第7部 計画の実効ある推進
 
第1節 環境に関するとりくみ・施策の総合的推進
 
 推進体制を整え、とりくみ・施策等の総合調整や計画の進捗状況の公表・評価などの確実なフォローアップを実施することにより、「新環境基本計画」の実効ある推進を図ります。
 
県民、事業者、民間団体等のみなさんと一緒に計画を推進します
○環境審議会において得られる助言や提言、県民からの意見を、とりくみ・施策の展開に反映させるなどして、計画の効果的な推進を図ります。
○計画の確実な推進に向けて、県民をはじめ各種推進組織のネットワーク化を進めます。
 
環境の保全と創造に関する県施策を総合的かつ戦略的に進めます
○環境適合型社会の実現のためには、施策の内容・実施方法そのものを抜本的に環境に適合したものに変革する必要があり、本計画の推進にあたっては、分野別計画とともに、教育、産業、社会基盤整備などの県政の各分野において展開される環境の保全と創造に関する施策について、総合的見地から統合・調整に努めます。
○施策及び計画の企画立案に当たってSEA(戦略的環境アセスメント*101)を行い、施策の実施妥当性の検討に際して、環境の面からの評価を行うことを検討していきます。
○環境の保全と創造に関しては、未解明な問題も多く含まれており、必要に応じ社会的実験を行うなど、実践経験を通じて新たなノウハウを開発し、社会的なコンセンサスを形成しつつ、施策を進めます。
 
 【環境適合型社会形成推進会議】
○「環境適合型社会形成推進会議」により、環境の保全と創造に関する施策の総合的かつ戦略的な推進を図ります。
○各県民局においても総合的に調整・連携できるように体制を整えます。
 【環境創生5%システム】
○公共工事の工事費のうち5%以上を環境創生措置*102に充てることにより、工事における環境に配慮したとりくみを計画的に推進します。
○実施状況については、実施部局で算出、評価を行い、各部局の取組状況を毎年2回  とりまとめ、「環境適合型社会形成推進会議」へ報告します。
 
計画のフォローアップを確実に行います
○県民にわかりやすい形での情報提供に努めるとともに、客観的指標を踏まえた計画の進行管理を行います。また、総合的な説明指標である「ひょうご環境指標」の研究開発を進めます。
○県民、民間団体、事業者、県・市町等行政が一体となって、計画の評価・点検を行っていきます。
○計画のフォローアップを積極的に行うこととし、環境の状況、施策の実施状況、環境指標による計画の進捗状況等を「兵庫県環境白書」に定期的に発表します。
○計画の進捗状況について評価するとともに、計画の見直しを行うシステムを検討します。
 
計画の推進体制図
 
第2節 環境の保全と創造に関する各主体の役割
 
 環境の保全と創造に取り組んでいくためには、すべての活動主体が自らの役割を明らかにし、他の主体の役割と併せて、その関係等を認識しておくことが必要です。
 実際の事業展開においては、こうした役割の自覚のもと、各主体が責任をもって行動することが期待されます。
 
主体間の関わりのイメージ
 
1 県民の役割
(1) 個人としての役割
○人々の日常生活そのものに起因する環境問題が増加していることから、県民一人ひとりがその中心的な役割を果たすべきことを認識し、自覚と責任をもって取り組みます。
○よりよい環境の保全と創造は地域住民としての努めであることを自覚し、家庭・学校・職場・訪問地など、あらゆる場所・機会において環境をより良いものにしていく行動をとります。
○地域環境に関心を持ち、子どもたちを含めた地域の人々と連携して、その保全や創造に関するとりくみに進んで参加・協力します。
(3) 国民としての役割
○地球環境問題などに関心を持つとともに、国際協力や民間団体の活動について、労力的・精神的・財政的な協力を行います。
 
2 民間団体の役割
○環境の保全と創造に関する公益的活動の主体として重要な役割を担い、自発的、積極的に取り組みます。
○県民、事業者、行政のとりくみを効率的・効果的に進めるための連携・協力に係るコーディネートを行います。
○県民の環境に関する自発的・積極的な意識を、行動につないでいきます。
○専門的な知識や技術を活かし、県民、事業者、行政の環境に関するとりくみを支援し、必要な協力・連携を行い、県民、事業者、行政のパートナーシップの形成に努めます。さらに国際的視野でのとりくみを進めます。
○環境の保全と創造に関して、責任をもって発言し、社会に影響を与えていく団体であるとの自覚をもって行動するとともに、その分野の人材を育成します。
 
