第1 |
一般環境大気汚染の現況 |
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1 |
二酸化硫黄(SO2) |
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全測定局(57局)のうち環境基準の長期的評価では、前年度と同様、
全測定局で環境基準を達成している。短期的評価では、三宅島噴火
の影響で13局において3日間1時間ないし2時間程度基準値を超えたと
きがある(平成12年度は8局で超過)。
濃度の経年変化をみると、近年低濃度で推移している。 |
2 |
二酸化窒素(NO2 ) |
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前年度と同様、全測定局(59局)で環境基準を達成している。
濃度の経年変化をみると、近年横ばいの状況にある。 |
3 |
浮遊粒子状物質(SPM) |
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全測定局(59局)のうち長期的評価では49局が環境基準を達成して
いる(平成12年度は全測定局で達成)。短期的評価では、2局のみ
の達成(平成12年度は60局中38局で達成)にとどまっている。
平成13年度は、黄砂の影響が著しい日及び著しい逆転層が出現した
日があるなど気象の影響により環境基準を達成した測定局が減少し
たが、濃度の経年変化をみると、平成元年以降減少傾向にある。 |
4 |
有害大気汚染物質 |
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県下8地点において19種類の物質について測定した。
環境基準が定められている4種類の物質については、年平均値で評
価すると、前年度と同様、すべての地点で環境基準を達成している。 |
5 |
光化学スモッグ |
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光化学スモッグ広報等の発令は、予報0回、注意報5回(平成12年
度は、予報8回、注意報17回)である。 |
6 |
酸性雨 |
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県下3地点(神戸、豊岡、柏原)における雨水のpHの年平均値は4.4
〜4.8(平成12年度は4.5)の範囲であった。pH値の経年変化をみる
と、平成2年度以降、多少の変動はあるものの、ほぼ横ばいの状況
にある。 |
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第2 |
自動車公害及び航空機公害等の現況 |
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1 |
自動車排出ガス |
(1) |
二酸化窒素は、全測定局(28局)のうち24局で環境基準を達
成している。
濃度の経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの状況にある。 |
(2) |
一酸化炭素は、全測定局(24局)で環境基準を達成している。
その濃度の経年変化をみると、減少傾向にある。
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(3) |
浮遊粒子状物質は、全測定局(18局)のうち環境基準の長期
的評価では、8局が環境基準を達成している(平成12年度は14局達
成)。短期的評価では、全局未達成である(平成12年度は3局達成)。
平成13年度は、黄砂の影響が著しい日及び著しい逆転層が出現した
日があるなど気象の影響により環境基準を達成した測定局が減少し
たが、濃度の経年変化をみると、減少傾向にある。 |
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長期的評価・・・1年を通じた評価 短期的評価・・・時間値または日平均値の評価 |
2 |
自動車の騒音と振動 |
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県が測定した幹線道路(40道路)沿道の騒音及び振動の測定結果は
次のとおりである。 |
(1) |
騒音は、77測定地点のうち35地点で全時間帯(昼、夜)で環
境基準を達成しているが、30地点で全時間帯(昼、夜)で環境基準
を超過し、12地点で一部の時間帯で環境基準を超過している。
なお、環境基準の達成状況は、近年横ばいで推移している。 |
(2) |
振動は、測定地点30地点すべてで、全時間帯(昼、夜)につ
いて要請限度を下回っている。 |
3 |
航空機騒音 |
(1) |
大阪国際空港 |
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前年度と同様、固定測定局12局中8局で環境基準を達成している。大
阪国際空港周辺の 航空機騒音は、関西国際空港の開港により、騒音
の高い国際線の移転及び飛行機便数の 減少等で大きく改善されたが、
その後は横ばいで推移している。 |
(2) |
関西国際空港 |
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関西国際空港に発着する航空機の一部は、淡路島の上空を通過して
おり、航空機騒音 は環境基準の70WECPNLと比較して15WE
CPNL以上低くなっている。 |
4 |
新幹線公害 |
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新幹線鉄道騒音調査では、14地点で実施したうち、近接軌道中心から
25mの地点でT類型では12地点中4地点、U類型では2地点すべてで環
境基準を達成していた。暫定目標(75dB)では、14地点中13地点で達
成している。
なお、環境基準の達成状況は、近年横ばいで推移している。
振動調査では、近接軌道中心から12.5mの地点において指針値(70dB)
を超えた地点はなかった。 |
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第3 |
水質汚濁の現況 |
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1 |
公共用水域 |
(1) |
健康項目 |
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人の健康の保護に関する項目については、26項目のうち砒素、ふっ素
及びほう素を除く23項目について、全ての測定地点で環境基準を達成
している。
砒素については、1地点で環境基準を超過、ふっ素については、5地点
で環境基準を超過しているが、それぞれ湧水の影響、地質による自然
由来の影響である。
また、ほう素については、1地点で環境基準を超過しているが、感
潮域のため、海水の影響を受けたことによるものである。 |
(2) |
生活環境項目 |
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生活環境の保全に関する項目については、有機汚濁の代表的指標で
ある生物化学的酸素要求量(BOD)(河川)及び化学的酸素要求量(COD)
(海域及び湖沼)により環境基準の達成状況をみると、河川では39水
域中34水域、海域では26水域中18水域で環境基準を達成している。
湖沼1水域では、環境基準を達成していない。
測定検体の環境基準適合率は、平成12年度より河川で4.9ポイント、湖
沼で4.2ポイント増加し、海域で2.0ポイント減少している。
経年変化をみると、変動はあるものの、河川では長期的には良化傾
向にあり、海域では横ばい傾向にある。湖沼では変動はあるものの
長期的にはほぼ横ばいである。 |
2 |
地下水質 |
(1) |
概況調査等 |
ア |
概況調査 |
