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記者発表
平成14年度の光化学スモッグ広報等発令状況について

記者発表資料

1.
発表項目名
平成14年度の光化学スモッグ広報等発令状況について
2.
発表(配布)日
平成 14年 11月 14日(木)
3.
担 当
部局名 県民生活部 課 名 環境局:環境情報センター
係 名  環境情報係
外郭団体名等  
直通電話 078-362-3276 庁内内線 3334
4.
同時発表(配布)先
5.
訂正・追加資料の有無
6.
内 容
「平成14年度の光化学スモッグ広報等発令状況について」

 兵庫県及び関係市町では、毎年、光化学スモッグ発生のおそれのある5月1日
から10月31日を特別監視期間として、「光化学スモッグ緊急時対策実施要領」
に基づき緊急時対策を実施しているところである。
 その主な内容は以下のとおりである。

 (1) オキシダント濃度の1時間値が0.12ppm以上となり、気象条件等から以後の
  時間にも継続すると認められるとき、光化学スモッグ注意報を発令し、県民
  に周知するとともに、主要工場等へ窒素酸化物排出量の削減を要請している。

 (2) 注意報発令前の予防措置として、オキシダント濃度の1時間値が注意報発
  令基準に達するおそれのあるとき、光化学スモッグ予報を通報し、注意報発
  令時と同様の措置を実施している。

 なお、本年度においては、4月の気温が平年をかなり上回ったこともあり、暫
定的に特別監視期間を前倒しし、4月22日から関係市町と協力して光化学スモ
ッグ特別監視期間と同様の監視体制を実施した。

平成14年度の状況
1 光化学スモッグ広報等の発令回数
平成14年度の光化学スモッグ広報等の発令回数は、予報14回、注意報8
回となっており、昨年度(予報0回、注意報5回)と比較して、大幅に増加した。
  また、本年度の最初の発令は、5月14日となっており、昭和59年(5月
11日)以来18年ぶりに5月中旬の早い時期での発令であった。
  なお、幸いにも暫定特別監視期間中には、オキシダント濃度が発令基準に達
することはなかった。
  また、本年度は、平成11年以来3年ぶりに光化学スモッグによるものと思
われる被害の発生があった。


  光化学スモッグ広報等発令回数の推移(過去5年間)

年度 予  報 注 意 報 被害の届出者数
回 数 地域数 回 数 地域数
平成10年度 10
平成11年度 13 13 209
平成12年度 15 17 61
平成13年度 19
平成14年度 14 44 23 38


               光化学スモッグ広報等発令回数の推移
 
2 光化学スモッグによると思われる被害の発生状況及び措置の状況
  
 本年度は、平成11年度以来3年ぶりに光化学スモッグによると思われる被
害の発生があった。

 (1) 被害発生状況
発生場所 神戸市立西神中学校
神戸市西区竹の台5丁目21 
姫路市立琴陵中学校
姫路市山畑新田525
被害発生日時 7月24日午後3時40分頃 7月24日午後3時30分頃
被害の届出者数 31 名 7 名
被害の状況 運動場でクラブ活動中の生徒
179名中31名がのどの痛み、
ふらつき等を訴え症状の重い
6名が医院で治療を受けたが
全員回復し18時40分頃帰宅し
た。
運動場でクラブ活動中の生
徒63名中7名がせき込む、
倦怠感等を訴え全員が病院
で治療を受けたが、回復し
18時頃帰宅した。
被害発生時の光化学スモッグ
広報等発令状況
神戸市垂水地域
13:45〜18:45 注意報発令
姫路地域
13:45〜14:45 予報発令
14:45〜18:45 注意報発令
被害発生場所最寄りの測定局
のオキシダント濃度
神戸市西神測定局
0.148ppm (15:30)
0.152ppm (16:30)
姫路市八代測定局
0.136ppm (15:30)
0.128ppm (16:30)

 (2) 被害発生後の措置
被害の発生がいずれも学校におけるクラブ活動中であったことから、
関係市町に対して、光化学広報等の発令時の学校等への周知徹底を
依頼し、さらなる被害発生の未然防止を徹底した。

3 光化学スモッグ特別監視期間中(5〜10月)の気象概況

(1) 期間を通じての特徴
 本年度の光化学スモッグの特徴は、光化学スモッグ広報発令日数が
14日と最近では平成12年度の18日に次ぎ多かった。
 オキシダント濃度0.120ppm以上の延べ発現日数は昨年と同じであったが、
0.100ppm以上の延べ発現日数をみると、今年は猛暑といわれた平成6年度
や平成12年度に次いで多かった。


                 オキシダント高濃度延べ発現日数

 気温は高低の差が激しく、特に、5、6、8月にその傾向がみられ、日
最高気温の旬平均値では平年を下回ることもあったが、期間を通じて、
各月とも月平均値では平年を上回った。
 降水量は各月とも平年を下回り、特に梅雨期間の6月に平年を大幅に
下回る少雨となった。
 また、今年は台風が日本付近へ接近(12個)することが多かったが、太
平洋高気圧の勢力が強かったため、台風はその殆どが太平洋高気圧の
縁辺に沿って進むことが多く、近畿地方には直接の影響はなく、兵庫県
南部には南よりの暖かい湿った空気が流れ込み、所々でにわか雨があっ
た程度で、本格的な降水はなかった。
 ただ、台風の接近などにより南よりの風が数日間吹き続け、気温の上昇
はあったが、大気汚染物質の拡散もなされ、オキシダント濃度の低い日が
継続した日もあった。


      平成14年5月〜10月の日最高気温と日照時間の平年偏差

(2)被害の発生した平成14年7月24日の気象状況とオキシダント濃度
 この日は、強い台風第9号が日本の南海上を西に進んでおり、近畿地方は
太平洋高気圧に覆われ晴れていたが、台風第9号を取り巻く暖かく湿った空
気が、日本海方面から回り込んで、兵庫県南部方面に流れ込んできた。
 この影響で、山岳越えフェ−ン現象が発生し、神戸の気温は急速に上昇し、
日最高気温は平年を6.4℃も上回る37.7℃に達した。
 このため、オキシダント濃度が上昇し、12時に神戸市で0.100ppmを超え、
13時には神戸市(兵庫南部、西神)、稲美町で0.120ppmを超え、播磨方面
でも0.100ppmを超えるところが多くなった。
 14時になると神戸市西部〜播磨方面のほぼ全域で0.120ppmを超え、17時
に加古川市で0.155ppmに達した。この0.120ppm以上の高濃度は、神戸市(西
神)、稲美町で6時間、加古川市で5時間と遅い時間まで継続した。
 なお、この日神戸市と姫路市で光化学スモッグによると思われる被害があった。
 阪神地域の一部の測定局でも0.100ppmを超えたところもあったが、主に神戸
市西部から播磨地域にかけて、広域に高濃度が発現した。
 原因としては気温が高かったこともあるが、風とオキシダント濃度の関係につ
いてみてみると、この日は、大阪湾方面から大阪を経由し、阪神地域を通って
入ってくる海風(東風)が、神戸市西部まで入り込み、播磨灘方面からの海風
(西風)とぶつかり、神戸市西部付近で、海風前線が形成された。
 神戸市西部付近ではこの状態が18時過ぎまで続いたため、海風前線付近の
神戸市(西部)や稲美町では遅くまで高濃度が継続したものと思われる。
  
 
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