平成12年度ゴルフ場農薬水質調査結果について
記者発表資料(資料配布)
1 発表項目名
平成12年度ゴルフ場農薬水質調査結果について
2 発表(配布)日
平成 13年 08月 28日(火)
3 担 当 部局名 県民生活部 課 名 環境局:水質課
係 名 産業排水係
外郭団体名等
直通電話 (078)362-9094 庁内内線
3395
4 内 容
平成12年度ゴルフ場農薬水質調査結果について
ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁防止を図るため、平成2年度か
ら、ゴルフ場の排出水並びに周辺及び下流の公共用水域において水質調査を
実施している。平成12年度の調査結果は次のとおりである。
1.ゴルフ場農薬排出水調査
(1)調査の概要
1)調 査 時 期 平成12年春(5〜7月)及び秋(10〜11月上旬)
2)調査ゴルフ場数 春91箇所、秋92箇所(年間調査実数116箇所)
春期調査及び秋期調査の対象箇所は、過去の調査結
果等を勘案し選定。
なお、全ゴルフ場数は139箇所。
3)調査地点数 延321地点(原則として1ゴルフ場当たり2地点、
採取地点は排水口または調整池)
4)調査対象農薬 国の暫定指導指針値設定農薬成分 35成分
(内訳)殺虫剤 8成分
殺菌剤 13成分
除草剤 14成分
5)調査機関 県(保健所・県立公害研究所)
姫路市、西宮市、加古川市
なお、神戸市は別途、市内のゴルフ場について調査
を行っている。
(2)調査結果
春6,090検体及び秋6,195検体、合計12,285検体につ
いて分析を行った。このうち殺虫剤フェニトロチオン1検体が、国が定
めた暫定指導指針値を超過した。
検出値 殺虫剤フェニトロチオン
0.038mg/L
(国の暫定指導指針値
0.03mg/L)
このほか、殺虫剤ダイアジノン、殺菌剤フルトラニル、除草剤ジチオ
ピルなどが、春の調査では13成分93検体、秋の調査では17成分
253検体、計18成分346検体が検出されたが、いずれも指針値を
下回っていた。
(3)暫定指導指針値を超過したゴルフ場に対する措置
指針値超過の判明後直ちに、当該ゴルフ場の排出水の再調査及び下流
の河川調査を実施した。その結果、排水口では0.0013mg/Lと暫定指導指
針値を大きく下回っていた。河川調査では0.0006mg/Lと公共用水域に係
る要監視項目の指針値(0.003mg/L)以下であった。
また、当該ゴルフ場に対し、農薬の使用方法の改善等を指導した。
2.ゴルフ場農薬環境水質調査
(1)調査の概要
1)調 査 時 期 平成12年春(5〜7月)及び秋(10〜11月上旬)
2)調査地点 ゴルフ場が数多く立地している次の河川7水系
25地点
武庫川水系7地点:内神川砂郷橋、山田川ダム流入前、
武庫川亀治橋、名塩川新興橋、惣川新惣川橋、
武庫川宝塚新大橋、武庫川甲武橋
猪名川水系3地点:猪名川ゴルフ橋、一庫大路次川流末、
猪名川軍行橋
加古川水系10地点:加古川前川橋、篠山川京口橋、加古川重春橋、
加古川闘龍灘、千鳥川落合橋、東条川小田上橋、
万願寺川原橋、美嚢川細川橋、志染川長早橋、
加古川上荘橋
千種川水系2地点:千種川小赤松橋、千種川富原橋
市川水系 1地点:市川屋形橋
夢前川水系1地点:夢前川蒲田橋
円山川水系1地点:稲葉川佐田橋
3)調査対象農薬 環境庁の暫定指導指針値設定農薬成分 35成分
(内訳)殺虫剤 8成分
殺菌剤 13成分
除草剤 14成分
4)調査機関 県(保健所・県立公害研究所)
(2)調査結果
春の調査において、1地点で除草剤ピリブチカルブが検出された。
猪名川水系猪名川ゴルフ橋 除草剤ピリブチカルブ 0.0006mg/L
(水道水に係るゴルフ場使用農薬の水質目標
ピリブチカルブ
0.02mg/L以下)
秋の調査では、1地点で殺菌剤イソプロチオランが、2地点で殺菌剤
フルトラニルが検出された。
加古川水系篠山川京口橋 殺菌剤イソプロチオラン 0.0009mg/L
(公共用水域に係る要監視項目の指針値
イソプロチオラン 0.04mg/L以下)
加古川水系篠山川京口橋 殺菌剤フルトラニル 0.0018mg/L
加古川水系美嚢川細川橋 〃 0.0006mg/L
(公共用水域等における農薬の水質評価指針値
フルトラニル 0.2mg/L以下)
3.評 価
(1)春の調査において、1ゴルフ場で殺虫剤フェニトロチオンが暫定指導
指針値を超えていたが、再調査では指針値を大きく下回っていた。また、
ゴルフ場に対し農薬の使用改善の指導を行うとともに、ゴルフ場下流の
河川水では公共用水域に係る要監視項目の指針値を下回っていた。
(2)河川水質調査では、3地点において3成分の農薬が検出されたが、い
ずれも公共用水域や水道水に係る指針値、水質目標等を下回っていた。
(3)このことから、特に人の健康への影響はないものと考えられる。
4.今後の対応
ゴルフ場農薬について、引き続き暫定指導指針値の遵守を図るため、周
辺環境に配慮した使用方法の推進及び適正管理について指導の徹底を図っ
てい