3 事業者の役割
○自らの事業活動が環境の保全と創造に関して大きな影響を与えることを自覚し、この「新環境基本計画」の推進に関して、中心的な役割を果たすべきことを認識し、自覚と責任をもって取り組みます。
○事業活動に伴う公害の防止をはじめ、省エネルギー・省資源、廃棄物の減量・リサイクル及び適正処理などに進んで取り組みます。
○製品・サービスの提供に関する情報の提供などを通して行政、県民との環境コミュニケーションの確立を図り、循環型社会をともに形成していくパートナーとして協働します。
○事業所・事業者は、地域の構成員であるとの自覚を持ち、地域をはじめ国内外の環境の保全と創造に向けたとりくみに進んで参加するとともに、支援します。
 
4 兵庫県の役割
○この「新環境基本計画」で掲げる目標の実現に向けて、環境に関する施策を総合的、計画的に推進していくとともに、行政施策を環境に適合したものに変革していきます。
○県民、事業者などの環境に関するとりくみを支援・促進するため、社会的経済的しくみづくりや社会資本の整備を行います。
○県民、事業者などへの啓発や情報提供に加え、新たなとりくみ方法の提示など先導的役割を果たします。
○施策の策定段階から、県民、事業者の参画と協働のもとに作業を進めることとし、県民、事業者、行政のパートナーシップを形成します。
○県民、事業者から情報の提供を受け、施策の策定や評価に有効に活用するとともに、広く、またきめ細かく情報を提供します。
○環境の保全と創造に係る市町や団体等の活動や施策に関して、必要な支援を行うとともに、県民局単位や河川流域単位などの広域的視点からの総合調整を行います。
○県内における大規模事業者・消費者として、また地方公共団体としての責務から、県民や事業者などの模範となるよう、環境負荷の少ない事業の推進や製品の購入に率先して取り組みます。
 
5 市町の役割
○住民に最も身近な行政機関として、地域の実情に合わせた形で、この「新環境基本計画」に掲げる目標の実現に向けて、環境に関する施策を計画的に推進します。
の拡充に積極的に取り組みます。
○地域整備や開発行為については、環境に配慮した事業の展開を行います。
○住民、事業者などの環境に関するとりくみを支援し、必要な協力・連携を行います。
○地域における大規模事業者・消費者として、また地方公共団体の責務から、住民や事業者などの模範となるよう、環境負荷の少ない事業の推進や製品の購入を図り、環境に配慮した行動に率先して取り組みます。
 
第3節 分野別・地域別行動計画の策定・推進、行政活動のグリーン化の推進等
 
「ひょうご循環社会ビジョン」などの分野別計画を推進します 
○「新環境基本計画」の実効性を高め、効果的な推進を図るために、課題や分野に応じて、事業や施策を具体的に記した計画や指針をステップアップ方式で策定し、推進していきます。
 
地域別行動計画を策定・推進します
○各地域において、行政のみならず県民や事業者、民間団体などが、本計画の内容を踏まえつつ、それぞれの地域特性を考慮に入れながら、各地域ごとの行動計画をとりまとめます。
○この行動計画に基づき、県民・事業者・民間団体・行政等の参画と協働により、それぞれの地域の環境の保全と創造に、各主体が自ら取り組んでいきます。
 
阪神・淡路大震災からの復興にあたって環境への配慮を進めていきます
○平成12年11月に策定した「阪神・淡路震災復興計画後期5か年推進プログラム」に基づき、地球的視野に立った国際的な課題解決へのとりくみや21世紀につながる森づくりなどを進めるとともに、住民一人ひとりが日常の生活の中で、人と自然が共生する環境創造に取り組むためのしくみづくりを進めます。
○環境への負荷の少ないまちづくりを進めるため、自然エネルギーなどのグリーンエネルギーの開発利用・導入や資源リサイクルなどを推進します。併せて、自然と共生したゆとりあるまちづくりをめざし、住民が主体となった環境の回復・創造へのとりくみを一層推進するなど環境に配慮した循環型システムづくりを進めていきます。
 
行政活動のグリーン化を推進します
○県は、経済活動の主体として大きな位置を占めており、自らが経済活動に際して環境配慮を行うことによる環境への負荷の低減効果は大きく、また、事業者、県民の自主的・積極的な行動を求めるためにも、自ら率先したとりくみを行う必要があることから、「新環境率先行動計画(ステップ2)」を計画的に推進します。
○平成12年10月にISO14001の認証を取得した本庁舎において、環境マネジメント(環境管理)システムを推進し、環境に配慮したとりくみを進めていきます。
 
先導的事業を重点的に実施し、その成果を広く活用します
○21世紀を先導する環境の保全・回復・創造に係る事業を、リーディング事業という見地から選定し、その推進を通して、課題も含めた成果を踏まえ、先導的な目標達成手法を確立することにより、環境施策全体の効果的な展開を図ります。