがか。

(環境局長)

その点は、我々は予算措置をして適宜調査をしなければならないと考えている。そのことについても一般的に県民の方の責務として努めなければならないとすることもできるが、それを定めてもすべての情報を出していただくところまでは困難なため、エネルギーの使用量の大きいところを捉えればわかる。あとは中小、零細企業の方、一般県民の方を含めてエネルギーをどう使っていくのかは、我々の方が予算措置を行い、綿密に効果的な調査を行わなければならないと考えている。

(幡井委員)

「一定規模」というのをあげているが、「一定規模」というのはそもそも何で、どこを読めばわかるのか。

(大気課長)

資料説明(省エネ法の説明)

(幡井委員)

それでは、条例の中に「一定規模」の定義を入れなければならないのではないか。

(大気課長)

規則に入れる予定である。

(山口部会長)

新増設の場合は温暖化アセスがあって、既存の場合はないという趣旨であったが、過去の実績やどのように行われたのか参考までに教えていただきたい。

(大気課長)

温暖化アセスの制度は平成8年度から運用されているが、約30件程度の実施状況である。ある工場が自家発電施設を造る際には、たとえばコージェネレーションを取り入れて、従来の重油を使ってやるのであればCO2が500t出るところを350tに減るとかいうものだが、具体的にはどのようなメニューでそれを減らすかということはお手元の資料の11ページに示している。(資料説明)

(山口部会長)

これは届け出てそのまま審査するとか、もっとこうしたほうがいいとかの指導とか審査みたいなことはどこが行うのか。

(大気課長)

それは大気課の方で受け付けている。大規模な環境影響評価だと環境影響評価室であるが、この温暖化アセスについては大気課のほうで受け付けていて、措置方法、どんな対策をとっているかということについて審査させていただき、例えばもっとこういう方法をとれないかという指導はさせていただいているが、いくらまで減らすという義務付けもないため、最大限の努力を行っていただき、努力をしていることで評価させていただいている。

(山口部会長)

今度新しく「知事が定める指針に基づき排出抑制計画の作成」とあるが、先ほど環境局長が説明された重要なことを報告していただくというより、何か新しく作るようなイメージに思うのだが。

要は、今までは国へ行って遅れて報告を受けていた分を、もう少しこちらに直接報告してほしいという主旨ではなく、これだと何か新しく作るという意味に取れるが、そういう意味なのか。

(環境局長)

我々としては従来の分を踏襲しながらということで、一応それぞれ自主的なというイメージがあると思うが、換算の方法だと重油を炊いたときにCO2をどのぐらいの換算にするのか、電気を使用したときにどのぐらいの換算にするのかというようなことは、一応それぞれの社で全く違う方法にするのではなく、ある程度の目処が必要と思われるため、指針等を作成することにしているが、これは現在、策定している計画と整合し、自主性を尊重するような形で相談しながら最大公約数のところを設定していきたい。

(山口部会長)

基準は共通でいいと思うのが、兵庫県という地域を掲げるのには何か新しい作業はいるのか。

(環境局長)

それは各社のほうでもっていると思うが、兵庫県分を算出するのに、経団連の方はおそらく全社であげていると思われるので若干の作業が必要であると思う。兵庫県の分をしかも事業所単位で分別、識別をして、この程度のCO2排出量であるとかということになると思われるし、皆様方のご要望などをお聞きすれば、もう少し森林吸収とか海外の排出権取引を取り入れるという視点もあるかも知れませんし、できれば省エネルギーの分でやりたいと考えているが、その辺の調整が必要と考えでいる。

(山口部会長)

局長は「温室効果ガス」という言葉を使っているが、先程では「特定物資」という表現になっていた。条例ではどういう表現になるのか。要するに必ずしもCO2だけではないということか。

(大気課長)

現在、条例の中でも特定物質と言い、温暖化防止対策推進法の法律で決めている6物質、それをそのまま今回についても対象物質にする。

(山口部会長)

それを「温室効果ガス」という言葉で表現するのか。

(大気課長)

最終、条文としては143条の中で修正しようと考えているが、それは特定物質でいくことになるのではないかと思うが、まだ条文的には整理できていない。

(清水委員)

