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記者発表
環境の現況(平成14年度)について

記者発表資料

1.
発表項目名
環境の現況(平成14年度)について
2.
発表(配布)日
平成 15年 07月24日(木)
3.
担 当
部局名 健康生活部 課 名 環境局:環境情報センター
係 名  環境情報係
外郭団体名等  
直通電話 078-362-3276 庁内内線 3334
4.
同時発表(配布)先
5.
訂正・追加資料の有無
6.
内 容
       環境の現況(平成14年度)について≪概要≫

第1 一般環境大気汚染の現況
  1 二酸化硫黄(SO
   全測定局(58局)で環境基準を達成している(平成13年度は
  三宅島噴火の影響により(1)短期的評価で57局中13局が未達成)。
  濃度の経年変化をみると、近年低濃度で推移している。(図1)

  2 二酸化窒素(NO
   全測定局(58局)で環境基準を達成している(平成13年度は
  59局全測定局で達成)。濃度の経年変化をみると、平成9年以降
  減少傾向にある。(図1)

  3 浮遊粒子状物質(SPM)
   全測定局(59局)のうち、(2)長期的評価では、日平均値の年間
  2%除外値について、全測定局で環境基準値(0.10mg/m3)を達成
  しているが、日平均値が2日連続で環境基準値(0.10mg/m3)を超過
  した局が24局となっている。なお、この日は黄砂が観測されている。
  一方、短期的評価では、全測定局で環境基準を超過しているが、
  濃度の経年変化をみると、平成元年度以降減少傾向にある。(図1)

 (1)短期的評価・・・時間値又は日平均値の評価    
 (2)長期的評価・・・1年を通じた評価

             図1 一般環境大気汚染の推移



  4 有害大気汚染物質
    県内8地点において19種類の物質について測定した。
    環境基準が定められている4種類の物質(ベンゼン、トリクロロ
   エチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン)については、
   年平均値で評価すると、すべての地点で環境基準を達成している。

  5 光化学スモッグ
    光化学スモッグ広報等の発令は、予報14回、注意報8回であり、
  平成13年度(予報0回、注意報5回)に比べて増加した。また、平成11年
  以来3年ぶりに光化学スモッグによるものと思われる被害が発生したが、
  いずれも軽症であった。(図2)


             図2 光化学スモッグ広報等発令回数    




  6 酸性雨
    県内の3地点(神戸、豊岡、柏原)における雨水のpH値の年平均値は
   4.5〜4.6(平成13年度は4.4〜4.8)の範囲であった。pH値の経年変化を
   みると、平成2年度以降、多少の変動はあるものの、各地点とも、ほぼ
   横ばいの状況にある。(図3)

          図3 酸性雨自動測定機によるpH監視測定結果



第2 自動車公害及び航空機公害の現況
  1 自動車排出ガス
   (1) 二酸化窒素は、全測定局(28局)のうち24局で環境基準を達成して
     いる。濃度の経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの状況にある。(図4)
   (2) 一酸化炭素は、全測定局(25局)で環境基準を達成している。濃度の
     経年変化をみると、減少傾向にある。(図4)
   (3) 浮遊粒子状物質
      全測定局(19局)のうち、長期的評価では、日平均値の年間2%除外値
     について、17局で環境基準値(0.10 mg/m3)を達成しているが、黄砂及び
     気象の影響により日平均値が2日連続で環境基準値(0.10 mg/m3)を超過
     した局が12局となっている。一方、短期的評価では、全測定局で環境基準
     を超過しているが、濃度の経年変化をみると、減少傾向にある。(図4)
 

             図4 自動車排出ガスによる大気汚染の推移



  2 自動車の騒音と振動
   (1) 騒音は、76測定地点のうち、40測定地点では全時間帯(昼、夜)で
     環境基準を達成しているが、32地点では全時間帯(昼、夜)で、また、
     4地点では一部の時間帯で環境基準を超過している。
   (2) 振動は、測定地点30地点すべてにおいて、全時間帯(昼、夜)で
     要請限度を下回っている。