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姫路市域の全体的な地下水質の状況を把握するため、同市では、
20地点の調査を行った。
このうち、新たに環境基準を超過した地点は、硝酸性窒素及び亜
硝酸性窒素で1地点であり、この地点は14年度から定期モニタリン
グ調査により、汚染の推移を把握することとしている。
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イ |
定点調査 |
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本調査は、測定点を固定して継続的なモニタリングとして定期的
に実施するものであり、県内194地点で調査を行った。
このうち、新たに環境基準を超過した地点は、鉛で1地点、硝酸
性窒素及び亜硝酸性窒素で3地点である。
これらの地点は14年度から定期モニタリング調査により、汚染の
推移を把握することとしている。
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(2) |
定期モニタリング調査(汚染地区調査) |
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過去に汚染が発見された井戸周辺地区等の継続的な監視のため、17
市17町の78地区(241地点)で調査を行った。
内訳は、鉛2地区(4地点)、砒素14地区(41地点)、揮発性有機塩素化
合物34地区(128地点)、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素17地区(52地点)、
ふっ素11地区(20地点)である。
その結果、鉛1地区(1地点)、砒素6地区(14地点)、揮発性有機塩素化
合物22地区(34地点)、硝酸性窒素・亜硝酸性窒素12地区(16地点)、
ふっ素6地区(7地点)で環境基準を超過している。
鉛、砒素及びふっ素については自然由来と考えられ、揮発性有機塩素
化合物については、原因者に対し浄化対策指導等を行っている。硝酸
性窒素及び亜硝酸性窒素については、人為的なものと考えられるが、
関係機関と協議しながら原因究明を図ることとしている。 |
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第4 |
公害苦情の現況 |
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県及び市町が新規に受理した苦情件数は 3,768件で、平成12年度
(3,603件)に比べて165件増加している。このうち、典型7公害に係
るものは 2,884件(76.5%)で、平成12年度(2,912件、80.8%)に比
べて28件減少している。
また、典型7公害以外の苦情(不法投棄、害虫等の発生、動物死骸
の放置等)は884件(23.5%)である(平成12年度は691件、19.2%)。
典型7公害について種類別に見ると、前年度と同様、大気汚染が最
も多く、次いで騒音、悪臭、水質汚濁の順となっている。
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第5 |
ダイオキシン類に係る環境調査の状況 |
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1 |
大気 |
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年4回の20地点別年平均値で見ると、その範囲は
0.039〜0.39(全平
均値0.11pg-TEQ /m3 )で、ダイオキシン類に係る大気環境基準
(年平均 0.6 pg-TEQ /m3)をすべての地点で満たしている。
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2 |
水質・底質 |
(1) |
水質 |
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河川(36地点)では0.066〜0.87pg-TEQ/L、湖沼(3地点)では0.067〜
0.082pg-TEQ/L、海域(13地点)では0.065〜0.11pg-TEQ/Lである。すべ
ての地点で、ダイオキシン類に係る水質環境基準(年平均1pg-TEQ/L)
を満たしている。 |
(2) |
底質 |
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河川(26地点)では0.066〜130pg-TEQ/g、湖沼(3地点)では3.4〜16
pg-TEQ/g、海域(13地点)では0.19〜29pg-TEQ/gである。すべての
地点で、ダイオキシン類に係る底質環境基準(ただし、平成14年9月1
日から適用:150pg-TEQ/g)を満たしている。 |
3 |
地下水 |
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濃度範囲は、0.039〜0.050pg-TEQ/Lで、10地点すべてでダイオキシン
類に係る水質環境基準を満たしている。 |
4 |
土壌 |
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濃度範囲は、0.0030〜1.7pg-TEQ/gで、24地点すべてでダイオキシン
類に係る土壌環境基準(1,000pg-TEQ/g)を満たしている。 |
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第6 |
外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)に係る環境調査の状況 |
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1 |
大気 |
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26地点において、PCB,ヘキサクロロベンゼン、クロルデンの3物質に
ついて調査し、全地点で3物質が検出された。環境省の調査結果と比べる
と、PCBはやや高い地点も見られたが、他の物質はすべて範囲内である。 |
2 |
水質・底質 |
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13河川の19地点で水質・底質調査を行った。調査対象物質は、PCB、
トリブチルスズ、トリフェニルスズ、4−t−オクチルフェノール、ノ
ニルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、
フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ−
2−エチルヘキシルの10物質。 |
(1) |
水質 |
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トリブチルスズ等7物質については、全地点において定量限界未満
(ND)であり、PCBは 0.00013〜0.034μg/l、ビスフェノール
Aは <0.01〜0.01μg/l、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルは
<0.5〜
0.9μg/lの濃度範囲であり、いずれも環境省調査結果の範囲内である。 |
(2) |
底質 |
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トリフェニルスズについては、全地点において定量限界未満(ND)
であり、4−t−オクチルフェノール、ビスフェノールAについては、
環境省調査結果と比べるとやや高い地点も見られたがPCB等7物質
については環境省調査結果の範囲内である。
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