1 光化学スモッグ広報等の発令回数
 
 平成12年度の光化学スモッグ広報等の通報・発令回数は、予報8回、注意報17回であり、昨年度(予報5回、注意報7回)に比べて大幅に増加した。
 
2 平成12年度の光化学スモッグ発現状況と気象
 
(1) 期間を通じての特徴
 
 本年度の光化学スモッグの特徴は、昨年に続き5月の早い時期に発令があったとともに、近年やや発令の少なかった播磨地域での発令が数回あった。
 また、神戸から阪神地域にかけてオキシダント濃度の高い日が多く、昭和46年の制度開始以来、最多の61地域に注意報の発令があった。(ちなみに過去の注意報最多発令地域数は、昭和48年度の58地域。)
 気象状況は、近畿地方では梅雨期間中も前線の活動が弱く、降水量が例年に比べ極端に少なかった。
 また、梅雨明けの7月下旬からは太平洋高気圧の張り出しが強まり、天気が安定し、高温が続き、神戸の真夏日は79日もあり、平成6年の「戦後最も暑い夏」に次ぐ、高温・少雨で猛暑の夏となった。
 
(2) 月別の気象状況とオキシダント濃度
 
5月
 
 上旬は移動性高気圧と日本海側を低気圧が交互に通過し、気温は平年並みで日照時間は多かった。
 中旬は西日本を低気圧と前線が通過し、曇りや雨の日が多く、日照時間が少なかった。
 下旬の中頃まで移動性高気圧に覆われ晴れの日が多く、5月25日は最高気温が平年より6.1℃高い30.2℃まで上昇し、広範囲の地域でオキシダント濃度が上昇したため、注意報発令に至った。
 
6月
 
 上旬の前半は晴れの天気が多く、風が弱かったため、一部の地域でオキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 後半は南岸の前線活動が活発化したため、雨の日が多く、平年より1日遅い9日に近畿地方は梅雨入りした。
 中旬は南岸の前線の影響で曇りや雨の日が多かったが、19日から20日にかけて、高気圧に覆われ南風が吹き気温が上昇したため、広範囲でオキシダント濃度が上昇し、予報・注意報を発令するに至った。
 下旬は東シナ海から低気圧が次々東進し、梅雨前線が活発化し、雨の日が多く、日照時間もかなり少なかった。
 
7月
 
 上旬は梅雨前線が弱まり、高気圧に覆われ晴れて気温が高く、日照時間もかなり多かった。
 6日は昼前から気温が高くなり風も弱かったため、県東部を中心にオキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 中旬の前半は日本海に停滞する前線の影響で曇りの日が多かったが、後半は太平洋高気圧に覆われ、近畿地方は平年より1日早い18日に梅雨明けした。
 中旬末の19日から20日にかけ、移動性高気圧に覆われ最高気温が平年より5℃高い34〜35℃の地域が多く、特に阪神間から東播磨地域でオキシダント濃度が高くなり、注意報を発令するに至った。
 下旬は前線や台風の影響で曇りの日が多かったが、26日は移動性高気圧に覆われ、県東部を中心に気温が上昇したため、オキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 
8月
 
 上旬は太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多く、特に4〜6日にかけて東風が吹き、県東部を中心に気温が上昇し、日射が強く風も弱かったため、オキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 中旬の前半は南海上を台風が通過したが、影響が弱く、後半は太平洋高気圧に覆われ気温・日照時間とも平年並みであった。
 下旬は太平洋高気圧の張り出しが強く、連日晴天が続き、気温が高く日照時間も多かったため、25日は阪神間から東播磨地域の広範囲でオキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 
9月
 
 上旬は太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多く、6日は風が弱く気温が上昇したため、一部の地域でオキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 中旬の前半は台風や前線の影響で雨の日が多く、後半は移動性高気圧に覆われ、20日は真夏日の気温となったため、オキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 下旬の21日は南風が入り昼頃から気温が急上昇したため、各地でオキシダント濃度が上昇し、注意報を発令するに至った。
 その後は西日本を低気圧と移動性高気圧が交互に通過し、天気は周期変化し、日照時間はやや多かった。
 
10月
 
 上旬の始めと終わりは南岸に停滞した前線の影響で雨や曇りの日が多かったが、中頃は移動性高気圧に覆われ晴れの日が続いた。
 気温、日照時間とも平年並みであった。
 中旬の前半は大陸から張り出す高気圧に覆われ、晴れの日が多く、後半は南岸の前線の影響で雨の日が多かった。
 気温、日照時間とも平年並みであった。
 下旬は高気圧と前線が交互に通過し、天気は短い周期で変化した。
 気温は平年並みだったが、日照時間はかなり少なかった。