  3 航空機騒音
   (1) 大阪国際空港
      前年度と同様に、固定測定局12局中8局で環境基準を達成している。
      関西国際空港の開港により、騒音の高い国際線の移転及び飛行機
     便数の減少等で大きく改善されたが、その後は横ばいで推移している。(図5)




   (2) 関西国際空港
      関西国際空港に発着する航空機の航路の一部は、淡路島の
     上空を通過している。島内5地点での航空機騒音の測定結果では
     すべての地点で環境基準を下回っている。

  4 新幹線公害
    新幹線鉄道騒音調査では、14地点で実施したうち、近接軌道中心から
   25mの地点では8地点で環境基準を達成していた。暫定目標(75dB)は、
   全地点で達成している。
    振動調査では、全地点において指針値(70dB)を下回った。


第3 水質汚濁の現況
   1 公共用水域
    (1) 健康項目
       人の健康の保護に関する項目については、26項目のうち、ふっ素を
      除く25項目について、全ての測定地点で環境基準を達成している。
       ふっ素については、地質による自然的な影響により4地点で環境
      基準を超過している。
    (2) 生活環境項目
       生活環境の保全に関する項目については、有機汚濁の代表的指標
      である生物化学的酸素要求量(BOD)(河川)及び化学的酸素要求量
      (COD)(海域及び湖沼)により環境基準の達成状況をみると、河川では
      39水域中36水域、海域では26水域中19水域で環境基準を達成し、
      湖沼1水域では、環境基準を達成している。
       測定検体の環境基準適合率は、平成13年度より河川で2.9ポイント、
      湖沼で12.5ポイント増加し、海域では同率となっている。
       経年変化をみると、変動はあるものの、河川では長期的には良化
      傾向にあり、海域では横ばい傾向にある。湖沼では変動はあるものの
      長期的にはほぼ横ばいである。
  

   2 地下水質
    (1)概況調査等 
     @概況調査
       姫路市域の全体的な地下水質の状況を把握するため、同市では、
      20地点で調査を行った。
       このうち、新たに環境基準を超過した地点は、硝酸性窒素及び
      亜硝酸性窒素で1地点であり、この地点は、平成15年度から定期
      モニタリング調査により、汚染の推移を把握することとしている。
     A定点調査
       本調査は、測定点を固定して継続的なモニタリングとして定期的に
      実施するものであり、県内194地点で調査を行った。
       このうち、新たに環境基準を超過した地点は、砒素、ふっ素で1地点、
      硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で3地点、ふっ素で1地点である。
       これらの地点は、平成15年度から定期モニタリング調査により、
      汚染の推移を把握することとしている。

   (2)定期モニタリング調査(汚染地区調査)
     過去に汚染が発見された井戸周辺地区等の継続的な監視のため、
    17市17町の101地区(1,149検体)で調査を行った。
     内訳は、鉛(13検体)、砒素(40検体)、揮発性有機塩素化合物(991検体)、
    硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(81検体)、ふっ素(24検体)である。
     その結果、鉛2検体、砒素16検体、揮発性有機塩素化合物75検体、
    硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素25検体、ふっ素8検体が環境基準を超過
    している。
     鉛、砒素及びふっ素の汚染原因は、自然由来と考えられ、揮発性有機
    塩素化合物による汚染については、原因者に対し浄化対策指導等を行って
    いる。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素については、人為的なものと考えら
    れるが、関係機関と協議し、原因の究明を図ることとしている。


第4 公害苦情の現況
    県及び市町が新規に受理した公害苦情件数は、3,676件で、平成13年度
   (3,768件)に比べて92件減少している。このうち、典型7公害に係るものは、
   2,702件(全苦情の73.5%)で、平成13年度(2,884件)に比べて182件減少
   している。
    また、典型7公害以外の苦情(不法投棄、害虫等の発生、動物死骸の
   放置等)は、 974件(全苦情の26.5%)で、平成13年度(884件)に比べて
   90件増加している。
    典型7公害について種類別に見ると、大気汚染が最も多く、次いで騒音、
   水質汚濁、悪臭の順となっている。