資料の「措置についての概要」についての質問だが「計画を作成し公表する義務を課す」というところがあるが、「公表の義務」について意見がある。基本的に先程からの県の説明、今までの議論の中でいうと、県として、やはり兵庫県のトータルの排出量がどういうトレンドになっているのか、それを2010年までに6%に減らしていくために、県としてどういうことを考えなければならないのかということが、今回の条例化の基本だということであれば、事業者がそれを公表するということとは少し意味合いが違ってくるのではないかと思うのが一点。それから、企業によっては全国に何箇所か生産拠点を持っている会社があるが、その場合、例えば会社トータルは、自主行動計画で2010年までにCO210%減らすという目標を立てた会社があるとした場合、やはり設備の新旧やいろいろなことを考えて一番費用対効果の良いところでCO2を削減していくのが企業側の考え方になると思う。その時に例えば兵庫県で操業している事業所については、そのままであっても、他のところで多く削減して、トータルとして自主行動計画を満足する、ひいてはその積上げが全国的に6%削減するということになる場合も多々あると思われる。そうした時に事業者ごとに数字を出していくというのは、それを見た方がいろいろと議論のあるところであり、誤解を招くことになっていくのではないかと思われるため、公表の義務については是非見直しをお願いしたい、県民の方も一番興味のあるのは、県としてどうだということだと思われるため、逆に事業所がどうだとか言っても意味がわからない。公表についてはこのまま進むとした場合、県としてまとめて産業、運輸、民生についてはこうだということを示して、だからこの分野でこうような取り組みをしましょうという方がすっきりして良いのではないか。

(掛水委員)

公表する義務を課すということだが、温暖化防止策という何年もかかって言われつづけてきた内容だが、これは家庭においても、何も産業界だけを目の敵にするわけではなく、これは家庭においても同じことなのに県民そのものが自分自身のこととして考えていない。総論として温暖化防止に賛成だが、しかし各論としては少し待ってくれということの方が多かった。自主行動計画を兵庫県として補足をすると、正確にデータとして持っておきたいというための公表義務という方が強いのか、より強く抑制をしていくということの方がより強いのかということを感じた。抑制を強くするのであれば、それなりの融資策など、産業界に対してそれでおかしくなったら困るし、逃げられても困るので、やはり兵庫県の中で成り立っていただかないといけないということもあるため、そうしたらそこの兼ね合いをどうしていくのかということ、それはやはり兵庫県がどう望むのか、これからの温暖化防止計画を兵庫県自身がどのように進めようとしているのかというのを、細かいことだが環境審議会に出席するたびにこれでいいのかと考える。やはり県庁の中での意識の問題も議会の中では議論されるところであると思うが、本当にそちらの抑制をしっかりしていかなくてはならないというところまでいっているのかどうかという、そのことで外に対してより強く自主計画を持って抑制してくださいということが言えると条例改正までいけると思う。そこのところを納得していただくための資料として企業側、産業側、家庭、県民に対してもそれを示していかなくてはならない、ただ、条例ができたらそれで済むという問題ではないので、今後どのようにしてすすめていくかという長いスパンを目指したところを見つめたうえでの条例改正をしていかなければならないと思うが、どの程度の考えを持っているのか。

(環境局長)

私どもの考えとしては、これでもって公表を事業所の方にしていただき、さらに規制を強めていくということではなく、今まで6%削減と兵庫県が言っていた分も重厚長大産業が大きなウエイトを占める本県にあっては、経団連の自主行動計画も重厚長大産業のところを拾い読みしてみると他の産業よりも相当削減量が多く、例えば鉄鋼を取っても、今後も生産が伸びるという予測ではなく、このような生産が続いていくという中で、確かエネルギーでは6%ではなくて10%ほど削減していこうと考えていたと思う。そういうこともあり兵庫県の方ではおそらく兵庫県の計画で6%という厳しい数字をあげているが、達成が自主的に行って可能なのではないかと考えている点が一点、もう一点は掛水委員のご指摘もありましたように、どの分野でどのように、規制を強化するなり、削減をさらに強めてもらいたいというデータも、今は持っていないので、それを条例で決めてここの削減を図ってほしいというには、若干、根拠が薄弱ではないかと考えているので、どちらかというと現在の自主的な取り組みについて把握をさせてほしいというのが前面に出てくるということである。しかしながら公表の考え方についてはそういう考え方のうえに立っても、なおかつ二つあると思うが、事業者自身が自主的に行っているのであるから自主的な分を公表するというのは、世の中の流れであって、情報公開的なことよりもそれぞれの事業所が自主的に取り組んでくださいというように言えるのではないか、ということが一点、やはり事業所でさまざまな事情があると思われるため、県が統一した考え方の下に全体としての姿を示していく中で、きちんと県民の方に説明すればいいのではないか、という考え方も他方ではあると思われる。ですから我々もこの点についてはどういう考え方をとるのがいいのか環境審議会で方向性を示していただけると、パブリックコメントでさらに聞きながら行っていきたいと思うが、そこは逆に我々が必ずしも企業の方に義務付けるということが強制的な、削減計画を強めるというような意味合いを現在のところでは持っているものではないということをご理解していただいたうえで議論いただきたい。

