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記者発表
環境の現況(平成16年度)について

記者発表資料

1.
発表項目名
環境の現況(平成16年度)について
2.
発表(配布)日
平成 17年 07月29(金)
3.
担 当
部局名 健康生活部 課 名 環境局:環境情報センター
係 名  環境情報係
外郭団体名等  
直通電話 078-362-3276 庁内内線 3334
4.
同時発表(配布)先
5.
訂正・追加資料の有無
6.
内 容
       環境の現況(平成16年度)について≪概要≫

第1 一般環境大気汚染の現況
  1 二酸化硫黄(SO
   全57測定局で環境基準を達成している(平成15年度は全58局で達成)。
   濃度の経年変化をみると、近年低濃度で推移している。(図1)

  2 二酸化窒素(NO
   全57測定局で環境基準を達成している(平成15年度は全58局で達成)。
   濃度の経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの傾向にある。(図1)

  3 浮遊粒子状物質(SPM)
   (1)長期的評価では全57測定局で環境基準を達成しているが
  (平成15年度は全58局で達成)、(2)短期的評価では、大気の状態が安定で
  汚染物質が拡散しにくい日が多かったことなどの影響により11局で環境基準を
  超過している(平成15年度は2局で超過)。
   なお、短期的評価で環境基準を超過した局は尼崎市北部、尼崎市南部、鳴尾支所、
  浜甲子園、葺合、須磨、垂水、志方公民館、東神吉、八代、太子町役場である。
   濃度の経年変化をみると、近年減少傾向にある。(図1)

 (1)長期的評価・・・1年を通じた評価
 (2)短期的評価・・・時間値又は日平均値の評価    
 

             図1 一般環境大気汚染の推移
一般環境大気汚染の推移


  4 有害大気汚染物質
    県内8地点において19種類の物質について測定した。
    このうち環境基準が定められている4種類の物質(ベンゼン、トリクロロエチレン、
   テトラクロロエチレン、ジクロロメタン)について、すべての地点で環境基準を達成
   している。



  5 光化学スモッグ
    光化学スモッグ広報等の回数は、予報5回、注意報6回であり、その年の気象条件
   等により、予報は若干の変動があるものの、注意報はほぼ例年並みの発令回数
   である。
    なお、光化学スモッグによるものと思われる健康被害の発生はなかった。(図2)

             図2 光化学スモッグ広報等発令回数    
光化学スモッグ広報等発令回数


  6 酸性雨
    県内の3地点における雨水のpHの年平均値は4.6〜4.8の範囲内であった。
    pH値の経年変化をみると多少の変動はあるものの、平成2年度以降、各地点とも、
   ほぼ横ばいの状況にある。(図3)

          図3 酸性雨自動測定機によるpH監視測定結果
酸性雨自動測定機によるpH監視測定結果


  7 アスベスト
    一般環境におけるアスベスト濃度をアスベスト製品製造工場散在地域(播磨町)、
   商業地域(尼崎市、西宮市)及び住宅地域(芦屋市、伊丹市、宝塚市)において
   測定した結果はいずれの地域も0.05本/L以下と低濃度であった(平成15年度は
   0.04本/L未満)。
    また、経年的には低下傾向がみられ、近年は低濃度で推移している。

             図4 アスベスト環境濃度の推移
 アスベスト環境濃度の推移




第2 自動車公害及び航空機公害等の現況
  1 自動車排出ガス
   (1) 二酸化窒素
      全29測定局のうち26局で環境基準を達成している(平成15年度は全28局中
     24局で達成)。
      なお、環境基準を超過した3局は、国道43号の武庫川及び打出、国道171号の
     緑ヶ丘である。
      濃度の経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの状況にある。(図5)
   (2) 一酸化炭素
      全26測定局で環境基準を達成している(平成15年度は全25局で達成)。
      濃度の経年変化をみると、減少傾向にある。(図5)
   (3) 浮遊粒子状物質
      長期的評価では、全24測定局中23局で環境基準を達成している
     (平成15年度は全20局で達成)。
      なお、長期的評価で環境基準を超過したのは国道43号の甲子園である。
      一方、短期的評価では、8局で環境基準を超過している(平成15年度は9局で
     超過)。なお、短期的評価で環境基準を超過した局は、国道2号の六湛寺、垂水、
     小久保及び池之内、国道43号の甲子園、国道176号の栄町、阪神高速道路の
     神戸市西部、県道明石高砂線の林崎である。
      濃度の経年変化をみると、近年減少傾向にある。(図5)
 

