ホーム > 兵庫の環境 > 静かなまちに

兵庫の環境
静かなまちに

 騒音や振動は、人の耳や体で直接感じるものであることから、感覚的な公害とも呼ばれています。特に、騒音は公害の苦情件数の約19%を占めています。
 騒音は、私たちの睡眠を妨げたり、会話を妨害するなど、生活環境をそこないます。また、振動は建物などに物的被害を及ぼすこともあります。
 その発生源は、大別すると建築・土木工事、製造事務所、交通機関などですが、最近では、商店・飲食店の営業や家庭生活に伴う近隣騒音が問題となってきています。

騒音に係る環境基準
騒音に係る環境基準


ひとくちメモ
■幹線交通を担う道路に近接する空間

  (「騒音に係る環境基準の類型を当てはめる地域の指定に係る法定受託事務の処理
  基準について(平成13年1月5日 環大企第3号)」より抜粋)

4 「幹線交通を担う道路」とあるのは、次に掲げる道路をいうものとする。
 (1) 道路法(昭和27年法律第180号)第3条に規定する高速自動車国道、一般国道、
   都道府県道及び市町村道(市町村道にあっては4車線以上の区間に限る。)。
 (2) 前項に掲げる道路を除くほか、一般自動車道であって都市計画法施行規則(昭和
   44年建設省令第49号)第7条第1項第1号に定める自動車専用道路

5 「幹線交通を担う道路に近接する空間」とは、次の車線数の区分に応じ、道路端からの距離によりその範囲を特定するものとする。
 (1) 2車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路
   15メートル
 (2) 2車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路
   20メートル


新幹線鉄道・航空機騒音に係る環境基準
新幹線鉄道・航空機騒音に係る環境基準



平成16年度騒音苦情件数 平成16年度振動苦情件数
平成16年度騒音苦情件数 平成16年度振動苦情件数



騒音の大きさの例
120dB 飛行機エンジン近く
110dB 自動車の警笛(前方2m)、リベット打ち
100dB 電車が通る時のガード下
90dB 大声による独唱、騒々しい工場の中
80dB 地下鉄の車内、電車の車内
70dB 電話のベル、騒々しい事務所の中、騒々しい街頭
60dB 静かな乗用車、普通の会話
50dB 静かな事務所
40dB 市内の深夜、図書館、静かな住宅地の昼
30dB 郊外の深夜、ささやき声
20dB 木の葉のふれ合う音、置き時計の秒針の音(前方1m)

振動による影響
振動による影響


騒音・振動の防止のために

●工場などの騒音・振動
 工場などから発生する騒音・振動による被害を防止し、快適な生活環境を守るため、「騒音規制法」、「振動規制法」および「環境の保全と創造に関する条例」により、騒音や振動の大きさを一定の基準以下とするよう規制をしています。苦情などがあると、市町は、騒音を測定し、工場に対し、防音装置や防振装置の設置などを指導しています。

●建設作業による騒音・振動
 建設作業のうち別に定めるもの(特定建設作業)については、法律や条例により、事前に市町へ届け出をさせ、作業時間の調整や、騒音・振動を発生させないための技術指導を行っています。また、新しい工法や機械の採用による低騒音化などを進めています。
規制のしくみ
規制のしくみ

ひとくちメモ
■騒音規制法の特定建設作業
 1.くい打機、くい抜機又はくい打くい抜機を使用する作業
 2.びょう打機を使用する作業
 3.さく岩機を使用する作業
 4.空気圧縮機を使用する作業
 5.コンクリートプラント又はアスファルトプラントを設けて行う作業
 6.バックホウを使用する作業
 7.トラクターショベルを使用する作業
 8.ブルドーザーを使用する作業
■振動規制法の特定建設作業
 1.くい打機、くい抜機又はくい打くい抜機を使用する作業
 2.鋼球を使用して建築物その他工作物を破壊する作業
 3.舗装版破砕機を使用する作業
 4.ブレーカーを使用する作業

ひとくちメモ
■WECPNL
 加重等価平均感覚騒音レベル(Weighted Equivalent Continuous Perceived Noise Level)の略で、ある場所における、1日あたりの航空機騒音の大きさを表す単位です。まず、1日に飛来するすべての飛行機の騒音値を平均して、さらに機数を考慮します。同じ大きさの騒音でも昼と夜とでは夜の方がうるさく感じるので、夕方に飛来した機数を3倍、夜に飛来した機数を10倍にして計算します。
 WECPNLは、1969年に国際民間航空機関(ICAO)で定められたものです。

●自動車による騒音・振動
 自動車騒音については、ほぼ半分の地点で全時間帯環境基準が達成されています。
 特に、国道43号・阪神高速神戸線沿道については、国、県、関係市等で構成する「国道43号・阪神高速神戸線環境対策連絡会議」において具体的な対策の検討を行い、国道43号の片側3車線化、低騒音舗装の敷設、遮音壁の設置等の道路構造対策を実施し、平成10年4月に概ね完了しました。また、同年4月から大型車等の夜間通行帯規制を実施しています。この結果、かなりの騒音低減効果が見られました。今後は、自動車走行量を抑制するための各種対策の具体化に向けた検討を進めることとしています。
 なお、国道43号以外の騒音の深刻な地域についても、現在、国、県、市等の関係機関により対策の検討を進め、順次実施されています。
 振動については、要請限度を超える地点はありません。

ひとくちメモ
■要請限度
 道路交通騒音および振動が法律で定める限度を超えて、道路周辺の生活環境が著しくそこなわれると認めるときには、市町長は、都道府県公安委員会に対し、速度規制など、道路交通法の規定による措置をとるよう要請することになっています。また、道路管理者に対しては、道路構造の改善などについて意見を述べることとなっています。

●航空機騒音
 大阪国際空港は、人家の密集地域にあるため、航空機から発生する音が周辺に与える影響は大きなものがあります。
 そのため、騒音の低い航空機の導入などの発生源対策、住宅や学校などの防音工事、住宅の移転、緑地帯の整備などの周辺対策が進められています。
 騒音の経年変化では、関西国際空港の開港により、大きな改善がみられましたが、国土交通省は平成15年の調査で再び騒音値の増加がみられたとして、平成17年4月から、高騒音機材の就航禁止、ジェット枠の見直し等が行われました。

大阪国際空港騒音経年変化グラフ
大阪国際空港騒音経年変化グラフ

●近隣騒音
住宅の過密化、生活様式の多様化などから、ペットの鳴き声、隣人の話し声、ふろ・トイレ等の給排水音やピアノの音による身近な生活騒音が最近、問題となっています。
 カラオケ騒音や商業宣伝の騒音は、条例で規制しています。一般家庭から発生する生活騒音は、発生源が多種多様で、また近隣の人間関係など複雑な要因もあり、一律的な対策が困難であるので、一人ひとりが近隣に迷惑をかけないという心がけが大切です。

  詳しくは・・・「環境データ : 騒音・振動