第5 ダイオキシン類に係る環境調査の状況
  1  大気
     県内20地点において年4回測定をした。地点別年平均値で見ると、
    その濃度範囲は 0.025〜0.12(全平均値0.058) pg-TEQ /m で、
    ダイオキシン類に係る大気環境基準(年平均 0.6 pg-TEQ /m)を
    すべての地点で下回っている。

  2  水質及び底質
   (1) 水質
     河川(26地点)では0.065〜0.94pg-TEQ/L、湖沼(3地点)では0.065〜
    0.14pg-TEQ/L、海域(13地点)では0.066〜0.088pg-TEQ/Lである。すべて
    の地点で、ダイオキシン類に係る水質環境基準(年平均1pg-TEQ/L)を
    満たしている。
   (2) 底質
     河川(26地点)では0.066〜89pg-TEQ/g、湖沼(3地点)では
    10〜25pg-TEQ/g、海域(13地点)では0.080〜25pg-TEQ/gである。
    すべての地点で、ダイオキシン類に係る底質環境基準(150pg-TEQ/g)を
    満たしている。 

  3  地下水
    濃度範囲は、0.039〜0.052pg-TEQ/Lで、10地点すべてでダイオキシン類に
   係る水質環境基準(年平均1pg-TEQ/L)を満たしている。

  4  土壌
    濃度範囲は、0.0074〜5.8pg-TEQ/gで、24地点すべてでダイオキシン類に
   係る土壌環境基準(1,000pg-TEQ/g)を満たしている。


第6 外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)に係る環境調査の状況

  1 大気
    9地点において、PCB(夏季・冬季)、ペンタクロロフェノール、
   スチレンモノマーの3物質について調査し、全地点において3物質が検出
   された。環境省の全国調査結果と比べると、PCBはやや高い地点も
   見られたが、他の物質は概ね範囲内である。
                                       (ng/m3)
物 質 名 測定結果 環境省調査結果 単位
PCB 夏季 0.090 〜 6.5 0.011 〜 2.1 ng/m3
冬季 0.033 〜 1.2
ペンタクロロフェノール 0.019 〜 0.080 測定実績なし
スチレンモノマー 0.47 〜 1.5 0.039 〜 32 μg/m3

  2  水質及び底質
    14河川の17地点で水質・底質調査を行った。調査対象物質は、PCB、
   トリブチルスズ、トリフェニルスズ、4−t−オクチルフェノール、ノニルフェノール、
   ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、
   フタル酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルの10物質。
  (1) 水質
    フタル酸ブチルベンジル等3物質については、全地点において定量限界
   未満(ND)であり、PCB等5物質については環境省調査結果の範囲内である。
  (2) 底質
    4−t−オクチルフェノール等4物質については、全地点において定量限界
   未満(ND)であり、PCB等6物質については環境省調査結果の範囲内である。

水 質 (μg/l ) 底 質 (mg/kg-dry)
物質名 測定結果 環境省調査結果 測定結果 環境省調査結果
PCB 0.00058〜0.018 ND〜0.22 0.00018 〜 0.68 ND 〜 2.2
トリブチルスズ <0.0005 〜 0.0012 <0.0005 〜 0.30
トリフェニルスズ <0.0005 <0.0005〜0.016
4−t−オクチルフェノール <0.01〜0.05 <0.01〜0.85 <0.005 <0.005〜 0.17
ノニルフェノール <0.1〜0.2 <0.1〜7.1 <0.05 <0.05〜12
ビスフェノールA <0.01〜0.2 <0.01〜1.8 <0.005〜0.44 <0.005 〜 0.60
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル <0.5〜0.97 <0.5〜9.9 0.17〜8 <0.025 〜 210
フタル酸ブチルベンジル <0.2 <0.2 <0.010 <0.010 〜 1.4
フタル酸ジ−n−ブチル <0.5 <0.5〜2.3 <0.048〜0.68 <0.025 〜 2.0
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル <0.01 <0.01〜1.8 <0.010〜0.091 <0.010 〜 0.10

7.
参考
 
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