兵庫県及び関係市町では、光化学スモッグ発生のおそれのある4月20日から10月19日を特別監視期間とし、「光化学スモッグ緊急時対策実施要領」に基づき、光化学オキシダントの高濃度時には県民に周知するとともに、主要工場等へ窒素酸化物排出量の削減を要請するなどの緊急時対策を実施してきました。
本年度特別監視期間中の光化学スモッグ広報の発令状況は以下のとおりです。
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1 光化学スモッグ広報発令回数は、予報が3回、注意報が4回で、昨年(予報5、注意報8)を下回った。予報及び注意報の地域数も昨年を下回った。発令日数は6日で過去10年間の監視結果で見ると、少ない方から2番目であった。
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2 光化学スモッグ広報の発令初日は5月9日で、昭和46年観測開始以来過去38年間では同位4番目の早い発令となった。最終日は9月13日で、これは遅い方から12番目であった。
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3 光化学スモッグによる被害報告は昨年度と同様に無かった。
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4 今年度の特徴として、次のことがあげられる。
(1)注意報発令月が9月に多かったこと。
(2)注意報発令地域が主に神戸垂水から明石市や加古川市に限られたこと。
9月に多かった原因としては、例年に比べ残暑が非常に厳しく、神戸、豊岡、姫路では月平均気温が観測開始以来最高となったこと、月降水量が少なく日照時間が多かったことなどが考えられる。
東播磨地域で注意報の発令が多かったのは、高気圧の中心が兵庫県よりも北を通過する北高タイプの気圧配置で、気圧傾度も緩く、この地域で海風前線が形成されるなど、高濃度となる気象条件がそろったためと考えられる。
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5月9日の光化学スモッグ注意報の発令(明石市)に関しては、九州から東日本の広い範囲で高濃度の光化学オキシダントが観測された日であり、大陸からの大気汚染物質の移流による影響が指摘されている。なお、同日は気温上昇や弱風などの気象条件であったことから、都市大気汚染の影響も大きかったと推測される。 |