兵庫県イベント環境配慮指針 〜エコ・イベントひょうごマニュアル〜 |
平成23年11月改訂 兵庫県 | |||||
目 次 | |||||
1 目的 2 対象とするイベント 3 エコ・イベントの取組項目 4 エコ・イベントの取組内容 (1) 環境への配慮 ア 自然環境の保全と周辺環境との調和 イ 交通による環境負荷の低減 ウ エネルギー消費の抑制 エ グリーン調達の推進 オ 3Rの取組の推進 (2) 普及啓発 ア 来場者等への普及啓発による環境配慮意識の醸成 イ エコ・イベント開催の広報による普及啓発 |
|||||
(参考)エコ・イベント取組内容例 (PDF:38.4KB) |
|||||
1 目的 兵庫県では、「環境適合型社会」の形成に向け、環境に配慮する取組を積極的に進めていますが、イベントの開催は、エネルギーや資源の消費、廃棄物の発生など様々な環境への負荷をもたらすおそれがあります。 そこで、本指針は、兵庫県が主催又は主体的に参画して開催するイベントにおいても、環境に配慮する取組を推進することにより、イベント開催に伴う環境への負荷の低減を図るとともに、環境配慮型イベント(エコ・イベント)の開催について広く周知することにより、県民の環境配慮意識の醸成を図ることを目的として、具体的な配慮事項等を定めています。 |
|||||
2 対象とするイベント 兵庫県が主催、又は県が主体的に参画し(管理が可能な)、広く県民の参加を得て開催される式典、催し、行事等(フェスティバル、フェア、スポーツ大会、祭、記念事業、集い、展示会、講演会、シンポジウム、フォーラム等)のイベントすべてを対象とします。 イベントの開催者は、本指針の内容を踏まえて、自主的に環境への配慮に努めることとします。 |
|||||
3 エコ・イベントの取組項目 (1)環境への配慮 次の5つの主な事項について、イベントごとに環境配慮項目を設定し、それに基づき具体的な行動計画等を策定して、それぞれのイベントの内容にあわせた環境配慮型イベントの推進を行うこととします。 @ 自然環境の保全と周辺環境との調和 A 交通による環境負荷の低減 B エネルギー消費の抑制 C グリーン調達の推進 D 3Rの取組(※)の推進
(2)普及啓発 イベントにおける環境配慮への取組を参加者、来場者に周知するとともに、マスメディア等を通して積極的に広報し、県民の環境配慮意識の醸成、普及啓発を図ります。 @ 来場者等への普及啓発による環境配慮意識の醸成 A エコ・イベント開催の広報による普及啓発 |
|||||
4 エコ・イベントの取組内容 (1) 環境への配慮 ア 自然環境の保全と周辺環境との調和 (ア) 会場設営等における自然環境の保全 できる限り、現存する自然に手を加えずに開催できる場所を会場として選定します。やむを得ず手を加えなければならない場合は、十分な調査、影響予測を行い、最小限の影響にとどめる対策を講じます。 【具体的取組方針】 @ 会場の選定に当たっては、できる限り、現存する自然に手を加えずに開催できる場所を選びます。 A 会場の施設整備に当たっては、自然環境への影響を最小限に抑えます。 B 現状の地形を活かすように工夫します。 C 野外での開催に当たっては、会場周辺の自然環境の保全に配慮します。 D やむを得ず自然に手を加える場合は、開催後、自然の復元措置を講じます。 (イ) 会場設営等における周辺環境との調和 イベントの開催に当たっては、会場周辺の環境との調和を図ります。また、必要に応じ周辺住民への説明会の開催や意見聴取を行います。 【具体的取組方針】 @ 会場の選定に当たっては、既存施設の利用を優先します。 A 会場ポスター、垂れ幕、旗、のぼり等を掲出する場合は、周囲の環境に配慮し、必要最小限の掲出にします。 B 照明や音響を使用する場合は、過度の使用を避けて省エネを図るとともに、周辺への影響に配慮します。 C 食器等を洗う場合は、無リン洗剤の使用等環境に配慮します。油や調理クズ等を流さないようにすることなどにより、汚水の量を最小限にします。 D イベントの開催による影響を理由として、会場周辺の住民や自治体から環境保全に関する説明を求められた場合や、開催者自らが必要と考える場合は、説明会の開催や意見の聴取の機会を設けます。 E イベントに関して会場周辺の住民や来場者から苦情・要望が寄せられた場合は、責任体制を明確にし、即時に対応します。 