環境の現況(平成12年度)    

記者発表資料(資料配布)

1 発表項目名
   環境の現況(平成12年度)     環境の現況のPDFファイルはこちらをご覧下さい。

2 発表(配布)日
  平成 13年 08月 20日(月)

3 担 当 部局名 県民生活部 課 名 環境局:環境情報センター
     係 名 環境情報センター
    直通電話 078-362-3276 庁内内線 3336

4 同時発表(配布)先 神戸市、姫路市、尼崎市、西宮市、明石市、加古川市及び各県民局

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内 容

  環境の現況(平成12年度)について《概要》

第1 一般環境大気汚染の現況
1 二酸化硫黄(SO2)
全測定局(56局)のうち環境基準の長期的評価では、前年度と同様、
全測定局で環境基準を達成している。短期的評価では、三宅島噴火の影
響で8局において2日間1時間ないし2時間基準値を超えたときがある(平
成11年度は全測定局で達成)。
濃度の経年変化をみると、近年低濃度で推移している。

2 二酸化窒素(NO2 )
前年度と同様、全測定局(60局)で環境基準を達成している。
濃度の経年変化をみると、近年横ばいの状況にある。

3 浮遊粒子状物質(SPM)
全測定局(60局)のうち環境基準の長期的評価では、前年度と同様、
全測定局で環境基準を達成している。短期的評価では、38局が達成して
いる(平成11年度は60局中7局で達成)。
濃度の経年変化をみると、平成元年以降減少傾向にある。

4 有害大気汚染物質
県下8地点において19種類の物質について測定した。
環境基準が定められている3種類の物質については、年平均値で評価す
ると、すべての地点で環境基準を達成している(平成11年度はベンゼン
について2地点で達成していなかった)。

5 光化学スモッグ
光化学スモッグ広報等の発令は、予報8回、注意報17回(平成11年度は、
予報5回、注意報7回)で、昭和46年の制度開始以来最多の61地域に注意報
の発令があった。

6 酸性雨
県下3地点(神戸、豊岡、柏原)における雨水のpHの年平均値はともに
4.5である。pH値の経年変化をみると、平成2年度以降、多少の変動はあ
るものの、ほぼ横ばいの状況にある。

第2 自動車公害及び航空機公害の現況
  1 自動車排出ガス
(1)二酸化窒素は、自動車排出ガス測定局(29局)のうち24局で環境基準
を達成している(平成11年度は、29局中24局で達成)。
濃度の経年変化をみると、近年はほぼ横ばいの状況にある。
また、環境基準を達成していない局は5局あり、平成9年度(10局)平成
10年度(6局)平成11年度(5局)と減少傾向にある。

(2)一酸化炭素は、前年度と同様、自動車排出ガス測定局の全測定局(25
局)で環境基準を達成している。濃度の経年変化をみると、減少傾向にあ
る。

(3)浮遊粒子状物質は、自動車排出ガス測定局(17局)のうち14局で環境基
準を達成している(平成11年度は15局中14局で達成)が、ここ数年、神戸
・阪神及び播磨地域において、同基準を達成していない測定局が数局ある。
濃度の経年変化をみると、平成元年度以降減少傾向にある。

2 自動車の騒音及び振動
移動観測車による主要幹線道路(20道路)沿道の騒音及び振動の測定結
果は次のとおりである。
(1)騒音は、28測定地点のうち13 地点で全時間帯(昼、夜)で環境基準
を達成しているが、10地点で全時間帯(昼、夜)で環境基準を超過し、
5地点で一部の時間帯で環境基準を超過している。
(2)振動は、28測定地点の全時間帯(昼、夜)について要請限度を下回っ
ている。

3 航空機騒音
前年度と同様、固定測定局12局中8局で環境基準を達成している。大阪国
際空港周辺の航空機騒音は、関西国際空港の開港により、騒音の高い国際
線の移転及び飛行機便数の減少等で大きく改善されたが、全ての地点が環
境基準を達成するまでにはいたっていない。

第3 水質汚濁の現況
1 公共用水域
 (1) 健康項目
人の健康の保護に関する項目については、26項目のうち、ふっ素及びほう
素を除く24項目について、全ての測定地点で環境基準を達成している。
ふっ素については、5地点で環境基準を超過してるが、地質による自然由
来の影響である。
また、ほう素については、3地点で環境基準を超過しているが、これらの
地点は、いずれも感潮域であることから、海水の影響によるものである。

