1 平成9年度光化学スモッグ広報等の発令回数
 
 平成9年度の光化学スモッグ広報等の通報及び発令は、予報1回、注意報2回であり、昨年度(予報3回、注意報4回)と比較して減少した。
 また、広報等の最初の通報及発令は、8月24日であり、光化学スモッグの監視を開始した昭和46年以来最も遅かった。
 なお、被害の届け出は、昭和53年度以降皆無である(表1及び表2)。
表 2 平成10年度光化学スモッグ広報等発令状況
 
2 平成9年度の光化学スモッグの発現状況と気象
 
(1)期間を通じての特徴
 本年度は、高温となる7月中旬から8月中旬にかけて、台風の接近や上空への寒気移流により、気温はやや低かったが、日頗時間・降水量は平年並みとなった。
 8月下旬からは大平洋高気圧に覆われ、高温・弱風の日が続いたため、オキシダント濃度が上昇し、8月24日及び28日に広報等を発令するに至った。
 
(2)月別の経過
 
5月
 上旬は、天気が周期的に変化し、全般的に気温が高く降水量も多かった。
 中旬の初めは移動性高気圧に覆われ、風も弱かったため、一部の地域でオキシダント濃度が上昇したが、発令には至らなかった。
 下旬は、上空に寒気が入り、天気が不安定で気温もかなり低くなったため、オキシダント濃度は上昇しなかった。
 
6月
 上旬は、低気圧が南港上を次々と通過し、曇雨天の日が多く日照時間はやや少なかった。
 また、近畿地方が9日頃に梅雨入りしてから下旬にかけては、移動性高気圧に覆われる日が多かったが、2度上陸した台風と梅雨前線の影響によりオキシダント濃度はあまり上昇しなかった。
 
7月
 近親地方の梅雨明けは19日であったが、それまでは梅雨前線が西日本に停滞したため、オキシダント濃度は上昇しなかった。
 梅雨明け直後には気温が上昇したため、オキシダント濃度が高くなる日もあったが、発令には至らなかった。
 下旬の後半は、台風の影響で曇天の日が多く、気温もやや低く降水量も多かったためオキシダント濃度は上昇しなかった。
 
8月
 上旬から中旬の前半にかけて、前線や台風の影響で曇雨天の日が多く、日照時間もかなり少なかったため、オキシダント濃度はあまり上昇しなかった。
 下旬は大平洋高気圧に覆われ、晴天で高温の日が続いたため、オキシダント濃度が上昇し、24日及び28日に広報等を発令するに至った。
 
9月
 移動性高気圧が日本海を鹿に進み、台風・前線が交互に通過したため、天気は周期的に変化した。
 このため、オキシダント濃度はそれほど上昇せず、広報等の発令には至らなかった。
 
10月
 西日本は移動性高気圧に覆われて晴天の日が多かった。
 下旬の後半からは弱い冬型の気圧配置となり、朝晩は冷え込んだ。
 気温は平年虚みで日頗時間は平年よりやや多かったが、オキシダント濃度は全体的に低濃度であった。