イ 交通による環境負荷の低減 (ア) イベント会場への公共交通機関の利用促進 イベント会場の選定に当たっては、できる限り、電車、バスなどの公共交通機関の利用が可能な会場を選定します。ただし、公共交通機関の利用が困難な場所で開催せざるを得ない場合は、自家用車の利用を最小限にするよう対策を講じます。 (自動車を利用する場合→「(イ)交通渋滞等の緩和、(ウ)低公害車等の利用」参照) 【具体的取組方針】 @ 会場の選定及び開催時間の設定に当たっては、公共交通機関を利用できるよう最大限考慮します。 A ポスター・ちらし・案内状等に、環境負荷の少ない公共交通機関等の利用による来場についてのお願い文を掲載します。 B 公共交通機関の利用が困難な場合、連絡バスの用意など代替措置を講じます。 (イ) 交通渋滞等の緩和 やむを得ず自家用車利用を認める場合は、周辺の道路事情を十分考慮し、交通渋滞を防止するよう対策を講じます。 【具体的取組方針】 @ 通行車両による地域環境の悪化等を緩和するための誘導ルートの選定を行います。 A 十分な規模の駐車場を確保するとともに、駐車場への誘導などを行い、違法駐車を防止します。 B バス等の自動車の運行に当たっては、アイドリング・ストップ等エコ・ドライブ(※)を励行します。
C 自動車での来場者に対して、事前の広報等でエコ・ドライブの呼びかけを行います。 (ウ) 低公害車等の利用 イベントで車を利用する場合は、低公害車等環境負荷の少ない自動車(※)を導入するなど、環境への影響に配慮します。
【具体的取組方針】 @ 電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車等低公害車の導入、利用を図ります。低公害車の導入・利用が困難な場合は、低排出ガス車等の環境負荷の少ない自動車の利用を図ります。 A イベント会場に物品を納入する事業者に、環境負荷の少ない自動車の利用(グリーン配送※)について協力を求めます。
ウ エネルギー消費の抑制 (ア) イベント会場設営における省エネルギーの推進 イベント会場設営時は、できる限り、省エネルギー型の機器・製品を利用するなど省エネルギーに配慮します。 【具体的取組方針】 @ 会場に設置する機器は、兵庫県が設定した「グリーン調達方針」に基づいた省エネルギー型製品を優先して利用します。また、当該方針の対象外の品目については、緑色の「省エネラベル(eマーク)(※)」のついた製品を選ぶなど、できる限り、環境に配慮した機器を利用します。
A イベント会場設営を事業者に行わせる場合は、環境に配慮した機器の利用について、事業者に協力を求めます。 (イ) イベント運営における省エネルギーの推進 会場内では、照明、冷暖房等、エネルギー使用の抑制を図ります。 また、このような取組をイベント来場者に周知することで省エネルギー意識の醸成を図ります。 【具体的取組方針】 @ イベント運営上不必要な点灯を行わないなど、照明の適切な利用を図ります。 A 会場の状況に応じてこまめに温度調節するなど、空調の適切な運転を図ります。(推奨設定は冷房時28℃、暖房時19℃) B イベント来場者に対して、イベントで実施している省エネルギーの取組を周知するなどにより、来場者の省エネルギー意識の醸成を図ります。 (ウ) CO2削減相殺制度(ひょうごカーボン・オフセット)の推進 イベント開催に伴う温室効果ガス排出量の全部又は一部について、「CO2削減相殺制度(ひょうごカーボン・オフセット)」を実施し、温室効果ガス排出量の削減を図ります。 【具体的取組方針】 「CO2削減相殺制度(ひょうごカーボン・オフセット)実施要綱」(農政環境部環境管理局大気課策定、平成21年12月16日施行)に基づき、イベント開催に伴う温室効果ガス排出量の全部又は一部について、ひょうごカーボン・オフセットを実施します。 エ グリーン調達の推進 イベント開催に必要な物品やサービスの調達に当たっては、できる限り、環境負荷の低減に資するものを選定します。 【具体的取組方針】 @ 印刷用紙、コピー用紙等を調達する場合は、原則として「環境配慮型製品調達方針(以下「グリーン調達方針」)」(※)に掲げる基準を満たす再生紙を使用します。