(下房委員)

温室効果ガス排出量のうち約74%を産業・運輸部門が占めているというこのことは非常に大きなことで、私の住んでいる相生市でも環境宣言をして、そして環境家計簿を作ってこれを全戸配布したり、リサイクルシステムのいろいろなことをしているが、私はいつも事業者への義務ということをしていかなければならないと考えていた。この内容の中に地球温暖化対策の方針、推進体制、温室効果ガスの排出状況及び排出量、そして削減目標、これは本当に大切なことだと思う。このような条例を制定しなければならないと思うが、先程から問題になっている公表について、事業者自ら実施していることとしているが、知事が提出を受けたあと県が公表するかと検討するということがあるが、やはり受けた後で公表する、これには先程清水委員が言われたように、いろいろな誤解もあるのではないかと思われるので、そういうなかでもう少し考えていかなければならない。

 

(山村委員)

確か、以前はひょうご環境創造協会の方で自主的に排出量を登録して公表するような仕組みを作った覚えがあるが、その状況はどうなっているのか。

(大気課長)

地球環境10%倶楽部という制度を作っているが、これは例えば県民の方には環境家計簿をつけていただき、そのデータを環境創造協会の方で集めて普及啓発に使っていこうというものだが、自ら負荷をより下げていただくための方策として環境家計簿をつけていただく方々を10%倶楽部という組織で呼んでいるが、県民だけではなく事業者の方にも参加を求めていこうとスタートしたが、事業者の方の参加をあまり得られていないのが現状である。

(幡井委員)

過去においても工場が垂れ流しで排出された汚水で海が汚れたが、現在、海が汚れているのは家庭から出ている排水であって、工場からは規制がされているので非常にきれいな水が流れているのだということを聞いて、家庭が気を付けなければならないということがこの頃よく言われている。そういうことを考えてみると、これと今回の問題も全く同じだと思われる。家庭は家庭で頑張って行うけれども、やはり工場は工場としての義務と言うか、そういう厳しい規制によって環境を良くするということに取り組んでいただくことが大切と思われる。ですから私はこういう条例を作るということは、消費者の立場として大賛成である。ただ、先程から出ているように公表については悪質なところは公表すればいいと思うが、そうでないところはまとめて知事のほうから報告するという程度でいいのではないかと思う。しかし、過去を振り返ってみて、このような厳しい条例を作るほうが良い。

(山口部会長)

温暖化効果ガスの抑制計画を作成して知事に報告するという枠の中で条例化の案を作っていただくという方向でとりあえず進めていくことにします。公表については、さらに検討課題にしておくということで、今回のところは止めておきたいと思いますがご意見ありますか。

私見ですが、兵庫県で6%という枠を決めてやるという思想というのは無理というか、整合性がないように思われる。どこで減らしても一緒である。その辺りが基本的なところに立ち返るが、兵庫県で6%削減するということに固執する意味がないように思うがいかがか。行政としては6%を掲げているが、産業界からの意見のとおり効果的なところで減らせば、別段狭いエリアに限定しなくとも良いと思われるが、そういうことを言えば世界でも日本でいくら減らしてというおかしな話になるがいかがか。

(天野会長)

意見ではなく情報ですが、国のほうで同じような議論があり、2002年にある計画を作って、2004年に検討して政策の効果を判定しなければならない、ところが2002年の排出量が2004年になって施策をする前のデータがやっと判る、これでは検討できないということで、把握をもっと早くしなければならないという検討がすすんでいる。それから自主取り組みについては、国の場合は日本経団連から産業構造審議会にデータが出てきて委員が見ることができるわけだが、県ではそういう情報の把握の仕方ができない、あるいは逆に全日本のデータを県がもらっても役に立たない。ですから、情報の把握の必要性というのは非常に高くなっていて、特に今は2002年から2004年の期間、2005年から2007年の期間,2008年から2010年の期間と年刻みで施策を点検していかなければならない状況である。その点検の段階になって、達成できていないことが判っても後の祭りで、事態がどんどん進行するような状況であるから、その情報把握を早めるか、そのために自主取り組みの成果をどのように活かすかというのはやはり地域地域で問題になることと考える。それからもう一つは部会長が言われたように、どこで減らしてもいいけれども、きちんとマッチングをしないと、ここでは減っているけれども向こうでは増えているということがあっては困りますから、他地域で大幅に減っているような事業者について、その減らした分をどう認めるかというのは考える余地はあるかと思う。その辺を考慮する必要があるのではないか。

