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記者発表
兵庫県における平成14年度PRTRデータの概要

記者発表資料

1.
発表項目名
兵庫県における平成14年度PRTRデータの概要
2.
発表(配布)日
平成 16年 04月05日(月)
3.
担 当
部局名 健康生活部 課 名 環境局:環境情報センター
係 名  環境情報係
外郭団体名等  
直通電話 078-362-9087 庁内内線 3333
4.
同時発表(配布)先
5.
訂正・追加資料の有無
6.
内 容

 平成11年7月に公布された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び
管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法、いわゆる
PRTR法)に基き、「PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)」が導入され、
人の健康や動植物に対し有害性のある354種類の化学物質(第1種指定化学物質)
について、事業者は毎年度、環境への排出量や廃棄物としての移動量を把握し、
届出を行うこととなっています。
 この制度に基づく2回目の届出となる平成14年度データについて、国は全国に
おける集計結果を平成16年3月29日に公表したところですが、県では、このたび
兵庫県における届出の状況、排出量・移動量の状況、および、国が推計を行った
届出対象外(対象業種からの届出対象外の排出量、非対称業種からの排出量、
家庭からの排出量、自動車など移動体からの排出量)排出量の状況をとりまとめ
ました。
 その結果は、以下のとおりでした。

1. 排出・移動量の届出状況
   平成14年度に届出対象事業者が把握した化学物質の排出量・移動量について、
  平成15年度(届出期間:平成15年4月1日〜6月30日)に、兵庫県内では
  1,542件の届出がありました。
   業種別及び地域別の届出状況は、次のとおりでした。

 (1) 業種別届出件数
    業種別の届出件数は、燃料小売業が754件と最も多く、ついで化学工業の141件
   などとなっています。

業  種 届出事業所数 業  種 届出事業所数
金属鉱業 3 武器製造業 1
原油・天然ガス鉱業   その他の製造業 25
食料品製造業 16 電気業 2
飲料・たばこ・飼料製造業 7 ガス業  
繊維工業 7 熱供給業  
衣服・その他の繊維製品製造業 3 下水道業 110
木材・木製品製造業 12 鉄道業 1
家具・装備品製造業 4 倉庫業 8
パルプ・紙・紙加工品製造業 19 石油卸売業 7
出版・印刷・同関連産業 12 鉄スクラップ卸売業  
化学工業 141 自動車卸売業 1
石油製品・石炭製品製造業 10 燃料小売業 754
プラスチック製品製造業 31 洗濯業 5
ゴム製品製造業 13 写真業
なめし革・同製品・毛皮製造業 9 自動車整備業 1
窯業・土石製品製造業 23 機械修理業 1
鉄鋼業 27 商品検査業
非鉄金属製造業 37 計量証明業 2
金属製品製造業 58 一般廃棄物処理業(ごみ処分業に限る) 62
一般機械器具製造業 27 産業廃棄物処分業 17
電気機械器具製造業 59 高等教育機関 1
輸送用機械器具製造業 21 自然科学研究所 1
精密機械器具製造業 4 合   計 1,542


 (2)地域別届出件数
    地域別の届出件数は、神戸地域が286件と最も多く、ついで中播磨地域の223件
   などとなっています。
地域区分 届出事業所数
神戸 286
阪神南 201
阪神北 147
東播磨 215
北播磨 101
中播磨 223
西播磨 138
但馬 128
丹波 68
淡路 35
合計 1,542

2. 集計結果の概要
 (1)届出排出量・移動量の集計結果
   1) 県内事業所の全物質の届出排出量・移動量
      県内事業所からのの届出の総排出量は、11,441トン、総移動量は、
    16,020トンとなっています。
      総排出量・移動量のうち、事業所外への移動量が全体の58.1%と
    最も多く、ついで大気への排出量が35.0%などとなっています。

   2)届出排出量の多い物質
     届出排出量の多い物質は、合成原料や溶剤として用いられるトルエン
    (4,497トン/年)やキシレン(1,533トン/年)、金属洗浄剤として用いら
    れる塩化メチレン(1,208トン/年)などとなっています。
     届出排出量の上位10物質は以下のとおりでした。

                 排出量上位10物質とその量


   3) 業種別の届出排出量
     届出排出量の多い業種は、化学工業の2,130トン、ついで鉄鋼業の
    1,753トンなどとなっています。
     届出排出量の上位10業種は以下のとおりでした。

                排出量上位10業種とその量


 (2)届出外排出量の集計結果
   1)兵庫県における届出外排出量
     経済産業省及び環境省が推計を行った、平成14年度の兵庫県における
    届出外排出量の推計値の合計は、21,491トンです。対象業種を営む事業者
    からの排出が50.4%、ついで移動体(自動車など)からの排出が26.7%
    を占めています。
届出外排出量の区分 トン 比率
対象業種を営む事業者 10,830 50.4%
非対象業種を営む事業者 3,041 14.2%
家庭 1,872 8.7%
移動体 5,748 26.7%
合  計 21,491 100.0%


   2)届出排出量と届出外排出量の合計の多い物質
     届出排出量と届出外排出量の合計の排出量については、溶剤・合成原料
    として用いられる他、自動車などの排ガス、接着剤・塗料などに含まれる物質
    である、トルエン(11,705トン)やキシレン(5,971トン)の排出が最も多く、
    ついで金属洗浄に用いられる塩化メチレン(1,973トン)の排出が多くなって
    います。

         届出排出量と届出外排出量の合計の上位10物質


 (3) 平成13年度データと14年度データとの比較
    成13年度データと平成14年度データを比較すると、届出事業所数では27事
   業所増加しましたが、排出量では781トン、移動量では1,362トンの減少と
   なっており、排出量及び移動量の合計では2,142トン(7.2%)の減少と
   なっています。



3 兵庫県における今後の取り組み
  化学物質は、工場や事業場の操業に伴い発生する他、自動車の使用や日常
 生活に伴う排出など、多様な発生源からさまざまな種類の物質が排出されている
 ことから、化学物質による環境リスクを低減するためには、県民・事業者の幅広い
 参画と協働により取り組みを進めることが必要です。
  このことから、兵庫県ではPRTR制度を活用した次のような化学物質対策進める
 こととしています。
 (1) 化学物質管理指針に基く事業者の適正な化学物質管理の促進等のための
   事業者説明会等の開催
 (2) 化学物質に関する県民の理解促進のための県民講座の開催
 (3)ホームページ等を利用した、わかりやすいPRTRデータの提供
 (4)環境モニタリングの実施

7.
参考
 


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