A その他イベント運営に必要な物品を調達する場合は、できる限り、「グリーン調達方針」に基づいて、環境に配慮された製品等を使用します。 B 記念品等を配布する場合は、できる限り、環境に配慮された製品を選定します。 C 風船を使用する場合は、環境に害を与えないように配慮します。空に飛ばす場合は、日本バルーン協会推奨品(天然ゴムを原料とするゴム風船でヘリウムガスを使用し、留め具・糸・付属物も自然環境で生分解する素材)等の環境配慮型製品を使用します。 オ 3Rの取組の推進 (ア) 配布物の削減(Reduce) イベントの案内に当たってはインターネット等の情報通信手段を最大限に活用するなど、配布物の量を抑制して省資源を図ります。 また、イベントでの配布物は、封筒や袋などを含め最小限にとどめます。 【具体的取組方針】 @ イベントの案内に当たっては、インターネット等の情報通信手段を最大限に活用し、紙等の配布物の量を抑制します。 A ポスター・ちらし・パンフレット等を作成する場合は、発行部数や配布先を精査し、余分な印刷物を減らします。特に継続イベントの場合は、過去の来場者数などから必要な発行部数や広報手段の再検討を行います。 B 複数のイベントを同時に開催する場合は、合同で広報を行うなどの合理化を図ります。 C 配布物がある場合は、袋詰め配布等を行わず、包装する必要がある場合も最小限の包装にとどめ、来場者が必要とするもののみを持ち帰ることができるような方法にするなど、配布物の削減を図ります。 (イ) 資材の再利用の推進(Reuse) イベント運用に使用する資材については、できる限り、再利用します。 【具体的取組方針】 パネルや看板などの複数のイベントで反復して利用可能なものは再利用を図るものとし、新規の調達を最小限に抑制します。 (ウ) イベント運営時の資源回収・廃棄物削減の推進(Reduce、Recycle) イベント終了後、不要になる使用物品は、できる限り、リサイクルが容易な製品を使用するとともに、分別回収、資源回収等により廃棄物の削減を図ります。 【具体的取組方針】 @ イベントの開催によって発生が予想される廃棄物の種類等を前もって把握します。 A 会場内で販売・提供する飲食物は、できる限り、容器の回収が可能なものを選定します。回収が困難な場合は、リサイクルが可能であるなど環境に配慮したものを選定します。 B 使用済み物品等の再資源化を図るため、会場所在地の市町が定める排出区分に基づく分別収集を徹底します。 C イベント来場者に対して、ごみの持ち帰りや分別収集等廃棄物の削減への協力を呼びかけます。 D 余分の印刷物や未使用資料等については、資源化・リサイクルします。 E 出展者等に対して、展示物等の持ち帰りや分別収集など廃棄物の削減を呼びかけます。 F 廃棄物処理を外部に委託する場合及び出展者等が個別に処理を担当する場合は、その処理が廃棄物処理法に基づき適正に行われるよう、開催者が指導・監督を行います。 (2) 普及啓発 ア 来場者等への普及啓発による環境配慮意識の醸成 イベントで実施する環境配慮の取組についての来場者への広報や環境ボランティアの募集等により、エコ・イベントに関する普及啓発とイベント関係者の環境配慮意識の向上を図ります。 【具体的取組方針】 @ イベントにおける環境配慮の取組内容を来場者に積極的に周知し、エコ・イベント実施についての理解と協力を呼びかけます。 A 環境配慮意識の普及を目的に、清掃や分別収集等の環境ボランティアを募集し、会場内で環境配慮行動を体験できる機会を設けます。 B イベント従事者全員(会場の設営及び運営に携わる職員、委託業者、スタッフ、ボランティア等)に環境配慮の計画内容を周知徹底します。 C 来場者、環境ボランティア等に、イベントにおける環境配慮事項の達成状況の外部チェック(アンケート調査等)実施について、協力を呼びかけます。 D イベントにおける環境配慮行動の実施結果や今後の改善点を検討します。 イ エコ・イベント開催の広報による普及啓発 イベントでの環境配慮への取組について積極的に広報し、県民全体への普及啓発を図ります。 【具体的取組方針】 @ 開催するイベントがエコ・イベントとして実施されることを、事前の開催案内やマスメディア等の広報手段を通して、広くPRします。 A 会場周辺の住民・来場者・イベント出演者等に対して、環境配慮の計画内容や成果を周知します。 |
|||||