1 光化学スモッグ広報等の発令回数
 
 平成13年度の光化学スモッグ広報等の通報・発令回数は、予報0回、注意報5回であり、昨年度(予報8回、注意報17回)に比べて大幅に減少し、平年並みとなった。
 
 
 
 
2 平成13年度の光化学スモッグ発現状況と気象
 
(1) 期間を通じての特徴
 
 本年度の光化学スモッグの特徴は、最初の発令が7月21日で、4年ぶりの遅い発令であった。
 今年は暑い夏といわれ、神戸の真夏日(最高気温30℃以上の日)は、平年より12日多い51日であったが、光化学スモッグ広報等の発令回数は少なかった。
 この原因としては、南風の入る時刻が比較的早く、風速も4〜5m/sと比較的強かったため、大気汚染物質の拡散がなされたためと考えられる。
 また、近畿地方の気象状況は、5月から気温が平年に比べて高く、梅雨期間中の降水量はかなり少なく、6月下旬から8月中旬にかけて気温の高い日が続いたため、水不足が懸念されたが、8月下旬に入り本州の南岸を通過した台風11号の影響で、まとまった雨が降り、気温も平年並みとなった。
 
(2) 月別の気象状況とオキシダント濃度
 
5月
 
 上旬は西日本の南岸を低気圧が頻繁に通過し、低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多かった。
 中旬は東海上に中心を持つ高気圧に覆われて晴れの日が多く、平年に比べ気温は高く、日照時間も多かった。
 下旬の前半は上空に寒気を伴った低気圧が南岸を東進する日が多く、後半も南岸の前線や低気圧の通過等で、ぐずついた天気が続き、日照時間が平年に比べて極端に少なかった。
 
6月
 
 上旬の前半は移動性高気圧に覆われて晴れの日が多く、半ば以降は前線が西日本の南岸まで北上し、天気がぐずつき、近畿地方は5日に梅雨入りした。
 中旬は前線の活動が活発化し、曇りや雨の日が多かった。
 下旬は旬半ばに高気圧の勢力が強まり、前線が一時日本海側まで北上し、高気圧の縁辺に沿って暖気が入ったため、気温が上昇したが、全般的には曇りや雨の日が多かった。
 
7月
 
 上旬の半ばに前線が通過し天気が崩れた以外は、太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多く、平年より気温が高く日照時間も多かった。
 中旬は旬の半ばまで日本海に前線が停滞したため雨の日が多かったが、後半から太平洋高気圧の張り出しが強まり、近畿地方は19日に梅雨明けした。
 下旬は太平洋高気圧に覆われ、高温で日照時間も多かった。
 21日は神戸の日最高気温がこの夏に入って最高の36℃と上昇し、神戸市の3地域でオキシダント濃度が上昇したため、本年最初の光化学スモッグ注意報を発令した。

8月
 
 上旬の前半は太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多く、1日と2日は県内の全域で日最高気温が35〜36℃と上昇し、風も弱かったため、1日は尼崎市と神戸市、2日は相生市から県東部の尼崎市にかけての広い地域でオキシダント濃度が上昇し、2日連続で光化学スモッグ注意報を発令するに至った。
 上旬の後半は日本海を低気圧や前線が通過したため、曇りの日が多く日照時間も少なかった。
 中旬は太平洋高気圧に覆われ、晴れて気温の高い日が多かった。
 16日は風が弱く、阪神間でオキシダント濃度が上昇し、尼崎市に注意報を発令した。
 下旬の21〜22日にかけて台風11号が西日本の太平洋沿岸を北上し、強風や大雨となった。
 台風通過後は晴天となり、24日には尼崎市付近は北よりの風が昼前から南よりの風に変わり、一部の測定局でオキシダント濃度が上昇したため、注意報を発令した。
 
9月
 
 上旬は本州南岸に前線が停滞し、曇りや雨の日が多く、気温は平年を下回り、日照時間も少なかった。
 旬末には台風15号の接近で局地的に大雨となった。
 中旬は日本海から張り出す高気圧に覆われる日が多く、気温が高く日照時間も多かった。
 下旬は台風17号が東方海上に去り、大陸から高気圧が張り出し、天気は晴れたが、寒気を伴っていたため気温は平年に比べやや低かった。
 
10月
 
 上旬は天気が周期的に変わり、台風20号や低気圧の影響で旬の始めと終わりにまとまった雨が降った。
 中旬の前半は大陸から張り出す高気圧に覆われ、晴れの天気が続き、平年に比べて気温が高く、日照時間も多く、後半は前線や台風21号が南岸を通過したため、雨や曇りの日が多かった。
 下旬の始めは発達した低気圧が南岸を東進したため、まとまった雨が降った。
 その後は大陸からの移動性高気圧に覆われる日が多く、気温及び日照時間ともに平年よりやや高めに推移した。