             図5 自動車排出ガスによる大気汚染の推移
自動車排出ガスによる大気汚染の推移

   (4) ディーゼル自動車等運行規制と環境濃度
      平成16年10月から、阪神地域東南部において、「環境の保全と創造に関する
     条例」に基づきディーゼル自動車等運行規制を実施している。
      同条例による規制対象地域内の自動車排出ガス測定局における測定結果を
     10月から翌年3月までの6ヶ月平均値でみると、平成16年度は二酸化窒素が
     0.032ppm(平成15年度は0.034 ppm)、浮遊粒子状物質が0.026mg/m3
     (平成15年度は0.028 mg/m3)であり、平成15年度と比べ改善されているが、
     現段階では環境濃度に対する影響の程度を明言できるには至っておらず、
     今後の長期的な評価が必要である。

二酸化窒素、浮遊粒子状物質6ヶ月平均値の推移



  2 自動車騒音、振動
    騒音については、平成12年度以降、常時監視として測定している40地点のうち、
  平成16年度において全時間帯(昼、夜)で環境基準を達成している地点は
  平成15年度と同様17地点である。
   振動については、測定地点25地点すべてにおいて、全時間帯で要請限度を
  下回っている。



  3 航空機騒音
   (1) 大阪国際空港
      平成15年度と同様に、固定測定局12局中8局で環境基準を達成している。
     関西国際空港の開港により、大きく改善されたが、その後はほぼ横ばいで
     推移している。(図6)

               図6  大阪国際空港騒音経年変化グラフ
大阪国際空港騒音経年変化グラフ

   (2) 関西国際空港
      関西国際空港に発着する航空機の航路の一部は、淡路島の上空を通過
     している。島内5地点での航空機騒音の測定結果は、すべての地点で環境基準を
     下回っている。

  4 新幹線騒音、振動
    新幹線鉄道騒音調査では、14地点で実施したうち、近接軌道中心から25mの
   地点では6地点で環境基準を達成していた。達成地点数は平成15年度と比較して、
   ダイヤ改正に伴うのぞみ増便等の影響により5地点減少しているが、住宅地域に
   対する当面の具体的な対策目標である暫定目標(75dB)は、全地点で達成している。
    振動調査では、全測定地点において指針値(70dB)を下回っている。



第3 水質汚濁の現況
   1 公共用水域
    (1) 健康項目
       人の健康の保護に関する項目については、26項目のうち、砒素、ふっ素、
     ほう素を除く23項目について、すべての測定地点で環境基準を達成している。
      砒素については1地点、ふっ素については5地点、また、ほう素については
     1地点で基準値を超過している。砒素及びふっ素については、地質による自然的
     な影響、ほう素については、海水の影響によるものである。
      なお、いずれの地点においても、利水状況からみて健康影響が生じる恐れは
     ない。

    (2) 生活環境項目
      生活環境の保全に関する項目については、生物化学的酸素要求量(BOD)(河川)
    及び化学的酸素要求量(COD)(海域及び湖沼)により環境基準の達成状況を
    みると、河川では39水域中38水域、海域では26水域中19水域で環境基準を
    達成し、湖沼1水域では、環境基準を達成していない。
     経年変化をみると、変動はあるものの、河川では長期的には改善傾向にあり、
    海域では横ばい傾向にある。

             図7 水質汚濁の推移(環境基準達成状況)
水質汚濁の推移(環境基準達成状況)

 
   2 地下水質
    (1)概況調査 
     地下水質の全体的な状況を把握する目的で、全環境基準項目調査を基本
    として実施してきた。
     姫路市では、概況調査として20地点で調査を行い、姫路市以外では定点
    調査として191地点で調査を行った。
     これらの調査の結果、新たに環境基準を超過した地点は、砒素・ふっ素で
    1地点(神戸市東灘区本山北町)、鉛で2地点(西宮市名塩東、甲子園)、
    硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で4地点(龍野市神岡町追分、加西市国正町、
    家島町真浦、御津町中島)、ふっ素で1地点(八千代町仕出原)であるが、
    既に飲用指導を行っており、健康影響が生じる恐れはない。
     なお、これらの地点は、以後、定期モニタリング調査等により、監視を継続
    していくこととしている。

