平成16年度の光化学スモッグについて

 兵庫県及び関係市町では、光化学スモッグ発生のおそれのある4月20日から10月19日を特別監視期間とし、「光化学スモッグ緊急時対策実施要領」に基づき、緊急時対策を実施し、県民に周知するとともに、主要工場等へ窒素酸化物排出量の削減要請を実施している。
 本年度の特別監視期間中の光化学スモッグの状況は以下のとおりである。

1 平成16年度光化学スモッグ広報等の発令状況と推移(表1、図1)

 平成16年度の光化学スモッグ広報等の発令回数は予報5回、注意報6回となっており、昨年度(予報3回、注意報7回)と比較して、ほぼ同じであった。
 また、今年度の最初の発令は、5月8日となっており、光化学スモッグの監視を開始して以来、3番目に早い時期の発令となった。
 なお、今年度は被害発生の報告は無かった。

              表1 光化学スモッグ広報発令回数の推移
 
 


            図1 光化学スモッグ広報等の発令回数の推移
 


2 光化学スモッグ特別監視期間中(4〜10月)の気象状況(図2)

@ 気温は4月下旬及び5月上旬を除き、7月下旬までは平年偏差が+1.4〜+2.6℃と高かった。8月上旬から下旬にかけては、平年偏差が+0.1〜−0.7℃と低かった。これは、台風や前線を伴う雨、南からの暖湿気流の流れ込みや、上方寒気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷雨の発生が多かったことが原因と考えられる。9月中旬は移動性高気圧に覆われて晴れの日が続いたが、下旬には台風の影響を受けた。10月上旬には台風が接近し、ほぼ平年並みとなったが、中旬以降は移動性高気圧に覆われて高めに推移した。

A 日照時間は気温と同じ様な傾向にあったが、4月下旬及び5月中旬を除いて7月の下旬まで平年偏差+12.6〜34.3と多く、特に6月中旬+32.1、7月中旬+34.3と多くなった。また、8月上旬から9月上旬にかけては、平年偏差+0.8〜−0.7と少なく、台風等の影響を受けた。9月中旬から10月上旬は台風等の影響で、平年並みか少なく、中旬は移動性高気圧に覆われて多くなった。

B 今年度は台風が22個発生(10月末日現在)し、8月までは太平洋高気圧が平年より北東に位置したため、日本の南近海を西進するコースをとり、6個が上陸した。9月以降は秋台風特有のコースを通り4個が上陸した。(うち、3個は光化学スモッグ特別監視期間内に上陸)
 光化学スモッグ特別監視期間中に日本に上陸した9個は、1990、1993年の6個を超え、最多となった。

 
      図2 光化学スモッグ特別監視期間中の日最高気温と日照時間の平年偏差




参考 光化学スモッグ広報等発令基準及び措置の内容
 
 

3.平成16年度光化学スモッグ広報等発令状況
 

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