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兵庫の環境
きれいな川や海を

 水は生命の源です。水は、私たち人間はもとより、地球上の生きものにとって欠くことができない大切なものです。
 しかし、一度汚染されると、毎日の暮らしに大きな支障をきたすだけでなく、農業、水産業、工業などの産業活動にも被害を与え、飲料水、食物などを通じて健康にも影響を及ぼすことになります。そして、散策や水浴などのレクリエーションや憩いの場である川や湖、海岸などを不快なものにします。
 そのため、県においては各種の水質保全施策を展開しています。従来からの産業排水対策、生活排水対策に加えて、平成14年には「ひょうごの森・川・海再生プラン」を策定し、失われた自然、健全な水循環、人と自然のつながりの再生・回復をめざして、森・川・海を一体とした環境保全、環境再生に取り組んでいます。
 また、最近はこのほかにも有害な化学物質による土壌や地下水の汚染などの問題が起こっており、その汚染の実態も調査しています。

水質汚濁に係る環境基準
@人の健康の保護に関する環境基準
項 目 カドミウム 全シアン 六価クロム ひ素
基準値 0.01mg/L以下 検出されないこと 0.01mg/L以下 0.05mg/L以下 0.01mg/L以下
項 目 総水銀 アルキル水銀 PCB ジクロロメタン 四塩化炭素
基準値 0.0005mg/L以下 検出されないこと 検出されないこと 0.02mg/L以下 0.002mg/L以下
項 目 1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエチレン シス-1,2-ジクロロエチレン 1,1,1−トリクロロエタン 1,1,2-トリクロロエタン
基準値 0.004mg/L以下 0.1mg/L以下 0.04mg/L以下 1mg/L以下 0.006mg/L以下
項 目 トリクロロエチレン テトラクロロエチレン 1,3-ジクロロプロペン チウラム シマジン
基準値 0.03mg/L以下 0.01mg/L以下 0.002mg/L以下 0.006mg/L以下 0.003mg/L以下
項 目 チオベンカルブ ベンゼン セレン 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 ふっ素
基準値 0.02mg/L以下 0.01mg/L以下 0.01mg/L以下 10mg/L以下 0.8mg/L以下
項 目 ほう素 1,4-ジオキサン - - -
基準値 1mg/L以下 0.05mg/L以下 - - -
海域については、ふっ素及びほう素の基準値は適用しない。

ダイオキシン類による水質の汚濁及び土壌の汚染に係る環境基準
媒 体 基準値
水 質(水底の底質を除く) 1pg-TEQ/L以下
水底の底質 150pg-TEQ/g以下
土 壌 1000pg-TEQ/g以下

A生活環境の保全に関する環境基準
ア 河川
 a 河川(湖沼を除く。)
  
(ア)

利用目的の
適応性
基準値 環境のめやす

水素イオン濃度
(pH)
生物化学的酸素要求量
(BOD)
浮遊物質量
(SS)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌
群数
A
A
水道1級
自然環境保全
及びA以下の欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 1mg/L
以下
25mg/L
以下
7.5mg/L
以上
50MPN/
100ml
以下
ヤマメ

A 水道2級
水産1級
水浴
及びB以下の欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 2mg/L
以下
25mg/L
以下
7.5mg/L
以上
1,000MPN/
100ml以下
ニジマス


B 水道3級
水産2級
及びC以下の欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 3mg/L
以下
25mg/L
以下
5mg/L
以上
5,000MPN/
100ml以下
アユ
C 水産3級
工業用水1級
及びD以下の欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 5mg/L
以下
50mg/L
以下
5mg/L
以上
- コイ
D 工業用水2級
農業用水
及びEの欄に掲げるもの
6.0以上8.5以下 8mg/L
以下
100mg/L以下 2mg/L
以上
- フナ
E 工業用水3級環境保全 6.0以上8.5以下 10mg/L
以下
ごみ等の浮遊が認められないこと 2mg/L
以上
- ドジョウ


(イ)
項目 水生生物の生息状況の適応性 基準値
類型 全亜鉛
生物A イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 0.03r/L以下
生物特A 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.03r/L以下
生物B コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 0.03r/L以下
生物特B 生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.03r/L以下



b 湖沼(天然湖沼及び貯水量1,000万立方メートル以上の人工湖)
 (ア)

利用目的の
適応性
基準値 環境のめやす

水素イオン濃度
(pH)
化学的酸素要求量
(BOD)
浮遊物質量
(SS)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌
群数
A
A
水道1級
水産1級
自然環境保全
及びA以下の欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 1mg/L
以下
1mg/L
以下
7.5mg/L
以上
50MPN/
100ml
以下
ヒメマス


A 水道2、3級
水産2級
水浴
及びB以下の欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 3mg/L
以下
5mg/L
以下
7.5mg/L
以上
1,000MPN/
100ml以下
アユ
B 水産3級
工業用水1級
農業用水
及びCの欄に掲げるもの
6.5以上8.5以下 5mg/L
以下
15mg/L
以下
5mg/L
以上
- ワカサギ


C 工業用水2級
環境保全
6.0以上8.5以下 8mg/L
以下
ごみ等の浮遊が認められないこと。 2mg/L
以上
- コイ

 (イ)