   (2)定期モニタリング調査(汚染地区調査)
     過去に汚染が発見された井戸周辺地区等の継続的な監視のため、18市18町
    の122地区(1,193検体)で調査を行った。
     内訳は、鉛(9検体)、砒素(40検体)、揮発性有機塩素化合物(1,014検体)、
    硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(99検体)、ふっ素(31検体)である。
     その結果、鉛2検体、砒素14検体、揮発性有機塩素化合物82検体、
    硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素26検体、ふっ素11検体が環境基準を超過している。
     鉛、砒素及びふっ素の汚染原因は、自然由来と考えられ、揮発性有機塩素
    化合物、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による汚染については、原因究明や
    対策等を進めることとしている。



第4 公害苦情の現況
    県及び市町が新規に受理した公害苦情件数は、3,375件で、平成15年度
   (3,588件)に比べて213件減少している。このうち、典型7公害に係るものは、
   2,538件(全苦情の75.2%)で、平成15年度(2,536件)に比べて2件増加している。
    また、典型7公害以外の苦情(不法投棄、害虫等の発生、動物死骸の放置等)
   は、837件(全苦情の24.8%)で、平成15年度(1,052件)に比べて215件減少
   している。
    典型7公害について種類別に見ると、大気汚染が最も多く、次いで騒音、悪臭、
   水質汚濁の順となっている。



第5 ダイオキシン類に係る環境調査の状況
  1  大気
    県内18地点において、ダイオキシン類に係る大気環境基準をすべての地点で
   達成している。

  2  水質及び底質
    河川26地点、海域13地点及び湖沼では3地点のすべての地点でダイオキシン類
   に係る水質及び底質の環境基準を達成している

  3  地下水
    6地点すべてでダイオキシン類に係る水質環境基準を達成している。

  4  土壌
    20地点すべてでダイオキシン類に係る土壌環境基準を達成している。


第6 外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)に係る環境調査の状況

  1 大気
   6地点において、PCB、ヘキサクロロベンゼンの2物質について調査を実施し、
  両物質とも全地点において検出された。環境省調査結果と比べると、両物質とも
  低い値となっている。
物 質 名 測定結果 環境省調査結果 単位
PCB 夏季 0.043 〜 0.27 0.044 〜 2.1 ng/m3
冬季 0.028 〜 0.16
ヘキサクロロベンゼン 夏季 0.10 〜 0.16 0.013 〜 3.5 ng/m3
冬季 0.064 〜 0.13
 
                                      
  2  水質及び底質
    16河川の16地点で8物質について水質・底質調査を行った。
    水質については、PCB、ビスフェノールAの2物質が検出されたが、いずれも
   環境省調査結果の範囲内であった。ノニルフェノール等6物質については、
   すべて定量限界未満であった。
    底質については、PCB、ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等
   5物質が検出されたが、いずれも環境省調査結果の範囲内であった。
   ノニルフェノール等3物質については、すべて定量限界未満であった。
  水 質 (μg/l ) 底 質 (mg/kg-dry)
物質名 測定結果 環境省調査結果 測定結果 環境省調査結果
PCB 0.0002〜0.015 <0.000002〜0.22 0.00013 〜 0.14 <0.000005 〜 2.2
ノニルフェノール <0.1 <0.1〜21 <0.05 <0.05〜12
4−t−オクチルフェノール <0.01 <0.01〜13 <0.005 <0.005〜 0.17
ビスフェノールA <0.01〜0.15 <0.01〜19 <0.005〜0.018 <0.005 〜 0.35
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル <0.5 <0.5〜9.9 <0.025〜0.36 <0.025 〜 210
フタル酸ブチルベンジル <0.2 <0.2 <0.010〜0.047 <0.010 〜 1.4
フタル酸ジ−n−ブチル <0.5 <0.5〜16 <0.025〜0.43 <0.025 〜 2.0
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル <0.2 <0.2〜1.8 <0.010 <0.010 〜 0.066


7.
参考
環境の現況(平成16年度)について≪概要≫(PDF:285KB)
 
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