  (2) 生活環境項目
生活環境の保全に関する項目については、有機汚濁の代表的指標である生
物化学的酸素要求量(BOD)(河川)及び化学的酸素要求量(COD)(海域及び湖沼)
により環境基準の達成状況をみると、河川では38水域中34水域、海域では26
水域中20水域で環境基準を達成している。
湖沼1水域では、環境基準を達成していない。
測定検体の環境基準適合率は、平成11年度より河川で1.3ポイント、海域で3.6
ポイント低下し、湖沼では変化はなかった。

  2 地下水質
  (1) 概況調査等
   @ 概況調査(調査機関:姫路市)
市域の全体的な地下水質の状況を把握するため、20地点について調査を
行った。
   すべての項目について環境基準を達成している。
   A 定点調査
   (調査機関:近畿地方整備局、兵庫県、神戸市、尼崎市、明石市、
   西宮市、加古川市)
本調査は、測定点を固定して継続的なモニタリングとして定期的に実施
するものであり、県内194地点で調査を行った。
このうち、環境基準を超過した地点は、砒素で1地点、有機塩素系化合物
で1地点、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で6地点並びにふっ素で2地点である。

  (2) 定期モニタリング調査(汚染地区)
過去に汚染が発見された井戸周辺地区等の継続的な監視のため、17市13町
の72地区(242地点)で調査を行った。
内訳は、鉛4地区(13地点)、砒素14地区(41地点)、有機塩素系化合物34地
区(138地点)、ふっ素9地区(18地点)、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素11地区
(32地点)である。
その結果、鉛1地区(2地点)、砒素7地区(13地点)、有機塩素系化合物23地区
(41地点)、ふっ素7地区(7地点)、硝酸性窒素・亜硝酸性窒素7地区(9地点)
で環境基準を超過している。
鉛、砒素及びふっ素については自然由来と考えられ、有機塩素系化合物につ
いては、原因者に対し浄化技術指導等行っている。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒
素については、人為的な要因であると考えられるが、今後関係機関と協議しな
がら究明していく。

第4 公害苦情の現況

県及び市町が新規に受理した苦情件数は 3,603件で、平成11年度(3,302件)
に比べて 301件増加している。このうち、典型7公害に係るものは 2,912件
(80.8%)で、平成11年度(2,538件、76.9%)に比べて 374件増加している。
  また、典型7公害以外の苦情(不法投棄、害虫等の発生、動物死骸の放置等)
は 691件(19.2%)である(平成11年度は764件、23.1%)。
  典型7公害について種類別に見ると、前年度と同様、大気汚染が最も多く、
次いで騒音、悪臭、水質汚濁、振動、土壌汚染の順となっている。

第5 ダイオキシン類に係る環境調査の状況
  1 大気
年4回の地点別年平均値で見ると、その範囲は 0.051〜0.52(全平均値0.13
pg-TEQ /m3 )で、ダイオキシン類に係る大気環境基準(年平均 0.6 pg-
TEQ /m3)をすべての地点で満たしていた。
2 水質・底質
(1) 水質
河川では0.071〜0.92pg-TEQ/L、湖沼では0.066〜0.084pg-TEQ/L、海域で
は0.065〜0.17pg-TEQ/Lである。すべての地点で、ダイオキシン類に係る水
質環境基準(年平均1pg-TEQ/L)を満たしている。
(2) 底質
河川では0.068〜44pg-TEQ/g、湖沼では3.9〜9.4pg-TEQ/g、海域では0.36
〜20pg-TEQ/gである。底質についてはダイオキシン類に係る環境基準が定め
られていないが、環境省及び国土交通省が平成11年度に実施した全国的な調
査の結果(0.066〜230pg-TEQ/g)の範囲内である。
3 地下水
濃度範囲は、0.066〜0.20pg-TEQ/Lで、すべての地点でダイオキシン類に係
る水質環境基準を満たしている。
  4 土壌
濃度範囲は、0.099〜21pg-TEQ/gで、すべての地点でダイオキシン類に係る
土壌環境基準(1,000pg-TEQ/g)を満たしている。