(山口部会長)

それでは、今のように事業者自ら計画を作って知事に報告するということまでの条例化のほうを進めていただく、公表については今後検討課題にするということで温暖化については終わらせていただきます。

 

(2)ディーゼル自動車の運行規制について

審議の参考とするため事務局(主幹(交通公害対策担当))の説明を聴取した。

 

(主な発言)

 

(山口部会長)

今の話でいきますと16万台が新たな規制対象だということでありますが、兵庫県以外のものはどうなるのですか。

(大気課主幹(交通公害対策担当)

 対象地域に流入する場合、県内の登録車につきましては16万台が新たな対象となります。県外車は法の対象地域以外での登録車がすべて対象となります。

(山口部会長)

 自動車NOx・PM法との絡みで例えばこれを入れることが、NOx・PM法の総量削減計画の中で削減効果が見込まれるとか、そんな関係はあるのですか。

(大気課主幹(交通公害対策担当)) 

今は削減計画を策定中でありまして、排出量も計算中なんですけれども、当然削減量につながってきます。今、対策外地域から入ってくる車の台数は試算ですが、65000台ほどと見込んでおりまして、その内規制対象となる古い車は何台あるかという部分で計算は可能だと思っております。これからその辺の積上げをやっていきたいと思います。

(山口部会長) 

ですから、結局可能性としてはそれだけかもしれませんが、実際に減る量を見積もらないと、可能性があれば全部入ってこないという前提ではなくて、もれて入ってくる分もあるでしょうから、なかなか難しいと思いますが、私の聞きたいことは、だいだいどのくらい対象地域外から入ってくる分が減るかという予測はつけられているのですか。可能性としてはありますが実質の予測はあるのですか。

(大気課主幹(交通公害対策担当)

他の対策等を見ますと県が取り得る対策は、NO2では年間1000tもいかないので、この対策をとっても高々数百t、先生がおっしゃるようにもれを見込むと数十t〜数百tぐらいではないかと思います。

(山口部会長) 

そうすれば、総量削減計画のなかではこれをどのぐらいの効果で考えておられるのですか。

(大気課主幹(交通公害対策担当)

前回の自動車NOx計画では、阪神地域で全体の自動車からのNOx排出量が14tで、そのうちの23千t減らさなければならず、そのうちの数百tです。法律のNOx・PM法の効果の方がさらに効果的なものです。

要は、阪神、播磨地域に根拠地を置くものについては規制がかかる、それ以外の地域にはかからない。それで対策地域内には入ってきて汚染に寄与するのを防ごうという主旨であります。

(山口部会長) 

先程一定の指定道路により通過する分については外してもいいのではないかということについてはご意見いかがでしょうか。私は通過するだけならばいいかと思いますがいかかでしょうか。

(掛水委員) 

資料に「知事が指定する道路を運行規制の対象から」とありますが、これは今言われた山陽自動車道とか湾岸道路とかをきちっと規定をするということですか。

(大気課主幹(交通公害対策担当)) 

規則もしくは告示で示すということになっています。

(掛水委員) 

今も湾岸道ロードプライシングがなかなか前に進まないという状況のなかで、43号線問題が再燃しています。この問題についてはどこかを外してしまうということが逃げ道を作ってしまうということになります。対象地域なり、そこを通ることができないということの厳格な規制ができてこそ、他のところへの流れが規制できると思います。本当に厳格な規制が実現できるのか疑問です。対象地域外や県外の業者への網掛けというのは兵庫県の条例ですから正当化できると思うのですが、これだけの物流の時代ですからどんどん否応なしに地域内入ってくるわけで、不公平感から他地域に規制を広げていこうとするのですが、県外からの物流をどこまで止められるのかというところが大きなネックになるのではないかと思います。私としては、腹をくくって厳しさをアピールしてほしいのですが、本当にできるのか疑問に思います。

(環境局長)

