記 者 発 表 ( 資 料 配 布 )       平成26年10月14日



   三菱日立パワーシステムズ高砂工場実証設備複合サイクル発電所更新計画に係る
   環境影響評価準備書に対する知事意見について
 
  
 標記事業の環境影響評価準備書(※)(以下「準備書」という。)について、環境影響評価法及び電気事業法に基づき下記のとおり知事意見を作成し、本日、経済産業大臣へ送付しましたので、お知らせします。
 この知事意見は、環境影響評価審査会(会長:服部 保 兵庫県立大学名誉教授)答申(平成26年10月9日)に沿って作成したものです。
 (※) 環境影響評価準備書: 環境影響について、調査、予測、評価の結果を記載した図書。
 
 記

1 事業の概要
   事 業 者   三菱日立パワーシステムズ株式会社
              取締役社長 西澤 隆人
   事業の種類  火力発電所の更新工事
   事業の場所  高砂市荒井町新浜2丁目1番1号
   事業の規模  出力51.8万kW(現行は38.9万kW)

2 知事意見
(1)大気質
   設備の供用に伴う窒素酸化物の排出濃度及び排出量が、既設の実証設備に比べ増加する
  ことから、低NOxガスタービン燃焼器及び高性能排煙脱硝装置等の装置の運転・維持管理を
  適切に実施するとともに、これら装置の継続的な改良を進め、さらなる低減に努めること。
(2)騒音・低周波音
 ア 工事の実施に伴う騒音について、道路交通騒音の現地調査結果が環境基準値を超過
  している地点がある他、建設機械の稼働に伴う予測結果が環境基準値と同値となる地点が
  あるため、これらの地点で事後監視調査を行うとともに、必要に応じて工事関係車両台数の
  抑制や集中回避、建設作業の平準化などの環境保全措置を講じること。
 イ 設備の供用に伴う騒音及び低周波音について、敷地外の地点も含め事後監視調査を行う
  とともに、住民からの苦情が発生した場合など必要に応じて環境保全措置を実施すること。
(3)植物
 ア 現地調査で確認されたトウネズミモチなど、「兵庫県の生物多様性に悪影響を及ぼす
  外来生物リスト(ブラックリスト)(2010)」に掲載されているすべての種について、地域の
  生態系に配慮してその除去等の対策を行うなど、専門家の助言及び指導を受け、長期的な
  視点から環境の保全を図ること。
 イ 緑化計画について、生態系の保全、ヒートアイランド現象の緩和や温室効果ガスの吸収
  などの効果を踏まえ、可能な限り緑地の創出に努めるとともに、緑化に際しては専門家の
  助言及び指導を受け、地域の生態系に配慮した種を利用すること。
(4)景観
   東播磨港港湾計画において高砂西港北側に住民等が利用する休息緑地が計画されている
  ことから、この地点からの景観も考慮した上で、周辺環境との調和に十分配慮すること。
(5)産業廃棄物
   発生する産業廃棄物の分別回収や有効利用に努めるとされているが、その主体及び
  方法を具体的に示すなど、事業者として適正処理を確実に実施すること。
(6)温室効果ガス
   設備の供用に伴い二酸化炭素総排出量が現状よりも増加することから、再生可能エネルギー
  設備の導入など実行可能な環境保全措置を講じること。
(7)その他
 ア 環境影響評価に関する条例(平成9年兵庫県条例第6号)第30条に規定する事後監視
  調査を実施する必要があることから、環境影響評価指針(平成10年兵庫県告示第28号)に
  基づき事後監視調査計画を作成し、環境影響評価書に記載すること。
 イ 事後監視調査の実施にあたっては、関係機関と協議を行うとともに、その結果を環境影響
  評価に関する条例に基づき公表すること。
 ウ 周辺環境の変化等により環境影響評価の予測の前提条件となる事項に大きな変化が生じた
  場合や、現時点で予測し得なかった影響が生じた場合は、状況に応じた適切な環境配慮を
  行うこと。
 エ 事業の実施にあたり、工事着手前に周辺住民へ十分説明を行うとともに、住民からの
  要望及び苦情等がある場合は適切に対応すること。

3 今後の予定
  今回の知事意見を勘案し、経済産業大臣が事業者へ大臣勧告を行います。その後、
 事業者は、準備書手続で提出された住民意見、知事意見や経済産業大臣勧告等を考慮して、
 環境影響評価書を作成し、その縦覧等の手続を行います。
  
 
 審査会の答申文は → ここをクリック(PDFファイル:134KB)

 知事意見の本文は → ここをクリック(PDFファイル:125KB)



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