基準値 環境のめやす

利用目的の適応性 全窒素 全燐
I 自然環境保全
及びU以下の欄に掲げるもの
0.1mg/L以下 0.005mg/L以下 ヒメマス


II 水道1、2、3級(特殊なものを除く。)
水産1種
水浴
及びV以下の欄に掲げるもの
0.2mg/L以下 0.01mg/L以下 アユ
III 水道3級(特殊なもの)
及びW以下の欄に掲げるもの
0.4mg/L以下 0.03mg/L以下 ワカサギ


IV 水産2種及び
Xの欄に掲げるもの
0.6mg/L以下 0.05mg/L以下 コイ
V 水産3種
工業用水
農業用水
環境保全
1mg/L以下 0.1mg/L以下 フナ

 (ウ)
項目 水生生物の生息状況の適応性 基準値
類型 全亜鉛
生物A イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 0.03r/L以下
生物特A 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.03r/L以下
生物B コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 0.03r/L以下
生物特B 生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.03r/L以下



イ 海域
 (ア)

利用目的の
適応性
基準値 環境のめやす

水素イオン濃度
(pH)
化学的酸素要求量
(COD)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌
群数
n-ヘキサン
抽出物質
(油分等)
A 水産1級
水浴
自然環境保全
及びB以下の欄に掲げるもの
7.8以上
8.3以下
2mg/L以下 7.5mg/L
以上
1,000MPN /
100ml以下
検出されないこと マダイ マダイ
B 水産2級
工業用水
及びCの欄に掲げるもの
7.8以上
8.3以下
3mg/L以下 5mg/L以上 - 検出されないこと ボラ ボラ
C 環境保全 7.0以上
8.3以下
8mg/L以下 2mg/L以上 - -

 (イ)

利用目的の適応性 基準値

全窒素 全燐
I 自然環境保全
及びU以下の欄に掲げるもの(水産2種及び3種を除く。)
0.2mg/L 以下 0.02mg/L以下
II 水産1種
水浴
及びV以下の欄に掲げるもの(水産2種及び3種を除く。)
0.3mg/L以下 0.03mg/L以下
III 水産2種
及びWの欄に掲げるもの(水産3種を除く。)
0.6mg/L 以下 0.05mg/L以下
IV 水産3種
工業用水
生物生息環境保全
1mg/L 以下 0.09mg/L以下

 (ウ)
項目 水生生物の生息状況の適応性 基準値
類型 全亜鉛
生物A 水生生物の生息する水域 0.02r/L以下
生物特A 生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.01r/L以下


水質の監視
河川、湖沼などの公共用水域は、生活用
水、  工業用水、農業用水や漁業など
幅広く利用されると同時に、人々にうるお
いと安らぎを与えてくれる大切な場でもあります。
 これらの公共用水域の水質保全を図
るため、兵庫県では、水質汚濁防止法第
16条に定めらた測定計画に基づき、常時
監視を行っています。
 この調査で得られた測定データは、公
表し、環境基準の達成状況の確認や汚
濁原因の解明などに利用されています。 
 
漁業・環境調査船「新ひょうご」
漁業・環境調査船「新ひょうご」
 

水質の現状
 河川の水質は、人の健康の保護に関する環境基準については、一部の項目を除き環境基準
を達成しています。基準超過の原因はすべて自然由来であり、地質による自然的な影響や海
水の影響を受けたもので、いずれの地点でも、利水状況からみて健康に影響が生じるおそれは
ありません。
 また、湖沼・海域の水質は、人の健康の保護に関する環境基準については、測定したすべて
の地点で環境基準を達成しています。
 一方、生活環境の保全に関する環境基準については、河川のBODについては改善がみられる
ものの海域のCODについては近年横ばい状態で推移しています。



ひとくちメモ
■BOD(生物化学的酸素要求量)
 水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、河川の有機汚濁を測る代表的な指標。
■COD(化学的酸素要求量)
 水中の有機物を酸化剤で化学的に分解した際に消費される酸素の量で、湖沼、海域の有機汚濁を測る代表的な指標。
■SS(浮遊物質量)
 水中に浮遊している繊細な固形物の量。
■DO(溶存酸素量)
 水中に溶けこんでいる酸素の量を示す指標です。この項目は上の3項目と異なり、数値が高いほど環境条件は良いとされています。
■pH(水素イオン濃度指数)
 水質の酸性あるいはアルカリ性の程度を示す指標であり、pH7は中性を示し、それ以上の数値はアルカリ性それ以下は酸性を示します。
■大腸菌群数
 大腸菌およびこれときわめてよく似た性質をもつ菌の総称で、大腸菌自体は人の健康に有害なものでないが、病原菌等による汚濁の指標として用いられます。
■汚濁負荷量
 BODやCODなどの濃度に水量を乗じて、汚濁物質の量を表したものであり、総量規制ではCOD・窒素・燐の汚濁負荷量を対象としています。


水質汚濁防止のために

 水質の汚濁は、工場などからの産業排水や炊事・洗濯・便所などの生活排水、畜産排水などによって引き起こされます。そこで、県ではこれらについて、それぞれ汚濁物質の排出量を減らすようさまざまな対策を進めています。

規制のしくみ


  詳しくは・・・「政策・計画・方針等 : 水質汚濁・地盤沈下
            「環境データ : 水質汚濁・地盤沈下化学物質