その点につきましては、警察とやり取りしているのですが大変難しいと思います。一罰百戒というような方式でいかなければ実際は仕方がないと思います。ですから毎月というわけにはいきませんが、年に何回か検査を行い、改善命令を出すなり、罰則をとるなりしていかないと仕方がないと考えています。ただ、県では、こういう規制をする一方で、やはり排出基準に合う新しい車に買い換えていただきたく予算的には低利融資とかいうことを考えたいと思います。あとは県外車ということになると思いますけれども、それについては、兵庫県の事業所と取引のあるところは積極的に買い換えていただくことにして、大阪から岡山に通り抜けるなどする車については地道を避けて、高速で通り抜けていただくように促していけば、実態としては規制が可能ではないかと思います。規制を完璧にやるのは大変難しい。ひとつ付け加えていうなら、我々としてはこのことによって環境を改善する効果も実は薄いと言わざるを得ません。環境によいことをしようと努力をしている地域内の運輸・事業者の皆さんが、逆にあまり努力をしない人との競争力を失うという感じがしますし、あるいは地域内で登録されている車の方が、今まで車を数十台持っていた分を若干減らして事業範囲を狭めてやろうとしたときに、他地域から排出基準に適合しない車が入ってきて事業展開するということになるでしょうから、そうなると我々が今までのトレンドで見ていたNOx・PM総量削減計画が早期に達成されないということが予測されますので、そういった両方の面から条例を制定していきたいということでございます。

(山口部会長) 

確かに主旨は非常によくわかるのでありますが、本当に実行できるか、摘発できるかということに相当気合を入れてやらないとという気は私もあります。

(山村委員) 

私も通過車をいちいち止めて確認するということは、またそれ自身が大気汚染になりかねないということですから、高速で通過する分に関しては規制からはずすということは非常にいいことだと思います。それから、違反者への措置で、今の局長の話だと改善命令のような比較的軽微な方法を考えられているように思うのですが、文章上では運行禁止命令とかかなり厳しく書かれているわけですけど、県外からくる人にも兵庫県がこういう事をやっているということを理解していただいて改善していただくという、改善命令くらいのことは構わないかと思います。

もう少し軽微なものも含めておくのがいいのではないかと感じました。

(環境局長)

実は警察とやりとりしますと、止めて捕まえても排出濃度を測らなければ実際に悪い車かどうかは立証できないだろうと、そこですぐに罰を科すわけにはいかないであろうということです。我々は当初、車検証でいつの規制基準の車かはわかるのではないかと思っていたのですが、しかし、例えば古い車でエンジンをその後すっかり換えて車検を受けたという場合、何年車規制の車かわからなくなるという事態もありうるというようなこともありまして、そうすると実際問題としては、これはNOx・PMが基準に合うように若干の改造をしている、というと立証ができないので実際は、直罰を課することができないのではないかという話もあります。今後、警察等とのやりとりの中で検討していきますが、罰則の書き方も非常に問題のあるところでございます。その意味で若干漏れのある条例ということであってもやむを得ないかという気はいたします。また区域内の車は9年間乗れますがあと3,4年経てば大半が新しい基準の車に切り替わってまいりますから環境濃度は落ちてくると思います。以降、先程申し上げましたように県内の車も融資、補助により新しい基準の車に買い換えていただく、さらに、県外の車で入ってくる車には、アピールをして、対策地域の地道を通らないようにして頂くなり、通る車は買い換えていただくということでご協力いただけるようアピールをしていく。このようなシナリオで公平性を保ちながら早期の環境基準達成につながるのではないかということで提案させていただいております。

(幡井委員) 

やはり時によっては罰金を科すようにしておかなければ、あまり甘くしては何もならないと思います。

(環境局長) 

罰金は取れるようにしたいのですが、今言いましたようにその場で罰金を取るのは難しい。したがってそれについては、確かに古い車に乗っていましたという人は次に乗り込んでくるときには、あるいはその車で乗り込んできてはならないというふうにして改善しないと乗り込めないというふうにして二回目に来たときには悪質として罰金を取ることになろうと思うのですが、しかし前の記録と次の記録とどう合わせるのかという現実的な問題がございます。そのあたりを警察等と議論させていただいて、有効な方法を考えたいと思います。

(山口部会長) 

一応このディーゼル車関係の件は県からの提案にありますような方向で条例化するということで本日の部会では異議はないかと思いますので、今後そういう方向で進めていただくということにしたいと思います。

 それでは本日の審議は終わることにいたします。皆さん長時間ありがとうございました。次回以降は条例化について検討するということで、次回以降の日程等、事務局のほうからお願いします。

(大気課長)

次回、第2回大気環境部会を、12月26日(木)午後2時から神戸市教育会館404会議室で開催させていただきます。次回は本日の議論を踏まえた上で、条例化の骨子案を提出し、ご審議をいただきたいと考えています。また、本県では、このような施策実施については県民の意見を聞くパブリックコメントを実施するということにしております。日程的には、年末から1か月間実施する予定ですので、パブリックコメント実施案についてもご意見いただく予定です。よろしくお願いします。

また、第3回大気環境部会はパブリックコメント終了後の128日(火)午後130分から開催させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。場所は後日連絡させていただきます。 

 

閉会(午後4時43分)